ピンクな気分。U
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#701 [のの子]
「えっちょっとどうしたのっ?」
「何?泣いてんのっ?!」
桜姉が慌ててティッシュをとって私にかけよる。
「もう〜どうしたの?」
私はティッシュを受け取らずにまた涙を流す。
「っ‥私‥私ねっ大切な友達がいるのっ。」
二人は困った顔をしながら私の話に耳を傾けるように黙り込む。
.
:10/05/21 11:19
:SH06A3
:pqjogZqU
#702 [のの子]
彰君とバイバイしてからもずっと胸に引っ掛かっていた事がある。
お母さん、お姉ちゃん、
「‥どうしてっ?あっ彰君にっ‥まこ姉と会わせてあげなかったの?」
どうして?
.
:10/05/21 11:22
:SH06A3
:pqjogZqU
#703 [のの子]
「あきら‥?」
桜姉は誰かわからないのか小さく呟く。
「グスッ眞鍋彰‥私と同い年だけどまこ姉の彼氏だったの‥」
「彼氏‥っもしかしてあの子?」
桜姉は私からお母さんの方へ目を向ける。
「‥二人とも知ってるの?」
私の問い掛けに二人は黙り込む。
「ねぇ、答えてよ‥」
.
:10/05/21 22:19
:SH06A3
:pqjogZqU
#704 [のの子]
私が二人を見つめると、お母さんは静かにテレビを消した。
「‥たぶん知ってる。あの日病院にいた子だと思うから。」
お母さんは悲しげな瞳でじっと真っ黒になったテレビ画面を見つめていた。
「なんでっ‥なんでまこ姉と会わせて
「その子のせいで死んだからだよっ‥!」
桜姉が大きな声をだす。
「その子のせいで真琴は死んだのにっ‥なんで会わせなきゃいけないのよっ!」
桜姉は変わらず大きな声で、でも悲しげな瞳で唇を噛む。
:10/05/21 22:26
:SH06A3
:pqjogZqU
#705 [のの子]
私は大きな声に驚いたけど、それよりも桜姉の言った言葉にショックを受ける。
「彰君の‥彰君のせいで死んだんじゃないっ!なんでそんなひどい事言うのっ?」
「っ‥!聡美は何も知らないからっ
「知ってる!知ってるよ、全部っ!」
私も涙を流しながら大きな声をだす。
「知ってるならなんでかばうのよっ?真琴はね、その子に呼ばれて‥それでっ‥」
桜姉の目からも涙がこぼれた。
:10/05/21 22:33
:SH06A3
:pqjogZqU
#706 [のの子]
「桜も聡美も、そこに座って。」
お母さんは複雑な顔で向かいにあるイスを指差す。
私達は黙ったままそこに座った。
「はぁ‥聡美、その子とはいつ知り合ったの?」
「グスッ高校が一緒なの‥よく一緒にいる子で‥」
「そうだったの‥」
グスッ
静かなリビングに私と桜姉の鼻をすする音だけ響く。
:10/05/21 22:41
:SH06A3
:pqjogZqU
#707 [のの子]
「っ‥彰君、ずっと引きずってる‥まこ姉を殺したって‥」
「あの子がそう言ったの?」
私は頷く。
「二年前からずっと‥ずっと自分を責めてたのっ!責めて責めて‥自分が生きてる事さえ責めてたっ!そんなのせっかく生きてるのにダメだよっ‥そうでしょっ?」
私は桜姉とお母さんを見つめる。
:10/05/22 01:38
:SH06A3
:ycx/NTqo
#708 [のの子]
ねぇ、わかるでしょ?
命の尊さや、生きる喜びも‥まこ姉から1番教わったじゃない。
「でもっ‥私は許せない‥だってそれでもあの子は生きてるじゃないっ‥!」
桜姉が顔を手で覆う。
「私から大事な妹を奪ったのにっ‥ッ‥」
「違うっ!確かに彰君はまこ姉を呼んだよ?でもっ‥道路に出たのはまこ姉の意思じゃない!」
.
:10/05/22 17:15
:SH06A3
:ycx/NTqo
#709 [のの子]
「っ!じゃなにっ?真琴が死んだのは自業自得ってわけ?」
キッと私を睨む桜姉は
「真琴は私の大事な、大切な妹だったのよっ?」
言ってはいけない言葉を言ってしまった
「あんな子のせいでっ‥だからっだからあの子が死ねば良かったのよっ!」
バシンッ!!
.
