ピンクな気分。U
最新 最初 🆕
#501 [のの子]
 
ハァッハァッハァ

「彰っそっちじゃないっ!こっち!」

「あぁっ!?んだよっ!」

竜二の後を追いかける。

ガシャン ダダダダッ バンッ

俺達の後ろから何人も追いかけてきているのがわかる。

「待てコラァッ!」
「ぶっ殺すぞ!」

汚い言葉が工場に響く。

「ちょっどこまで走りゃっ‥いいんだよっ!」

「ハァッハァッ‥あいつらが諦めるまでだろ!」

あの状況で走って逃げるってアイディアは1番正しいって思う。
.

⏰:10/01/17 23:25 📱:SH06A3 🆔:VHQ6kprM


#502 [のの子]
 
ただ計算外だったのが、あいつらの足の速さ。

全力で走らなきゃ人数的にも速さ的にもヤバい。

「彰っあの柵乗り越えてもっ‥ハァッ止まるなよ。」

「っマジかよ〜‥」

俺達の先にある柵はよじ登らないと乗り越えられない高さで、入る時もめんどかった。

それを今この状況で登るのはキツイ。
.

⏰:10/01/17 23:31 📱:SH06A3 🆔:VHQ6kprM


#503 [のの子]
 
さすがにずっと全速力は体力が持たない。

「そっち行ったぞ!捕まえろっ!」

っ!

先回りしていたのか二人の男が柵の前に立ちはだかる。

チッ‥

「ハァッしょうがねぇー。このまま走ってぶっ飛ばすぞ‥」

「‥りょーかいっ。」

二人して勢いづける。

立ちはだかる男はニヤリと笑う。

.

⏰:10/01/17 23:38 📱:SH06A3 🆔:VHQ6kprM


#504 [のの子]
 

すると俺達の視界にもう一人入ってきた。

男達は一瞬驚いた顔をすると、俺達の視界から遠ざかる。

あれはっ‥‥

「まっ真琴‥?」

黒い髪をかきあげ、真琴も息をきらしていた。

「本当だ。真琴じゃんっ。」

俺達を見つめる目は、いつもと変わらない呆れた目つき。

なんでか俺は胸がギュッとなった。

「ハァッこのままじゃっバレるんじゃね?ゴホッ」

竜二が咳込む。
.

⏰:10/01/17 23:45 📱:SH06A3 🆔:VHQ6kprM


#505 [のの子]
 
「あぁー‥どうしよっ。」

俺も苦しさで眉間にシワがよる。

もしバレたら
「アンタ達若いんだからさっさと来なさいっ!もうバレてんだからねっ!」

「「えっ?」」

真琴が呆れた顔でため息ついてるのがわかる。

俺達は顔を見合わせると、ふっと笑みがこぼれた。

「「まことぉーっ!」」

一気に勢いづける。

その時、真琴も呆れながらも口元が笑っていた。
.

⏰:10/01/17 23:52 📱:SH06A3 🆔:VHQ6kprM


#506 [のの子]
 
「助けてーっ!」

竜二が笑いながら叫ぶ。

「バカ。さっさと行きなさい。」

ガシャンッ

俺達はそのまま真琴の横を通り過ぎて柵にとびついた。

「真琴っ‥!」

真琴が振り返る。

「マジで俺と付き合ってよ。」

「はっ?この状況で告白すんの?」

追いかけてきた奴らがすぐそこまで来ていた。

「今だから告白すんだよ。」

「ぷっ‥私スノードロップの黒蝶だよ?」

「そこも魅力的。」
.

⏰:10/01/17 23:58 📱:SH06A3 🆔:VHQ6kprM


#507 [のの子]
 
「君って本当バカな
グイッ

「あっ‥」
「「‥テメェーッ!」」

竜二の声とすぐそこまで追いかけてきた奴らが声をあげる。

でもそんなの俺には関係ない。

今の俺に見えるのは

真琴だけだ。

チュッ

二人の唇が重なった。


「本当に好き‥」

.

⏰:10/01/21 00:32 📱:SH06A3 🆔:v2ncIf6.


