禁断って何?
最新 最初 🆕
#801 [シバ]
お久しぶりです!
更新出来なくてすみません…
皆様、地震の方大丈夫だったでしょうか?

シバの方は…はい



今日から完結に向けて頑張っていきます!更新遅れて本当に申し訳ありません

⏰:11/05/10 23:48 📱:F02B 🆔:NRiVRra6


#802 [シバ]
>>796

なんと言うか、もう…
嬉しかった!
の一言。

友達から恋人に変わる瞬間って、本当に可笑しくなるくらい心が弾む!
電話だったからリアルな感じがしなかったっていう思いと共に、シバはウハウハだった。


その日から、毎日理彩ちゃんとメール、電話、メール、電話
生意気にも好きとか愛してるとか言ってみたり(笑)

⏰:11/05/10 23:54 📱:F02B 🆔:NRiVRra6


#803 [シバ]
遠距離ってわけではないけど、なかなか簡単には会いに行けない距離だから月に2回くらいだったかな?
会いに行ってたのは…

会って何をするってワケでもないけど、とりあえず一緒にいたかった!
ゆっくりして理彩ちゃんが手料理作って一緒に食べて、ブラブラして、夜営んで…みたいな感じっす(笑)

自分の目の前に大切な人がいるって、こんなにも温かくて幸せなことなんだ…
シミジミしてるシバは理彩ちゃんのことで頭がいっぱい。

⏰:11/05/11 00:01 📱:F02B 🆔:SRWnbjwg


#804 [シバ]
幸せ…
イコール幸せとは限らないものだ。

幸せ=壁

こんなに早くぶち当たることになるなんて…

⏰:11/05/11 00:06 📱:F02B 🆔:SRWnbjwg


#805 [シバ]
理彩ちゃんと付き合うことになって、2ヶ月経ったくらいだろうか…

ゆーちゃんが高校3年生の時にその代の先輩達が卒業製作か何かで作った文集がある。
シバは久しぶりに引っ張り出してそれを読んでいた。
ゆーちゃんの文章能力に驚きながら、久しぶりに昔話をしたくなって夜8時くらいにゆーちゃんに電話をかけた。

…出ない。

可笑しいな…
いつもならすぐに出てくれるのに。

⏰:11/05/11 00:13 📱:F02B 🆔:SRWnbjwg


#806 [シバ]
すぐにメールがきた。
ゆーちゃんから。

『お疲れ!ごめん、今電話出れない。ってか、聞きたいことがあるんだけど、後で電話していい?』

ゆーちゃんから、こんな冷たい?冷めたような感じのメールを送られてきたのは初めてだった。
絵文字なしのメールが初めてだったから不安になった感じ。
どうしたんだろう?っていう思いが出てくる前に、猛烈な寒気がした。

聞きたいことって…?
まさか…理彩ちゃんとのこと?

⏰:11/05/11 20:44 📱:F02B 🆔:SRWnbjwg


#807 [りか]
更新されてて嬉しいです!シバさんのペースで結末まで頑張って下さいね

⏰:11/05/15 00:28 📱:N01B 🆔:☆☆☆


#808 [シバ]
りかさん
ありがとうございます!
完結させますんで最後までよろしくお願いします!

>>806
その日の夜、シバは妙に落ち着かなかった。
理彩ちゃんとのことを聞かれたらどうしよう…
素直に付き合ってるよって伝えるべきだろうか?
それとも黙っていようか?

ソワソワしてテレビをつけたり消したり、水を飲んだり雑誌を広げたり閉じたり…

⏰:11/05/16 19:02 📱:F02B 🆔:dmJhr3CI


#809 [シバ]
日付が変わってすぐ、ゆーちゃんから着信が…
寝たふりでもしようか?
でも、逃げたっていつかはぶつかる壁…
ってか、もしかしたら別の用事かもしれないし…

「…もしもし?」

普通通りに接することを決め、通話ボタンを押した。

「あ、シバ?ごめん。寝てた?」
「いや、寝てないけどうつらうつらと」

本当は眠さが吹っ飛ぶくらいゆーちゃんからの電話を恐れてオドオドしてた。

だけど…

⏰:11/05/16 19:12 📱:F02B 🆔:dmJhr3CI


#810 [シバ]
めちゃくちゃ普通だった。
拍子抜けして、さっきの昔話まで出来てしまう始末。

なんだ!
変な勘違いだったんだ!
ゆーちゃんもゆーちゃんで、野菜ジュースをたくさん貰ったからあんたに送ろうか?飲める?とか、主婦みたいな事を聞く為にシバに電話しようとしてたらしい。

よかった〜。






…と見せかけて、ゆーちゃんから本題があるとの事…
妙な空気になった。

⏰:11/05/16 19:17 📱:F02B 🆔:dmJhr3CI


#811 [シバ]
「昨日ね、母さんと久しぶりに電話したのね?」
「うん」
「あんた達、結構頻繁に会ってるらしいね」
「あんた達?」
「あんたと理彩」

うわ…


「頻繁って訳じゃないけど…」
「あたしが電話した時、友達と会うって言ってたけど理彩に会ってたみたいだね。なんで理彩と会うって言ってくれなかったの?」
「…別に深い意味はないけど」

理彩ちゃんに初めて会いに行った時の事だ…
バレてしまった。

⏰:11/05/16 19:30 📱:F02B 🆔:dmJhr3CI


#812 [シバ]
「それなら、あたしを呼んでくれとは図々しいから言えないけど、何かさぁ…」
「まぁ、理彩ちゃんと会ったけど普通に遊んだだけだよ」

「…ふーん」
「何なの?何で?」

「別に…だってあんた達この間まで普通に他人みたいな感じだったじゃん。いつからそんなに2人きりで会うくらい仲良くなったの?しかも、あたしに秘密にする事なんてあるの?」
「だから深い意味はないってば」

「…ま、いいや。そんだけ。ごめん…あたしの勘違いならそれでいいんだけど。遅くにごめんね。おやすみ」

⏰:11/05/16 19:34 📱:F02B 🆔:dmJhr3CI


#813 [シバ]
一方的に電話を切られた。
ゆーちゃんの言葉はいつも遠回しに鋭い。気付いたのかな?

