―‥ 殺したいほどに ※BL
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#301 [雪]
下と同じような作りで
小さな丸テーブルが数個
その真ん中にはこれまた小さな花瓶
5、6人が座れるカウンター
その向こうにエスプレッソマシーン
「‥っはぁー」
"アレ"が花‥ねぇ
ギャップってやつか?
あまりにも似合わなすぎて鼻で笑った
「どう?いーだろ?」
「んわっ!」
:10/12/17 21:22
:D905i
:ic0DbgC.
#302 [雪]
ぬっと真横に飛び出してきた髭面
煙草の臭いが鼻につく
「んな驚くことなかろーに」
どこか余裕そうで
羨ましくもあり、憎たらしくもあり
「羨ましいなぁー美男子」
ばふっと頭を掴まれて
ガシガシっと撫でられた
:10/12/17 21:28
:D905i
:ic0DbgC.
#303 [雪]
「んな゙ぁー」
やめろと無理やり手を払いのける
調子よすぎて‥疲れるわ
改めてよく見ると
この人こそ美男子の面影あり
髭と、もさったい髪さえなければ
爽やかな部類なのかもしれない
何となくわざと
それで隠してる気もする
:10/12/17 21:35
:D905i
:ic0DbgC.
#304 [雪]
「客来るんすか?ココ」
目立つようなとこにはなく
駅から近いわけでもなく
この辺を毎日のように歩き回ってるような
マニアックな人間しか気付かなそうな場所
「あぁー‥2、3匹くらい」
手慣れた手つきで紅茶を入れ
レモンかミルクかと問う
「ミルク‥。匹って?」
「ミルクー‥あ、これ客用」
:10/12/20 13:28
:D905i
:jWEZN3BQ
#305 [雪]
浅い皿に入った牛乳
並々と注がれゆらゆらと揺れている
「‥」
ふと窓の外に目をやる
暗い朱色の屋根に黒、白、ミケ
ミケ‥?
「客‥って」
「黒が小豆、白が大福、ミケがランジェロ」
:10/12/20 13:34
:D905i
:jWEZN3BQ
#306 [雪]
突っ込みどころがありすぎて
どこから行くべきか戸惑う
逆に突っ込まなくていいかなとも思う
「ランジェロって何(笑)」
もはや笑うしかない、俺、お疲れ
"ミケ・ランジェロ♪"
案の定な答えが返ってくる
なぜか誇らしげな店長
いわゆる"どや顔"
:10/12/20 13:37
:D905i
:jWEZN3BQ
#307 [雪]
「人は?人」
窓を開けて仕方なく客にミルクを差し出す
まだ奴らはチビで、飲み方がぎこちない
「人もー‥平均2、3」
「それでやっていけんの?」
「無理(笑)
だから美男子を雇ったわけよー」
休日は10人くらい来る
買う人は半分くらいかなーと
その余裕は一体どこから?
:10/12/20 13:42
:D905i
:jWEZN3BQ
#308 [雪]
プレッシャーだ
人が来なきゃ給料だってないだろ
人呼ぶのは俺の役目みたいな雰囲気だし
「宣伝とかすりゃーいいのに」
「宣伝?んー‥副店長に任せる」
「って、」
「冴島に任せる」
なぜか終始幸せそうに笑って
だけどどこか悲しそうな目をしてる
余計なお世話かもしれないけど
病気がちな感じ。痩せてる
:10/12/20 13:47
:D905i
:jWEZN3BQ
#309 [雪]
夢を追い求めたって
くたばったら意味ないだろー‥
「嫁さんとかいないんすか?」
ミルクティはうまかった
猫舌にも丁度良い、飲み頃
「ペケイチ」
両方人差し指をクロスさせて、また笑う
「ペケ?」
口を塞ぐように作られた×を見て
それが"バツイチ"だとわかる
:10/12/20 13:51
:D905i
:jWEZN3BQ
#310 [雪]
「俺の親父も"ペケイチ"っすよ」
「おぉー奇遇だねぇ」
この人なら誰とでも
円満にやっていけそうなのに
「両立なんて、俺には無理
欲張りじゃん。中途半端は嫌いだし」
夢を追うか、嫁さんと幸せに暮らすか
そういうことだと思う
遠くを見つめてふてくされていた
:10/12/20 13:55
:D905i
:jWEZN3BQ
#311 [雪]
「"支える"とか"ついて行く"とか
そんな覚悟ができてたとしても
それはその時だから言える。
やっぱ、生活が苦しいのは辛いさ」
あぁ‥こういうことなんだ
「道連れは、俺が嫌だった
人ひとり養えない男が
"旦那さま"なんて、アホくさいだろ?」
2人も、こういうことなんだ。
「愛の形は、人それぞれ
本当に愛してんなら、時には‥ね」
:10/12/20 14:01
:D905i
:jWEZN3BQ
#312 [雪]
「週何で来ればいいんすか?」
ただもんじゃない。
この人の話には価値がある
金も必要だけど、
それなりの見識も必要か
「んー‥何曜日平気なん?」
髭面は、笑うと魅力的だ
:10/12/20 14:23
:D905i
:jWEZN3BQ
#313 [雪]
――――‥
「いーなぁああぁあ!」
いつからかベッドに2人で座って
その日の反省会をするのが日課になった
「僕もその"てんちょ"に会いたい!」
枕を抱えてだだをこねる
相変わらずガキだ
