こいごころ
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#192 [向日葵]
むしろ自分が悪いだとかばう。
だからミュシャは、ふざけながらも労っている。

あまり無理はしないでくれと。

その思いを知ってか知らずか、茉里はにっこりと笑った。

―――――――――…………

宗助とは道場で宿題をやろうと言っている。

教室は補習で使われている事が多いし、なんだかんだ言っても道場が一番落ち着く場所でもある。

私服を着て、とびっきり可愛い自分を見てほしい茉里だが、残念ながら学校は制服で行かなければいけない。

⏰:09/05/27 02:20 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#193 [向日葵]
だからせめて、髪型だけでもと気合いを入れた。
お気に入りのシュシュは、可愛らしくレースがあしらっていたりする。

道場まで来て、おかしなところはないか、最終チェックをする。
よしと意気込み、戸を開ける。

「おはよう!」

開ければ、宗助は机と椅子を2人分用意してるところだった。

「おはよう」

「早いね」

「普通だよ」

席につけば、宗助も席につく。

⏰:09/05/27 02:20 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#194 [向日葵]
髪型に気づいては……くれないよね……。

宗助は黙々と準備する。

「数学の問題集、教えてくれない?」

「自分でやったのか?」

「やってもわからないから訊いてんのー」

頬を膨らませながら分からなかったところを見せる。
一通り目を通した宗助は、茉里に問題集を返す。

「ここ、代入すればいいんだよ。そしたら答え出るから、こっちの式とあわせて……」

「あ、なーる……」

⏰:09/05/27 02:21 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#195 [向日葵]
「ここに例題あるだろ」

「だってこれ応用だもん。分かりにくい。大体ね、数学なんて、計算が出来ればもういいと思うの!なんでサインやらコサインやらやらなきゃいけないの!」

急に数学について不満を爆発させた為、宗助はぽかんとしていた。

茉里はいきなりやってしまったと、熱弁してる際に握りしめた拳をどうしようかと考えて固まった。

しばらくして、宗助が息をフッと吐き出す。

⏰:09/05/27 02:21 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#196 [向日葵]
「そんなこと言う人、初めて見たよ」

そう言って、目を細めて笑う。

思わず胸が高鳴る。

そんな、可愛く笑わないでよ……。

「まあ、数学嫌いは分かった。でも、おしゃれに時間かけるなら、少しは勉学に時間かけような」

「へ?」

「髪、いつもと違うみたいだから」

気づいて……くれてた……?

ぼんやりと、宗助を見つめれば、頬杖をついて微笑んでくれる。

「ん?なに?」

「……な、なんでもない……」

⏰:09/05/27 02:21 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#197 [向日葵]
問題集で、顔を隠す。
そうしないと、ニヤけているのがバレてしまう。

やっぱり、あの合宿以来、宗助の自分に対する態度が違う気がする。
どこか優しげだ。
いつもなら、もう少しツンツンしてるのに、今はその雰囲気が和らいでいるような気がする。

もしかして……。

問題集から、少し顔を出す。

宗助は自分の課題をしていた。

もしかして……少しは気持ちを分かってくれた?
少しだけ、うぬぼれたりしてもいいんだれうか?

⏰:09/05/27 02:22 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#198 [向日葵]
でも焦れば、また傷ついたりするかもしれない。

それに、宗助に強制はしないという約束だ。
仮彼女というポジションを、しっかりと覚えておかなければ。

そう思ってても、この少し優しげな雰囲気に甘えたりしてみたくなる。

「そ、宗助、今日は何時までする?」

「ん?アンタの都合がいい時間でいいけど」

合わせてくれるの?
ああ、もう、今は何を言われても嬉しいかも……っ。

⏰:09/06/04 03:14 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#199 [向日葵]
「もう帰るとか言わないでくれよ。このクソ暑い中、わざわざ付き合ってんだから」

……やっぱり、限度はあるかな……。

―――――――――…………

「はーい!休憩希望ーっ!」

2時間くらいしてから、茉里が万歳しながらそう言った。
ちらりと時間を見た宗助は、少しだけ書くと、シャーペンを置いた。

「アンタ、昼ごはんは?」

「おにぎり持ってきてるよ」

「なら良かった。貴重な弁当を分けなきゃならないかと思った」

⏰:09/06/04 03:15 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#200 [向日葵]
反論しようとした時、宗助が弁当を出す。
中身を見れば、美味しそうなおかずが並んでいて、茉里は思わずよだれを垂らしそうになった。

「お母さん優しいね。わざわざ作ってくれたんだ」

「いや、これ俺が作った」

「ええっ!?」

茉里の声が、道場に響く。
鳴り止んだころ、宗助が口を開く。

「親、共働きだし、自分の事は自分で出来るようにはなってる」

「へー……、共働きなんだ……。兄弟とかは?」

「兄、妹」

⏰:09/06/04 03:15 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#201 [向日葵]
「何歳差?」

「兄は2歳、妹は4歳」

「じゃあまだ中1?可愛いっ!私、兄弟いないからうらやましいよっ。やっぱりケンカとかするの?」

「……さっきからヤケに色々訊いてくるな」

「だって、宗助のこと、少しでも知りたいと思うじゃない!」

宗助が、ご飯を箸に突っ込んだ状態で固まる。
茉里は思わず口を手でおさえる。

しまった。調子に乗りすぎた。
嫌そうな顔されちゃう。

⏰:09/06/04 03:15 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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