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#140 [我輩は匿名である]
「これでもまだ描写が少ないという人もいるし、十分という人もいるだろう。
実際のところ、僕だってプロじゃないからね。みんなが満足できるような文章を書けるわけじゃないさ」

「でも、さっきの俺の文章よりは情景が想像できる」

「そうだな。ファンタジーなんかでは特にそうだが、情景描写にしても何にしても、こだわった方がいい」

「こだわり?」

「さっきのやつにしたってそう。夏といっても一概にそれを言えるわけじゃない。
自分が夏だと思うものを挙げていって、そこから自分が思い描いているイメージに見合ったものを描写していくといい」

「参考になります」

⏰:08/11/23 21:28 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#141 [我輩は匿名である]
「では、ここにドアが1つあるとしよう」

「うん」

「どんなドア?」

「そうだな……マホガニーでつやつやの大きなドアだ」

「ドアノブは?」

「金色で、回して引くタイプだな」

「覗き穴や鍵穴は?」

「鍵穴はあるけど覗き穴はない」

「……と、こうやってドア1つでもいろいろ考えられる事があるだろう?
大事なのは、作者と読者の持つイメージを極力近づけることだ。
でなければ、話が進むにつれ違和感を感じたり、盛り上がる場面でイメージが違うために驚きが薄くなったりしてしまうからね」

「そうだな」

⏰:08/11/23 21:29 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#142 [我輩は匿名である]
「情景描写は、読者に場面を想像させる上で最も重要なんだ。事細かくとは言わないけど、自分が持つイメージが伝わるくらいは書けるようにしておくこと」

「どうすればいいんだ?」

「作品を書いて、誰かに見てもらうとか。
小説総合にもそれができそうなスレがあるし、何なら練習系のスレを立ててもいい。僕がスレ主やってるSSSスレ↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/7545/なら練習も批評も受け付けてるさ。とにかく練習あるのみだ」

「練習あるのみ、か…」

「最初からうまい人なんていないよ」

⏰:08/11/23 21:30 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#143 [我輩は匿名である]
 
6−3 小説的な文章を心がける

「男の身長は165センチです」

「え?」

「どれぐらいの大きさかな?」

「いや、わかんねーよ165センチとか言われても」

「そう。新しいキャラを登場させた時に、そのキャラについていろいろ描写するよね。
そこで身長165センチとか具体的に言われても分からないよね?」

「わからんな」

⏰:08/11/23 21:31 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#144 [我輩は匿名である]
「じゃあ、『天井に頭がつきそうなほどの男』だったら?」

「かなりの大男だな」

「では反対に『そばにある石碑ほどしかない男』だったら?」

「ものすごいチビだな」

「うん。あまり具体的すぎると、かえって分からなくなったりするからね」

「難しいな…」

「それから、説明的な文章もだめだ」

「説明的?」

「ちょっと例文を用意してみたから見てくれ」

⏰:08/11/23 21:32 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#145 [我輩は匿名である]
時は2008年11月。
とある古いアパートに、いわゆるニートと呼ばれる職業である、太郎という男ががいた。

彼は17歳の頃に高校を中退し、以後引きこもりながらネトゲ三昧という生活を送っていた。

初めは親も将来について考えるように忠告してはいたが、どうやらすでに諦めたらしく、最近では太郎に金を渡して放置している状態だ。

それにつけこんで、太郎は好き勝手なニート生活を満喫していた。

「あーあ、暇だなぁ」

⏰:08/11/23 21:33 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#146 [我輩は匿名である]
「……と、この小説を見たらどう思う?」

「いや、別に…ちゃんと主人公の説明ができてるんじゃないの?」

「そうか。僕なら3行目で読むのをやめるね」

「それはなぜ?」

「これも初心者によくあるミスなんだけどね、文章が説明的すぎるんだ。『描写ができてない』と言い替えてもいい」

「どういうことだ?」

⏰:08/11/23 21:33 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#147 [我輩は匿名である]
「小説とは、読者にイメージを創造させることに意義がある、って言ったよね。
読者は創造力を刺激されることを望んでおり、描写からシーンを創造することが小説の醍醐味だ。
だから、上の例文みたいに説明されたんじゃ読む気をなくしてしまう」

「なるほど…」

「では、どうすれば『描写』がなされている小説らしい文章を書けるのか。
コツとしては、イメージを連想させるんだ」

「連想?」

⏰:08/11/23 21:35 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#148 [我輩は匿名である]
「例えば、さっき君が書いた歌箱の村の描写から引用すると」

春がすぎ、じめじめとした梅雨が明けて間もない頃。
気温もどんどんと漸増していく中、変わらない太陽がさんさんと輝いていた。

「この一文。直接『夏』とは書いていないけど、季節が夏だということは分かるだろう?」

「たしかに」

「これは『夏』という場面を連想させる描写をしているからなんだ」

「ほうほう」

⏰:08/11/23 21:36 📱:P903i 🆔:epQG/68k


#149 [我輩は匿名である]
「分かりやすいのが冒頭の一文。春がすぎ、梅雨が明けたら季節はいつ?」

「夏だな」

「気温が上がっていき、『太陽がさんさんと輝いている』イメージがあるのは?」

「まがうことなく夏だ」

「そう。『梅雨明け』『気温の上昇』『さんさんと輝く太陽』、これらはすべて『夏』を連想させるもの。
他には『入道雲』なんかがあってもいいかもね。
小説を書くときは、こういった『場面を連想させるもの』を文章に取り入れていけばいいのさ」

「なるほど」

⏰:08/11/23 21:37 📱:P903i 🆔:epQG/68k


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