―‥ 殺したいほどに ※BL
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#201 [雪]

「海って彼女に甘えたりする?」

上からのぞき込まれるのは
何となく不思議なかんじ

「んや‥しない」

視線をどこにやったらいいのか
‥なんかこっぱずかしい

⏰:10/11/30 17:38 📱:D905i 🆔:vVPRNFp.


#202 [雪]

「たまにはいいでしょ?(笑)
耳掻きしてあげよっか?」


悪ガキみたいに笑って
髪を撫でられた

小さい頃から母親とは離れて
父親がこんなことするはずもなく

だけど結の膝枕は心地よかった

⏰:10/11/30 17:40 📱:D905i 🆔:vVPRNFp.


#203 [雪]

言葉がでない。

こんなことされたら
甘えたくなるのも、くっつきたくなるのも
わからなくもないかも‥


「海、僕ね
小さい頃いじめられてたんだー」

頭を撫でる手はリズムを刻んで
この上ない安心感を覚えた

少しだけ眠くなる

⏰:10/11/30 17:43 📱:D905i 🆔:vVPRNFp.


#204 [雪]

「‥」

特に返事もしないで寝たフリをした
その方が話しやすいだろうって
俺なりの気遣い。

「女の子みたいって‥
見た目も確かにそうだったかもだし
性格も、なよなよで‥今もだけど」

結は自らをあざ笑うかのように
ふんっ、と鼻で笑った

⏰:10/11/30 17:47 📱:D905i 🆔:vVPRNFp.


#205 [雪]

「お母さんしか知らないから
"男の子"ってよくわかんなくて‥
お絵かきとか、そんなんが好きで」


俺が聞いていようがいなかろうが
関係ないようだった

目をつむって真っ暗なはずなのに
何とも言えないような顔をしてる結が
目に浮かんだ

⏰:10/11/30 17:50 📱:D905i 🆔:vVPRNFp.


#206 [雪]

「何されてもやり返せなくて
すぐ泣いてた‥うん、ホントすぐ」

今だってそうじゃん‥
ってツッコミたいくらい
安定感をなくした声が耳につく


「それで、そのうち
お母さんにバレちゃってさ‥
そしたらね、お母さん‥言ったんだ」

⏰:10/11/30 17:55 📱:D905i 🆔:vVPRNFp.


#207 [我輩は匿名である]
更新頑張ってください♪♪♪
見てまーす(^_-)

⏰:10/11/30 20:22 📱:SH002 🆔:rRTx/a8A


#208 [雪]

>>207

あぁあありがとうございます(;_;)
ホント気まぐれマイペース野郎ですが
今後ともよろしくです!

展開がだらだらぐだぐだですが
楽しんでもらえるように頑張ります**

⏰:10/11/30 22:22 📱:D905i 🆔:vVPRNFp.


#209 [雪]

>>206 続き

「社会のルールは多数決。
多数派が所謂"普通"で、
‥少数派は拒まれる
僕がいじめられる理由は
僕が"男"の中の"普通"じゃないから」

異見を述べれば非難される時代は
昔も今も、きっとこれからもそう
自由、自由と言われた世界だって
結局は人間の弱さが自由を奪う

⏰:10/12/01 00:19 📱:D905i 🆔:POlFmNQk


#210 [雪]

「社会の目を恐れて
自分の身を安全なソコへ投げるのも一つの手
だけど、少ないかもしれないけど
理解してくれる人は必ずいる。
見つけるのは難しいけど
‥神様はそんなに意地悪じゃない」

まるで母親が乗り移ったように
優しい口調で結は続けた。

⏰:10/12/01 19:37 📱:D905i 🆔:POlFmNQk


#211 [雪]

「教室のベランダから
体操着を放り出されて
半べそかきながら取りに行って‥
そしたら、後ろから僕を見てる子がいてね
冷やかしかと思ったら
『大丈夫?ごめんね』って言ったの。

結局その子しか
僕の味方をしてくれる子はいなかった
だけど、お母さんの言うとおりで
神様はそんなに意地悪じゃなかった」

⏰:10/12/01 19:42 📱:D905i 🆔:POlFmNQk


#212 [雪]

「お母さんね、
お父さんと離婚するときに
『10年後、まだ私を想っていてくれたら
また一緒になろう』って
‥そう言ったんだって。」


10年後‥。皮肉だ

俺は、神様は意地悪だと思った。

⏰:10/12/01 19:49 📱:D905i 🆔:POlFmNQk


#213 [雪]

結が何でいきなり
そんなことを話し出したのかは解らない

素敵なお母さんだよねって
そう呟いていたが
声質は異様に弱々しかった

俺らが2才の時に離婚
それから10年後は‥12

俺らの母親が命を落としたのは
約束の年の‥たった1年前

⏰:10/12/05 00:27 📱:D905i 🆔:cy9k1HSQ


#214 [雪]

「なんか‥話がめちゃくちゃだ(笑)
何言いたかったんだろ、僕」

自分に呆れたように笑った


「海‥?起きてるんでしょ?」

「あぁ‥うん」

愛おしそうに大事そうに
母の写真をいつも眺めていた
急に老いぼれだ父の姿が目に浮かんだ

⏰:10/12/05 00:32 📱:D905i 🆔:cy9k1HSQ


#215 [雪]

愛し合ってたなら
なぜ別れなきゃいけなかったのか
それが神様が決めた運命なら
‥神様は親切か?

理解できない俺は
まだまだ子供なのだろうか。



2人が別れた原因は
後々知ることになった。

⏰:10/12/05 00:39 📱:D905i 🆔:cy9k1HSQ


#216 [雪]

「僕ね、"一般論"とか嫌いなんだ
多数派を"普通"にして
その他は"異常"扱いでしょ?
もしも"異常"が多数派になったら
今度はそれが"普通"になる。
‥そんなのおかしいよ」

「‥弱いからだろ
みんな弱いから群れたいんだ
自分が所属する場所がほしい
‥安心できる場所が。」

「じゃあ、僕は強い?」

⏰:10/12/05 00:46 📱:D905i 🆔:cy9k1HSQ


#217 [雪]

苦しそうに聞こえたその声は
いつもの笑顔の裏側の不安だった

「母子家庭で育って、母親が死んで
今時高校行ってなくて、体売って
‥自分の手首切ることしか
生きてる実感が湧かないような僕は
‥異常でしょ?僕は強い?」

きっと見えないところで
ずっと結は助けを求めてた

⏰:10/12/05 00:50 📱:D905i 🆔:cy9k1HSQ


#218 [雪]

「あぁ‥強いさ」

俯いた結を下から眺めれば
きつく唇を噛んでいて

手を伸ばして軽く頭を撫でれば
呆気なく崩れた

「少なくとも、俺なんかよりずっと」

独り言のようにそう付け足した

⏰:10/12/05 01:03 📱:D905i 🆔:cy9k1HSQ


#219 [雪]

世間体ばかり気にして
目の前にある愛おしい存在を
認めることができない‥

同性を愛することも
実の弟を愛することも
こんなに躊躇って、
ただただ罪悪感だけが生まれるのは
全部‥この世の中のせいだと
今にも投げ出してしまいそうな‥

「俺なんかより‥ずっと」

⏰:10/12/05 01:08 📱:D905i 🆔:cy9k1HSQ


#220 [雪]

腕の中にすっぽり収まって
ガキみたいにわんわん泣いて
いつの間にか静かになる

「‥何歳児だよ」

思わず口元が緩む

甘えたい盛りに大して甘えられなくて
子供らしく居られなかった

15、6で大人の裏の世界を見て
まだ未熟だったこの体は
‥一体何を思ったのだろう

⏰:10/12/05 01:13 📱:D905i 🆔:cy9k1HSQ


#221 [雪]

「ちっせぇなー‥」

一回り小さな体は
細くて繊細な線の集まりで
髪から香る匂いがやけに愛おしい

当たり前だけど
俺と同じ匂いだと思ったら
お揃いに喜ぶ中坊のガキみたいに
はしゃぎたくなった

⏰:10/12/05 01:18 📱:D905i 🆔:cy9k1HSQ


#222 [雪]

耳元に唇を寄せて
恥ずかしながら愛の言葉を囁いてみた

起きて欲しいような、欲しくないような


"好き"と"愛してる"の使い分け方が
未だによくわからない

何となくしっくりくるから

「‥愛してる」

もう一度囁いた

⏰:10/12/05 01:22 📱:D905i 🆔:cy9k1HSQ


#223 [雪]

―――――‥


時に神様は残酷で
それを僕らはよく知っている


いつだって僕らは試されてる


‥そんな気がするんだ

⏰:10/12/06 00:23 📱:D905i 🆔:.1jpaoqQ


#224 [雪]

「いってらっしゃい♪」

「ん、行ってくる」

玄関の段差で
少しだけ目線の高さが近づく
それでも結のがちっさい


さっきまで俺の腕ん中で寝てて
きれいないつもの目も腫れぼったい

⏰:10/12/06 00:29 📱:D905i 🆔:.1jpaoqQ


#225 [雪]

「海‥」

時々ドアノブに手をかけるあたりで
後ろから呼び止められる

だけどいつも"気を付けてね"って
‥たったそれだけ


「遅かったら、先食べてていいからな」

会話がまるで夫婦
将来俺はこんな生活を送るのだろうか
‥結でしか想像できなかった。まじで

⏰:10/12/06 00:34 📱:D905i 🆔:.1jpaoqQ


#226 [我輩は匿名である]
あげ!