#508 [のの子]
 
「真琴‥俺の名前を呼んでよ。」

固まる真琴の瞳を見つめる。

その瞳には俺しか写っていなくて、そこから消えるのは少し名残惜しかったけど俺は柵を登って反対側に降りる。

カシャンッ

「ロマンチックだこと。」
「うるさい。行くぞっ。」

竜二とその場から立ち去る時、振り返ると真琴はもう背を向けて仲間達の所へ歩いていた。

‥動揺もしねぇのかよ。
.

⏰:10/01/21 00:40 📱:SH06A3 🆔:v2ncIf6.


#509 [のの子]
――――――

「‥で?あの二人組はそちらの姫のお友達だったわけ?」

「そうそう。」

「族にも入ってない奴らがなんでここにいんだよ。」

「さぁー?なんでかね。」

「まぁキングリーの情報が漏れてたんじゃないかな?」

「あぁなるほど。」

「‥でも別に聞かれて困る話はしていない。」

「確かにー。じゃこの話はもう解決だね♪」
.

⏰:10/01/21 00:45 📱:SH06A3 🆔:v2ncIf6.


#510 [のの子]
「ちょっと待てっ!」
ガシッ

健斗が昇の肩を掴む。

「お前さっきからヘラヘラ相槌打つぐらいで謝ってもねぇじゃねぇかよっ。」

「あぁ‥ごめんねっ♪」

昇が手を合わせて笑う。

「‥‥こンのクソガキー!!俺をなめてんのかっコラァッ!」

「うわぁっ俺真剣だしー!」

健斗と昇の追いかけっこが始まった中、真琴と亮の二人は少し離れた場所で話していた。

「真琴大丈夫か?」

⏰:10/01/21 00:50 📱:SH06A3 🆔:v2ncIf6.


#511 [のの子]
 
「‥ん‥‥‥‥。」

ボーッと空を見上げる真琴の目の前に、タバコを人差し指と中指に挟みながら亮が手を振る。

小さなタバコの火が揺れた。

「オーイッ真琴〜?」

「‥えっあっごめん。なんだっけ?」

亮がニッコリ笑うとタバコを口に付ける。

「お前どーしたのよ?たかが中坊にキスされたからってさぁ。確か名前〜‥アキラだっけ?」

真琴の肩がピクッと動いたのを亮は見逃さなかった。

「それに逃がしちゃうしさぁ〜‥ほら、うちの昇が怒られちゃうんだから、一応捕まえてから事情を説明でもすれば
「初めてだったの‥」
.

⏰:10/01/21 00:59 📱:SH06A3 🆔:v2ncIf6.


#512 [のの子]
 
真琴が空を見つめながら呟く。

「ハァ〜‥何が?」

亮は諦めたかのようにその場に座り込み、真琴が見つめる空を見上げた。

「今まで色んな人に出会って色んな事経験してきたつもり‥その中でアンタ達にも出会えたわけだし。」

「そうだねぇ。」

「今の私は『私』だけど、また別の『私』もいるこの生活を気に入ってる。そうでもしなきゃこの世界は息が詰まって死んでしまいそうだから。」
.

⏰:10/01/21 01:06 📱:SH06A3 🆔:v2ncIf6.


#513 [のの子]
 
「でもそうやって生きる私は、きっと汚い人間。だから‥家族や、昇に亮みたいな存在が大切なのよ。救われる気がする‥」

「さとちゃんとか特にじゃない?」

「そりゃ聡美は特別っ。あの子は私の宝物だもの。家の中じゃ天使よ。」

「ははっ出たシスコン。」

亮が笑うとタバコの灰が崩れて落ちる。

「‥私は十分だったの。それだけで‥なのにあの少年に見えちゃったのよ。」

「何が?」


「『希望』が‥‥」
.

⏰:10/01/21 01:31 📱:SH06A3 🆔:v2ncIf6.