いつまでも隠してたって、いつかは分かってしまうことだとは分かってる。
親友が自分の妹と付き合ってるなんて、ゆーちゃんは絶対に認めてくれない。
女同士なんて、尚更認めてくれない。

シバが男として生まれていて、ゆーちゃんの弟だとしたら、ゆーちゃんは快く交際を認めてくれていたのだろうか?

究極な選択肢を与えられた気分になった。
大事な家族であるゆーちゃんを取るか。
大事なゆーちゃんの親友で、自分と同性の理彩ちゃんを取るか。

⏰:11/05/20 21:53 📱:F02B 🆔:DoUtbR6w


#814 [シバ]
ゆーちゃんとの一件以来、理彩ちゃんとは普通にラブラブ過ごしていた。
ゆーちゃんは理彩ちゃんに何も聞かなかったのだろう。
親友としての信頼みたいなものなのか?
もしくはそこまで深く考えていないのだろうか?

シバもシバで、理彩ちゃんにはゆーちゃんとの電話のことを話さなかった。


…怖かった。


シバは最低だ。
ゆーちゃんよりも理彩ちゃんを失うことが怖かったのだ。
理彩ちゃんに話してしまったら、理彩ちゃんは絶対にゆーちゃんを選ぶ。
なんとなく、そんな結果になるだろうと心の奥底では分かっていたんだ。
例え、毎日メールや電話をしてラブラブだったとしても…

⏰:11/05/20 21:59 📱:F02B 🆔:DoUtbR6w


#815 [我輩は匿名である]
また止まっちゃった

⏰:11/05/27 10:37 📱:CA004 🆔:Be/Z/LpY


#816 [我輩は匿名である]

放置はよくないって

⏰:11/06/14 18:25 📱:CA004 🆔:QRXwUQS6


#817 [シバ]
お久しぶりです

長い間更新出来ず、本当に申し訳ありませんでした
放置…というよりは更新出来ない状況に置かれてしまい…

それは、これから更新していく中でお伝えしていけたらなぁ…と思っております
以前、感想板の方にも事情を説明させて頂きました

度々止まることがあると思いますが、よろしくお願い致します
本当に申し訳ありませんでした

⏰:12/02/26 19:40 📱:F02B 🆔:mXaZW6fM


#818 [ゆー]
待ってました

⏰:12/02/28 19:56 📱:840P 🆔:IfFvQHew


#819 [シバ]
ゆーさん、ありがとうございます!

少しだけ更新します。

>>814

ゆーちゃんの言葉達は、洗礼にシバの心に残っていた。
理彩ちゃんとの電話やメールの内容が、自分でも分かるくらいギクシャクしていた。変に勘違いさせたくないから、メールはで一文一文、しっかりと考え、見直して送信。
電話は電話で、テンションを上げて仕事での出来事や友達との事を面白おかしく話しまくった。



それが逆効果だったのか、そこから「幸せ」という言葉が少しずつ「不幸」の二文字に変わり、剥がれ落ちていくことになる。

⏰:12/03/11 01:37 📱:F02B 🆔:jwzXrseE


#820 [シバ]
仕事に行く朝一、休憩時間、合間を見計らって仕事中、夜は夜でまったりメールをすることが、シバと理彩ちゃんの時間だった。
その瞬間が、何よりも幸せだった。
本当に…


何がきっかけっていうのは、シバもあまり覚えていない。
あの時は必死で必死で、藁にも縋る思いで追いかけて、幸せになりたくて幸せにしたくて…
1人の人間を愛し続けたくて…
悲しくて、いろんな気持ちが飛び交っていたのに…

時の流れって本当に残酷だ。
「過去」として、心の隅にポツンと残ってしまったような感覚。
悲しいけど、これが現実。

⏰:12/03/11 01:45 📱:F02B 🆔:jwzXrseE


#821 [シバ]
朝、シバが仕事場へ向かう時のことだった。
いつものように、何も変わり映えしない日常の中の1日。






理彩ちゃんからのメールが来ない。
おはようメールって、大体は理彩ちゃんから送ってくれていた。
それに応えるように、シバも送信。
この時は、「まだ寝てんのかな?」的な、ほんの疑問程度にしか取れなかった。
シバもシバで、朝は超低血圧人間。
職場へ向かうのも、朝礼ギリギリだった。だから頭がボーっとして、そこまで深く捉えていなかったんだと思う。


特に気にすることもなく、ケータイをポケットにしまい、朝礼に出た。

⏰:12/03/11 01:53 📱:F02B 🆔:jwzXrseE


#822 [りか]
更新楽しみにしてます
シバさんのペースで無理なさらずお願いします

⏰:12/03/23 23:32 📱:N01B 🆔:☆☆☆


#823 [シバ]
りかさん
ありがとうございます♪
バラバラの更新ですみません(つд`)
今なら少し更新出来るので、少しだけ更新します!

>>821
仕事が始まって、ポケットからケータイを覗かせる程度引っ張り出して理彩ちゃんからのメールを確認する。
…来てない。
理彩ちゃんからのメールと着信はピンク色に光る。
それ以外の人は(家族含め)、グリーン。
ピンク色に光ってくれない。
仕事は仕事!で気持ち切り替えようとしても、テンションはガタ落ち。
シバは声にも表情にも出てしまうから、すぐ周りにバレてしまう…

⏰:12/04/09 00:20 📱:F02B 🆔:Nem9Ng3I


#824 [シバ]
「シバちゃん、今日元気ねぇな。朝飯食ってこなかったのか?(笑)」

当時、仲の良かった係長さんだ。

「朝は食べないですよ、自分」

「あ、そーなの?倒れるなよ(笑)今日、死にそうな顔してんぞ」


そんなつもりはないよ…
シバだっていつも通りに仕事したいよ。
いつも通りに朝一の幸せ感じたいよ。
シバの、一番大切な人からのメール読みたいよ…
あんたは当たり前のように奥さんに弁当作ってもらって、当たり前に家を出たんでしょ?
シバはそれが出来ないからメールなんだよ〜…
理彩ちゃんとの、この距離が憎いよ。


…どんだけ一途なんだ、シバって。

⏰:12/04/09 00:30 📱:F02B 🆔:Nem9Ng3I


#825 [シバ]
やっと1人になれた(>_<)
更新します!