‥可愛いとかは、口が裂けても言わない
結は絶対、絶対調子にのる
:10/12/20 16:57
:D905i
:jWEZN3BQ
#314 [雪]
「じゃ、暇な時来れば?」
なんとなく
あの人と結は馬が合う気もした
なんとなーく似てる
結は懐くだろうし、あの人は可愛がる
悪くはないけど
こいつを可愛がるのは俺だけで十分
と言う、密かな独占欲
:10/12/20 16:59
:D905i
:jWEZN3BQ
#315 [雪]
「いいの?行く!紹介してくれる?」
目を輝かせて前のめりになる
元気そうでなによりです。
「あ、そーいえばさ」
うん、と雑な返事をして話を変える
少しくらい素っ気ないほうが、結には合う
「離婚の話‥」
:10/12/20 17:03
:D905i
:jWEZN3BQ
#316 [雪]
察したのか、急に落ち着いて
大人びた表情を浮かべる
‥店長の言葉を思い出す
その言葉を脳内に巡らせて
ひとつひとつ、丁寧に解析する
「愛してたから?」
その言葉に結は
一瞬不意をつかれたような顔をして
すぐに満足げに笑った
:10/12/20 17:06
:D905i
:jWEZN3BQ
#317 [雪]
その顔は
"やっとわかったのか"と言いたそう
「一緒にいるだけが愛じゃない‥ってか」
誇らしげに頷く
抱きしめてた枕をこっちに投げつけた
「‥何だよ」
結の手から渡ったそれは
まだ生暖かくて、落ち着いた
「やっとわかったの?」
にっと歯を見せて得意げに笑った
:10/12/20 17:10
:D905i
:jWEZN3BQ
#318 [雪]
母親は元風俗店で働いてたらしい
逆に親父は会社のお偉いさん
社会的な格差が目に見えてる2人が結ばれた
母は結婚して店をやめたけど
すぐに俺たちが生まれて
世間の目は更に冷たくなった
ただでさえ2人は非難を浴びたのに
"親父の子じゃないんじゃないか"
社会は非難が大好きで
人を不幸にし向けるのが得意だ
:10/12/20 17:40
:D905i
:jWEZN3BQ
#319 [雪]
どんな批判を受けようとも
親父が母を選んだ訳はひとつ
"愛してたから"
母は思ったそうだ
"こんな汚らわしい女の中身を
見てくれる人は現れない"
だけど実際現れた
"少数派"は必ずいる
社会に背いたって誰かが認めてくれる
:10/12/20 17:43
:D905i
:jWEZN3BQ
#320 [雪]
それから2人は
人目を忍んで生活してた
そして、親父の会社が倒産
その後の流れはあの人と同じ
別れを切り出したのは親父から
:10/12/20 17:45
:D905i
:jWEZN3BQ
#321 [雪]
親父がまた職を見つけて
敗者復活戦に勝ち残ったら
母を迎えにいく約束だった
2人の愛の期限は10年
10年後、まだ想い合っていて
親父が成功していたなら
また‥という話
俺と結が離されたのは
2人がまた結ばれるようにと言う訳らしい
:10/12/20 17:48
:D905i
:jWEZN3BQ
#322 [雪]
「僕らは、
2人の身勝手で離れた訳じゃないよ」
優しく笑った
母はこんな顔をしてたんだろうか
「大丈夫。2人はまた結ばれる」
「‥結」
:10/12/20 17:49
:D905i
:jWEZN3BQ
#323 [雪]
結は何でも知ってる
時々見透かしたかのように笑う
すべてを受け入れるように笑う
「結、おいで」
「‥ん、どしたの?」
無理やり細い腕を引いて抱き寄せる
急に愛おしくなった
:10/12/20 17:53
:D905i
:jWEZN3BQ
#324 [雪]
「‥海?」
バランスを崩して倒れ込む体は
小さくて、細い
白い首筋と耳たぶは、
風呂上がりでまだ火照って赤い
「結‥もう、いい」
:10/12/20 17:55
:D905i
:jWEZN3BQ
#325 [雪]
「もう‥離れる必要はないよな?」
声が震えてたかもしれない
目の奥が熱くなった
「‥ないよ。もう離れない」
あやすように結の手が背中に伸びる
「僕らは兄弟だ。血の繋がった。
2人の愛の証」
:10/12/20 17:58
:D905i
:jWEZN3BQ
#326 [雪]
そう言い終わる前に、力強く抱きしめた
自分の中にいっそ、取り込んでしまおうか
そんなことさえ思うほど
溜まってた想いが折り重なって溢れて
「海‥苦しいよ」
耳元で聞こえた弱々しい声が
妙に懐かしくて、愛おしい
:10/12/20 18:01
:D905i
:jWEZN3BQ
#327 [雪]
無意識に、衝動的に
結の顔に左手を添える
こんなの許されるか?
結の潤んだ大きな瞳がこっちを捕らえる
こんなの受け入れるか?
やり場のない感情をそのままに
:10/12/20 18:10
:D905i
:jWEZN3BQ
#328 [雪]
我に返って漏れるのは、溜め息
「‥寝るか」
目をそらして体を離す
まだ歯止めがきく
まだ‥大丈夫
「ねぇ海‥」
:10/12/20 18:13
:D905i
:jWEZN3BQ
#329 [雪]
壊していいのか?
「ごめんね‥」
もう後戻りはできないぞ?
「僕‥」
なぁ、俺は正しいか?
