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#136 [我輩は匿名である]
「まぁいい。さっきの林檎のやつだが」

鉛色をした丸く小さな皿の上に、まだ熟していない若々しい青色の林檎が1つ乗っていた。
誰かが間違えて食べようとしたのか、その林檎には1口かじられた形跡がある。

「これなら分かるだろう」

「そのまんまの光景が想像できるな」

「追及すればするほど情景描写は書けるけどね。
句読点なんかと同じで書きすぎはよくない」

「…難しいな…」

「では、さっきの君の文章に戻るぞ」

⏰:08/11/23 21:24 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#137 [我輩は匿名である]
季節は夏。すでに半ばを迎えていて、照りつける日差しはいっそう強さを増していた。
山の中からは絶え間なく夏虫の声が聞こえ、耳にこだまする。
夏ということもあって若草が山いっぱいに広がり、澄み渡る風はどこか気持ちいい。

そんな小さな山の中腹にある歌箱の村では、今日も人々は自給自足で生活していた。

「いきなり山の中からとか言われても困る」

「……確かに、どんな山か分からないな」

「4行目で小さな山と書かずに、山についての描写はそこでするべきだろうね」

「はぁ…」

⏰:08/11/23 21:26 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#138 [我輩は匿名である]
「だいたい澄み渡る風が心地いいって何?」

「え?」

「虫の声が耳にこだまするとか風が心地いいとか、誰が感じてるの? これは三人称なんでしょ?」

「えーっと……」

「5章で『必ず最初に『誰の視点か』を明確にすること』って言ったよね?
なのに語り手が誰なのか全然分からないじゃん。僕の話聞いてたの?」

「いやその…」

「むかつくからやめろつってんだろ」

「…………」

⏰:08/11/23 21:27 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#139 [我輩は匿名である]
「まぁいい。少し手直ししてやった」


春がすぎ、じめじめとした梅雨が明けて間もない頃。
気温もどんどんと漸増していく中、変わらない太陽がさんさんと輝いていた。

その太陽に照らされた小さな山。
そこの中腹あたりにある広大な草原は、色とりどりの花々に埋め尽くされ、空を飛ぶ夏鳥や虫達の声まで聞こえるようになっている。

そんな草原の近くにある歌箱の村では、今日も男たちがせっせと畑で働いていた。
歌箱は辺境にある小さな村なので人口が少なく、そのため村民たちは自給自足で生活しているのだ。

⏰:08/11/23 21:28 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#140 [我輩は匿名である]
「これでもまだ描写が少ないという人もいるし、十分という人もいるだろう。
実際のところ、僕だってプロじゃないからね。みんなが満足できるような文章を書けるわけじゃないさ」

「でも、さっきの俺の文章よりは情景が想像できる」

「そうだな。ファンタジーなんかでは特にそうだが、情景描写にしても何にしても、こだわった方がいい」

「こだわり?」

「さっきのやつにしたってそう。夏といっても一概にそれを言えるわけじゃない。
自分が夏だと思うものを挙げていって、そこから自分が思い描いているイメージに見合ったものを描写していくといい」

「参考になります」

⏰:08/11/23 21:28 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#141 [我輩は匿名である]
「では、ここにドアが1つあるとしよう」

「うん」

「どんなドア?」

「そうだな……マホガニーでつやつやの大きなドアだ」

「ドアノブは?」

「金色で、回して引くタイプだな」

「覗き穴や鍵穴は?」

「鍵穴はあるけど覗き穴はない」

「……と、こうやってドア1つでもいろいろ考えられる事があるだろう?
大事なのは、作者と読者の持つイメージを極力近づけることだ。
でなければ、話が進むにつれ違和感を感じたり、盛り上がる場面でイメージが違うために驚きが薄くなったりしてしまうからね」

「そうだな」

⏰:08/11/23 21:29 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#142 [我輩は匿名である]
「情景描写は、読者に場面を想像させる上で最も重要なんだ。事細かくとは言わないけど、自分が持つイメージが伝わるくらいは書けるようにしておくこと」

「どうすればいいんだ?」

「作品を書いて、誰かに見てもらうとか。
小説総合にもそれができそうなスレがあるし、何なら練習系のスレを立ててもいい。僕がスレ主やってるSSSスレ↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/7545/なら練習も批評も受け付けてるさ。とにかく練習あるのみだ」

「練習あるのみ、か…」

「最初からうまい人なんていないよ」

⏰:08/11/23 21:30 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#143 [我輩は匿名である]
 
6−3 小説的な文章を心がける

「男の身長は165センチです」

「え?」

「どれぐらいの大きさかな?」

「いや、わかんねーよ165センチとか言われても」

「そう。新しいキャラを登場させた時に、そのキャラについていろいろ描写するよね。
そこで身長165センチとか具体的に言われても分からないよね?」

「わからんな」

⏰:08/11/23 21:31 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#144 [我輩は匿名である]
「じゃあ、『天井に頭がつきそうなほどの男』だったら?」

「かなりの大男だな」

「では反対に『そばにある石碑ほどしかない男』だったら?」

「ものすごいチビだな」

「うん。あまり具体的すぎると、かえって分からなくなったりするからね」

「難しいな…」

「それから、説明的な文章もだめだ」

「説明的?」

「ちょっと例文を用意してみたから見てくれ」

⏰:08/11/23 21:32 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#145 [我輩は匿名である]
時は2008年11月。
とある古いアパートに、いわゆるニートと呼ばれる職業である、太郎という男ががいた。

彼は17歳の頃に高校を中退し、以後引きこもりながらネトゲ三昧という生活を送っていた。

初めは親も将来について考えるように忠告してはいたが、どうやらすでに諦めたらしく、最近では太郎に金を渡して放置している状態だ。

それにつけこんで、太郎は好き勝手なニート生活を満喫していた。

「あーあ、暇だなぁ」

⏰:08/11/23 21:33 📱:P903i 🆔:epQG/68k


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