:10/05/22 17:19
:SH06A3
:ycx/NTqo
#710 [のの子]
一瞬何が起きたのか自分でもわからなかった。
ほっぺを抑える桜姉も、黙っていたお母さんも驚いた顔で私を見つめていた。
「ごっ‥ごめんなさい。」
私は慌てて桜姉に謝ると、ジンジンと痛む右手を握る。
桜姉は何も言わずに下に俯いた。
「お姉ちゃん‥さっきの言葉、彰君にも言ったの?」
私は右手を握りしめながらも、真っ直ぐ桜姉を見つめる。
:10/05/22 20:49
:SH06A3
:ycx/NTqo
#711 [のの子]
「‥あの子ね、真琴が死ぬ前に病院で私達に謝りに来たの。」
桜姉じゃなくてお母さんの口が開いた。
「『すみません』って‥『彼女を守れなくてすみませんでした』って言ってた。」
その時の私は病室で一人まこ姉についていたらしい。
「でもね、その前に警察からも話を聞いてて‥その子の話を聞いてもなんとも思わなかった。むしろ【真琴が車にひかれる原因を作った子】としか思えなかったのよ。」
お母さんはその時を思い出してるのか苦痛の表情を見せる。
:10/05/22 20:58
:SH06A3
:ycx/NTqo
#712 [のの子]
「だから止めれなかったの‥桜を止めれなかったお母さんも悪いのよ。」
二人は俯いて私とは目を合わそうとしない。
それが答えだった‥
「言ったんだ‥彰君に『死ねば良かった』って‥」
私もゆっくりと二人から目を離した。
:10/05/22 21:03
:SH06A3
:ycx/NTqo
#713 [のの子]
そんな事一言も言ってなかったのに‥
なんで言ってくれないの?
「お母さんは悪くないよ‥あの時は本当にそう思ったんだもん!それに今だってそう思うっ‥聡美、アンタその子の事好きだとか言わないよね?私そんなの絶対許さないからねっ?!」
桜姉が私の手首を掴むとグッと力が入って痛みが手首から流れる。
「桜っアンタもやめなさ
「お姉ちゃんて教師になるんでしょ?」
.
:10/05/22 21:08
:SH06A3
:ycx/NTqo
#714 [のの子]
私は涙を流しながら桜姉を睨む。
後から思えば、私がこんなに反抗したのは人生で初めてだった。
「子供達に夢とか人生とか色々教えるんでしょ?」
「なっなに、急に
「そんなお姉ちゃんがっ‥あんな事‥言わないでよっ!」
ピクッと私の手を握ってる桜姉の手が緩む。
「お姉ちゃんがまこ姉も私も‥大事にしてくれてたのわかってる。」
でもね、
.
:10/05/22 21:17
:SH06A3
:ycx/NTqo
#715 [のの子]
「でもっ彰君は‥お姉ちゃんがヒドイ事言ったあの子はっ『まこ姉が愛した子』で、私とは同い年なんだよ?」
「‥っ‥でもっ!」
「桜、聡美の話ちゃんと聞きな?」
お母さんは手で目を隠しながらも、震える唇を噛んでいた。
「お姉ちゃん、あの時の彰君は私と同じ‥まだ15歳の中学生だったんだよ?」
ゆっくりと私の手首から桜姉の手が離れていった。
:10/05/22 21:24
:SH06A3
:ycx/NTqo
#716 [のの子]
たった15歳の子が
目の前で愛する人が車にひかれて、
血だらけになった彼女を抱きしめながら
自分を責めて‥
そして訳もわからず、あっという間に
彼女は逝ってしまう..
.
:10/05/22 21:30
:SH06A3
:ycx/NTqo
#717 [のの子]
それでも私達家族の前に現れた彼を
私達は責め立て罪を背負わせる‥
愛する彼女もいなければ
自分が生きている罪を
背負い込む彼は
まだ15歳‥
私達は15歳の心にはあまりにも大きくて、深すぎる傷を残してしまった。
:10/05/22 21:36
:SH06A3
:ycx/NTqo
#718 [のの子]
「‥‥っ‥もういいっ聞きたくない‥」
「お姉ちゃんっ!」
桜姉は立ち上がるとそのまま自分の部屋に行ってしまった。
お姉ちゃん‥
「‥桜は聡美の言いたい事わかってると思うよ。でも今さらどうすればいいのかわかんないんだよ‥」
お母さんは指で涙を拭う。
「お母さんもね、‥ずっと気になってたの。」
「‥彰君のこと?」
「そう、アキラ君の事。あの時は名前とかそんなの聞ける状態じゃなかったし‥」
立ち上がるとお母さんは窓を開ける。
クーラーで冷えきったリビングに入ってくる生温い風は気持ち良かった。
.