距離…
この時は、この言葉のせいにしていた自分がいたのかもしれない。
自分だって、毎日一緒にいたかったのだから。


仕事中、まったくといっていい程、上の空。
気持ちの切り替えが下手くそなのは、今現在も変わらない。
リアルタイムなことを少し書かせて頂くと、人を信じることが怖いです。
シバは信じる気持ちが、人より強いみたい。
その結果、嘘、嘘、嘘…

…が、今のシバに与えられた試練みたい。どうして自分が?
早く今のシバをここに記したい。

けど、思い出を先に書き綴りたい…

⏰:12/06/07 05:38 📱:F02B 🆔:rBj10EoI


#826 [シバ]
昼休みになり、相変わらず鳴らないケータイとにらめっこ。
この時間まで、どれだけ長かったことか。

弁当の半分以上を食べきれず、昼寝の体勢を取って、ただ時間が過ぎるのを待つことに。
今思えば、自分からメールしてもよかったんじゃない?って地味に後悔してるかなぁ?
…まぁ、どっちにしても結果は同じだったけど。


昼休憩が終わっても、理彩ちゃんからのメールはなかった。




…が、次の休憩時間にピンク色に光るイルミネーションが見えた。

⏰:12/06/07 05:45 📱:F02B 🆔:rBj10EoI


#827 [シバ]
それは、シバのテンションが0からMAXになる瞬間だった。

『遅くなってごめんね。おはよう…な時間でもないね(笑)』

(本当は理彩ちゃん独特の可愛い絵文字や顔文字が使われています)


うわー!うわー!


浮かれてしまい、返信の為、う○こだと言いトイレへ駆け込んだ。


『まぁ、一応おはようだね(笑)返信ないから心配だったよ』

だけ送り、しばらく待つことに。

ニヤニヤが止まらない自分がいて、次の返信でニヤニヤを知らない自分になる。

⏰:12/06/07 05:52 📱:F02B 🆔:rBj10EoI


#828 [シバ]
『今ね、ゆかと一緒にいるんだ…』



ゆーちゃん?
2人は親友なんだから、ごく普通のメールなんだと捉える…ハズだった。


なんでゆーちゃんを優先して、シバにはメール1つ寄越さないんだ?
っていう考えの後、すぐに嫌な予感は的中した。

理彩ちゃんからのメールは続いていた。

『今ね、ゆかと一緒にいるんだ…話し込んでたらメール出来なかった…ごめん。(この辺あまり覚えてないけど、何か食べたとか面白かったとか無茶ぶりな会話を入れてた)…ってか、話ある』

また唐突な内容のメールだ。
けど、最後の一文は、いつか絶対言われる言葉だったと、何となくだけど分かってたよ。

⏰:12/06/07 06:02 📱:F02B 🆔:rBj10EoI


#829 [シバ]
何か食べたとか面白かったとか、無茶ぶりなメールは敢えて無視して、

『話って何?』

だけしか送れなかった。
理彩ちゃんも辛かっただろうに、少しも気を遣ってやれない、大人になれないシバに腹が立つ。

返信は早かった。

『りぃとシバ、付き合ってるじゃん?けど、付き合うって何?これから先、何か変わっていくの?』

変わっていくの?って…
何を期待してたの?
2人で築いていくんじゃないの?


そのままの言葉を返信。

⏰:12/06/07 06:08 📱:F02B 🆔:rBj10EoI


#830 [シバ]
『りぃはシバ、好きだよ。でも、ゆかも好き。周りの友達も、みんな好き。やっぱり「恋人」っていう固定はりぃには難しい。ゆかは親友だよ?りぃはシバもゆかも、どっちも大事なんだ。こんな考えって可笑しい?』


愕然とした。
言い方はかなり悪いけど、いつかはゆーちゃんという存在が邪魔をする事を、最初から知っていた。
だから驚く程の感情はなくてもよかったけど、遠まわしでも、いざ「別れ」という言葉を突きつけられると、ショックはデカい。

シバは理彩ちゃんが好き、ゆーちゃんも好き。
理彩ちゃんはシバもゆーちゃんも好き。

そうなったら、誰が誰を取るとか、ズルい感情はいらない。

でも、シバは本当に幼かった。

『シバはりぃが好き!りぃを取る!』

⏰:12/06/07 06:17 📱:F02B 🆔:rBj10EoI


#831 [我輩は匿名である]
>>300-500
>>501-700
>>701-900

⏰:12/06/09 19:17 📱:P02A 🆔:t/6q1ssQ


#832 [我輩は匿名である]
更新お願いします(>_<)

⏰:13/06/18 22:19 📱:iPhone 🆔:scV91eWo


#833 [シバ]
1年も経ってしまいました。

以前ネタバレとして書かせて頂きました通り、今一緒にいる女のせいで人生めちゃくちゃ&この『禁断って何?』の存在を知ってたのか、仕事以外ではケータイを取り上げられてまして、からの最悪な詐欺に合いました。
スマホに買い替えることも出来ない状況を作られてしまった。


これから這い上がりたい!
最近は同じ屋根の下にいても別居状態になれたので、これからは更新し放題です!

長くなってしまったけど、出来る限り更新して完結させます。
そして、自分の過去にけじめと整理をつける為にも、書かせてください!

更新していきます!

⏰:13/06/22 10:56 📱:F02B 🆔:gy2YmbyQ


#834 [シバ]
>>830

理彩ちゃんからの返事が止まってしまった。
終わるなんて考えたくない。
会い会いに行ったら、何か変わるかもしれない!
先のことを考えてみても、最終的には理彩ちゃんを失いたくない結論に至る。
この時は、何があっても失うなんてことはないだろうって思ってたんだ。

恋愛はやっぱりフィーリング!
メールや電話じゃなくて、一度会うだけで人の心は変わる。
ドラマみたいな恋愛を信じてる自分はまさにメルヘン。
しかし、こんな状況では、ドラマを信じるしかない!


