夏祭り、恋花火
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#315 [七瀬]
「どぉも、こんにちは。」
「こんにちは〜。
もしかしたら、
これからまつりとデート!?
ごめんねぇ、遊希くん。
この娘、グータラして、まだ顔も洗ってないのよ!
ここで待つのも、あれだし…
あがってちょうだい!」
お母さんは、
かーなーり一方的、
かつ一気にしゃべった。
:09/03/27 22:16 :N703iD :VBS6fHZc
#316 [七瀬]
『顔は洗ったし!
着替えてないだけで…
ってかデートちゃうわ!』
そんな私の言い分は無視され、
遊希は初めて私の家に足を踏み入れた。
『と、とりあえず着替えてくるから!』
バタン!
そう言って、部屋へ戻る。
:09/03/27 22:20 :N703iD :VBS6fHZc
#317 [七瀬]
なにあれなにあれ!
来るとは言ってたけど、
ほんまに来るか!?
ドア越しに聞こえる
お母さんと遊希の笑い声。
ほとんどお母さんの声やけど。
そんな二人とは裏腹に、心臓バクバクな私。
えーとっ!
とりあえず着替な!!
:09/03/27 23:55 :N703iD :VBS6fHZc
#318 [七瀬]
タンスを片っ端から開けて、あさる。
あ、あった!
少し大人っぽい白いワンピースを取り出す。
軽く化粧をする。
「まだかー、まつり。」
『ま、待って!』
最後にグロスを塗る。
:09/03/28 00:00 :N703iD :23CTAh1M
#319 [七瀬]
『おまたせっ。』
「よし、行こか!!
じゃあお母さん、
麦茶ありがとうございました。」
「はーい。気を付けて。
またおいでね、遊希くん。」
お母さんに見送られ、
家を後にした。
:09/03/28 00:03 :N703iD :23CTAh1M
#320 [七瀬]
しばらく歩いて、
近所のバス停に着いた。
『バス乗んの?
ってか、どこ行くんよ。』
「うーん、70点。」
私の質問をスルーして、
遊希は言った。
『え?』
:09/03/28 00:10 :N703iD :23CTAh1M
#321 [七瀬]
「後、
髪巻いてくれたら90点やのに。」
なーんだ、そうゆうことか。
『遊希が急かすからやろ。』
「じゃあ、時間あったら巻いてた?」
『さあ、どうかな。』
ちょっと意地悪して、はぐらかす。
:09/03/28 00:13 :N703iD :23CTAh1M
#322 [七瀬]
「これが奏とのデートやったら、
急かされても、巻いとったんやろな。」
独り言のように遊希は言った。
『なにゆうてんの。
ってゆうか、
デートちゃうってゆうてるやん!』
「そぉやったな。」
:09/03/28 00:17 :N703iD :23CTAh1M
#323 [七瀬]
寂しく笑う遊希。
『あとは…になるんよ。』
「なんて?」
『だからっ!
あとは、
どうやったら100点になんの?』
「あ、ああ。」
不意を突かれた様子。
:09/03/28 00:21 :N703iD :23CTAh1M
#324 [七瀬]
「そぉやな。」
見定めるように、
私を下から上まで見る。
「もぉちょっと
化粧濃くしてくれたら…」
『却下!』
ハハッと遊希が笑った。
私も吊られて笑う。
なぜか、この瞬間が大切に思えた。
:09/03/28 00:26 :N703iD :23CTAh1M
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