⏰:10/12/09 01:13 📱:SH02A 🆔:j2oDi10c


#227 [雪]

>>226
あがってる(´;ω;`)嬉しい!
いつもいつもありがとうございますっ
不定期更新で申し訳ないです(;_;)
励みになりますっ ^^*

>>226さんのためにも
頑張って更新しちゃいます!

⏰:10/12/09 23:26 📱:D905i 🆔:Y0/4P.Mk


#228 [雪]

西風が吹いていた。
マフラーに鼻下まで顔をうずめる

「さっむ‥」

寒いと言って何になるんだろう
サムサムサムサム言って、
外国で言ったら振り向く人いるんかな?

くだらない事ばかり考える。
寒いのは嫌いなんだよなぁ‥
暑いのも嫌いだけど(笑)

適温が一番。そりゃそうか

⏰:10/12/09 23:32 📱:D905i 🆔:Y0/4P.Mk


#229 [雪]

駅のホームに立つと、
何人か知り合いを見つける。

だけど、正直めんどい
糞寒いのに、俺には笑顔なんか振りまけねぇ

だから気付かれないように
さらに深く顔をうずめた。
マフラーの温かさと結の温かさは
当たり前だけど、同じではなかった

⏰:10/12/09 23:36 📱:D905i 🆔:Y0/4P.Mk


#230 [雪]

電車の吊革の向こうの
ピンクのキャピキャピした広告が目に入る

あぁ‥。アイツの大学か。

"入試日程・出願期間"

もうそんな時季かぁ‥
焦りに焦ってる高校生を想像したら
なんだか可笑しくて、
少しだけ口元が緩んでしまった

⏰:10/12/09 23:40 📱:D905i 🆔:Y0/4P.Mk


#231 [雪]

"〜大学で女性らしさを磨こう!"


女性らしさ‥ねぇ


会いたいとは思わない。
浮気した女なんかに未練はない。

あの時の、許してくれるだろうという
期待に満ちて潤んだ瞳を思い出す。
馬鹿馬鹿しすぎて、笑っちまうよ

⏰:10/12/09 23:44 📱:D905i 🆔:Y0/4P.Mk


#232 [雪]

噂をすれば何とやら。




駅前の大きな柱の前に
アイツは立っていて、

少しして"アイツ"もやって来た

⏰:10/12/09 23:47 📱:D905i 🆔:Y0/4P.Mk


#233 [雪]

「修也!遅いよーっ」

「わり、電車遅れててさぁ」


2人は当たり前のように腕を組む
まるで恋人のようだった



"恋人のようだった"だけであって
アイツらは所謂セフレだと言う。
修也がそう言っていた

⏰:10/12/09 23:50 📱:D905i 🆔:Y0/4P.Mk


#234 [雪]

"彼女ってなると、何かと面倒だし"

一応人の女に手を出したわけで
中途半端に奪われた気がして
なんだかその時はイラついた。


恋人じゃない奴と繋がるって
どういう気分なんだ?

俺には気持ち悪いとしか思えない

⏰:10/12/09 23:53 📱:D905i 🆔:Y0/4P.Mk


#235 [雪]

友梨からアド変の連絡が来て
ついでに報告を受けた。


"修也と付き合うことになったよ"


惨めで、可笑しかった。


男と女なんて所詮そんなもんだろ?

町でカップルを見かけるたび
俺は嫌悪感と嘲笑したい気持ちで
腹の奥がむずがゆかった

⏰:10/12/09 23:57 📱:D905i 🆔:Y0/4P.Mk


#236 [雪]

彼女のいる男にアンケートを取ったらいい

"もし今の彼女が妊娠したら
あなたは結婚しますか?"

何%が"イエス"と答えるだろうか
そんなことを考慮して
腰を振る男は果たしているだろうか

そんなことを思う俺は
結婚したくてセックスをしたことはない
ただ快楽だけを求めてた

⏰:10/12/10 00:11 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#237 [雪]

同じ質問を女にもしてみたら
それは一目瞭然だろうな。

愛されてると錯覚している
めでたい女がうじゃうじゃいる


ひとつの命をかけてまでするんだ。
快楽の欲求の他ないだろう?
愛だなんだと美化する奴に
大抵ろくな奴はいないじゃないか。

⏰:10/12/10 00:15 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#238 [雪]

"友梨‥愛してる"



簡単に口にして、腰を打ちつけた。
快楽の波に襲われて、満足した。


ろくな奴はいない。俺が実例だ

⏰:10/12/10 00:17 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#239 [雪]

女の子が嫌いになったわけじゃない



ただ、男女の関係に疲れたみたいだ。



本気で誰かを愛したくなった。

⏰:10/12/10 00:19 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#240 [雪]

―――――‥

「んっ‥あ、はぁ」

生ぬるい声が響く
潤んだ瞳がこちらを捉えたようだ

「あぁん‥海く、ん‥ひぁ」


手を動かすたびに
ぴちゃぴちゃと水音を立てた

⏰:10/12/10 00:22 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#241 [雪]

「ん‥んんっ‥はっあぁあ」

演技かと疑うくらいの喘ぎ声と
自分の腕を動かすテンポが徐々に速まる



「海くんっ‥あぁ‥んっ」


二本の指が、
ぎゅっと締めつけられたのがわかった

⏰:10/12/10 00:25 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#242 [雪]

大きく仰け反った体は
一定感覚でぴくりと跳ねる。

嫌悪感に満たされて
すぐに指をひん抜いた。
指先が気持ち悪かった。


「ねぇ‥真由美ちゃん」

内股をすり合わせて
火照った頬がなぜか懐かしい

⏰:10/12/10 00:29 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#243 [雪]

「‥っはぁ」

彼女はまだ目を細めて浸っていた

「‥海の名前、呼ぶのやめて?」

ティッシュを数枚取り出して
分泌された液体を丁寧に拭き取る

長時間愛撫したせいか
指はだらしなくふやけていた

⏰:10/12/10 00:33 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#244 [雪]

「‥ヤキモチ?」

「え‥?」


最初、意味がわからなかった
僕が海を好きだと言うことが
バレているのかと思った


「"結って呼べ"って?」

彼女は体を起こし
何事もなかったかのように
乱れた下着を整える

切り替えが早いのは
男だけじゃないみたいだ‥

⏰:10/12/10 00:37 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#245 [雪]

「そうじゃな‥」


そこで僕は口を止めた

"そうじゃなくて、
海の名前を呼ばないでほしい"

別に海以外の名前なら
誰の名前だって構わない

だけど、"海"だけは嫌だった
海は‥僕のなのに

⏰:10/12/10 18:26 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#246 [雪]

「何?」

彼女の手がこちらにのびて
僕のベルトに手をかける

金属の音が情けなく響いた

「‥あ、そう‥うん、海じゃないから」

どっちとも取れないような返事をすると
"そ"とあっさり受け入れられる

妙にもやもやして、胃の辺りが重いよ

⏰:10/12/10 18:32 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#247 [雪]

真由美ちゃんの手が止まる
少しだけ‥間に合わなかった

思わず「あ‥」と漏らす


躊躇いながらも自らの恥部に目をやると
だらしないままだった


まるで‥

「これじゃぁ、ただのお飾りね」

図星だ。‥急に申し訳なくなった

⏰:10/12/10 18:36 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#248 [雪]

「ごめんね‥なんか最近‥」

必死に言葉を繕おうとしても
空回りして口元が浮ついた


「‥もういらない?」

「そ‥そうじゃないよ!これは‥」

真由美ちゃん‥泣いてるの?