#514 [のの子]
 
「『希望』?そこまで言っちゃうの?」

亮が苦笑いする。

「二つの『私』を見てもあの子の気持ちは変わらなかったの。黒蝶の私も魅力的だって‥馬鹿だよね。」

そういいつつも、真琴はクスクス笑う。

「私の裏も表も見て、それでもあの子が告白してきた時‥嫌だけど、かなり嫌なんだけどね。」

「はいはい、何?」

「‥希望を感じたのと同時に‥ピンクな気分になっちゃった‥」
.

⏰:10/01/21 16:55 📱:SH06A3 🆔:v2ncIf6.


#515 [のの子]
―――――――


ミーンミンミン ミーンミンミンミーン


「その後キスした事で真琴に一発殴られたけど、何回かアタックした俺に真琴はOKくれたわけ‥」

聡美は俺の横でじっと話を聞いていた。

「なんか‥まこ姉が色々キツイ言葉言ったみたいですみませんでした。」

聡美は気まずそうに頭を下げる。

「はっ?!あぁ別に気にしてないから。それに、そこも好きな所だったし‥」

「ぷっ‥そうなんだ。なら良かった。」

聡美が笑うと、俺の心は少しほっとした。
.

⏰:10/01/21 17:03 📱:SH06A3 🆔:v2ncIf6.


#516 [のの子]
 
俺は青い空を見上げる。

空には飛行機雲の白い線がうっすら浮かんでいた。


「‥すげぇ幸せだったよ。喧嘩もたくさんしたけど、いつも一緒に笑ってた。」

今でもすぐ思い出す。

あの温かくて、優しく俺を包んでくれた日々を‥

「‥本当に好きだった。」


それなのに
.

⏰:10/02/02 00:13 📱:SH06A3 🆔:Drdv5K4k


#517 [のの子]
 

俺は‥


青い空から目を反らすように、俺は前屈みになり地面を見つめた。

ジリジリとした太陽の暑い光が俺を照らしつけ、じんわりと汗をかく。

それでも俺の体は逆に冷えていった。


俺の脳裏に、あの日の光景が蘇る。


「彰君、‥‥」
.

⏰:10/02/02 00:21 📱:SH06A3 🆔:Drdv5K4k


#518 [のの子]
 
聡美がまるで太陽から俺を守るように、日傘を俺にあててきた。


「太陽に当たりすぎると危ないよ?ほら‥目眩とか起こしちゃうから。」


そう言いながら人差し指をグルグル回す聡美の姿を見つめた俺にグッと熱い気持ちが溢れ出す。

「聡美っ‥」
「ぁっ‥」

グィッ


俺が聡美を抱きしめると黒い日傘が地面に落ちた。
.

⏰:10/02/02 00:31 📱:SH06A3 🆔:Drdv5K4k


#519 [のの子]
 
「ごめんっごめんごめんごめんっ!本当にっ‥ごめん‥」

「彰君?」


真琴、お前は今なんでいないんだろう。

‥例えば俺達にいつか別れる時があったのなら、その後も真琴には笑っていてほしいって俺は願ったよ。

幸せになってほしいって願ったはずだよ。

俺は真琴の未来を奪った。

「聡美っごめん‥俺がっ‥俺が真琴を‥真琴を殺したんだ。」
.

⏰:10/02/02 00:38 📱:SH06A3 🆔:Drdv5K4k


#520 [のの子]
 
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
 

⏰:10/02/02 00:43 📱:SH06A3 🆔:Drdv5K4k


#521 [のの子]
聡美Side

ミーンミンミーン

真夏の太陽とは違って彼の体は冷たかった。

その冷たさからか、私は彼の言葉を聞いてもどこか冷静でいれた。

「‥そんな事ないよ。彰君のせいじゃ
「俺のせいなんだよっ。あいつは、俺と一緒にいて‥目の前で車に引かれた‥」

二年前、まこ姉は車に引かれた。

すぐに救急車で病院に運ばれたけど、そのまま息を引き取った。
.