「海が好きだよ」
俺は‥間違ってないのか?
:10/12/20 18:15
:D905i
:jWEZN3BQ
#330 [雪]
一瞬時が止まったように
呼吸が止まって、苦しくなる
受け入れてくれるのか?
俺のこの、認められない感情を‥
「‥っ」
思い切り抱きしめてた
そして、口付けた
:10/12/20 18:18
:D905i
:jWEZN3BQ
#331 [ちー]
素晴らしい(´ω`)続き気になる…邪魔っぽいコメントごめんなさいけど頑張って下さいっ!楽しみにしとります(*^□^*)
:10/12/21 05:05
:N706i
:cUsRx9jc
#332 [雪]
>>331
素晴らしいだなんて><
ありがたいです!嬉しい ^^*
思いつきで書いてるので
話にまとまりがないかもですが
頑張って書くのでこれからもよろしくです!
よかったら総合のほうに感想板あるので
そちらにもいらしてください*
:10/12/21 16:47
:D905i
:saprTyuA
#333 [雪]
―――――‥
別に男に興味があるだとか、
そういうことじゃない
ひとりの人間として
弟としてはもちろんだけど‥
だけど、受け入れられたとなれば
これからの俺たちの行方は?
俺たちは兄弟じゃなくなるのか?
恋人?‥よくわからん
:10/12/21 16:50
:D905i
:saprTyuA
#334 [雪]
なるようになると言えばそれまで‥
そんなことを言ったら結は怒るだろうか
大学も、いつの間に設置したのか
でっかいツリーやら電飾で彩られて
すっかりクリスマスムード
本場のクリスマスは家族と過ごすらしい
キリスト教でもないくせに
好きなようにあれこれ取り込めるこの国は
ある意味めでたいお国だ
:10/12/21 16:54
:D905i
:saprTyuA
#335 [雪]
世間で言われる勝ち組は
"クリスマスどこ行く?"などと浮かれ
反対に負け組は
もはや先を行くニューイヤーネタ
そんな浮き沈みすることないのに
去年は友梨と過ごしたけど
ケーキを食べたくらいだったな
「‥海くん」
「ん?」
:10/12/21 16:58
:D905i
:saprTyuA
#336 [雪]
"うわ‥"とか言ったら失礼だけど
苦手な子はとことん苦手だから‥
引きつる顔を無理やり笑顔に変える
まさしく"営業スマイル"と同等
「真由美ちゃん‥久しぶりー」
冷たい空気が指先に絡む
彼女の真っ赤な手袋が目立つ
「久しぶり♪‥ちょっといい?」
:10/12/21 17:01
:D905i
:saprTyuA
#337 [雪]
落ち葉を踏む
あんなに鮮やかだった色もあせて
みんな同じように折り重なってた
「あぁ‥えっとさ」
頭を下げる真由美ちゃんを見つめる
中途半端にいい奴でいようとする
人間なんて都合がいいだけの生き物だ
:10/12/21 17:10
:D905i
:saprTyuA
#338 [雪]
「お願い!一日中とは言わないから」
あんなに生意気っぽくて
図々しくて、と言ったら悪口だけど
人に頭なんか下げないような子が
こんな凡人に頭を下げている
「俺‥あんま話すの得意じゃないし」
「大丈夫!ちょっとでいいの!」
:10/12/21 17:12
:D905i
:saprTyuA
#339 [雪]
しぶとい‥
まじで勘弁してくれ
今の俺に女の子は無理‥
「一回でいい!そしたらもう
‥こんな風に誘ったりしないから」
どこか弱々しくもある声は
確かに俺の耳に届く
「なんでそんな‥俺に」
「忘れさせてほしいの」
:10/12/21 17:15
:D905i
:saprTyuA
#340 [雪]
その声は
悲劇のヒロインぶるでもない
しっかりとした口調で
ただ事じゃないと察した俺は
「じゃあ‥少しだけ、一回だけ」
そう返事をした
やっと頭を上げた彼女の目は
少しばかり潤んで見えた
:10/12/21 17:18
:D905i
:saprTyuA
#341 [雪]
―――――‥
扉を開けるとベルが鳴る
その音を聞いて、店長は顔を上げ笑う
「‥なんすかソレ」
彼の頭の上に乗った
赤いとんがりを指差した
「サンタさん」
「黒ひげの?」
「そ、黒ひげのサンタさん」
:10/12/21 17:39
:D905i
:saprTyuA
#342 [雪]
今日も暇そうだ
平日だからまぁ、仕方ないのか
「冴島はどっちにするー?」
差し出されたのは"お揃い"か"角"
「いや、遠慮しときます」
「お揃いにすっか?」
‥聞いちゃいない脳天気
:10/12/21 17:41
:D905i
:saprTyuA
#343 [雪]
「‥だから遠慮し」
「店長命令!」
都合の良いときにソレ使うのずるい‥
しぶしぶ同じのを受け取り
じっと眺めてから手で弄ぶ
店長の視線は離れない
珍しい物見たさのように目が促す
「被りゃいいんでしょ、被りゃ」
:10/12/21 17:44
:D905i
:saprTyuA
#344 [雪]
「お、似合う!