シーツにぽたっと一粒落ちる
じわり染みを作った

⏰:10/12/10 18:41 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#249 [雪]

「ただ‥僕ね」

「結まで見捨てるの?」


胸がえぐられるように痛くて
なぜ泣かせてしまったんだろって
僕は自分を責めた


「見捨てないよ!
真由美ちゃんは‥僕の恩人だもん」

女神さまだよって、
昔は無邪気に笑って言ってたな‥

⏰:10/12/10 18:45 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#250 [雪]

急に彼女は僕の肩を掴み、揺さぶった
強く、激しく揺さぶった

「どうして?!
どうしてみんなそうやって離れるの?!
どうして愛してくれないの?!」

奇声混じりの声は鼓膜を突き破りそうで
脳みそがごちゃ混ぜになりそうだった

「あたし何かした?
ねぇ結‥教えてよ‥
生まれて来なければよかった?」


彼女は、大人に壊されたんだ

⏰:10/12/10 18:50 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#251 [雪]

僕の視界は一転して、天井が見えた

お腹のあたりに重みを感じる
涙でぐちゃぐちゃになった顔で
彼女は必死に何かを訴えてた



だけど何も聴こえなかった
ただ頬に走る痛みだけが残った

僕も‥壊れちゃいそうだよ

⏰:10/12/10 19:05 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#252 [雪]

――――‥


鍵‥開いてる。

なんだか泥棒みたいじゃんか、俺

なぜか忙しなくなる心臓を抑えて
明かりのついていない部屋に入る


「‥た、だいま」

明かりをつけて一応言ってみたものの
あの可愛い愛犬は顔を出さなかった

⏰:10/12/10 19:08 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#253 [雪]

"おかえり〜♪"って吹っ飛んでくるのを
密かに楽しみに帰ってきてるんだなって
自分のあほみたいな本心を知る。

「‥ばか」

自分にそう呟いた


どっか隠れてんじゃないか?
脅かすために、どっかに‥

⏰:10/12/10 19:11 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#254 [雪]

結の部屋を覗く

なんだ‥やっぱり


入ってドアのすぐ横に
愛犬はうずくまってた。

驚かそうとしてたのに
疲れきって寝ちまった‥ってとこか?


呆れ笑いがでる
想像したら結らしくて、微笑ましかった

⏰:10/12/10 19:14 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#255 [雪]

「‥い」


何か聞こえる‥



「ごめ‥なさい、ごめん‥い」



自分がお気楽人間すぎて冷や汗をかいた

こいつは、犬じゃない。
感情を持った人間だ

⏰:10/12/10 19:16 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#256 [雪]

思わず、言葉を失う



ぺたんと壊れた人形のように座り込んで
若い女の子が肌で寝そべってたり
かと思えば、密部だけが撮された写真集を
右手でペラペラと捲り‥凝視している。

左手は‥股間に添えられていた

⏰:10/12/10 21:11 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#257 [雪]

「‥ごめ、なさい‥ごめ」


なんだ、結も思春期の男子と
何ら変わりはなかったんだ。と
安堵する反面

俺に対する"好き"は
やっぱり兄としてだったのか。と
既にエンジンがかかってしまった俺は
素直肩を落とした

行為中は邪魔しちゃいかん。
男同士の暗黙の了解だろう

⏰:10/12/10 21:15 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#258 [雪]

しかし、
呪文のように結の口から零れる言葉が
気になって気になって仕方なかった


"ごめんなさい"


確かにそう言っている

⏰:10/12/10 21:16 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#259 [雪]

俺はバカだ。異常だ。

実の弟の自慰行為から目を放せない
末期だ‥変態だ



しかし添えられた左手は
ぴくりとも動かない。

なんかの宗教か?新しい遊び?
さらに訳が分からなくなり唖然とする

⏰:10/12/10 21:19 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#260 [雪]

「‥か、海。おかえり」

気付けば目が合っていた。
結にピントを合わせる


「あ、あぁ‥ただいま」

やべ‥。
動揺を隠せない


「あ‥あは、恥ずかしいよっ
見ないで見ないでっ!」

急に照れくさそうに笑い
写真集を閉じて隅に置いた

⏰:10/12/10 21:23 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#261 [雪]

「あ‥わりぃわりぃ(笑)
物珍しいからさぁ‥ついつい」

つられて笑う、必死の作り笑い


「海、お風呂は?先入っていいよ!」

「あぁ‥さんきゅー」

なぜか急に沈黙が怖くなる
結も同じ気持ちな気がした

⏰:10/12/10 21:29 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#262 [雪]

"顔どした?"って聞こうとしたら
早く入れと背中を押されてしまった


あの色白のきれいな顔
頬の辺りが赤く腫れていた



1人で全部を抱え込もうとしてる気がして
不安でやるせない気持ちになる

⏰:10/12/10 23:13 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#263 [雪]

「‥っはぁー」

大きなため息をひとつ。
湯気に混じって昇ってく


この気持ち、どこに向けたらいーのかねぇ


結が俺のこと好きだって言ったから
俺は結を好いてんのか?
好きって言われなかったら
いちいち反応することもなかったのか?

⏰:10/12/10 23:20 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#264 [雪]

今朝アイツらを見て思ったのは
体の繋がりなんかなくたって
誰かを愛することは可能で
互いが信頼し合えるのも可能だって事

相手が異性だろうが同性だろうが
どっちにしろ俺にはその自信があった


結相手なら、本気で愛せると思った

⏰:10/12/10 23:23 📱:D905i 🆔:Dx5Kyx0I


#265 [雪]

「結、それ何?」

バスタオルを頭からかぶって
雑に髪を拭きながら
同じようにしてる結を見た


「え?‥真似っこ」

俺にはない八重歯を見せて笑う

「そうじゃなくて、顔」

⏰:10/12/17 15:25 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#266 [雪]

「顔?‥何のこと?」

とぼけた面して冷蔵庫に向かい
コーラをコップに注ぐ
プシュウっと情けない音がして
シュワシュワと染みる音がした

「ヤンキーにでも絡まれた?」

明らかに殴られた痕だ
しかも、何回も

⏰:10/12/17 15:29 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#267 [雪]

「階段踏み外しちゃって‥」

情けなく眉を下げて
炭酸にやられた目は少し潤んでた


「‥あんま、無理すんなよ」

「別に、無理なんかしてないよ」

「一応‥2人で暮らしてんだから
‥共同生活なんだからさ」

「うん‥そうだね」

結は空のコップを静かに置いた
俺はそれ以上何も言えなかった

⏰:10/12/17 15:34 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#268 [雪]

―――――‥


「あんちゃん!あんちゃん!」

学校帰りにその辺をふらついて
変な店を見つけるのが好きだったりする

「ねぇあんちゃん!」

"杏"って名前、
なんとなく可愛らしくて
それも好きだったりする

⏰:10/12/17 15:39 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#269 [雪]

「ちょい!」


背後から何かに襲われ
肩を掴まれてやっと気づく


あんちゃんは杏ちゃんじゃない


「あんちゃん、無視よくない!」

あんちゃんは俺を指してた
"そこのあんちゃん"のようで

⏰:10/12/17 15:42 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#270 [雪]

「‥」

警戒の目で相手を睨む
その男は不思議な雰囲気だった


「ウチで働かない?」

「いや‥そういうの興味ないんで」


ホストの誘いは何度か受けたけど
みんな派手な長髪でジャラジャラアクセサリー
きつい香水に目が眩んだ

⏰:10/12/17 15:45 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#271 [雪]

「え、なんで?」

「え、なんで‥?」

そのくせこのとぼけた奴は
パーマだか天パーだかわからん
寝癖かもしれない黒髪に
放置プレイな髭にひょろい体型

ホームレス?何こいつ


てか、なんで?って何だよ

⏰:10/12/17 15:49 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#272 [雪]

アクセサリーと言えば
ポケットからはみ出た
わけのわからん人形のストラップだけ

野暮ったい感じがにじみ出ていた


「何で嫌?何がダメ?」

まるで別れを拒む重い女のように
動揺しながらの質問責め

"あんたが怪しいから"とは
さすがに可哀想で言えなかった

⏰:10/12/17 15:52 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#273 [雪]

「何かもうバイトやってんの?」

「まぁ‥パスタ‥」

「パスタ?!」

大学入ってから始めたバイトで
単に給料がいいから始めて
まかないも食えるしうまいし
今はたまに期限切れそうな食材貰って
結に飯作ってもらったり

何かとお得なバイト

⏰:10/12/17 16:01 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#274 [雪]

「パスタかぁああ‥」

「パスタです」

うーんと唸る男は
何かぶつぶつと言っていた

‥そろそろ帰りたい


「よし、そこ辞めちゃおう!」

「は?」

あまりにもあっさりすぎて
一瞬頷きそうになっちまった

⏰:10/12/17 16:04 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#275 [雪]

実は辞めようかなやんでたとこでもあった

いろんなバイトしてみたいし
最近人間関係に疲れてきたのが本音

だけどいろいろ助かってるし
結のことも考えると
下手に低賃金なのは無理だし
時間とか考えると抜け出せなかった


「‥てか、何の店?」

「セレクトショップ!」

‥無理っぽい

⏰:10/12/17 16:08 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#276 [雪]