:10/05/26 15:11
:SH06A3
:6p3qIDyY
#719 [のの子]
「真琴がいなくなって少したってからかな‥急にあの時のあの子の顔を思い出したの。私達は家族で支え合っていたけど、あの子を支えてくれる人はいるのかって‥あんな事言って傷つけた分、いてほしいって思ったわ。」
お母さんはまた私の目の前に座る。
「でも、いなかったみたいね‥」
うん、そう‥
彰君は一人抱え込んで
今まで生きてきた。
でも
「でも‥彰君には支えようとしてる友達がたくさんいるよ。」
:10/05/26 15:26
:SH06A3
:6p3qIDyY
#720 [のの子]
「すごい仲良いんだよっ。みんな彰君の事情知ってるし‥」
旬君に博也君、フクも
それに、竜二君も。
「そう‥聡美もその一人なんだね。」
お母さんが優しく笑うから私も笑って頷く。
――――――――
コンコン
明日のバーベキューの用意をしている私の部屋にドアのノックの音が響く。
.
:10/05/26 15:34
:SH06A3
:6p3qIDyY
#721 [のの子]
「‥?どうぞー?」
開かないドアをじっと見つめる。
「私だけど‥そのまま聞いて。」
その声はいつもよりも覇気がない桜姉の声だった
「お姉ちゃん‥」
あれから部屋から出てこなかったお姉ちゃんは夜ご飯の時も下りて来なかった。
「明日の泊り‥あの子もいるんでしょ?」
「‥うん。ダメって言っても私行くよ?」
「わかってる。」
.
:10/05/26 15:39
:SH06A3
:6p3qIDyY
#722 [のの子]
さっきとは違って二人とも冷静で、それが逆に空気を重くする。
「‥明日あの子に迎え来てもらいな。」
「えっ?」
突然の事に私はドアの向こうにいる見えない桜姉を見つめる。
「迎えって‥家に?」
「そう‥いい?絶対来てもって。絶対だからねっ。」
パタパタパタ‥‥バタンッ
桜姉の足音とドアの閉まる音で桜姉が部屋に戻って閉まった事がすぐわかった。.
:10/05/26 15:45
:SH06A3
:6p3qIDyY
#723 [のの子]
そんな事急に言われても‥
呆然とする私は色々考えたけど、結局彰君に連絡してみた。
彰君が断ってきたら、無理強いはしない。
そう思っていたけど、彰君は簡単に『いいよ』って言ってくれた。
「うぅ〜なんか緊張して眠れなそう‥」
案の定明日の事を考えていたらなかなか眠れなかった。
:10/05/26 15:51
:SH06A3
:6p3qIDyY
#724 [のの子]
―――――次の日
今日も朝から晴れて、いつものように日差しが暑い。
「‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥」
「‥今日は朝から静かだこと。」
黙々とご飯を食べる私達にお母さんは呆れたように言う。
チラッと桜姉を見るとムスッとしてお母さんを見つめていた。
「‥はぁっわかったよ‥聡美、醤油とって。」
「えっあぁはいっ。」
「どーも。‥昨日は感情的になりすぎたと思ってる、ごめんね?お母さんも‥」
桜姉は箸を止める。
.
:10/05/27 10:14
:SH06A3
:idrM8/qs
#725 [のの子]
「今日‥あの子来るって?」
「あっうん、来てくれるって。」
そっか、と言って桜姉は複雑そうに笑った。
「あの子ってアキラ君?」
「私が呼んでもらったの。あの子とちょっと話したくて‥」
驚くお母さんに桜姉はそう言いながらまた箸を動かす。
何を話すの?
そう聞きたかったけど、そのあと桜姉はまた黙り込んでしまって何も聞けなかった。
:10/05/27 10:20
:SH06A3
:idrM8/qs
#726 [のの子]
―――09:12
♪〜♪〜♪〜
リビングに私の携帯の着信音が響く。
「はいっもしもし。」
「おはよ‥」
眠そうな彰君の声。
クスッ‥朝苦手なんだな。
「おはよう。今どこら辺?」
「昨日の公園過ぎたとこ。ってか道あんま覚えてないんだけど‥真っ直ぐだっけ?」
あっそっか。
「うん、真っ直ぐ行ったら十字路があるからそこ左に曲がって真っ直ぐで大丈夫っ!」
.