⏰:10/02/11 20:15 📱:SH06A3 🆔:K3a5nuSA


#522 [のの子]
 
「そうだったんだね‥でも別に彰君のせいじゃないよ。」

私は彰君の背中に手を当てる。

すると彰君の腕から力が抜けて私から離れた。



「‥違うっ違うんだよ。あいつが引かれたのは、俺が‥」

「俺が‥なに?」

彰君はもう今にも泣きそうな、辛そうな顔をしている。

「あの時‥あいつ道向こう側にいて‥俺、真琴を呼んだんだ。そしたらあいつ笑いながら手振って走ってきた‥」
.

⏰:10/02/11 20:45 📱:SH06A3 🆔:K3a5nuSA


#523 [のの子]
 
まこ姉の笑った顔を思い出す。

「‥俺も真琴も車に気づかなくて‥そのまま車がっ‥‥‥真琴を‥」

彰君はその時の光景を思い出しているのか、顔が青ざめていく。

「あの時、俺が真琴を呼ばなきゃ‥あいつは死なずにすんだのに‥っ‥」

彰君は震える手で顔をおおう。

今の彼の目には、私じゃなくて血だらけのまこ姉が写っているのだろう。


「俺が殺したんだ‥」
.

⏰:10/02/11 21:01 📱:SH06A3 🆔:K3a5nuSA


#524 [のの子]
二年前――――

「彰、これほしい。」

真琴が雑誌に指をさす。

「ん〜?‥あぁ‥いつかね。」

「‥‥‥アンタぶっ飛ばされたいの?」
「はぁっ?」

真琴が雑誌を握り潰しながら彰を睨む。

「私は『これほしい』って言ったの。『いつか』なんて言ってないっ。アンタ私と別れたいわけ?」

「違ぇしっ!そんな高いもん買えないから言ってんだろーが!ってかそんなの中坊に頼むなよっ!」
.

⏰:10/02/12 21:55 📱:SH06A3 🆔:GylXrKEU


#525 [のの子]
 
真琴が指さしたのは指輪だった。

そりゃ買ってあげたい気持ちもあるけど、値段を見て胃が痛くなった。

「なにそれ。まるで私がカツアゲしてるみたいじゃない。」

真琴はふんっとそっぽを向く。

「あぁ〜言い過ぎたよ。ごめん。許してっ?。」

「うるさい、バカ。ハゲろ。」

「‥‥嫌いになった?」

「知らない。」

「俺は真琴の事好きだよ。」

「知ってる。」
.

⏰:10/02/12 22:04 📱:SH06A3 🆔:GylXrKEU


#526 [のの子]
 
そっぽを向いたままの真琴は、しわくちゃになった雑誌に載る指輪を見つめていた。

‥‥そんなほしいのか?

「真琴、いつか買ってあげるから。」

「いつかじゃ嫌。今すぐほしい。」

「うーん‥なんで急にほしくなったの?」

いつもの真琴はここまでワガママは言わない。

「‥学校の友達がね、この指輪を持ってるカップルは幸せになれるって言ってた。永遠に結ばれるんだって‥」

俯きにながら話す真琴のほっぺがほのかに赤くなる。

かっ可愛い‥‥‥!

⏰:10/02/12 22:12 📱:SH06A3 🆔:GylXrKEU


#527 [のの子]
 
「そういう目で見ないで。キモいから‥」

ゔっ‥
慌てて真琴から目を外す。

「やっぱやめたっ!私のキャラじゃないし、ちょっとほしくなっただけだしね。忘れて。」

雑誌をベッドに投げる。

「幸せとかは二人で作ってくもんだしね?あーきらっ。」

真琴が俺の顔を両手で掴むから、ただコクコクッと頷く俺に真琴が笑う。

「‥彰、私も好きだよ。」

チュッ

そのまま真琴は唇を重ねてきた。
.