「雑貨とか服とかーアクセサリーとか
それは1階で、2階はお茶が飲める」

2階建てなんだ‥
だけどやっぱ無理っぽい


「何で俺?」

「イメージにぴったりだから」

「‥」

「特別給料高めにするからさぁ」

現実、世の中は金だと思うわけで

⏰:10/12/17 16:11 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#277 [雪]

――‥

「えぇ!いいじゃんいいじゃん!」

真っ白なシーツが宙を舞う
ふわっと膨れて、しぼむ

「お洒落なお店って憧れるなー」

ベッドメイクしてる結は器用にそれをこなす

「給料よくて、お洒落で
店長さんもいい人そうで、うん、いい」

⏰:10/12/17 18:02 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#278 [雪]

「いや‥でも食料は貰えねぇよ?」


ちょこまかと動く結を
胡座をかいて眺める俺

「んー‥。」

やっぱり食料は大事だ
こいつは食べ物に目がない


「でも蹴るのは勿体ないよー
試しにやってみたら?」

⏰:10/12/17 18:04 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#279 [雪]

「僕もいい加減
ちゃんとした仕事、探そうと思って」

にっと笑う

"ちゃんとした仕事"と言うのはつまり
"ちゃんとしてない仕事"があるのを意味して
結はそれを断ち切ったと取れる


「そっか‥助かる」

できたてのベッドにダイブする
洗剤の香りは妙に落ち着く

⏰:10/12/17 18:09 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#280 [雪]

"じゃあ、試しに"と返事をした

先に"合わなかったらすみません"と
断りの言葉も伝えておいた


今のバイトは
少しシフトを減らすとして
あとは、様子見

⏰:10/12/17 18:11 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#281 [雪]

「海ー?」

「ん‥」

いつの間にか夢心地で
瞼が重くなり、呼吸もペースを落とす

「デート、断った?」

「ん‥ん」

なんとなく入ってくる声は
ぼやっと輪郭をなくして
受動的に聞くかんじだった

⏰:10/12/17 18:14 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#282 [雪]

前に結に聞いた"断り方"のことだ

「どうして?」

「ん‥無理だから」

枕に顔を押し付けて
自分の低い声が少し枕を震えさせる

「どうしても?」

「‥いや、うぅん」

頭がうまく回転しなくて
答えが出てこない

⏰:10/12/17 18:18 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#283 [雪]

理由がどうこうじゃなく
体が拒否してた。たぶん

「真由美ちゃん‥」

「‥ん」


休憩中の脳が、その名前に反応した

なんで結が名前知ってんの?

⏰:10/12/17 18:21 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#284 [雪]

「知り合い‥だっけ?」

やっとの思いで言葉を引っ張り出す
ちゃんと喋れてない気がした


「え‥あ、
海が、名前言ったんでしょ?」

「‥そっか」

俺が名前出してたんだっけ
妙に納得して、俺の脳は満足したのか
そのまま、また休憩を挟んだ

⏰:10/12/17 18:30 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#285 [雪]

―――‥


"海くんには、この事言わないで"


当たり前だよ
‥言えるはずないんだ


こんな関係がもう何年も続いてること
真由美ちゃんは僕の初恋の人だってこと

真由美ちゃんが僕を救ってくれたこと

⏰:10/12/17 18:45 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#286 [雪]

本当はこんな関係断ち切りたいこと

だけど、そんな勇気が僕にはないこと


「‥」

隣で静かに寝息を立てて
無防備に寝てる君が好きってこと


そっと髪に触れて、すぐに手をどけた

⏰:10/12/17 18:47 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#287 [雪]

まだ何人かの女の子と連絡を取ってること
お金をもらってること

携帯が鳴ると震えが止まらなくなること

ひとりになると手首を切ってしまうこと

自分がすべてに依存して
すべてに存在価値を見いだすのに必死なこと


たくさん黙ってることがある
たくさんありすぎて、辛い

⏰:10/12/17 18:56 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#288 [雪]

"共同生活なんだからさ"


この辛さを分け合ったところで
何もいいことがないのは
バカな僕にでも予想はできる



大切な、たった1人のお兄ちゃん
大切な‥大好きな人

大好きだから、その優しさに甘えられない
だけど‥その優しさがたまらなく嬉しい

⏰:10/12/17 18:59 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#289 [雪]

僕は、不良品だ。

海と同じ時に、同じ親から生まれたのに


海は、大学にトップで入って
いろいろ免除されるようなエリートで
僕は、高校にも行ってないようなバカで

海は、真面目にバイトして
僕は、体を売って裏の世界に生きて

どうしてこんなにも違うんだろう
こんな不良品を、愛してくれる人なんて
‥いるはずがないんだ

⏰:10/12/17 19:03 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#290 [雪]

自分の片割れがいるって知って
救われた気がした

独りじゃないって‥思った


だけど
本当に片割れなのか疑いたくなるほど
生きてる世界が違くて


触れたいのに、抱きしめたいのに
許されない気がするよ

⏰:10/12/17 19:06 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#291 [雪]

「海‥」


こちらに向いた顔をみつめる

目の奥が急に熱くなった


「‥変わりたいよ」

君に見合う人間になりたい
できるなら、女の子に生まれて
たくさんたくさん勉強したいよ‥

「ごめんね」

口元に指を伸ばす
生暖かい空気に触れる

⏰:10/12/17 19:09 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#292 [雪]

「‥ごめんね」


こんな弟で‥ごめん



僕は社会に背くことしかできない

この世の"失敗作"だ

⏰:10/12/17 19:11 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#293 [雪]

涙が零れて我に帰る


伸ばした指を引っ込める




‥明日が来るのが怖いよ

秒針の音に胸が痛む


いつか僕は、
粉々になって壊れてしまう気がした

⏰:10/12/17 19:14 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#294 [雪]

――――‥


「いやー、助かる!」

アンティークチックなその店は
どこか懐かしい香りがした

独特の暖かい雰囲気で
どこから仕入れたのかわからないような
不思議な雑貨が並ぶ

服はどうやら女の子向けがメインのようだ


今までにない魅力を感じた

⏰:10/12/17 20:26 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#295 [雪]

「冴島みたいなステキ男子が来れば
客も増えるかなぁーって」

小物をきれいに並べながら
いきなり冴島と呼ぶこの男は
なんとなくこの洗練された空間に
似つかわしくない気もする


「看板息子ってやつ?
ほら、そういうクールキャラって
女の子に人気だし、売上向上の予感♪」

こんなアホみたいなのが
こんなお洒落なものを好むのか‥

⏰:10/12/17 20:33 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#296 [雪]

「他に‥スタッフ」

「あ?いないよ?君が初スタッフ」


は。


何もかもが唐突で
この人は俺をどうしてくれるんだ

呑気に鼻歌なんか唄ってるなや

⏰:10/12/17 20:37 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#297 [雪]

「まだ始めたばっかでさぁ(笑)
やっと夢叶って、浮かれてんの」


眉を下げて呆れたように笑ってた

なぜかそれで
この人はいい人だと悟った


前髪でよく見えなかった目も
優しそうな雰囲気で
何より目尻にできたシワが
それを物語ってた

⏰:10/12/17 20:41 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#298 [雪]

「へぇ‥店長いくつなんですか?」

「店長って、なんか格好良くなーい」

マスターがいいだの、オーナーがいいだの
何やかんやとぼやき、
ついでのように"三十路"と答えた


相応だなとも思うけど
もう少し若そうにも見える

⏰:10/12/17 20:45 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#299 [雪]

「こうやって自分の店持って
マイペースに平凡に生きたかったわけ」


"あげる"と手渡されたのは
奇妙なあのストラップだった


「なんなんすか、コレ」

「お揃い♪スタッフの証」

どっかのアイドルみたいにウインクして
一服してくると姿を消した

‥変な奴に捕まった

⏰:10/12/17 20:53 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#300 [雪]

「2階‥」


階段の前で立ち止まり、見上げた

なぜか秘密基地に行くような
そんなわくわく感に駆られ
一歩、また一歩と踏み出す


ミシっと小さく音がする
その音にまた、俺は盛り上がる

「お‥」

⏰:10/12/17 21:17 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#301 [雪]

下と同じような作りで
小さな丸テーブルが数個
その真ん中にはこれまた小さな花瓶

5、6人が座れるカウンター
その向こうにエスプレッソマシーン

「‥っはぁー」

"アレ"が花‥ねぇ

ギャップってやつか?
あまりにも似合わなすぎて鼻で笑った


「どう?いーだろ?」

「んわっ!」

⏰:10/12/17 21:22 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#302 [雪]

ぬっと真横に飛び出してきた髭面
煙草の臭いが鼻につく


「んな驚くことなかろーに」

どこか余裕そうで
羨ましくもあり、憎たらしくもあり

「羨ましいなぁー美男子」

ばふっと頭を掴まれて
ガシガシっと撫でられた

⏰:10/12/17 21:28 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#303 [雪]

「んな゙ぁー」

やめろと無理やり手を払いのける
調子よすぎて‥疲れるわ


改めてよく見ると
この人こそ美男子の面影あり

髭と、もさったい髪さえなければ
爽やかな部類なのかもしれない


何となくわざと
それで隠してる気もする

⏰:10/12/17 21:35 📱:D905i 🆔:ic0DbgC.