やっぱ作りがいいと何でも似合うな♪」
その時の俺と言えば
かなりの酷い顔をしてたに違いない
こんなの人生で一度も被った記憶がない‥
だけど憎めない、黒ひげサンタ
:10/12/21 17:47
:D905i
:saprTyuA
#345 [雪]
「冴島サンタ、クリスマスはー?」
次の店長命令、"店内の装飾"
ちまちまとツリーに飾り付けながら
ひげ(もう面倒だからひげでいい)は
呑気につぶやく
「ひ‥てんちょは?」
別に"ひげ"と呼んだところで
この人は笑って受け入れるだけだろう
:10/12/21 17:51
:D905i
:saprTyuA
#346 [雪]
「聞き返すってことは‥
まさかのまさかのー?」
ばっと振り返って
にやにやした顔がこちらに向いた
ノリは俺より若い
"少年の心"と言えばよく聞こえるけど
「そのまさかのまさか、です」
:10/12/21 17:54
:D905i
:saprTyuA
#347 [雪]
「おー、奇遇だねぇ!」
キラキラと輝かせた目は
期待に満ちている気がした
正直‥めんどくせっ
「てかさ、仏教じゃん?俺ら
え、クリスマス?キリスト?十字架?
俺らは仏壇派だろ?なぁ?
そもそもサンタなんてーのはさ‥」
きっちりサンタの格好したお前が言うな
説得力にかけるわ(笑)
:10/12/21 17:58
:D905i
:saprTyuA
#348 [雪]
別にイルミネーションとか
ツリーとかリースとか、嫌いじゃない
綺麗だと思うし、日本にはない習慣だし
「俺らは日本人らしく鍋でも食おうぜぃ」
‥確かに言ったな
聞き間違いでなければ
「俺ら?って?」
答えなんかわかっちゃいる
いや、念のため確認
当たり前のように受け入れてる雰囲気じゃ
俺もさすがに気にくわない‥
:10/12/21 18:01
:D905i
:saprTyuA
#349 [雪]
案の定人差し指を行ったり来たりさせ
俺と自分の間を結ばれた
「‥なんで」
頭をくしゃくしゃっと掻く
嫌なわけじゃないけど、
想像したら絵面が奇妙すぎた
「いーじゃんかー。
タダで鍋食えるんだぜ?な?」
この人、犬みたい
:10/12/22 12:01
:D905i
:POguP90A
#350 [雪]
「別にいいけど、2人だ‥」
‥チリンチリーン
扉が開いた
2人のサンタが反射的にそっちを見る
あ‥
「結‥」
:10/12/22 12:03
:D905i
:POguP90A
#351 [雪]
「まだ、準備中だった?」
扉から顔だけ出し、きょろきょろ
「いや、一応平気‥だけど」
店長を見る。
豆鉄砲を食らった鳩だ。
目も口もついでになぜか鼻の穴も
ぽかーんと開いてる
まぁ、それが普通かもなー‥
いや、この人は大げさだけど
:10/12/22 12:07
:D905i
:POguP90A
#352 [雪]
「あ、この人が店長」
噂の店長が酷いアホ面だったのか
結は笑いをこらえてるようだった
「冴島‥どしたのお前」
なんかすっげーもの見ちゃったって顔して
こっちを見つめてくる
「ああー‥。別に陰分身とか
ドッペルゲンガーとかじゃないから」
俺も最初会ったときは
ドッペルゲンガーかと思ったけど
:10/12/22 12:11
:D905i
:POguP90A
#353 [雪]
少し勿体ぶって、様子を見る
あまりにも混乱してるので
仕方なく口を開く
「兄弟、俺の弟」
「おと‥あぁ」
納得したように大きく頷いた
そして更に俺の説明を求めるように
口をもごもごさせながら
視線を行ったり来たりさせていた
「‥双子の」
:10/12/22 18:53
:D905i
:POguP90A
#354 [雪]
するとなぜか安心したように
大きく大きく頷いて
"だろーと思った"とか何とか
なぜそこで強がる(笑)
そんなことは、まぁよしとして
「弟の、結」
一応軽く紹介する
にこにこと結が頭を下げる
つられて店長も同じようにする
:10/12/22 18:55
:D905i
:POguP90A
#355 [雪]
「なんだー、双子なら早く言えよー
ったく、水臭いなぁ(笑)」
別にわざわざ言う必要ないだろ
水臭いってそんな俺ら親しかったか?
「結くん、いくつー?」
「いや、だから双子なんだってば」
天然なのか、ただのあほなのか
芸人にとったら突っ込みやすい
ありがたい人間かもしれない
:10/12/22 18:59
:D905i
:POguP90A
#356 [雪]
「あ、結くん何鍋すき?」
結まで巻き込むパターンか‥
俺が初めて来た時と同じように
レモンかミルクか尋ねていた
「んー‥今はキムチが食べたいです!」
素直に答える姿は結らしい
なんの疑いもなく答える
それにくらべりゃ
俺はかなりひねくれてるな‥
:10/12/22 19:03
:D905i
:POguP90A
#357 [雪]
店長はそれに満足げに微笑む
目尻のシワはそのたび深くなる
時々見せる柔らかな表情は
どこか懐かしくて、憎めない
「じゃあキムチねー」
その答えに首を傾げる結
今日の紅茶は少し熱かったようだ
カップを口に近づけてすぐに
結の肩がびくっと跳ね上がった
:10/12/22 19:07
:D905i
:POguP90A
#358 [雪]
「クリスマス、結予定は?」
必死に冷まそうと息を吹きかける結を
横目で俺は見つめた
「クリスマス‥うーんと」
視線を上にあげ、ぶつぶつ呟く
頭の中に手帳があるらしく
紙の手帳は持ち歩かないタイプだ
「夜の8時くらいまでは
ちょっと予定あるんだよねぇー‥」
:10/12/22 19:10
:D905i
:POguP90A
#359 [雪]
眉を下げて困ったように笑う
なんとなく予想がついてしまった
別に結を信用してないわけじゃないけど
‥なんとなく、そんな気がした
「うわー‥結くんリア充なんだぁ
おい、弟に負けてんぞ?」
肘でわき腹を小突かれる
この人がいるから冷静でいられるけど
いなかったら、問い詰めてただろう
:10/12/22 19:14
:D905i
:POguP90A
#360 [雪]
「んじゃ、予定済んだらきなよー
負け組の鍋パーティー(笑)」
いきなり肩を抱き寄せられにっと笑う
俺は今相当無愛想に違いない
煙草の染み付いた臭いがした
親父もこんな臭いだった気がする
そういえば、どこで何やってんだろ‥
「行く行く行く!