その後も理彩ちゃんとのギスギスした関係は続いた。

シバは理彩ちゃんに会いに行く突撃訪問計画を勝手に立てた。

⏰:13/06/22 11:52 📱:F02B 🆔:gy2YmbyQ


#835 [シバ]
理彩ちゃんに、今この状況で会いたいなんて言おうもんなら、絶対に拒絶される。
だったら、突撃するしかない。
それが当時のシバの最終手段。子供だなって思うよ。
ドラマを信じた結果なのか、最悪の結末を迎えることになる。

メルヘンもクソもない、アンハッピーエンド。






ギスギス言われても、いつも通り理彩ちゃんとメールしてた。
もうすぐ会いに行くんだから、変に刺激しないようにって感じのやり取りをしながらも、シバは駅のホームにいた。
途中、田舎道を走ってるせいか電波が悪くてメールを送れない場面もあった。
やましいことをしてるのかよく分からなかったけど、緊張の嵐で変にメールを送らなきゃ!っていう義務?みたいなのが頭にあったみたいで、電波障害でめちゃくちゃ焦ってしまった。

それでも、電車の景色はいつも優しかった。
理彩ちゃんに会いに行く時にいつも見てた光景。
状況がどうであれ、ホッとするものがあったのだ。
涙は出ない。
窓に頭を押し付けて、ただ呆然と見つめてた。

理彩ちゃんは、シバのこの行動を知ったら怒るだろうな。
はたまた、少しでも喜びを見せてくれるかもしれない。
シバが愛したバスケットボールと似た状況。

結果がすべて!

シバは結果をこの目で見ないと納得もクソもいかないだろう。

⏰:13/06/22 18:00 📱:F02B 🆔:gy2YmbyQ


#836 [シバ]
理彩ちゃんの住む街へ到着したのは夜の9時を回っていた。
泊まる場所とか着替えとか、なんにもなかった。
ってか、財布とケータイだけをポケットにぶち込んできただけ。

遊びに行く訳じゃないんだから、余計なものは何もいらない。

理彩ちゃんの気持ちを動かしたい!
その一心だけでここまで来た。
でも、ダメなら納得のいく答えが欲しい。
また昔みたいにゆーちゃん、理彩ちゃん、シバの3人で一緒に何かする!っていうのがなくなるとしても…


理彩ちゃんの家は、小さな陸橋が目印。
そこを抜けると、静かな住宅地に出て、大学があって公園がある。
そこの狭い変な道が2つに別れてて、右に行くとまったく知らない場所に出ちゃうから必ず左を行く。

すると、アパートが3つ並んでるから、一番奥の2階。


いつも軽い足取りでここまで来てたのに、今日は拳に力が入り、手汗がヤバい。
好きな人が住んでる場所は、いつだって特別だ。
特別の中に、今日は悪魔が潜んでいる。

何かを考え出すと足が竦んでしまう。
だから、ここまで来たらどうにでもなれ精神がないと、きっと切り抜けられない。

さっさと階段を上がって呼び鈴を鳴らした。

⏰:13/06/22 18:15 📱:F02B 🆔:gy2YmbyQ


#837 [シバ]
ピンポーン!

…しーん



え、いないの?
あと2回ほど鳴らしたけど、物音すら聞こえてこない。
シバだけど、いないの?

今度は声に出して呼んでみたけど、返事も足音も聞こえない。

呆然としちゃって、理彩宅のドアに寄りかかった。
なんで。
ってか、タイミングすら合わないんだ…シバとりぃって。

折れつつある心をなんとか立ち直らせようと、しばらくすれば帰ってくる精神で待つことに決めた。

階段から見える景色は、住宅ばかり。
そこに自分の知らない人間が、チャリに乗ってどこかに向かってるだとか、変わった色の車が通るだとか、どうでもいいことまで視界に入ってくる。
無意識のつもりだけど、ぼんやりと脳は働いていたみたい。

りぃは毎日、こんな光景を見て生活してるんだな。
いや、この土地の住人だから、そんなの当たり前の光景なんだろう。
ただの『他人』って感じで、無意識のうちにすれ違ったりしてるんだろう。
りぃは明るい子だから、挨拶とかしてるんかな?

究極の場(自分の中で追い詰められたけど、でもまだ分からないっていう中途半端などん底)になると、焦ってる割には適度に冷静な自分がいる。

寄りかかってるけど、立ちっぱなしのせいか、ふくらはぎ辺りがピリピリとダルくなってきた。
とりあえず、変質者と思われないように気をつけながらその場にしゃがみこんだ。

⏰:13/06/26 23:27 📱:F02B 🆔:NXEAkN/s


#838 [シバ]
1時間は経ったかな?
帰ってくる気配がまったくない。

すると、メールが入ってきた。

『シバっぽい子見たんだけど(笑)』


りぃの同級生からのメール。
今までの更新で省いてきたけど、りぃと出会ってからはりぃの友達とも仲良くなったので、一応連絡先を交換してました。
シバとりぃの関係を知ってる人と知らない人、様々だけど、今回メールをくれた人は、知ってる人。
ちなみに、ゆーちゃんとも仲良しである。


(理彩ちゃん?りぃ?話の中で呼び方が変わっちゃうことがありますが、同一なんでよろしくお願いします)


理彩ちゃんが住んでるアパートと真逆の方向に住んでる明子先輩からだった。
仲良くなってから『あっちゃん』って呼ぶようになったので、親しみはある。
ちなみに、あっちゃんのことを『あっちゃん』って呼び出してからは、理彩ちゃんはヤキモチのオンパレードだった。

「必要以上に仲良くはしないでね。りぃのシバなんだから」

そんなことを、りぃが裏であっちゃんに伝えてた事実を知った時は、なんとも言えない優越感に浸ったものだ。
そこまでシバのことを好きでいてくれてるんだな!