#304 [雪]

「客来るんすか?ココ」

目立つようなとこにはなく
駅から近いわけでもなく
この辺を毎日のように歩き回ってるような
マニアックな人間しか気付かなそうな場所


「あぁー‥2、3匹くらい」

手慣れた手つきで紅茶を入れ
レモンかミルクかと問う

「ミルク‥。匹って?」

「ミルクー‥あ、これ客用」

⏰:10/12/20 13:28 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#305 [雪]

浅い皿に入った牛乳
並々と注がれゆらゆらと揺れている


「‥」

ふと窓の外に目をやる
暗い朱色の屋根に黒、白、ミケ

ミケ‥?

「客‥って」

「黒が小豆、白が大福、ミケがランジェロ」

⏰:10/12/20 13:34 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#306 [雪]

突っ込みどころがありすぎて
どこから行くべきか戸惑う

逆に突っ込まなくていいかなとも思う


「ランジェロって何(笑)」

もはや笑うしかない、俺、お疲れ

"ミケ・ランジェロ♪"
案の定な答えが返ってくる

なぜか誇らしげな店長
いわゆる"どや顔"

⏰:10/12/20 13:37 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#307 [雪]

「人は?人」

窓を開けて仕方なく客にミルクを差し出す
まだ奴らはチビで、飲み方がぎこちない

「人もー‥平均2、3」

「それでやっていけんの?」

「無理(笑)
だから美男子を雇ったわけよー」

休日は10人くらい来る
買う人は半分くらいかなーと
その余裕は一体どこから?

⏰:10/12/20 13:42 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#308 [雪]

プレッシャーだ

人が来なきゃ給料だってないだろ
人呼ぶのは俺の役目みたいな雰囲気だし

「宣伝とかすりゃーいいのに」

「宣伝?んー‥副店長に任せる」

「って、」

「冴島に任せる」

なぜか終始幸せそうに笑って
だけどどこか悲しそうな目をしてる

余計なお世話かもしれないけど
病気がちな感じ。痩せてる

⏰:10/12/20 13:47 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#309 [雪]

夢を追い求めたって
くたばったら意味ないだろー‥

「嫁さんとかいないんすか?」

ミルクティはうまかった
猫舌にも丁度良い、飲み頃

「ペケイチ」

両方人差し指をクロスさせて、また笑う

「ペケ?」

口を塞ぐように作られた×を見て
それが"バツイチ"だとわかる

⏰:10/12/20 13:51 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#310 [雪]

「俺の親父も"ペケイチ"っすよ」

「おぉー奇遇だねぇ」


この人なら誰とでも
円満にやっていけそうなのに

「両立なんて、俺には無理
欲張りじゃん。中途半端は嫌いだし」


夢を追うか、嫁さんと幸せに暮らすか
そういうことだと思う

遠くを見つめてふてくされていた

⏰:10/12/20 13:55 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#311 [雪]

「"支える"とか"ついて行く"とか
そんな覚悟ができてたとしても
それはその時だから言える。
やっぱ、生活が苦しいのは辛いさ」


あぁ‥こういうことなんだ

「道連れは、俺が嫌だった
人ひとり養えない男が
"旦那さま"なんて、アホくさいだろ?」


2人も、こういうことなんだ。

「愛の形は、人それぞれ
本当に愛してんなら、時には‥ね」

⏰:10/12/20 14:01 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#312 [雪]

「週何で来ればいいんすか?」

ただもんじゃない。
この人の話には価値がある

金も必要だけど、
それなりの見識も必要か

「んー‥何曜日平気なん?」


髭面は、笑うと魅力的だ

⏰:10/12/20 14:23 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#313 [雪]

――――‥

「いーなぁああぁあ!」

いつからかベッドに2人で座って
その日の反省会をするのが日課になった

「僕もその"てんちょ"に会いたい!」

枕を抱えてだだをこねる
相変わらずガキだ


‥可愛いとかは、口が裂けても言わない
結は絶対、絶対調子にのる

⏰:10/12/20 16:57 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#314 [雪]

「じゃ、暇な時来れば?」

なんとなく
あの人と結は馬が合う気もした

なんとなーく似てる
結は懐くだろうし、あの人は可愛がる


悪くはないけど
こいつを可愛がるのは俺だけで十分


と言う、密かな独占欲

⏰:10/12/20 16:59 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#315 [雪]

「いいの?行く!紹介してくれる?」

目を輝かせて前のめりになる
元気そうでなによりです。


「あ、そーいえばさ」

うん、と雑な返事をして話を変える
少しくらい素っ気ないほうが、結には合う


「離婚の話‥」

⏰:10/12/20 17:03 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#316 [雪]

察したのか、急に落ち着いて
大人びた表情を浮かべる


‥店長の言葉を思い出す


その言葉を脳内に巡らせて
ひとつひとつ、丁寧に解析する


「愛してたから?」

その言葉に結は
一瞬不意をつかれたような顔をして
すぐに満足げに笑った

⏰:10/12/20 17:06 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#317 [雪]

その顔は
"やっとわかったのか"と言いたそう


「一緒にいるだけが愛じゃない‥ってか」

誇らしげに頷く
抱きしめてた枕をこっちに投げつけた

「‥何だよ」

結の手から渡ったそれは
まだ生暖かくて、落ち着いた

「やっとわかったの?」

にっと歯を見せて得意げに笑った

⏰:10/12/20 17:10 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#318 [雪]

母親は元風俗店で働いてたらしい
逆に親父は会社のお偉いさん

社会的な格差が目に見えてる2人が結ばれた

母は結婚して店をやめたけど
すぐに俺たちが生まれて
世間の目は更に冷たくなった
ただでさえ2人は非難を浴びたのに


"親父の子じゃないんじゃないか"

社会は非難が大好きで
人を不幸にし向けるのが得意だ

⏰:10/12/20 17:40 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#319 [雪]

どんな批判を受けようとも
親父が母を選んだ訳はひとつ

"愛してたから"


母は思ったそうだ
"こんな汚らわしい女の中身を
見てくれる人は現れない"


だけど実際現れた
"少数派"は必ずいる
社会に背いたって誰かが認めてくれる

⏰:10/12/20 17:43 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#320 [雪]

それから2人は
人目を忍んで生活してた


そして、親父の会社が倒産



その後の流れはあの人と同じ

別れを切り出したのは親父から

⏰:10/12/20 17:45 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#321 [雪]

親父がまた職を見つけて
敗者復活戦に勝ち残ったら
母を迎えにいく約束だった

2人の愛の期限は10年

10年後、まだ想い合っていて
親父が成功していたなら
また‥という話


俺と結が離されたのは
2人がまた結ばれるようにと言う訳らしい

⏰:10/12/20 17:48 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#322 [雪]

「僕らは、
2人の身勝手で離れた訳じゃないよ」


優しく笑った
母はこんな顔をしてたんだろうか


「大丈夫。2人はまた結ばれる」

「‥結」

⏰:10/12/20 17:49 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#323 [雪]

結は何でも知ってる
時々見透かしたかのように笑う

すべてを受け入れるように笑う


「結、おいで」

「‥ん、どしたの?」

無理やり細い腕を引いて抱き寄せる
急に愛おしくなった

⏰:10/12/20 17:53 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#324 [雪]

「‥海?」


バランスを崩して倒れ込む体は
小さくて、細い

白い首筋と耳たぶは、
風呂上がりでまだ火照って赤い

「結‥もう、いい」

⏰:10/12/20 17:55 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#325 [雪]

「もう‥離れる必要はないよな?」

声が震えてたかもしれない
目の奥が熱くなった


「‥ないよ。もう離れない」

あやすように結の手が背中に伸びる

「僕らは兄弟だ。血の繋がった。
2人の愛の証」

⏰:10/12/20 17:58 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#326 [雪]

そう言い終わる前に、力強く抱きしめた

自分の中にいっそ、取り込んでしまおうか

そんなことさえ思うほど
溜まってた想いが折り重なって溢れて


「海‥苦しいよ」

耳元で聞こえた弱々しい声が
妙に懐かしくて、愛おしい

⏰:10/12/20 18:01 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#327 [雪]

無意識に、衝動的に
結の顔に左手を添える


こんなの許されるか?


結の潤んだ大きな瞳がこっちを捕らえる


こんなの受け入れるか?


