こいごころ
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#591 [向日葵]
茉里は静かに笑った。

私、あの時のこと、自分が思ってるよりも辛かったのかもしれない。
もう宗助が自分を好きでいてくれるってわかってても、実はすごく怖いんだ。

初詣の帰り、離れたくないと言ってくれた宗助。
それでも私……。

ごめんね、宗助……。
私、不安が拭いきれないんだ。
もう、この不安は、拭えることは出来ないの。

⏰:11/01/16 01:16 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#592 [向日葵]
臆病者。

茉里は自分をなじりながら、宗助に会いたいと、皆との挨拶もそこそこに走る。

校門が見えてくると、人影が見えた。
足音に気づいたように、その人影が動くと、薄く微笑む。

茉里はもう待ちきれなくて、飛ぶように宗助に抱き着いた。
そんなことするとは思わなかったので、宗助は2、3歩よろけながら茉里を受け止める。

⏰:11/01/16 01:17 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#593 [向日葵]
「ちょ、なんだいきなり……っ!……茉里?」

何も言わず、力一杯宗助を抱きしめる茉里をおかしく思った宗助は、茉里頭を軽くぽんぽんとする。

下校時間が過ぎたとは言え、まだ学校から出てくる生徒はいる。
宗助は出来るだけ人に見つかりにくい場所にうつる。

「また……ネガティブモードにでも入った?」

「……まあ、そんな感じ……」

⏰:11/01/16 01:19 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#594 [向日葵]
「曖昧な返事だな」

「だって……」

宗助は茉里の髪を優しく撫でる。それだけで、茉里のネガティブな気分は消えていったが、甘えたくなって、このままでいた。

宗助がいると、ずって甘えたくなって困る。
溶けてしまいそうな感覚になる。

「で、どうしたらそれは治るの?」

「このままいてくれたらいい」

「帰りたいんだけど……」

「じゃあキス」

⏰:11/01/16 01:23 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#595 [向日葵]
宗助はきっと茉里がもう大丈夫なことは知ってる。
同時に茉里が甘えたがっているのもわかっていた。

街灯のわずかな光をたよりに、宗助は茉里の唇に指先を触れる。
場所を確かめ、ゆっくりと唇を重ねる。

茉里は本当に溶けそうになりながら、さっきの後輩との会話中に、自分が思ったことを思い出すと、自分から顔を押し付けるように力をいれる。

⏰:11/01/16 01:27 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#596 [向日葵]
宗助は戸惑ったように体を少し引くが、その分茉里が距離を詰める。

もっとと思うのは、私だけ?
メールも、言葉も、行動も……。

問いかけるようにキスをする。
宗助はしばらく戸惑っていたが、急に茉里をぐっと引き寄せる。

唇に火がついたような熱さを感じていると、宗助はまるで食べるみたいにキスを繰り返す。

今度は茉里が戸惑う番となった。

え?え?
そ、宗助、どうしたの……っ?

⏰:11/01/22 23:16 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#597 [向日葵]
そう思っている間にも、息ができないくらいになってきた。
特別激しいわけでもない。
むしろゆっくり、なだめられるように、でもまるで茉里がその気になるのを誘うかのような口づけをする。

ま……待って……っ。

そして茉里は、自分で誘ったような行動をしたくせに、驚いて思わず顔を背けてしまう。

息を吐く度、白くなって2人の間をさまよう。

「そ……宗助……?」

「……悪い、ちょっと制御出来なくなってた」

宗助は照れたように、でも少し意地悪そうに笑う。

制御……。

⏰:11/01/22 23:16 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#598 [向日葵]
それはつまり、宗助もちゃんと思ってくれてるということだ。
自分ばかりではなく。
宗助の場合、きっとそういう雰囲気を作るのが苦手なんだろう。

それにしても……。

茉里はかくりと体がくだけそうになる。
幸い宗助が茉里に腕をまわしていたため、倒れることはなかった。

なんて、官能的な……っ。

宗助は茉里が初めての彼女だ。
だからこんなキスはしたことないはずなのに。

一度知ってしまえば、もうくせになりそうなぐらい甘い口づけに、茉里は体の力がなくなりそうな感覚になる。

⏰:11/01/22 23:16 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#599 [向日葵]
「せ……いぎょ、しなくても……別に……」

やはり自分ばかりが余裕ないように感じて、茉里はつい強がってみる。

「顔を背けたくせに、なに言ってんだ」

……完敗だ。

「元気なった?もう立てる?」

意地悪なさっきの口調にくらべ、優しい口調で茉里に問う。

ネガティブな気持ちを無くしたくて、甘えたことを忘れていた。
忘れるぐらい、刺激が強かった。

「うん、買い物……行こっか」

⏰:11/01/22 23:17 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#600 [向日葵]
顔がまだ熱いし、足もなんだかふわふわしているが、茉里は宗助と手を繋いで、頼まれていた買い物を買いに行くことにした。

――――――――………………

家に帰ってきた茉里は、キスの余韻がまだ残っているのか、ベッドの上で寝転がってぼうっと天井を見ていた。

宗助……。

さっきからずっと宗助に会いたいと思っている。
ほんの数十分前に別れたばかりなのに。

その気持ちを抑えるように、さっき「買い物付き合ってくれてありがとう」とメールを送ったばかりだ。

⏰:11/01/22 23:17 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


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