こいごころ
最新 最初 全 
#396 [向日葵]
「ちょっと、なにその言い方」
「心配してんだよ」
あっさりと言われて、思わず立ち止まる。
「なに?」
「宗助ってそんなキャラだった?」
「キャラって……なんの話?」
「そんなことサラッと言うタイプだっけ?」
ムッと眉を寄せ、少し顔を赤らめる宗助は、ふてくされたように横を向く。
「じゃあもうなにも言わない」
:09/12/10 23:54
:SH05A3
:☆☆☆
#397 [向日葵]
「えー!ヤダヤダ!ごめんごめん!」
「じゃあさっさと歩く!」
繋いでいた手をグンと引っ張られ、前につんのめる。
キャハハと茉里は子供のようにはしゃぐ。
「で、話戻すけど」
「え、なんの話してたっけ?」
「アンタの話だろ!」
「もー怒んないでよー!」
片耳を繋いでない方の手でふさぎ、うるさいとアピールする。
:09/12/10 23:54
:SH05A3
:☆☆☆
#398 [向日葵]
そんな茉里に宗助は角を生やす。
「アンタが脱線させるわ忘れるわのせいだろ!」
「脱線ついでにいいかしら?」
もう突っ込む元気もなくなった宗助は、脱力しながら「なに」と訊いた。
「いつになったら私の名前を呼んでくれるの?」
「呼んでるだろ、加賀って」
「それは苗字でしょ、それ」
「別にいいだろ名前なんて」
:09/12/10 23:55
:SH05A3
:☆☆☆
#399 [向日葵]
「名前なんてえ?!ちょっと聞き捨てならないわよ!」
それきり、本題はどこかへ行ってしまい、ずっと名前のことで言い争いながら帰ってしまった。
―――――――…………
次の日。
茉里は朝早くから家を出ていた。
父が仕事が終わって、朝に帰ってくると母から聞いたからだ。
ばったり会いでもすれば、その日1日は最悪な日になると茉里は思っている。
:09/12/10 23:55
:SH05A3
:☆☆☆
#400 [向日葵]
なのでそうならないように外に出た。
朝9時なのに、街中は若者がそれなりにいるのは、冬休みで皆浮かれているせいかもしれない。
ただ困るのは、この時間では、茉里が入るような店が開いていない。
開いているとすれば、コンビニか、流行りのカフェぐらいだ。
仕方ないので、その流行りのカフェで、キャラメルラテを買って、呑気に近くの公園で過ごすことにした。
うーんこれからどうしようかな……。
その時、どこからともなく、バドミントンの羽が飛んできた。
:09/12/10 23:56
:SH05A3
:☆☆☆
#401 [向日葵]
「すいませえん」
そう言って、走ると言っていいのかわからないくらいゆっくりとこちらにきたのは、髪の毛をふわりと内側に膨らませた、背の低い可愛らしい女の子だった。
「それえ、カナのなんですう」
ゆっくりとした喋り方が、その可愛さをゆり引き立たせる。
ぶりっ子しているような作った喋り方ではなく、本当にそういう喋り方らしいので、茉里は好感が持てた。
「はい、どうぞ」
笑いかければ、カナと名乗る少女も、垂れ目がちの目を更に垂れさせ、ふにゃりと笑った。
:09/12/10 23:56
:SH05A3
:☆☆☆
#402 [向日葵]
「おい、カナー」
男の人の声が聞こえた。
お兄ちゃんが妹の面倒を見てあげてるのかな?
偉いなー。
と、その方を見ると、茉里が予想していたお兄ちゃんよりははるかに大きく、そして相手を見るなり目をむく。
「そ、宗助!」
「加賀?!」
思わず立ち上がってしまう茉里。駅が3つ離れている宗助が、まさかここにいるだなんて思わなかった。
しかもこんな朝っぱらから。
:09/12/10 23:57
:SH05A3
:☆☆☆
#403 [向日葵]
「なに……やってんの……?」
「俺は、妹の遊び相手になってて……」
妹?!
さっきの可愛らしい女の子を見る。
妹は不思議そうに2人を交互に見る。
「こんな……朝から、爽やかな……」
「華名は、言い出した聞かないから……」
会話が続かず、間が空いてしまう。
そんな2人を馬鹿にするかのように、遠くで鳩が1度鳴いた。
:09/12/10 23:57
:SH05A3
:☆☆☆
#404 [向日葵]
――――――――…………
華名に少し離れた自販機で飲み物を買ってくるように告げた宗助は、茉里とベンチに座って喋っていた。
「アンタも、なんでこんな早くから……。散歩か?」
「まさか。私にそんな日課ないもの。くそ馬鹿親父が仕事の都合上朝帰りだって言うから、会うのが嫌で逃げてきたの」
もっとも、茉里は仕事だなんて嘘だと思ってる。
どうせ、どこかの知らない女と一晩過ごし、帰ってくれば愛用している香水とは違う匂いを漂わせる。
それがどれだけ母を傷つけるかもしらないで……。
:09/12/10 23:57
:SH05A3
:☆☆☆
#405 [向日葵]
「ほんっとにアンタは……」
1人で、自分が考えたことにイラッとしていた茉里は、宗助が腹が立ったように立ち上がるのを見ながら首を傾げる。
ん?どうしたんだろ。
「そういう時は連絡しろよ!なんで俺になんにも言わないんだよ!」
怒鳴り声が早朝の公園に響く。
何羽かいた鳩が、それに驚いたように飛んでいった
突然怒られた茉里はしゅんと頭を垂れる。
:09/12/10 23:58
:SH05A3
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194