やり場のない感情をそのままに

⏰:10/12/20 18:10 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#328 [雪]

我に返って漏れるのは、溜め息

「‥寝るか」

目をそらして体を離す

まだ歯止めがきく
まだ‥大丈夫


「ねぇ海‥」

⏰:10/12/20 18:13 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#329 [雪]

壊していいのか?

「ごめんね‥」

もう後戻りはできないぞ?

「僕‥」

なぁ、俺は正しいか?

「海が好きだよ」


俺は‥間違ってないのか?

⏰:10/12/20 18:15 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#330 [雪]

一瞬時が止まったように
呼吸が止まって、苦しくなる



受け入れてくれるのか?
俺のこの、認められない感情を‥



「‥っ」


思い切り抱きしめてた
そして、口付けた

⏰:10/12/20 18:18 📱:D905i 🆔:jWEZN3BQ


#331 [ちー]
素晴らしい(´ω`)続き気になる…邪魔っぽいコメントごめんなさいけど頑張って下さいっ!楽しみにしとります(*^□^*)

⏰:10/12/21 05:05 📱:N706i 🆔:cUsRx9jc


#332 [雪]

>>331
素晴らしいだなんて><
ありがたいです!嬉しい ^^*

思いつきで書いてるので
話にまとまりがないかもですが
頑張って書くのでこれからもよろしくです!

よかったら総合のほうに感想板あるので
そちらにもいらしてください*

⏰:10/12/21 16:47 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#333 [雪]

―――――‥

別に男に興味があるだとか、
そういうことじゃない


ひとりの人間として
弟としてはもちろんだけど‥



だけど、受け入れられたとなれば
これからの俺たちの行方は?

俺たちは兄弟じゃなくなるのか?
恋人?‥よくわからん

⏰:10/12/21 16:50 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#334 [雪]

なるようになると言えばそれまで‥
そんなことを言ったら結は怒るだろうか


大学も、いつの間に設置したのか
でっかいツリーやら電飾で彩られて
すっかりクリスマスムード

本場のクリスマスは家族と過ごすらしい
キリスト教でもないくせに
好きなようにあれこれ取り込めるこの国は

ある意味めでたいお国だ

⏰:10/12/21 16:54 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#335 [雪]

世間で言われる勝ち組は
"クリスマスどこ行く?"などと浮かれ
反対に負け組は
もはや先を行くニューイヤーネタ

そんな浮き沈みすることないのに

去年は友梨と過ごしたけど
ケーキを食べたくらいだったな

「‥海くん」

「ん?」

⏰:10/12/21 16:58 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#336 [雪]

"うわ‥"とか言ったら失礼だけど
苦手な子はとことん苦手だから‥
引きつる顔を無理やり笑顔に変える
まさしく"営業スマイル"と同等


「真由美ちゃん‥久しぶりー」

冷たい空気が指先に絡む
彼女の真っ赤な手袋が目立つ

「久しぶり♪‥ちょっといい?」

⏰:10/12/21 17:01 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#337 [雪]




落ち葉を踏む
あんなに鮮やかだった色もあせて
みんな同じように折り重なってた

「あぁ‥えっとさ」

頭を下げる真由美ちゃんを見つめる
中途半端にいい奴でいようとする
人間なんて都合がいいだけの生き物だ

⏰:10/12/21 17:10 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#338 [雪]

「お願い!一日中とは言わないから」

あんなに生意気っぽくて
図々しくて、と言ったら悪口だけど
人に頭なんか下げないような子が
こんな凡人に頭を下げている


「俺‥あんま話すの得意じゃないし」

「大丈夫!ちょっとでいいの!」

⏰:10/12/21 17:12 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#339 [雪]

しぶとい‥
まじで勘弁してくれ
今の俺に女の子は無理‥

「一回でいい!そしたらもう
‥こんな風に誘ったりしないから」

どこか弱々しくもある声は
確かに俺の耳に届く

「なんでそんな‥俺に」


「忘れさせてほしいの」

⏰:10/12/21 17:15 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#340 [雪]

その声は
悲劇のヒロインぶるでもない
しっかりとした口調で
ただ事じゃないと察した俺は


「じゃあ‥少しだけ、一回だけ」

そう返事をした

やっと頭を上げた彼女の目は
少しばかり潤んで見えた

⏰:10/12/21 17:18 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#341 [雪]

―――――‥

扉を開けるとベルが鳴る
その音を聞いて、店長は顔を上げ笑う

「‥なんすかソレ」

彼の頭の上に乗った
赤いとんがりを指差した


「サンタさん」

「黒ひげの?」

「そ、黒ひげのサンタさん」

⏰:10/12/21 17:39 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#342 [雪]

今日も暇そうだ
平日だからまぁ、仕方ないのか


「冴島はどっちにするー?」

差し出されたのは"お揃い"か"角"


「いや、遠慮しときます」

「お揃いにすっか?」


‥聞いちゃいない脳天気

⏰:10/12/21 17:41 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#343 [雪]

「‥だから遠慮し」

「店長命令!」


都合の良いときにソレ使うのずるい‥


しぶしぶ同じのを受け取り
じっと眺めてから手で弄ぶ

店長の視線は離れない
珍しい物見たさのように目が促す

「被りゃいいんでしょ、被りゃ」

⏰:10/12/21 17:44 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#344 [雪]

「お、似合う!
やっぱ作りがいいと何でも似合うな♪」

その時の俺と言えば
かなりの酷い顔をしてたに違いない

こんなの人生で一度も被った記憶がない‥


だけど憎めない、黒ひげサンタ

⏰:10/12/21 17:47 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#345 [雪]

「冴島サンタ、クリスマスはー?」

次の店長命令、"店内の装飾"
ちまちまとツリーに飾り付けながら
ひげ(もう面倒だからひげでいい)は
呑気につぶやく

「ひ‥てんちょは?」

別に"ひげ"と呼んだところで
この人は笑って受け入れるだけだろう

⏰:10/12/21 17:51 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#346 [雪]

「聞き返すってことは‥
まさかのまさかのー?」


ばっと振り返って
にやにやした顔がこちらに向いた

ノリは俺より若い
"少年の心"と言えばよく聞こえるけど


「そのまさかのまさか、です」

⏰:10/12/21 17:54 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#347 [雪]

「おー、奇遇だねぇ!」

キラキラと輝かせた目は
期待に満ちている気がした

正直‥めんどくせっ


「てかさ、仏教じゃん?俺ら
え、クリスマス?キリスト?十字架?
俺らは仏壇派だろ?なぁ?
そもそもサンタなんてーのはさ‥」

きっちりサンタの格好したお前が言うな
説得力にかけるわ(笑)

⏰:10/12/21 17:58 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#348 [雪]

別にイルミネーションとか
ツリーとかリースとか、嫌いじゃない
綺麗だと思うし、日本にはない習慣だし


「俺らは日本人らしく鍋でも食おうぜぃ」

‥確かに言ったな
聞き間違いでなければ

「俺ら?って?」

答えなんかわかっちゃいる
いや、念のため確認
当たり前のように受け入れてる雰囲気じゃ
俺もさすがに気にくわない‥

⏰:10/12/21 18:01 📱:D905i 🆔:saprTyuA


#349 [雪]

案の定人差し指を行ったり来たりさせ
俺と自分の間を結ばれた


「‥なんで」

頭をくしゃくしゃっと掻く
嫌なわけじゃないけど、
想像したら絵面が奇妙すぎた


「いーじゃんかー。
タダで鍋食えるんだぜ?な?」

この人、犬みたい

⏰:10/12/22 12:01 📱:D905i 🆔:POguP90A


#350 [雪]

「別にいいけど、2人だ‥」


‥チリンチリーン


扉が開いた
2人のサンタが反射的にそっちを見る


あ‥


「結‥」

⏰:10/12/22 12:03 📱:D905i 🆔:POguP90A


#351 [雪]

「まだ、準備中だった?」

扉から顔だけ出し、きょろきょろ


「いや、一応平気‥だけど」

店長を見る。
豆鉄砲を食らった鳩だ。
目も口もついでになぜか鼻の穴も
ぽかーんと開いてる

まぁ、それが普通かもなー‥
いや、この人は大げさだけど

⏰:10/12/22 12:07 📱:D905i 🆔:POguP90A


#352 [雪]

「あ、この人が店長」

噂の店長が酷いアホ面だったのか
結は笑いをこらえてるようだった


「冴島‥どしたのお前」

なんかすっげーもの見ちゃったって顔して
こっちを見つめてくる

「ああー‥。別に陰分身とか
ドッペルゲンガーとかじゃないから」

俺も最初会ったときは
ドッペルゲンガーかと思ったけど

⏰:10/12/22 12:11 📱:D905i 🆔:POguP90A


#353 [雪]

少し勿体ぶって、様子を見る

あまりにも混乱してるので
仕方なく口を開く


「兄弟、俺の弟」

「おと‥あぁ」

納得したように大きく頷いた
そして更に俺の説明を求めるように
口をもごもごさせながら
視線を行ったり来たりさせていた


「‥双子の」

⏰:10/12/22 18:53 📱:D905i 🆔:POguP90A


#354 [雪]

するとなぜか安心したように
大きく大きく頷いて
"だろーと思った"とか何とか

なぜそこで強がる(笑)


そんなことは、まぁよしとして


「弟の、結」

一応軽く紹介する
にこにこと結が頭を下げる
つられて店長も同じようにする

⏰:10/12/22 18:55 📱:D905i 🆔:POguP90A


#355 [雪]

「なんだー、双子なら早く言えよー
ったく、水臭いなぁ(笑)」


別にわざわざ言う必要ないだろ
水臭いってそんな俺ら親しかったか?