そんなことが多々あったものだから、理彩ちゃんとはこれから先もずっと恋人同士でいれる!

そんな自信がいい意味でも悪い意味でも、無駄にシバを勇気付けてくれていた。

⏰:13/06/26 23:40 📱:F02B 🆔:NXEAkN/s


#839 [シバ]
そんなあっちゃんからのメールは、意味深なものだった。
何かを探ってる?

でも、どっちにしろ理彩ちゃんのことを聞けるかもしれないし、好都合かもしれない。

『どこで?笑』

とだけ送って、また立ち上がってドアに寄りかかる。
すぐに返事がきた。

『公園の近く!りぃの家の近くだからもしかしたらって思って』

あっちゃんも理彩ちゃんのことをりぃと呼ぶ。
理彩ちゃんの友達で、りぃって呼ばない人はそうそういない。たぶん、りぃとあんまり仲良しでない人たちは理彩ちゃんって呼んでたはず。


いつ?何時くらい?
とかしつこく送るまでもなく、見られていたのなら正直に話すしかない…ってことで、あっちゃんの番号を選んで発信ボタンを押した。

『あっちゃん?シバです』

『はいよ。で、どうした?』

『どうしたじゃなくて(笑)シバ、今りぃの家の前にいるんだけど』

『え?なんで?りぃ何も言ってなかったよ』

相当びっくりした感じの反応だった。
そりゃそうだ。
だって約束のない突発的なシバの行動なんだから。

⏰:13/06/26 23:51 📱:F02B 🆔:NXEAkN/s


#840 [シバ]
『あはは。だって、りぃは知らないんだもん。シバの勝手な突撃訪問なんだ』

笑って話したけど、それを聞いたあっちゃんは黙り込んで、しばらく考えていた。

そこから、運命って言葉はこの世には存在しません!って叫びたくなるほどの事実を突きつけられる。

『いやね、なんていうか…りぃ、さっき地元に帰るって言って電車の時間調べてたんだよね』

『え?』

『髪切りたいとか久々に実家帰りたいとか、ちょっと前から言ってたから。んで、さっきってか、昼過ぎね。あたし、りぃとご飯食べに行ってて、準備しないと何とかかんとかってバタバタしてたんだよね。あたしの考えが間違ってなければ、たぶん帰っちゃったと思う』


絶句…ってなったらあっちゃんを困らせてしまうから、何とか陽気に喋るよう努めてみた。

『あ、そうなんだ。まいったね、これ(笑)じゃあ、シバと入れ違いだぁ』

『うーん…りぃはシバに何も言わなかったの?』

『うん。さっきまでメールしてたけど、返ってこないし』

『どうすんの?』

どうしようもない。

『帰るしかないよね(笑)』

あっちゃんはまた何か考え込んで、冷静に答えてくれた。

『とりあえず、うちに来る?』

⏰:13/06/27 00:07 📱:F02B 🆔:S22wC6RA


#841 [シバ]
歳の差はたったの2個なのに、どうしてこんなに大人に見えてしまうのだろうか。

『いや、それは迷惑だからやめとく』

『別に迷惑じゃねーし(笑)だって夜通しそこにいても、行き先変わってきちゃうよ』

ハテナ?って感じでシバが答えに困ると、

『お巡りさん家行きってこと!シバはよく知らない土地なんだから、ここは。変にウロウロさせたくないし、来ちゃったもんは仕方ないじゃん』

目頭が熱くなる。
どうしてそんなに優しいの、あなたは…
プラス、理彩ちゃんの帰省話を聞いたせいっていうのもあるけど、それからの優しさだから、自分みっともないし惨めだしで涙を誘われる。

『うん…ありがとう。行きます、あっちゃん邸』

『あっちゃん邸って名前はありがたいけど、普通のアパートだから(笑)期待しないでよ。ちなみに、うち分かる?』

『分かんない』

『んー、じゃあさ。大学の前にセブンイレブンあるでしょ。そこは分かる?』

『分かる』

『今からそこに向かってくれたら、ちょうどいい感じで合流出来ると思うから!うちとりぃん家の中間がちょうどそのセブンイレブンだから。歩かせちゃうけど、よろしく』

『分かった』

シバはイエスかノーしか答えてないのに、会話を進めるあっちゃんの優しさと行動力は凄い。
シバは理彩ちゃんの家をしばらく見つめてから、階段を降りた。

⏰:13/06/27 00:22 📱:F02B 🆔:S22wC6RA


#842 [我輩は匿名である]
失礼
>>500

⏰:13/06/28 07:22 📱:P02B 🆔:q2PtCNG.


#843 [我輩は匿名である]
>>600

⏰:13/06/28 07:24 📱:P02B 🆔:q2PtCNG.


#844 [シバ]
安価ありがとうございます(*^_^*)


肩を落としかけたけど、あっちゃんに会える。
なんだかんだで久しぶりだった。
理彩ちゃんのことをグチグチ言うつもりはないし、言ったところで理彩ちゃんに罪はない。
とりあえず、あっちゃんに会いたい…







「シバ!」

車と街灯の光の中、あっちゃんは現れた。
このあっちゃんの笑顔というのが、憎らしいほど可愛い。
口角がキュッと上がって、頬にえくぼができる。
長い髪をいつも上げて、うなじをくっきりと見せる。首が細くて長めなのだ。
あっちゃんが座って、俯きながらこちらを見上げて笑うたびに、シバは目を逸らさないととてもじゃないけど、あっちゃんの笑顔に…あっちゃんに引き込まれそうになるのだ。
そこに恋愛感情なんてないんだけど、照れるもんは照れる。

ちなみにあっちゃんの身長は168センチ。
例えるなら、『ギャルあがりの和風美人』…これが一番似合うだろう。
ちなみに理彩ちゃんとあっちゃんは軽い幼なじみ。中学が一緒で、就職先の土地がたまたま一緒っていう、運命的な友情が成り立っていた。

「あっちゃん!久しぶり!」

「久しぶりー♪元気そうだけど、超元気そうでもないねアンタ(笑)せっかくセブン来たんだから何か買ってこうか」

⏰:13/07/04 22:06 📱:F02B 🆔:8cCmD54.