⏰:10/02/12 22:20 📱:SH06A3 🆔:GylXrKEU


#528 [のの子]
 
「―――で、俺に金でも借りにきたの?」

竜二が頬杖をつきながら呆れた顔をする。

「違ぇよっ。俺明日からバイトするからさ、そのこと真琴に秘密にしといてほしいんだよね。」

「はっバイト?中学生なんか雇ってくれんの?」

竜二が眉間にしわをよせる。

「親の友達が小さいけどレストラン経営してんだよね。そこに頼み込んだらOK貰えた。」

俺は笑いながらピースする。

⏰:10/02/23 22:20 📱:SH06A3 🆔:73lvWJ/6


#529 [のの子]
 
「ずるっ。じゃ夏休みバイトばっか?」

「‥かなぁ。OK貰えたけど時給めちゃくちゃ安いし。」

ふーん、と竜二がソファーに寄り掛かる。

「まぁ頑張って。」

「おうっ。じゃバイトの事真琴に絶対言うなよ。」

「はいはい。お前こそバレないよーにね。」



.

⏰:10/02/23 22:26 📱:SH06A3 🆔:73lvWJ/6


#530 [のの子]
 
夏休み前から始めたバイトは皿洗いとか掃除とか‥

雑用ばっかだったけど、別に辛くはなかった。

まぁ一日があっという間だったし、夏休みが始まったらバイト以外は寝てばっかだった。

♪〜♪〜♪

「‥‥っ‥‥んだよ‥。」

気持ち良く寝ていた俺を携帯の機械音が起こす。
.

⏰:10/02/23 22:32 📱:SH06A3 🆔:73lvWJ/6


#531 [のの子]
 
携帯を見ると竜二からで、しかも電話。

「ッチ‥‥あぁ〜いいや‥眠い‥‥」

俺は竜二からの電話を無視して、またウトウトと瞼が閉じていく。

少しして携帯も静かになった。

俺は半分寝ながら携帯を手にとって電源を切る。

‥‥はぁ‥これでゆっくり寝れる。


次の日、竜二から電話がかかってきた事もすっかり忘れて俺はまたバイトに向かった。

⏰:10/02/23 22:37 📱:SH06A3 🆔:73lvWJ/6


#532 [のの子]
 
ねみぃ‥

「あっ彰君外の花に水あげといてくれる?」

「はぁい。」

俺は欠伸を我慢して、暑い夏の日差しに照らされた花に水をあげに行く。

可愛らしい白い壁のレストランの周りには、カラフルな花や小さな緑の木々が囲んでいた。

小さなレストランでも毎日ちゃんとお客さんは来るし、ランチは満席になる事がほとんどだった。

「‥商売繁盛してますねぇ。」

一人ボソッと呟きながらホースを手に水を撒く。
.

⏰:10/02/23 22:45 📱:SH06A3 🆔:73lvWJ/6


#533 [のの子]
 
シャァーーー

綺麗な虹が見えた。


――――――――

「ねぇ、この前いつ会ったか覚えてる?」

「えっ?あぁ‥えっと〜‥いつだっけ?」

「一週間と二日前。」

真琴が腕を組みながら俺を見つめる。

「じゃ今何月何日?」

「8月‥23日。」
.

⏰:10/02/23 22:57 📱:SH06A3 🆔:73lvWJ/6


#534 [のの子]
 
「夏休みだよね?ってかもう終わるよね?」

「‥だね。」

クーラーの効いたファミレスで、しかも飯を前にこの重い空気って‥

「アンタ夏休み何してたの?」

‥‥最悪だ。

「別に普通に生きてた。」
「バカにしてんの?」


‥‥‥やっぱ最悪だ。

⏰:10/02/23 23:01 📱:SH06A3 🆔:73lvWJ/6


#535 [のの子]
 
「ねぇバカにしてんのか聞いてんのっ。」

「してないっす‥」

旨そうな飯を前に俺の胃は心と一緒に小さくなっていく。

「私達夏休み何回あったっけ?」

「っと‥6回?」
「今日入れて5回なんだけど。」

真琴が目の前のサラダに思いっ切りフォークを刺した。

怖〜‥
.

⏰:10/02/24 01:42 📱:SH06A3 🆔:wxXIHsW.


#536 [のの子]
 
「怒ってんの?」

俺がヘラッと笑うと真琴が更に俺を睨む。

「‥はぁ‥めんどくさいんだよね、こういうの。」

「めんどくさいって‥」

サラダをむしゃむしゃ食べる真琴。

「疲れるの。ってか既に疲れた。」

チーーーン
.