「結くん、いくつー?」

「いや、だから双子なんだってば」

天然なのか、ただのあほなのか
芸人にとったら突っ込みやすい
ありがたい人間かもしれない

⏰:10/12/22 18:59 📱:D905i 🆔:POguP90A


#356 [雪]

「あ、結くん何鍋すき?」

結まで巻き込むパターンか‥

俺が初めて来た時と同じように
レモンかミルクか尋ねていた


「んー‥今はキムチが食べたいです!」

素直に答える姿は結らしい
なんの疑いもなく答える

それにくらべりゃ
俺はかなりひねくれてるな‥

⏰:10/12/22 19:03 📱:D905i 🆔:POguP90A


#357 [雪]

店長はそれに満足げに微笑む
目尻のシワはそのたび深くなる

時々見せる柔らかな表情は
どこか懐かしくて、憎めない


「じゃあキムチねー」

その答えに首を傾げる結
今日の紅茶は少し熱かったようだ
カップを口に近づけてすぐに
結の肩がびくっと跳ね上がった

⏰:10/12/22 19:07 📱:D905i 🆔:POguP90A


#358 [雪]

「クリスマス、結予定は?」

必死に冷まそうと息を吹きかける結を
横目で俺は見つめた


「クリスマス‥うーんと」

視線を上にあげ、ぶつぶつ呟く
頭の中に手帳があるらしく
紙の手帳は持ち歩かないタイプだ


「夜の8時くらいまでは
ちょっと予定あるんだよねぇー‥」

⏰:10/12/22 19:10 📱:D905i 🆔:POguP90A


#359 [雪]

眉を下げて困ったように笑う


なんとなく予想がついてしまった
別に結を信用してないわけじゃないけど
‥なんとなく、そんな気がした


「うわー‥結くんリア充なんだぁ
おい、弟に負けてんぞ?」

肘でわき腹を小突かれる
この人がいるから冷静でいられるけど
いなかったら、問い詰めてただろう

⏰:10/12/22 19:14 📱:D905i 🆔:POguP90A


#360 [雪]

「んじゃ、予定済んだらきなよー
負け組の鍋パーティー(笑)」

いきなり肩を抱き寄せられにっと笑う
俺は今相当無愛想に違いない


煙草の染み付いた臭いがした
親父もこんな臭いだった気がする
そういえば、どこで何やってんだろ‥


「行く行く行く!
店長さん面白いから絶対行くーっ」

その言葉に気分をよくする姿は
単純そのものだった

⏰:10/12/22 19:18 📱:D905i 🆔:POguP90A


#361 [雪]

「ちなみに2人ともイブは?」

「別に何も」

「僕もイブはないです!」

にやり、髭サンタが笑う
‥いやな予感。


「じゃあ2人で客の呼び込みな♪
結くんはこれ付けて、お前はそれで」

やっぱり俺‥と言わせる隙もなく
"はい、けってーい"と締め切られた

⏰:10/12/22 19:28 📱:D905i 🆔:POguP90A


#362 [雪]

「楽しそー♪」

「だろ?絶対2人で呼び込めば客来るよ!
コイツ1人じゃ無愛想すぎて(笑)」


あんだけ最初は"美男子"だなんだと
ワッショイワッショイしてたのに‥
まぁ、否定はしないけど


案の定、髭サンタとトナカイは意気投合
それを見守る、俺

あっという間に謎の人間関係が生まれる
人の繋がりなんて、案外あっさりしてるもの

⏰:10/12/22 19:31 📱:D905i 🆔:POguP90A


#363 [雪]

―――――‥


サンタとトナカイがやってきた!

って書いてある手作りのボード
いや、そんな報告いらんだろーに


「寒いねぇー♪人いっぱいだねぇ♪」

世間様は冬休みに突入
イブともなれば昼間っからでも
カップルが絶え間なく視界に入る

そんな中、俺はノリノリトナカイを連れ
駅前で‥宣伝。

⏰:10/12/24 09:35 📱:D905i 🆔:pHbkbPM2


#364 [雪]

「お店やってまーす♪
クリスマス雑貨もありまーす♪
ペア物もありますよー♪」


一応店員の俺より
何十倍も使えるトナカイ改め結

寒すぎて口が開かねぇ‥

張り切る結をよそ目に俺は
首からぶら下げたボードに任せる

「"来てね(ハート)"」

‥学園祭じゃあるまいし

⏰:10/12/24 09:39 📱:D905i 🆔:pHbkbPM2


#365 [雪]

"冴島はコレ持って立ってろ!
世の中ギャップで何とかなるもんだ"

と、言われて渡されたわけだが
やたらと丸い可愛らしい文字の周りに
これでもかと言わんばかりのハートが


「海ー、顔怖いよー?
そんな顔してたらお客さん来ないよー」

「さみぃ」

⏰:10/12/24 09:43 📱:D905i 🆔:pHbkbPM2


#366 [雪]

「だから言ったでしょ
カイロを介の字貼りすると
温かいんだよってー」

なんでそんなにカイロを
背中の一部に集中させんだよって話


昼間とはいえ空気は冷たい
それをいいことにくっつくカップル


幸せそうで結構、結構

⏰:10/12/24 09:46 📱:D905i 🆔:pHbkbPM2


#367 [雪]

「みんな幸せそうだね」

目を細めて結が笑った
こいつは、他人の幸せも
自分のことのように素直に喜べる
同じように年を取ったはずなのに
こんなに真っ直ぐに育つとは‥


遠くに目をやる
行き交う人は、肩がぶつかろうが
鞄がぶつかろうが気にしてないようだ

それはみんなが心が広くて
受け入れてる証拠なのか
はたまた他人には無関心なだけなのか‥

⏰:10/12/24 09:52 📱:D905i 🆔:pHbkbPM2


#368 [雪]

「あ‥海、見て!」

袖口を下に引かれ気付く
一度結のほうを見て、その視線を追う


「泣いてる‥?」

視線の先にはひとりの男の子
まだ幼稚園生くらいの
背丈なんて行く人々の腰にも満たない

「迷子かな?」

顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた

⏰:10/12/26 19:58 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#369 [雪]

「‥かなぁ」

道行く人は一度振り返りはするものの
迷子か可哀相だなどと言うだけで
誰も手を差し伸べようとはしない

やっぱり無関心なんだと、確信


「ちょっと、」

急にボードを手渡され
結はその少年の方へ駆け出した

⏰:10/12/26 20:01 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#370 [雪]

俺はただそれを見つめるばかり


俺も同じ。
落胆したこの冷え切った人々と同じ

本来人は
結みたいに、暖かかったはずなのに


胸の奥が苦しくなった
いつか人は人じゃなくなるんじゃないかと
不安になったりもした

⏰:10/12/26 20:02 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#371 [雪]

一生懸命助けを求める小さな体を
俺より一回りも小さい体が抱きしめた

包むようにして抱きかかえ
少しだけあやすように揺すって

「ママはー?」

暖かい笑顔を向ける
まるで本物の母親みたいに笑った

少年は大きく首を横に振ると
湧き上がったように涙をこぼした

⏰:10/12/26 20:06 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#372 [雪]

「じゃあ、ママ探そっか♪
飴舐める?何味がいい?」


普段の甘えたな結の姿はなくて
頼れるお兄ちゃんだった

不安にさせないように
声の速さをゆっくりにして
ずっと目尻にしわをよせたまま


子供ってほんと素直で
すぐに反応してくれるもんだ

少年はすぐに笑顔を見せた

⏰:10/12/26 20:10 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#373 [雪]

結は早速声をあげ母親探しをした

するとすぐさま人ごみの中から
子供みたいに今にも泣き出しそうな女性が
こちらに駆けつけた

"よかった、よかった"と
絞り出すような声で少年を抱きしめた
その様子に俺らは自然と笑顔になった

⏰:10/12/26 20:14 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#374 [雪]

そしてその後父親らしき男性が
その少年と瓜二つの少年を抱え
抱き合う2人に寄り添った


結と俺は思わず目を合わせ
「同じだ」と呟いた


2人の少年は抱き合った
そして、離れないように手を繋いだ


「もう離れちゃだめだよ?」

結は少年たちに言った

⏰:10/12/26 20:17 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#375 [雪]