:10/05/27 10:27
:SH06A3
:idrM8/qs
#727 [のの子]
「ん‥わかった。じゃまた着いたら連絡するわ。」
「あっうん‥あの、急に頼んじゃってごめんね?」
「あぁ、別にいいよ。逆にお前のおかげで寝坊しないですんだし?」
「ぷっなにそれ〜。」
「はいはい、じゃーな。」
電話を切った後も私は笑いながら携帯を握りしめる。
そんな私の姿をお母さんと桜姉はただ優しく見つめていた。
:10/05/27 10:41
:SH06A3
:idrM8/qs
#728 [のの子]
彰Side
「あっ‥思い出した。」
欠伸をしながら聡美ん家に向かう。
聡美に道を聞いてから段々と聡美ん家への道を思い出してきた。
っつかもうこのまま真っ直ぐか‥
今日はバーベキューに最適な快晴。
「あっち‥まだ9時過ぎたばっかじゃんかよ。」
今日は気温がかなり高くなるらしい。
‥‥あいつ日傘しないとぶっ倒れそー。
.
:10/05/27 10:47
:SH06A3
:idrM8/qs
#729 [のの子]
聡美の顔を思い浮かべてため息をつく。
忘れてるようだったら一応言ってみるか。
そんな事を考えてるうちに聡美ん家が見えてきて、携帯をポケットから取り出す。
「あいつもう用意できてるよな?」
女ってなんか用意遅いんだよなぁ‥
そんな事を思って携帯を睨んでると、聡美ん家の前に人影を感じた。
っ?
自然と足を止める‥
なるべくなら、家族には顔を合わせたくなかった。
.
:10/05/27 10:52
:SH06A3
:idrM8/qs
#730 [のの子]
聡美‥じゃない?
するとその人影は俺に気づいて俺の方をじっと見つめてきた。
‥やべっ‥
「あっねぇ、もしかして‥君が‥」
その声と姿を見て俺は固まる。
「あっ‥あの‥俺‥すみませんっ!」
俺はとっさに頭を下げる。
まるであの日のように‥
.
:10/05/27 10:57
:SH06A3
:idrM8/qs
#731 [のの子]
ドクッ ドクッ
そこにいたのは
聡美のもう一人の姉、
真琴の姉ちゃんだった。
「やっぱり‥君なんだ。」
ドクッ ドクッ
暑さの汗じゃなく、冷汗が俺の背中を落ちていくのがわかった。
あの時の事を思い出して、恐くて顔を上げられない。
「顔上げて?近所の人に見られても困るし‥」
「っ!すっすみません‥」
俺は慌てて顔を上げるも、目線はジッと下を向いたままだった。
:10/05/27 11:02
:SH06A3
:idrM8/qs
#732 [のの子]
ドクッ ドクッ
「えっとアキラ君‥聡美と友達なんだってね。」
「‥学校が一緒になって‥でも本当なんも知らないで俺達知り合って‥仲良くなって‥」
ドクッ ドクッ
「うん、聡美からも聞いた‥ははっなんかすごい運命感じちゃうよね。」
「‥すみません‥」
俺は謝ることしかできずただ俯く。
「昨日ね、聡美とアキラ君の事で喧嘩したの。」
っ!
「おっ俺の事で?」
初めて顔をあげてお姉さんを見た。
お姉さんは悲しそうに笑っていた。
.
:10/05/27 11:08
:SH06A3
:idrM8/qs
#733 [のの子]
「あんなに怒って泣いて、反抗してきた聡美初めて。結構ビックリしちゃった。」
苦笑いするお姉さんにつられて俺もははっと苦笑いする。
「アキラ君‥あの時言った言葉だけど‥」
ドクンッ!
「ハッキリ言うね。」
ドクッ ドクッ
「忘れて?」
.
:10/05/27 11:11
:SH06A3
:idrM8/qs
#734 [のの子]
えっ?
「あなたを傷つけた分、簡単に忘れられるものじゃないってこともわかるけど‥」
そう言ってお姉さんはじっと俺の目を見つめてきた。
「あっそれは‥?」
「あの時、私は君の事が許せなかった。すごい憎んで、あんな‥『死ねばよかった』なんて言葉が出てきたの。」
俺はキュッと唇を噛む。
あの時‥
謝罪に行った俺を泣きながら睨みつけるお姉さんと
その後ろで俺に見向きもせず泣き崩れる母親の光景が
今も頭に焼き付いている。
:10/05/27 22:40
:SH06A3
:idrM8/qs
#735 [のの子]
「でも、あれは‥私の本心だった。それほど真琴が大切だったから‥」
あの時看護婦に止められながらも俺に掴みかかろうとして、暴言を吐くお姉さんを思い浮かべる。
「けど‥聡美にも言われたんだけどね、今冷静に考えれば君のせいじゃないとも思えるの。」
俯く俺にお姉さんは一歩近づく。
「だから‥訂正する。君は、君の人生を生きて?」
.