#845 [シバ]
シバです。
人生グチャグチャになりました(笑)
それまでの経緯を書いていきますが、ちょっといろいろ問題だらけでして度々止まると思います…
勝手に完結まで突っ走らせて頂きます。
完結させる…よし!
同性に恋をされてる方へのメッセージを…
途中でリィの年齢差が2つになってるっていう打ち間違いがあるのですが、正しくは1つです。
修正申し訳ありません。


(続き)
あっちゃんと店内に入るなり、じゃがりこを2つ持って走ってきたあっちゃん。

「サラダとチーズ。あたし、じゃがりこメチャクチャ大好き。あたしの血液はじゃがりこで出来てるって言っても過言じゃない」

また笑う。
リィみたいに無邪気に笑う人もいれば、ゆっくりと口角をあげて綺麗に笑うあっちゃんもいる。
シバのこのどうでもいい顔が作り出す笑顔は、どちらに属しているんだろうと考える。
答えが分からないまま、あっちゃんは買い物魂に火がついたのかカゴにじゃがりこを入れ、ササッと歩き出す。

「シバー、飲み物選びな。今日はお姉さんが奢ってあげる」

あっちゃんの横顔をガン見した。
ゆーちゃんに、リィ、そしてあっちゃん。
シバの周りには美人さんが勢揃いだな。
シバがその輪に入ると完璧に浮いてる(悲しいけど)。

⏰:14/03/26 00:51 📱:F02B 🆔:51ePH.6s


#846 [シバ]
シバの視線を無視して、中腰のまま飲み物を手に取るあっちゃん。
100%果汁のオレンジジュース。

「シバは?…ってか、さっきから何ボーっとしてんのよ(笑)ほら、どれがいい?」

「炭酸かなぁ…ってか、奢ってもらうのは悪いから自分のは自分で買うよ」

あっちゃんは一瞬、何か言いたげな顔をして動きが止まった。

「まどろっこしい(笑)適当にバサバサ入れてくから、好きなの取って飲んでよ。お菓子持っておいで…って言ってもシバは同じこと言うだろうから、これも適当にバンバン入れてくからね」

圧倒された。
なんて大人なんだ、この姉さんは。
調子出てきたのか、アルコールまでカゴに入れやがった。

何食わぬ顔してレジに並ぶ、あっちゃんの横に行く。

「買い過ぎじゃない?大丈夫?」

年下なりに気を遣ったつもりだった。
あっちゃんはニコリと笑顔を見せると、前を向いた。
コンビニ高いよー…
軽く3000円いっちゃって余計テンパるシバ。
あっちゃんは鼻歌でも歌いそうな涼しい顔して会計を済ませていた。
店員さんへの「ありがとうございます」っていう言葉もしっかりと伝え、シバの背中を押して外に出た。

⏰:14/03/26 01:04 📱:F02B 🆔:51ePH.6s


#847 [シバ]
セブンイレブンからあっちゃん邸まで、そう遠くはなかった。
初めてきたあっちゃん邸。
リィの家とは違って、ちょっと男っぽい部屋だなっていう印象が残った。
キチッと整理はされてるんだけど、色合いとかが。
リィがピンクだの可愛い系を好むのに対して、あっちゃんは青とかのクール系。

「適当に座ってねー。あ、テレビつけて。あたし洗濯物干してきちゃうから」

「バタバタさせてごめんね」

「何言ってんの(笑)真面目過ぎると可愛くないぞ!お菓子とか適当に準備してて」

そう言うと、あっちゃんはベランダへと足を進めた。
シバもやっと落ち着いた感じがして、だらんと足を伸ばして座った。
窓の向こうで、ハンガーをカチャカチャ言わせる音がする。
テレビをつけるけど、変な疲れで眠さがあるのか瞼の奥が変にジンジンと痛んだ。
音だけ聞いて、テレビ画面からは目を離す。

5分後くらいに、あっちゃんは戻ってきた。

「準備しとけっつったのに、貴様…(笑)」

すっかり忘れてた。
目の奥が痛いとかって言って、買い物袋を放置してた。

「うわ、ごめんごめん」

買い物袋をサッと持ち上げたのはあっちゃん。
言葉の通り、本当に適当にいろんな物をズラズラとテーブルに並べて、じゃがりこを開封する。

⏰:14/03/26 01:21 📱:F02B 🆔:51ePH.6s


#848 [シバ]
カリッカリポリッポリ言わせながら、あっちゃんはじゃがりこを食べている。
「シバも食べていいからね。遠慮したらベランダで寝てもらうから」

「え…?」

「ん?食べろっつってんの」

あっちゃんのギャップだ。
綺麗なお姉さんがあぐらかいて、シバにじゃがりこを進めてくる姿はオッサン混じりで笑えてくる。
シバが反応した部分を、あっちゃんはちゃんと分かっていた。

「今日は泊まっていきな。あんた、かなり疲れた顔してる」

「…ありがとう」

「キツくなったら言いなよ。いつでも寝れる準備はしてるから。あたしのベッドしかないけど、嫌じゃないなら隣であたしも寝るし」

早速アルコールを口にするあっちゃん。
シバも酎ハイに手を伸ばす。

「お、シバってアルコールいける子だっけ?あれ?あんた二十歳超えてるよね?」

「とっくに超えてます(笑)いただきます」

喉が渇いてたから、ジュース感覚でグイッと半分以上を飲み干した。

「おー、酎ハイはジュースってか?シバって酒強い方?」

「いや、メチャクチャ弱い」

あっちゃんは一瞬ショートしたかのように、シバに問いかける。

⏰:14/03/26 01:34 📱:F02B 🆔:51ePH.6s


#849 [シバ]
「ちょっと待て!あんた、ご飯食べたの?」

シバは体育座りをして、あっちゃんの言葉を聞いていた。

「あー、バタバタしてこっち来たから何も食べてないよ」

あっちゃんは微妙な半笑いみたいな表情を浮かべて、その場に立ち上がる。

「早く言え(笑)酒弱いのに胃の中カラッポで酒飲んだら胃が荒れちゃうよバカ!ちょっとアルコールストップ!ストップ!アルコール!」

とかなんだか言いながら、すぐにキッチンへと向かった。
あー、本当にシバって酒弱いんだなー…熱いわー…とか考えながら、体が変な汗かいてることに気付いた。
疲れ、寝不足、空腹の三拍子が揃った中での酒一気飲みはダメっすねー。
熱いんだけど寒い。
これがまたたちの悪いアルコールパワー。
まただらんと足伸ばしてボーっとしてると、ジュージューと音がする中、なんかいい匂いがしてくる。

