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#127 [我輩は匿名である]
「王国暦とかはまぁ置いといてさ。歌箱の町ってどんなとこよ?」
「え? 小さな山奥にある町だよ」
「他には?」
「それだけ」
「………あっ、そう」
「??」
「例えばさ、物語が始まった季節はいつ?」
「えっ? じゃあ夏でいいよ」
「時間は? 朝? 昼? それとも夜?」
「昼だよ」
「じゃあ歌箱の町について、もっと描写が増やせるだろう」
「え……?」
「それを意識して、もう1回書いてごらん」
:08/11/23 21:17
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#128 [我輩は匿名である]
季節は夏の半ば。照りつける日差しが眩しい。
蝉の鳴き声が山々から聞こえる。
そんな山の中にある小さな町、歌箱。
「どうだ?」
「そんな山ってどんな山?」
「蝉の鳴き声が聞こえる山だよ」
「それだけ?」
「それだけ」
:08/11/23 21:18
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#129 [我輩は匿名である]
「もっと考えてみなよ。山って一口に言ってもいろいろあるでしょ。
標高が高いとか、どんな植物や動物があるのかとか。だいたい歌箱の町は山のどこにあってどんな町なのさ?」
「草木が生い茂る小さな山の中腹にあって、人々は農業の自給自足で暮らしてる」
「それじゃあ町じゃなくて村でしょうが」
「違いがわからん…」
「些細なことかもしれないけどさ。分からないなら辞書で調べてみるのも手だ。
4章で言ったよね、『よく聞く言葉こそ調べろ』って」
「はぁ……」
「もう1回書いてみな」
:08/11/23 21:19
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#130 [我輩は匿名である]
季節は夏。すでに半ばを迎えていて、照りつける日差しはいっそう強さを増していた。
山の中からは絶え間なく夏虫の声が聞こえ、耳にこだまする。
夏ということもあって若草が山いっぱいに広がり、澄み渡る風はどこか気持ちいい。
そんな小さな山の中腹にある歌箱の村では、今日も人々は自給自足で生活していた。
そんn「ハイ結構!」
「ぐ…」
「君さぁ、僕の話聞いてたの?」
「え?」
「『小説』で辞書引け」
「いやそれならさっk」
「 引 け 」
「ハイ、スミマセン」
:08/11/23 21:20
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#131 [我輩は匿名である]
作者の奔放な構想力によって、登場する人物の言動や彼らを取り巻く環境・風土の描写を通じ、非日常的な世界に読者を誘い込むことを目的とする散文学。
読者は描出された人物像などから各自それぞれの印象を抱きつつ、読み進み、独自の創造世界を構築する(新明解国語辞典より)
「『小説とは、作者の感性を描出した描写によって、読者に物語のイメージを創造させることに意義がある』って言ったよね?」
「いやその…」
「 言 っ た よ ね ? 」
「ハイ、そうおっしゃられました」
:08/11/23 21:21
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#132 [我輩は匿名である]
「それとも何? こんなんでお前が持つイメージを読者が創造できると思ってんの?」
「あの、口調が…」
「何? 死にたいの?」
「いやその…」
「小説作者になりたいんならテメエが持つ世界観ぐらいキッチリ作れよ、それが嫌なら読者になれ。
それなのに何お前? それだけそれだけって山の情報がそれだけなわけねえだろ。それともアレか、『そこは読者にお任せします』みたいなこと言って逃げるつもりか?」
「いやその…」
「テメエのその顔むかつくからやめろ」
「…………」
:08/11/23 21:21
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#133 [我輩は匿名である]
「まぁいい。下の文章を見てみな」
皿の上には林檎が1つあった。
「どう思う?」
「どうって…林檎が皿の上にあるだけでは…?」
:08/11/23 21:22
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#134 [我輩は匿名である]
「どんな林檎? 赤いの? 青いの? それともゴールデンデリシャス?」
「さぁ……」
「林檎の状態は? 普通? 皮が剥かれてるの? 切られてるの? 食べられてるの? それともウサギ切り?」
「いや…そんなの知るわけないよ」
「それに皿ってどんな皿? 丸いの? 四角いの? 皿の深さは? 色は?」
「……俺の中では、丸くて白い皿の上に、切られたり食べられたりしていない赤い林檎が乗ってる」
「そんな描写、どこにもされてないじゃん」
「……!!」
:08/11/23 21:23
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#135 [我輩は匿名である]
「君のさっきの文章はこういう事だ。
読者に自分のイメージを伝えるには、繊細な情景描写が求められる。
例えば僕は、銀の丸い皿の上に1口かじられた青い林檎が乗っているとイメージしてたんだけどね」
「これだけじゃ、そこまで読み取れるわけがねーよ……」
「君はその『読み取れるわけがない』文章を、さっき僕に見せまくっていたじゃないか」
「いやその…」
「だからむかつくからやめろ」
「…………」
:08/11/23 21:24
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#136 [我輩は匿名である]
「まぁいい。さっきの林檎のやつだが」
鉛色をした丸く小さな皿の上に、まだ熟していない若々しい青色の林檎が1つ乗っていた。
誰かが間違えて食べようとしたのか、その林檎には1口かじられた形跡がある。
「これなら分かるだろう」
「そのまんまの光景が想像できるな」
「追及すればするほど情景描写は書けるけどね。
句読点なんかと同じで書きすぎはよくない」
「…難しいな…」
「では、さっきの君の文章に戻るぞ」
:08/11/23 21:24
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