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#137 [我輩は匿名である]
季節は夏。すでに半ばを迎えていて、照りつける日差しはいっそう強さを増していた。
山の中からは絶え間なく夏虫の声が聞こえ、耳にこだまする。
夏ということもあって若草が山いっぱいに広がり、澄み渡る風はどこか気持ちいい。
そんな小さな山の中腹にある歌箱の村では、今日も人々は自給自足で生活していた。
「いきなり山の中からとか言われても困る」
「……確かに、どんな山か分からないな」
「4行目で小さな山と書かずに、山についての描写はそこでするべきだろうね」
「はぁ…」
:08/11/23 21:26
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:epQG/68k
#138 [我輩は匿名である]
「だいたい澄み渡る風が心地いいって何?」
「え?」
「虫の声が耳にこだまするとか風が心地いいとか、誰が感じてるの? これは三人称なんでしょ?」
「えーっと……」
「5章で『必ず最初に『誰の視点か』を明確にすること』って言ったよね?
なのに語り手が誰なのか全然分からないじゃん。僕の話聞いてたの?」
「いやその…」
「むかつくからやめろつってんだろ」
「…………」
:08/11/23 21:27
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#139 [我輩は匿名である]
「まぁいい。少し手直ししてやった」
春がすぎ、じめじめとした梅雨が明けて間もない頃。
気温もどんどんと漸増していく中、変わらない太陽がさんさんと輝いていた。
その太陽に照らされた小さな山。
そこの中腹あたりにある広大な草原は、色とりどりの花々に埋め尽くされ、空を飛ぶ夏鳥や虫達の声まで聞こえるようになっている。
そんな草原の近くにある歌箱の村では、今日も男たちがせっせと畑で働いていた。
歌箱は辺境にある小さな村なので人口が少なく、そのため村民たちは自給自足で生活しているのだ。
:08/11/23 21:28
:P903i
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#140 [我輩は匿名である]
「これでもまだ描写が少ないという人もいるし、十分という人もいるだろう。
実際のところ、僕だってプロじゃないからね。みんなが満足できるような文章を書けるわけじゃないさ」
「でも、さっきの俺の文章よりは情景が想像できる」
「そうだな。ファンタジーなんかでは特にそうだが、情景描写にしても何にしても、こだわった方がいい」
「こだわり?」
「さっきのやつにしたってそう。夏といっても一概にそれを言えるわけじゃない。
自分が夏だと思うものを挙げていって、そこから自分が思い描いているイメージに見合ったものを描写していくといい」
「参考になります」
:08/11/23 21:28
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#141 [我輩は匿名である]
「では、ここにドアが1つあるとしよう」
「うん」
「どんなドア?」
「そうだな……マホガニーでつやつやの大きなドアだ」
「ドアノブは?」
「金色で、回して引くタイプだな」
「覗き穴や鍵穴は?」
「鍵穴はあるけど覗き穴はない」
「……と、こうやってドア1つでもいろいろ考えられる事があるだろう?
大事なのは、作者と読者の持つイメージを極力近づけることだ。
でなければ、話が進むにつれ違和感を感じたり、盛り上がる場面でイメージが違うために驚きが薄くなったりしてしまうからね」
「そうだな」
:08/11/23 21:29
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#142 [我輩は匿名である]
「情景描写は、読者に場面を想像させる上で最も重要なんだ。事細かくとは言わないけど、自分が持つイメージが伝わるくらいは書けるようにしておくこと」
「どうすればいいんだ?」
「作品を書いて、誰かに見てもらうとか。
小説総合にもそれができそうなスレがあるし、何なら練習系のスレを立ててもいい。僕がスレ主やってるSSSスレ↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/7545/なら練習も批評も受け付けてるさ。とにかく練習あるのみだ」
「練習あるのみ、か…」
「最初からうまい人なんていないよ」
:08/11/23 21:30
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#143 [我輩は匿名である]
6−3 小説的な文章を心がける
「男の身長は165センチです」
「え?」
「どれぐらいの大きさかな?」
「いや、わかんねーよ165センチとか言われても」
「そう。新しいキャラを登場させた時に、そのキャラについていろいろ描写するよね。
そこで身長165センチとか具体的に言われても分からないよね?」
「わからんな」
:08/11/23 21:31
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:epQG/68k
#144 [我輩は匿名である]
「じゃあ、『天井に頭がつきそうなほどの男』だったら?」
「かなりの大男だな」
「では反対に『そばにある石碑ほどしかない男』だったら?」
「ものすごいチビだな」
「うん。あまり具体的すぎると、かえって分からなくなったりするからね」
「難しいな…」
「それから、説明的な文章もだめだ」
「説明的?」
「ちょっと例文を用意してみたから見てくれ」
:08/11/23 21:32
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:epQG/68k
#145 [我輩は匿名である]
時は2008年11月。
とある古いアパートに、いわゆるニートと呼ばれる職業である、太郎という男ががいた。
彼は17歳の頃に高校を中退し、以後引きこもりながらネトゲ三昧という生活を送っていた。
初めは親も将来について考えるように忠告してはいたが、どうやらすでに諦めたらしく、最近では太郎に金を渡して放置している状態だ。
それにつけこんで、太郎は好き勝手なニート生活を満喫していた。
「あーあ、暇だなぁ」
:08/11/23 21:33
:P903i
:epQG/68k
#146 [我輩は匿名である]
「……と、この小説を見たらどう思う?」
「いや、別に…ちゃんと主人公の説明ができてるんじゃないの?」
「そうか。僕なら3行目で読むのをやめるね」
「それはなぜ?」
「これも初心者によくあるミスなんだけどね、文章が説明的すぎるんだ。『描写ができてない』と言い替えてもいい」
「どういうことだ?」
:08/11/23 21:33
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:epQG/68k
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