店長さん面白いから絶対行くーっ」
その言葉に気分をよくする姿は
単純そのものだった
:10/12/22 19:18
:D905i
:POguP90A
#361 [雪]
「ちなみに2人ともイブは?」
「別に何も」
「僕もイブはないです!」
にやり、髭サンタが笑う
‥いやな予感。
「じゃあ2人で客の呼び込みな♪
結くんはこれ付けて、お前はそれで」
やっぱり俺‥と言わせる隙もなく
"はい、けってーい"と締め切られた
:10/12/22 19:28
:D905i
:POguP90A
#362 [雪]
「楽しそー♪」
「だろ?絶対2人で呼び込めば客来るよ!
コイツ1人じゃ無愛想すぎて(笑)」
あんだけ最初は"美男子"だなんだと
ワッショイワッショイしてたのに‥
まぁ、否定はしないけど
案の定、髭サンタとトナカイは意気投合
それを見守る、俺
あっという間に謎の人間関係が生まれる
人の繋がりなんて、案外あっさりしてるもの
:10/12/22 19:31
:D905i
:POguP90A
#363 [雪]
―――――‥
サンタとトナカイがやってきた!
って書いてある手作りのボード
いや、そんな報告いらんだろーに
「寒いねぇー♪人いっぱいだねぇ♪」
世間様は冬休みに突入
イブともなれば昼間っからでも
カップルが絶え間なく視界に入る
そんな中、俺はノリノリトナカイを連れ
駅前で‥宣伝。
:10/12/24 09:35
:D905i
:pHbkbPM2
#364 [雪]
「お店やってまーす♪
クリスマス雑貨もありまーす♪
ペア物もありますよー♪」
一応店員の俺より
何十倍も使えるトナカイ改め結
寒すぎて口が開かねぇ‥
張り切る結をよそ目に俺は
首からぶら下げたボードに任せる
「"来てね(ハート)"」
‥学園祭じゃあるまいし
:10/12/24 09:39
:D905i
:pHbkbPM2
#365 [雪]
"冴島はコレ持って立ってろ!
世の中ギャップで何とかなるもんだ"
と、言われて渡されたわけだが
やたらと丸い可愛らしい文字の周りに
これでもかと言わんばかりのハートが
「海ー、顔怖いよー?
そんな顔してたらお客さん来ないよー」
「さみぃ」
:10/12/24 09:43
:D905i
:pHbkbPM2
#366 [雪]
「だから言ったでしょ
カイロを介の字貼りすると
温かいんだよってー」
なんでそんなにカイロを
背中の一部に集中させんだよって話
昼間とはいえ空気は冷たい
それをいいことにくっつくカップル
幸せそうで結構、結構
:10/12/24 09:46
:D905i
:pHbkbPM2
#367 [雪]
「みんな幸せそうだね」
目を細めて結が笑った
こいつは、他人の幸せも
自分のことのように素直に喜べる
同じように年を取ったはずなのに
こんなに真っ直ぐに育つとは‥
遠くに目をやる
行き交う人は、肩がぶつかろうが
鞄がぶつかろうが気にしてないようだ
それはみんなが心が広くて
受け入れてる証拠なのか
はたまた他人には無関心なだけなのか‥
:10/12/24 09:52
:D905i
:pHbkbPM2
#368 [雪]
「あ‥海、見て!」
袖口を下に引かれ気付く
一度結のほうを見て、その視線を追う
「泣いてる‥?」
視線の先にはひとりの男の子
まだ幼稚園生くらいの
背丈なんて行く人々の腰にも満たない
「迷子かな?」
顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた
:10/12/26 19:58
:D905i
:iCiVA47U
#369 [雪]
「‥かなぁ」
道行く人は一度振り返りはするものの
迷子か可哀相だなどと言うだけで
誰も手を差し伸べようとはしない
やっぱり無関心なんだと、確信
「ちょっと、」
急にボードを手渡され
結はその少年の方へ駆け出した
:10/12/26 20:01
:D905i
:iCiVA47U
#370 [雪]
俺はただそれを見つめるばかり
俺も同じ。
落胆したこの冷え切った人々と同じ
本来人は
結みたいに、暖かかったはずなのに
胸の奥が苦しくなった
いつか人は人じゃなくなるんじゃないかと
不安になったりもした
:10/12/26 20:02
:D905i
:iCiVA47U
#371 [雪]
一生懸命助けを求める小さな体を
俺より一回りも小さい体が抱きしめた
包むようにして抱きかかえ
少しだけあやすように揺すって
「ママはー?」
暖かい笑顔を向ける
まるで本物の母親みたいに笑った
少年は大きく首を横に振ると
湧き上がったように涙をこぼした