「おい、シバ!起きてるー?」

あっちゃんの声だ。
ちょっと大きめの声だった。

「起きてるよ〜」

「焼きそば作ってるから、食べなよ。食べるまで絶対寝かせないから(笑)。ってか、美味しそうだからあたしも食べよう♪」

とか何とか聞こえてきて数分後、2つの皿を持ったあっちゃんが登場した。

「ほれ、キャベツたっぷり焼きそば!とりあえず今すぐよく噛んで食べな」

⏰:14/03/26 01:49 📱:F02B 🆔:51ePH.6s


#850 [シバ]
あっちゃんと2人きりになったのはこれが初めてだ。
リィとあっちゃんとシバの3人の時は、あっちゃんはリィに対して今みたいな接し方をする。
3人となると、シバに対してはやんわりとした関係というか、遠慮がちというか、そんな接し方をしていた。
悪く言うと、本当に『他人』に対する感じ?

こうして2人きりになってみると、あっちゃんっていう人間のことがよく分かって面白い。
まぁ、事情が事情だけに『あっちゃんと仲良くなれた〜』なんて浮かれてる場合じゃないけど。

あっちゃん特製の焼きそばは大変美味でした。
キャベツがシャキシャキで、丁寧に豚肉ともやしとにんじんも入ってた。
あっちゃんも美味しそうに食べていた。

「シバに作ったつもりだったのにさ、匂い嗅いでたら食べたくなって具材と麺足しちゃった(笑)。ほら、この時間の麺類って特に美味しいし」

とか言って、2人でモリモリ食べた。
ヤバい、また食べたいってことを伝えると、

「嬉しいこと言ってくれるじゃない(笑)。こんなのでいいならいつでも作ってあげるわ」

って言葉をいただきました。
そして、アルコールの力恐るべし。
酔っ払いはしないものの、めったに飲まないってだけあって、体中が赤くなってフラフラだった。

「ダメだー、ちょっと横になっていいかな?」

足震えてて涙目。なんとまぁ、みっともない。
あっちゃんに散々迷惑かけたのに、そのあっちゃんの手を借りて立ち上がろうとするも力が入らず断念。

⏰:14/03/26 02:07 📱:F02B 🆔:51ePH.6s


#851 [シバ]
「ちょっと待ってて」

急に優しい声で話しかけた後、あっちゃんは立ち上がってどこかへ行ってしまう。
シバは土下座する体勢でペタンと床に引っ付いた。
心臓の音が早くて自分でもビックリしてしまう。

土下座の体勢のままで会話が始まる。

「何その体勢(笑)。どんだけ酒弱いの。おいで、膝枕してあげる」

「…なんですと?」

「え?背中さすってあげるから。布団持ってきたし、ちょっと休みな」

「いや〜、そりゃちょっとマズいんじゃないか」

「何で照れてんのよ(笑)。可愛いとこあるね、意外にも(笑)。そのままが楽ならそれでいいけど、土下座と膝枕どっちがいい?」

年上の綺麗なお姉さんってズルいですね。
不覚にもキュンとしてしまいました。

「…膝枕」

土下座のシバをズリズリ引っ張って、あっちゃんの膝にシバの頭をコテンと置いてくれた。

「よくできました…よいしょ。疲れてるんだよ。リィに話したいことあるだろうけど、今は自分のことだけ考えればいいの。あんたが落ち着いたら話聞くから」

そう言って背中スリスリしてくれる。
メチャクチャ落ち着きました。
あっちゃんの太ももは細かった。だから痛いんじゃないかと心配すると、今は自分のことだけ考えろって怒られました。

⏰:14/03/26 02:24 📱:F02B 🆔:51ePH.6s


#852 [シバ]
横になったシバに、あっちゃんは布団をかけてくれた。
しばらくは胃の中でアルコールがドタバタ暴れてて気持ち悪かった。
焼きそばのお陰で、心なしか楽ではあったけど頭ぐわんぐわんするし、心拍数早いし(あっちゃんの膝枕のせいもあるかも)、気持ち悪いし…
うぇ〜とかオェ〜とかバカな声出してると、あっちゃんは背中をポンポン叩き始めた。
赤ちゃんを寝かしつけるようなリズムの、あの叩き方。
あっちゃんと2人きりの空間で多少緊張してたシバだけど、あっちゃんマジックは凄かった。
リラックス感ハンパなくて、頭撫でられるとここから記憶が飛ぶまで時間はかからなかった。



パッと目が醒めると、あっちゃんの太ももの上だった。

「あれ、もう起きた?」
あっちゃんをボンヤリと見上げる。
「あんた、猫みたい。丸くなってスースー寝るんだもん(笑)」

おでこがヒンヤリした。
どこからか持ってきた冷えピタが貼られていることに気付く。
「いっぱい汗かいてたから、勝手に貼っちゃった。大丈夫?」

スッキリ感はないけど、1時間は寝てたのか起き上がれる気力は余裕であった。

「汚い汗かきまくってごめんよ、明子先輩」

「寝起き早々で申し訳ないけど、今更明子先輩とかキモいからやめれ(笑)。普通にあっちゃんか明子って呼べ」

⏰:14/03/27 00:44 📱:F02B 🆔:V1O6Amk6


#853 [シバ]
あっちゃんは笑いながら、濡れたタオルをテーブルにポイッと置いた。
どうやら、冷えピタだけじゃ間に合わないくらいシバの体が熱を持っていたらしく、わざわざタオルを濡らして汗を拭いてくれてたらしい。
行き当たりばったりでここまで来て、無計画が無計画を呼んで一匹狼になったシバに救いの手を伸べ、かつ酔っ払いの介護までしてくれたことに酷く自分の行動を反省した。