⏰:10/03/04 15:29 📱:SH06A3 🆔:JoPqir2o


#537 [のの子]
 
「そんな事言うなよ。」

俺もため息混じりに言うと、真琴は相変わらずサラダを食べつづける。

こんな暑い日が続いてんのにサラダだけで生きてけんのかよ‥

「私達‥‥別れる?」

「はぁっ?!!」

俺も頼んだステーキを食べようとして手を止める。

「だって別れたいんじゃないの?」

「なんでっ?なんでそうなんだよぉ〜‥」
.

⏰:10/03/04 15:40 📱:SH06A3 🆔:JoPqir2o


#538 [のの子]
 
「お前すぐ別れるとか口にすんのやめろよ。」

「だって別れたいのかと思って。」

「あのねぇ俺は一言も言ってないし、思ってもない!」

真琴が俺のステーキをひょいっととると、口に運んだ。

「‥っ‥じゃ何なのアンタ。意味わかんない。」

「だからぁ〜‥」

「彰、言葉だけじゃ伝わんない事もあんのよ。今のアンタから‥何も伝わってこない。」

.

⏰:10/03/04 15:53 📱:SH06A3 🆔:JoPqir2o


#539 [のの子]
 
いっそお前の為にバイトして指輪買おうとしてますって言っちゃおうか..

すっげぇ悩んで無言になる俺に、真琴は悲しそうな瞳で小さくため息をした。

「もういい‥やっぱわかんない。」

「あっちょっ‥
「当分会うのやめよ。じゃぁね。」

真琴は席を立つとそのままファミレスを出ていく。

「‥‥‥どうすりゃいいんだよ、もうー!」

追いかけてもきっと返り討ちに一発殴られるだけだろうし‥

⏰:10/03/04 16:07 📱:SH06A3 🆔:JoPqir2o


#540 [のの子]
―――――

あれから本当に真琴とは会わなかった。

というか連絡してもシカトで会ってくれない。


「〜ですからぁ、真琴に会わせてくださいよっ。」

「真琴だぁ?うちの姫を呼び捨てとは良い度胸してんじゃん。ん?」

昇さんが俺のおでこをつつく。

むかっ

「そんなんより真琴に会わせてくださいって。」
.

⏰:10/03/09 23:52 📱:SH06A3 🆔:FDjxzlos


#541 [のの子]
 
「ヤダッ!」

「真琴は会いたくないらしいからさ、会わせたら俺らが怒られちゃうのよ。」

亮さんがタバコに火をつける。

「ほら、真琴って怒ると恐いし?だから無理なんだわ。」

困ったように笑う亮さん。

会いたくないって‥

「そんなの納得できなっ
「帰れ帰れぇー♪」

昇さんがニヤニヤ笑いながら拳をあげる。
.

⏰:10/03/10 19:58 📱:SH06A3 🆔:Dey7OGlg


#542 [のの子]
 
真琴と付き合う事になった時、まずスノードロップの頭の二人を紹介された。

それから何回も会っているうちに仲良くさせてもらってるつもり‥だけど

「‥こんな子供っぽい人だったとは‥
「テメェ今なんつった?」

昇さんが俺を睨む。

「いや、何も言ってないです。」

ニッコリ笑う俺に昇さんも怒りを抑えるかのように笑う。

俺と昇さんの相性はあまり良くないみたいだ。
.