:10/12/26 20:06
:D905i
:iCiVA47U
#372 [雪]
「じゃあ、ママ探そっか♪
飴舐める?何味がいい?」
普段の甘えたな結の姿はなくて
頼れるお兄ちゃんだった
不安にさせないように
声の速さをゆっくりにして
ずっと目尻にしわをよせたまま
子供ってほんと素直で
すぐに反応してくれるもんだ
少年はすぐに笑顔を見せた
:10/12/26 20:10
:D905i
:iCiVA47U
#373 [雪]
結は早速声をあげ母親探しをした
するとすぐさま人ごみの中から
子供みたいに今にも泣き出しそうな女性が
こちらに駆けつけた
"よかった、よかった"と
絞り出すような声で少年を抱きしめた
その様子に俺らは自然と笑顔になった
:10/12/26 20:14
:D905i
:iCiVA47U
#374 [雪]
そしてその後父親らしき男性が
その少年と瓜二つの少年を抱え
抱き合う2人に寄り添った
結と俺は思わず目を合わせ
「同じだ」と呟いた
2人の少年は抱き合った
そして、離れないように手を繋いだ
「もう離れちゃだめだよ?」
結は少年たちに言った
:10/12/26 20:17
:D905i
:iCiVA47U
#375 [雪]
暖かい家族を羨ましく思う
父親がいて母親がいて兄弟がいて‥
それが世の中では当たり前だけど
俺らはそうじゃなかったから
時々、苦しくなる
それでも今幸せだと思えるのは
隣にいる‥
「結‥?」
お前のおかげなんだと思う
:10/12/26 20:20
:D905i
:iCiVA47U
#376 [雪]
「そろそろ、帰るかっ」
自分の問いかけに
笑顔で答えてくれる奴が側にいる
普通と言えば普通だけど
俺にとっては特別。
「そーだね♪」
兄弟だからとかじゃなくて
結は特別なんだと思う
:10/12/26 20:23
:D905i
:iCiVA47U
#377 [雪]
―――――‥
「っあー寒かったぁあ」
寒すぎて廊下を駆け抜けた
エレベーター降りてすぐダッシュ
結は案外すばしっこいようで
「寒かったねーっ(笑)
早くお風呂入って寝よっかぁ」
コートを脱ぎ捨て、マフラーを外す
部屋ん中もくっそさみぃ‥
:10/12/26 20:31
:D905i
:iCiVA47U
#378 [雪]
「さみぃいいいぃーっ」
寒いと人肌欲すってあるよね
「んわっ‥ちょ、海」
抱きついても許されるよね
「さみぃのまじ勘弁」
キャラ変わったとか言わないで
「珍しいね(笑)」
寒いの6割、くっつきたいの4割
キャラじゃないから
寒いの10割ってことにしとく
:10/12/26 20:34
:D905i
:iCiVA47U
#379 [雪]
カイロとか、暖かい肌着とか
そんなんよりも断然
人肌は暖かいし心地良い
「お風呂入って寝ようよー(笑)」
勢い余って押し倒して、全身が触れて
「あったけぇ‥も少し」
金かかんないし、エコだし
人肌っていいななんて今更
:10/12/26 20:38
:D905i
:iCiVA47U
#380 [雪]
「結ー‥」
こっぱずかしいけど
結はちゃんと言ってくれたから
「声眠そうだよ?(笑)」
ちゃんと言わなきゃ
不公平だよなー‥うん
「‥き」
顔が焼けるように熱いのは
結の暖かさのせい、のはず
:10/12/26 21:24
:D905i
:iCiVA47U
#381 [雪]
「ん?‥何?」
結が声を出すたびに
振動が頬にじわっと伝わる
何で2回も言わなきゃいけないんだよ
「好きだって言ってんの!
ちゃんと耳掃除してんのか?コラァ」
投げやりになって、ムキになって
体を離して見つめて、少し怒鳴るように
:10/12/26 21:30
:D905i
:iCiVA47U
#382 [雪]
少しの沈黙。
‥冷静になって急に恥ずかしくなる
目が泳ぐ。心臓が爆発しそうだ
結の表情が緩む、崩れる
「ホント?」
大きく頷いて、
"何回も言わすな"って緩く睨みつける
:10/12/26 21:35
:D905i
:iCiVA47U
#383 [雪]
子供のようにくしゃっと笑う
可愛くて、憎らしくて、壊したい
「‥ありがと、」
そう言い終わる前に
体は勝手に動いてるもんで
ぎゅっと抱きしめる
細い体は砕けそうで
砕けてしまえばこっちのもんだとか
変なことを思う
好きで好きで、たまんないらしい
:10/12/26 21:39
:D905i
:iCiVA47U
#384 [我輩は匿名である]
:10/12/31 22:58
:N04A
:☆☆☆
#385 [雪]
>>384
アンカーありがとです!