「ありがとね、なんか色々…」

そう言って起き上がると、あっちゃんは足をピーンと伸ばした。

「いえいえ。アイタタタタ…痺れたわ。よく考えたら久しぶりに正座したかも(笑)。まぁ、お目覚めってことでこれでも飲めや。酔いも醒めるかもよ」

そう言って烏龍茶を渡してくれた。
喉が渇いてたからゴクゴク飲んだ。

「こんだけの量しか飲んでないのに、こんなにフラフラになるって情けないね」

あっちゃんにそう話した。

「別に飲めなくてもいいじゃん?むしろ、酎ハイで酔える方が飲み会とかで変に飲まされないから楽だと思うけど」

「そうかな?結構、上司とかには笑われちゃうんだよね(笑)」

「シバみたいに体中が赤くなっちゃうのってさ、体に合わないってことだと思うし、あんまり飲まない方がいいかもね」

大先輩の経験談みたいに語るあっちゃんは、涼しい顔して焼酎をお湯で割って飲んでいた。

⏰:14/03/27 01:00 📱:F02B 🆔:V1O6Amk6


#854 [シバ]
そして、立ち上がって窓を開け、タバコをくわえて戻ってきた。

「あれ?あっちゃんってタバコ吸うっけ?!」

この時の純粋なシバは『煙草』というモノに対して、ヤンキーとかおっさんとか、飲み屋の姉ちゃんとか、そういう人達が嗜むモノだと思ってたから、あっちゃんがタバコに火を点けるのをガン見しながら素朴な疑問を投げかけた。
後にタバコには世話になるワケだけど…

「あたし?吸うよ(笑)。何で?」

「いや〜、意外だな〜と…」

透明の灰皿をテーブルに置きながら、あっちゃんはまたあぐらをかいて床に座る。

「シバの周りの子が吸わないからでしょ?リィも由香も吸わないもんね」

煙を吐きながら、淡々と語るあっちゃん。
あれはマイルドセブン(現・メビウス)の8ミリだったはず!
(そして前にも書いたけど、あっちゃんは姉・ゆーちゃんとも仲良しです)

灰皿に灰を落とすなり、あっちゃんは別のお菓子を開封してシバとあっちゃんの真ん中に置いた。

「もう目は醒めた?あー、赤み引いたじゃん(笑)」

シバの顔を覗きこむなり、また笑う。
ねぇねぇ、どうしたらそんな風に綺麗に笑えるの?っていうくだらない質問を言いかけてやめた。

⏰:14/03/27 01:15 📱:F02B 🆔:V1O6Amk6


#855 [シバ]
タバコをグシグシと揉み消して、あっちゃんはお湯割りを飲む。グラスを持つその手は、リィと違って細くて長い指だった。

「で…本題に入ろうか。これからどうするよ?」

突発的な質問だった。
そうだ!そうなんですよ!
それを解決させるためにこっちに来たんだから!

「リィからちょっとは聞いてたんだけどさ。第三者のあたしが入り込んで解決できることじゃないから、とりあえず見守ってたけど…」

シバは烏龍茶を飲み干していた。
それに気付いたあっちゃんは、もうこれしかないって言って三ツ矢サイダーをくれた。
お礼を伝え、意を決して口を開く。

「電話もメールも、態度がどんどん変わってるなーっていうのは気付いてた。別れを考えたけど、シバはリィのこと好きだから手放したくないって思っちゃって、あえてそこは突っ込まず様子見てた」

「うんうん…」

あっちゃんは2本目のタバコに火を点ける。

「ゆーちゃんはシバの大事な姉。リィはシバの大事な彼女。でも、そんな2人が親友だって考えると、もうどうしていいか分からなくなって…それでもシバはゆーちゃんじゃなくて、リィを選んだ。失いたくないのはリィだ!って決めつけて…だから今日、ハッキリさせるためにここに来たんだけど…」

⏰:14/03/27 01:34 📱:F02B 🆔:V1O6Amk6


#856 [シバ]
「その肝心なリィがいなかったってワケね」

「そう」

頷くことしかできなかった。伝えたいことなんて山ほどあったのに。
あっちゃんにはノロケ話さえしたことがなかったから、いつかリィとのおのろけを聞いてもらう日がくると思ってたけど、順番が逆だった。
今更、順番もクソもないんだけども…

あっちゃんはテレビをつけた。
シバが寝てる時に消してくれてたみたい。ケータイでも弄ってたのだろう。
トーク番組っぽい感じのものが流れてた気がする。


「シバって優しすぎるって言われない?」

あっちゃんからの突発的な言葉だった。
リィもそうだけど、いきなり話がぶっ飛んだり、看板破り!とでも言わんばかりの勢いでドカンと質問を投下してくる。

「言われないこともないけど、何で?」

「シバって真面目な子なんだろうなーって思う。リィも言ってたけど」

リィにそう思われてたのか。
サボってた神経が一気に目覚めた感じで、あっちゃんの言葉たちに敏感になる。

⏰:14/03/29 02:10 📱:F02B 🆔:7LT/iRcA


#857 [(^_^)]
あげます!

⏰:14/06/22 11:10 📱:iPhone 🆔:Z/1Yfu.s


#858 [我輩は匿名である]
あげ!

⏰:15/02/01 19:01 📱:iPhone 🆔:S.ktijkQ


#859 [我輩は匿名である]
あげ!

⏰:17/05/09 06:23 📱:iPhone 🆔:IVlmOuZQ


#860 [我輩は匿名である]
あげます!

⏰:20/09/18 11:23 📱:iPhone 🆔:W3agUnD2


#861 [ん◇◇]
↑(*゚∀゚*)↑

⏰:22/10/29 09:51 📱:Android 🆔:ww1G8DfI


#862 [我輩は匿名である]
あげます!!

⏰:24/02/03 10:37 📱:iPhone 🆔:aEkM9La.


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