暖かい家族を羨ましく思う
父親がいて母親がいて兄弟がいて‥

それが世の中では当たり前だけど
俺らはそうじゃなかったから
時々、苦しくなる


それでも今幸せだと思えるのは
隣にいる‥

「結‥?」

お前のおかげなんだと思う

⏰:10/12/26 20:20 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#376 [雪]

「そろそろ、帰るかっ」


自分の問いかけに
笑顔で答えてくれる奴が側にいる


普通と言えば普通だけど
俺にとっては特別。


「そーだね♪」

兄弟だからとかじゃなくて
結は特別なんだと思う

⏰:10/12/26 20:23 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#377 [雪]

―――――‥

「っあー寒かったぁあ」

寒すぎて廊下を駆け抜けた
エレベーター降りてすぐダッシュ
結は案外すばしっこいようで


「寒かったねーっ(笑)
早くお風呂入って寝よっかぁ」


コートを脱ぎ捨て、マフラーを外す
部屋ん中もくっそさみぃ‥

⏰:10/12/26 20:31 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#378 [雪]

「さみぃいいいぃーっ」

寒いと人肌欲すってあるよね

「んわっ‥ちょ、海」

抱きついても許されるよね

「さみぃのまじ勘弁」

キャラ変わったとか言わないで

「珍しいね(笑)」

寒いの6割、くっつきたいの4割
キャラじゃないから
寒いの10割ってことにしとく

⏰:10/12/26 20:34 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#379 [雪]

カイロとか、暖かい肌着とか
そんなんよりも断然
人肌は暖かいし心地良い


「お風呂入って寝ようよー(笑)」

勢い余って押し倒して、全身が触れて

「あったけぇ‥も少し」

金かかんないし、エコだし
人肌っていいななんて今更

⏰:10/12/26 20:38 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#380 [雪]

「結ー‥」

こっぱずかしいけど
結はちゃんと言ってくれたから

「声眠そうだよ?(笑)」

ちゃんと言わなきゃ
不公平だよなー‥うん


「‥き」

顔が焼けるように熱いのは
結の暖かさのせい、のはず

⏰:10/12/26 21:24 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#381 [雪]

「ん?‥何?」

結が声を出すたびに
振動が頬にじわっと伝わる

何で2回も言わなきゃいけないんだよ


「好きだって言ってんの!
ちゃんと耳掃除してんのか?コラァ」

投げやりになって、ムキになって
体を離して見つめて、少し怒鳴るように

⏰:10/12/26 21:30 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#382 [雪]

少しの沈黙。

‥冷静になって急に恥ずかしくなる

目が泳ぐ。心臓が爆発しそうだ
結の表情が緩む、崩れる


「ホント?」

大きく頷いて、
"何回も言わすな"って緩く睨みつける

⏰:10/12/26 21:35 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#383 [雪]

子供のようにくしゃっと笑う
可愛くて、憎らしくて、壊したい

「‥ありがと、」

そう言い終わる前に
体は勝手に動いてるもんで
ぎゅっと抱きしめる

細い体は砕けそうで
砕けてしまえばこっちのもんだとか
変なことを思う

好きで好きで、たまんないらしい

⏰:10/12/26 21:39 📱:D905i 🆔:iCiVA47U


#384 [我輩は匿名である]
>>150-300
>>301-450

⏰:10/12/31 22:58 📱:N04A 🆔:☆☆☆


#385 [雪]

>>384

アンカーありがとです!
だいぶ遅れましたが、また更新します^^

⏰:11/01/02 14:40 📱:D905i 🆔:WkQ/cWi2


#386 [雪]


「さぁて‥風呂入って寝るかー」

恥ずかしさのあまりすぐさま体を離す
暖かさの余韻に浸る

幸せとか言う経験は少ない、たぶん
だけどこれが、幸せだと思う


「寝よ寝よーっ」

⏰:11/01/02 14:47 📱:D905i 🆔:WkQ/cWi2


#387 [雪]




「‥はぁ。」

ばしゃんと音を立てる
浸かった部分が当たり前のように歪む

なんか1日長かったな‥
売上はどうやら過去最高だったらしい
まぁ、レベルの低い最高だろうけど

⏰:11/01/02 14:51 📱:D905i 🆔:WkQ/cWi2


#388 [雪]


「かぁあーいぃいいーっ!」


癒やしの時間を潰されちゃいけねぇ


「ねぇ!かいぃいい!!きぃいつぇあぁ!」

声がでかすぎて何て言ってるのか‥
よくわからん。

⏰:11/01/02 14:55 📱:D905i 🆔:WkQ/cWi2


#389 [雪]


「ったく‥」

渋々腰を上げる
お湯の反発で腰が重く感じた

湯気で白くなった浴室を抜け
扉に手をかける


「かいぃいい‥」

脱衣場で腰を抜かしてる結
てか、何でここにいるんだって話

そんで何で半裸なんだって‥話

⏰:11/01/02 15:01 📱:D905i 🆔:WkQ/cWi2


#390 [雪]

「虫‥むし、ほら!僕のシャツの‥」


白いシャツの背中の所に
黒いものが、ぽつり


「んな、虫くらいで喚くな‥よ」

こいつ、俺をバカにしてんのか?

シャツを手に取り、"虫"を摘む

体冷えるっての‥さむ

⏰:11/01/02 15:42 📱:D905i 🆔:WkQ/cWi2


#391 [雪]

「‥毛玉」

ただの黒いもじゃもじゃ。
何故か憎たらしく見えた


「毛 玉 !!」

結の怯える顔に近づけて、声を張る


きょとんとした顔と潤んだ瞳は不釣り合い

⏰:11/01/02 15:46 📱:D905i 🆔:WkQ/cWi2


#392 [雪]

「なーんだぁー(笑)びっくりしたぁ」

「どんだけ虫嫌いだっての」

「コンタクト取っちゃったから
よく見えないんだよー。」


目を擦り、立ち上がる
露わになった上半身は白く
手首の無数の筋の赤が余計に目立っていた

⏰:11/01/02 15:49 📱:D905i 🆔:WkQ/cWi2


#393 [我輩は匿名である]
あげます!

⏰:11/01/06 23:42 📱:SH02A 🆔:gvoRZ/A6


#394 [雪]

>>393

あげありがとうございます!
不定期更新ですみません(´;ω;`)

クリスマスネタまだ引っ張りますが
ご了承くださいませ><

⏰:11/01/10 11:32 📱:D905i 🆔:JT5NwcAk


#395 [雪]


「で?」

結を見下ろす目は
思いの外冷ややかだったかもしれない

てか、体冷える

「何で脱いでんの」

「‥お風呂入るから」

「俺まだ、入ったばっかなんだけど」


⏰:11/01/10 11:36 📱:D905i 🆔:JT5NwcAk


#396 [雪]


雑に巻いたタオルが
腰から逃げ出しそうだった


「一緒に入れば一石二鳥♪」

にっと歯を見せて笑い
自らのベルトに手をかける

「‥」

良いとも悪いとも言わず
俺は黙って浴室に戻る

白い湯気は、少し息苦しくなる

⏰:11/01/10 11:40 📱:D905i 🆔:JT5NwcAk


#397 [雪]


嫌ならちゃっちゃと俺が出ればいい

‥嫌じゃないのが問題で
そもそも俺は長風呂派で
浴槽はさほど広くもなくて
男2人じゃ結構‥うん


「海!こっち見ないでね!」

自分から一緒に入るって言ったくせに
見るなとは、何事だ

⏰:11/01/10 11:45 📱:D905i 🆔:JT5NwcAk


#398 [雪]


可愛い子とか、好きな子とかに
意地悪したくなるのは
俺だけじゃなく、男の性だと思う

曇りガラスの向こうの肌色に目を向け
"同じ造りだろ"と、呆れた

⏰:11/01/10 11:48 📱:D905i 🆔:JT5NwcAk


#399 [雪]


白くぼやけた結の体は
構造的には俺と変わらない
華奢ではあるけど‥
ふくよかな胸の代わりに
下に"物"を備えてる

タオルの下に隠された胸の代用
自分と同じ物に、興味を持ってしまうのは
何でだろう。あほらしい。


「見ないでよーっ!
てか海!海の"海"隠して!」

⏰:11/01/10 11:52 📱:D905i 🆔:JT5NwcAk


#400 [雪]


透明に歪んだ"海"
海の海って新しい表現だな、と関心


「自分で一緒に入りたいー言ったのに
いちいち、文句言うな」


目がよくて良かった
結の赤く染まった顔がよく見えた
眺めがいい。いや、ホントに

⏰:11/01/10 11:56 📱:D905i 🆔:JT5NwcAk


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