だいぶ遅れましたが、また更新します^^
:11/01/02 14:40
:D905i
:WkQ/cWi2
#386 [雪]
「さぁて‥風呂入って寝るかー」
恥ずかしさのあまりすぐさま体を離す
暖かさの余韻に浸る
幸せとか言う経験は少ない、たぶん
だけどこれが、幸せだと思う
「寝よ寝よーっ」
:11/01/02 14:47
:D905i
:WkQ/cWi2
#387 [雪]
「‥はぁ。」
ばしゃんと音を立てる
浸かった部分が当たり前のように歪む
なんか1日長かったな‥
売上はどうやら過去最高だったらしい
まぁ、レベルの低い最高だろうけど
:11/01/02 14:51
:D905i
:WkQ/cWi2
#388 [雪]
「かぁあーいぃいいーっ!」
癒やしの時間を潰されちゃいけねぇ
「ねぇ!かいぃいい!!きぃいつぇあぁ!」
声がでかすぎて何て言ってるのか‥
よくわからん。
:11/01/02 14:55
:D905i
:WkQ/cWi2
#389 [雪]
「ったく‥」
渋々腰を上げる
お湯の反発で腰が重く感じた
湯気で白くなった浴室を抜け
扉に手をかける
「かいぃいい‥」
脱衣場で腰を抜かしてる結
てか、何でここにいるんだって話
そんで何で半裸なんだって‥話
:11/01/02 15:01
:D905i
:WkQ/cWi2
#390 [雪]
「虫‥むし、ほら!僕のシャツの‥」
白いシャツの背中の所に
黒いものが、ぽつり
「んな、虫くらいで喚くな‥よ」
こいつ、俺をバカにしてんのか?
シャツを手に取り、"虫"を摘む
体冷えるっての‥さむ
:11/01/02 15:42
:D905i
:WkQ/cWi2
#391 [雪]
「‥毛玉」
ただの黒いもじゃもじゃ。
何故か憎たらしく見えた
「毛 玉 !!」
結の怯える顔に近づけて、声を張る
きょとんとした顔と潤んだ瞳は不釣り合い
:11/01/02 15:46
:D905i
:WkQ/cWi2
#392 [雪]
「なーんだぁー(笑)びっくりしたぁ」
「どんだけ虫嫌いだっての」
「コンタクト取っちゃったから
よく見えないんだよー。」
目を擦り、立ち上がる
露わになった上半身は白く
手首の無数の筋の赤が余計に目立っていた
:11/01/02 15:49
:D905i
:WkQ/cWi2
#393 [我輩は匿名である]
あげます!
:11/01/06 23:42
:SH02A
:gvoRZ/A6
#394 [雪]
>>393
あげありがとうございます!
不定期更新ですみません(´;ω;`)
クリスマスネタまだ引っ張りますが
ご了承くださいませ><
:11/01/10 11:32
:D905i
:JT5NwcAk
#395 [雪]
「で?」
結を見下ろす目は
思いの外冷ややかだったかもしれない
てか、体冷える
「何で脱いでんの」
「‥お風呂入るから」
「俺まだ、入ったばっかなんだけど」
:11/01/10 11:36
:D905i
:JT5NwcAk
#396 [雪]
雑に巻いたタオルが
腰から逃げ出しそうだった
「一緒に入れば一石二鳥♪」
にっと歯を見せて笑い
自らのベルトに手をかける
「‥」
良いとも悪いとも言わず
俺は黙って浴室に戻る
白い湯気は、少し息苦しくなる
:11/01/10 11:40
:D905i
:JT5NwcAk
#397 [雪]
嫌ならちゃっちゃと俺が出ればいい
‥嫌じゃないのが問題で
そもそも俺は長風呂派で
浴槽はさほど広くもなくて
男2人じゃ結構‥うん
「海!こっち見ないでね!」
自分から一緒に入るって言ったくせに
見るなとは、何事だ
:11/01/10 11:45
:D905i
:JT5NwcAk
#398 [雪]
可愛い子とか、好きな子とかに
意地悪したくなるのは
俺だけじゃなく、男の性だと思う
曇りガラスの向こうの肌色に目を向け
"同じ造りだろ"と、呆れた
:11/01/10 11:48
:D905i
:JT5NwcAk
#399 [雪]
白くぼやけた結の体は
構造的には俺と変わらない
華奢ではあるけど‥
ふくよかな胸の代わりに
下に"物"を備えてる
タオルの下に隠された胸の代用
自分と同じ物に、興味を持ってしまうのは
何でだろう。あほらしい。
「見ないでよーっ!