⏰:10/03/10 20:04 📱:SH06A3 🆔:Dey7OGlg


#543 [のの子]
  
――――――
「ふーん。大変みたいだね。」

「はぁあ〜‥指輪買える金貯まっても渡す相手がいなくなっちゃ最悪だろ‥」

「確かに。」

久しぶりに竜二と会った。

「ってかもうお金貯まったの?」

「まぁね。彼女と会わずに頑張りましたから‥明日買いに行くつもり。」

「すごいじゃん。」

指輪を買って、無理矢理にでも会って渡せば許してくれるかな‥なんて。

⏰:10/03/10 20:09 📱:SH06A3 🆔:Dey7OGlg


#544 [のの子]
 
「指輪のサイズとかわかんの?」
「わかる。」

真琴の指の思い浮かべる。

‥‥あぁ、触れたい。

「真琴、今何してんのかなぁ。」

「昨日真琴が来てたんだけどさ、」

へぇー

竜二のベッドに座りながらクッションを胸にボーッとする俺。

「えっマジッ?!」

クッションを投げ飛ばす。.

⏰:10/03/10 20:19 📱:SH06A3 🆔:Dey7OGlg


#545 [のの子]
 
「うん。」

竜二がゲームをしながら頷く。

「まっえぇっ!連絡しろよっ!なんでしないんだし!」

「だって‥お前こっちが電話しても出ないじゃん。」

‥‥あぁ‥それは、まぁ、最近バイトで忙しくて‥
ねぇ?

「出ないのは別にいいし、バイトなのもわかってるけどさ‥そういう都合良いときだけ使うなよ。」

‥‥そぉっすよね。

「真琴がお前と会えなかった夏休み、何してたと思う?」

⏰:10/03/10 20:27 📱:SH06A3 🆔:Dey7OGlg


#546 [のの子]
 
‥‥ん〜‥‥‥

「喧嘩とか?」

俺が苦笑いしながら言うと竜二がブチッとゲームの電源を切る。

「残念。正解は俺と会ってました。」

ドクンッ

「はぁっ?!!」

「したくもない勉強させられたり、漫画読んだり、そのベッドで寝たり‥
グイッ!

俺は竜二のシャツを力強く引っ張る。

「お前真琴になんか
「‥するわけないだろ。」

⏰:10/03/10 20:34 📱:SH06A3 🆔:Dey7OGlg


#547 [のの子]
 
俺はジッと竜二を見つめる。

竜二は少しイラつきながら、寂しそうな目で俺を見つめ返した。

「‥はぁっわかんないの?真琴は俺といたらお前と会えるかもって思ってたんだよ。」

はっ?

「口では強がってたけどさ、俺んとこ何回も来てお前の事聞いてきたし‥」

あのワガママ姫が?

「俺に連絡する時間があれば真琴に連絡するって言ってんのに何回も来てさ。」

強くにぎった竜二のシャツからゆっくり手を離す。

⏰:10/03/10 20:42 📱:SH06A3 🆔:Dey7OGlg


#548 [のの子]
 
「あいつ‥結構寂しかったんだと思う。」

そんなに?

最後に会った時とか全然そんなそぶり見せなかったのに‥

「だから俺何回も電話したろ?真琴には言ったらぶっ飛ばすとか脅されるしはっきり言えなかったのは悪かったけど‥」

「そんなっそんなのメールしろよっ!」

思わず大きな声になる。

「っ‥お前彼氏だろ?それぐらい気づいてやれよ‥」.

⏰:10/03/10 20:51 📱:SH06A3 🆔:Dey7OGlg


#549 [のの子]
 
「余計なお世話だったかもしんないけどっ自分で伝えるより、人に教えてもらうよりもお前自身に気づいて欲しかったんだよっ。」

竜二もムキになるかのように大きな声を出す。

「‥‥俺ならそう思う。気づいて欲しいって‥」

俺は何も言えずにただ黙り込む。





「‥たぶん今もそう思ってんじゃないの?」
.

⏰:10/03/10 20:57 📱:SH06A3 🆔:Dey7OGlg


#550 [のの子]
 
竜二が気まずそうに目が会わないよう横目で俺を見る。

「会いたくないって言ってるけど、本当は会いたいって思ってるよ。」




この時、俺は自分の未熟さと真琴に負けないほどの自分勝手さを知った。

そして真琴に会いたい気持ちが溢れ出す。

その溢れ出した気持ちが

次の日

真琴との最後の日に

繋がった。
.

⏰:10/03/10 21:07 📱:SH06A3 🆔:Dey7OGlg


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194