てか海!海の"海"隠して!」
:11/01/10 11:52
:D905i
:JT5NwcAk
#400 [雪]
透明に歪んだ"海"
海の海って新しい表現だな、と関心
「自分で一緒に入りたいー言ったのに
いちいち、文句言うな」
目がよくて良かった
結の赤く染まった顔がよく見えた
眺めがいい。いや、ホントに
:11/01/10 11:56
:D905i
:JT5NwcAk
#401 [雪]
「んう」
痛いとこ突かれたような顔をして
入浴剤を手に取り、乱暴に湯船にぶち込む
真ん中からじわじわ、と白く濁って
満足げに笑い、飛び込んで来た
勢い良く顔に水しぶき
今日も平和だなーとしみじみ
:11/01/10 12:01
:D905i
:JT5NwcAk
#402 [雪]
「狭い」
案の定狭くなる浴槽
少し動くと体が触れた
触れないように、体を縮めて力を入れる
‥風呂なのに気が抜けないとは
2人して同じ方を向いて
隣同士、同じ顔が同じ風呂の中
第三者から見た絵を想像して
吹き出しそうになった
:11/01/10 12:06
:D905i
:JT5NwcAk
#403 [雪]
親子で風呂に入って、リラックスして
普段言えないことも言えるとか
‥よくある話。
横目で何度か結を見る
「‥緊張してんの?」
「‥うん」
聞き取るのがやっとなほど
小さく頷いて、答えた
:11/01/10 12:11
:D905i
:JT5NwcAk
#404 [雪]
続かない会話
俺も緊張してんだな‥たぶん
"親子水入らず"はあっても
"双子水入らず"はないらしい
少なくとも、俺らには
結の手首に浮かんだ赤い筋
前より数が増えたのかはわからない
多すぎて、数える気にもならない
:11/01/10 12:17
:D905i
:JT5NwcAk
#405 [雪]
「‥ヤな事あった時
発散の仕方は人それぞれでしょ?」
俺の視線に気付いたのか
結はやっと口を開いた
「僕には、"これ"が一番だった」
傷を眺める結の視線は
愛おしい物を見ているようで
胸が苦しくなって
「それは‥結が独りだったから」
:11/01/10 12:24
:D905i
:JT5NwcAk
#406 [雪]
「独りだったから
‥自分に当たるしかなかった。
んだけど、今は‥」
言い終わる前に、
結に言葉を被せられた
「わかってる。‥僕には、海が居る」
自らに言い聞かせてるようで
言い終わって、何度か頷いていた
:11/01/10 12:30
:D905i
:JT5NwcAk
#407 [雪]
「海、大丈夫だよ僕‥大丈夫だからね。」
「知ってる」
結の下がった眉を無理やり上げるように
頭を掴んでガシガシしてやれば
ハッとして笑顔を作った
「‥赤い、顔」
「のっ‥のぼせた!‥だけ!」
:11/01/10 16:58
:D905i
:JT5NwcAk
#408 [雪]
「出るっ!もう出る出る!」
「早っ‥まだそんなに時間‥」
「僕、長風呂苦手!」
ぎゃーぎゃー騒いで、水をかく
細い体が目の前に露わになって
妙にもやもやした
もどかしくて堪らなかった
:11/01/10 17:11
:D905i
:JT5NwcAk
#409 [雪]
本当にのぼせたのか
浮ついた足取りで
濡れたタイルを頼りなく踏んでいた
背中の真ん中にに綺麗な筋が見える
‥こんなに色っぽい物だったか?
男の裸を見たのは
高校の修学旅行以来だが‥
:11/01/10 17:23
:D905i
:JT5NwcAk
#410 [我輩は匿名である]
((o(^-^)o))わくわく

:11/01/18 23:36
:SH02A
:KJR/LYC6
#411 [名無し]
あげますV(^-^)V
更新待ってます!
:11/02/19 02:04
:SH005
:.4o0m7hg
#412 [我輩は匿名である]
:11/02/19 07:04
:SH905i
:9A4FRLcI
#413 [我輩は匿名である]
おもしろいです!
あげときます(^O^)/
:11/02/19 17:34
:N706i
:GVPylBF.
#414 [雪]
>>410-413
うわーっ
またまた遅くなってしまいました‥
あげてくれてありがとうございます(;_;)
未だにクリスマス終わってないし‥
頑張って更新します*
:11/02/20 21:02
:D905i
:wT5g1LYg
#415 [雪]
俺もきっとのぼせてんだ
顔熱いし‥あぁ、そうだ
結が出たのを確認して
すぐに体を持ち上げ、蛇口をひねる
勢い良く水を流せば
あっと言う間に桶から溢れる
躊躇いなく溢れる様子を見て
"羨ましい"なんて思った
:11/02/20 21:11
:D905i
:wT5g1LYg
#416 [雪]
‥頭を冷やそう
その言葉は本来
物理的なものじゃないんだろうけど、
思いっきり頭から水を被った
一瞬違う世界が見えた気がした
「‥さむっ」
:11/02/20 21:14
:D905i
:wT5g1LYg
#417 [雪]
「そう言えばさ‥」
なぜか俺のジャージを着て
ベッドに寝そべってる結に視線を向ける
「なーに?」
何事もなかったかのように
にこにこしながらこっちを向いた
「‥結、目悪いの?」
:11/02/20 21:19
:D905i
:wT5g1LYg
#418 [雪]
「目?あぁ‥ちょっとね
ほんとに、ちょっとぼやけるくらい」
そう言えば、家にいるとき
時々目を細めてる気がしてた
「へぇー‥眼鏡は?」
「眼鏡ー?一応‥」
なぜか恥ずかしそうに笑った
‥なんて可愛い弟なんだ
:11/02/20 21:21
:D905i
:wT5g1LYg
#419 [雪]
「でも僕、あんまり似合わない(笑)」
まるで引っ込み思案な幼稚園児が
自分の作った作品を
少し躊躇いつつも先生に見せるような
なんというか‥可愛い(笑)
枕の脇に忍ばせたケースから
取り出された黒縁。
お兄ちゃんは是非その姿を見たいです
親バカならぬ兄バカ
:11/02/20 21:28
:D905i
:wT5g1LYg
#420 [我輩は匿名である]
続き気になる
:11/02/28 02:41
:SH02A
:sPOkvZzA
#421 [我輩は匿名である]
あげっ( ´ ▽ ` )b。
:11/08/13 23:43
:iPhone
:oF8I.O8k
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