:10/05/27 22:55
:SH06A3
:idrM8/qs
#736 [のの子]
「‥死んだりしたら許さない。もちろん人生を楽しまないのもねっ。」
バンッ
「ゔっ‥ぃって。」
お姉さんは勢いよく俺の肩を掴むとクスクス笑う。
その笑顔は、聡美と同じように俺の心をどこかほぐしてくれた。
「ありがとうございます‥」
「‥聡美の事、これからもよろしくね。」
.
:10/05/27 23:00
:SH06A3
:idrM8/qs
#737 [のの子]
ガチャッ!
「あっ彰君っ‥って私の荷物!」
勢いよく玄関から出てきた聡美は俺に気づいたのもつかの間、黒い荷物に飛びつく。
「なんでここに?あっお姉ちゃんでしょっ?!」
「忘れないように出しといてあげたの。」
「もう〜すごい探してたんだからねぇ。お母さぁん、荷物あったー!」
お姉さんは聡美の頭をクシャッと撫でると、そのまま家の中に入って行った。
.
:10/05/27 23:05
:SH06A3
:idrM8/qs
#738 [のの子]
「もう〜っ‥あっ彰君ごめんね?結構待った?」
荷物を持った聡美が慌てて俺にかけよる。
「えっいや、大丈夫。」
そっか、と笑う聡美に俺も笑う。
「あっアキラ君?」
声のした方に向くと玄関から聡美の母親が立っていた。
「っ‥こんにちは。」
俺は頭を軽くさげる。
.
:10/05/27 23:09
:SH06A3
:idrM8/qs
#739 [のの子]
そんな俺を見て複雑そうに笑うと、
「また今度家に来てくれない?‥真琴に線香でもあげてほしいから。」
ドクッ
聡美まで眉を下げて心配そうに俺を見上げる。
「‥はい、ありがとうございます。」
俺は笑うとさっきよりも深く頭を下げた。
良かった‥
お姉さんもおばさんも、もう笑えるんだ。
そう思ったら一瞬目頭が暑くなった。
.
:10/05/27 23:14
:SH06A3
:idrM8/qs
#740 [のの子]
「彰君‥
「あっれー、早く行かないと二人とも遅刻じゃないの〜?」
お姉さんが笑いながら玄関からヒョコッと顔を出す。
っ!
二人して携帯を見ると
09:47‥
「うわっ彰君ヤバいよ!遅刻しちゃう!」
「わかってるよ!忘れ物ないよな?」
聡美が頷くのを見て俺はまた二人に頭を下げた。
:10/05/28 10:57
:SH06A3
:DVKeltdU
#741 [のの子]
「じゃ行ってくるね!」
聡美は笑って手を振る。
「二人ともいってらっしゃい。」
「気をつけてねっ。」
俺は見送ってくれた二人の笑顔をしっかり見つめて、胸に刻む。
たぶん、俺が目指すのはこういうモノなのかもしれない。
悲しい過去があっても
それをもう傷にはしない。
.
:10/05/28 11:09
:SH06A3
:DVKeltdU
#742 [のの子]
:10/05/28 11:21
:SH06A3
:DVKeltdU
#743 [のの子]
竜二Side
ザワザワザワ
「彰と聡美ちゃん遅いね〜。」
「暑いしどっか入ろぉ?」
夏休み、人が多い駅前で俺達はそれぞれ荷物を抱えて二人を待っていた。
「もう着くらしいから我慢しな?」
桃ちゃんの頭をポンポンと撫でるフクを横に俺は座り込んで人混みを見つめる。
.
:10/05/28 21:38
:SH06A3
:DVKeltdU
#744 [のの子]
『聡美に全部話す』
そう言ってた彰から昨日何も連絡はなかった。
もちろん俺からわざわざ連絡するような事もしなかった。
でも、気になってずっと考えてた‥
「どうなったんだろ?‥」
ボソッと呟く。
「何が?」
.
:10/05/28 22:19
:SH06A3
:DVKeltdU
#745 [のの子]
‥‥‥はぁっ
「別に。」
「うわっ冷たーい。」
そう言って鈴はクスクスと笑う。
夏休み前、長かった髪をバッサリ切ったのに、さらにショートになっている。
「お前また髪切ったの?」
「あぁうん、暑いし邪魔だったから切っちゃった。切った時はみんなビックリしてて面白かった〜♪」
あははっと笑う鈴の頭をフクが掴む。
「こいつ急に合気道習いだしたんだよっ。だから邪魔だって切ったんだって。」.
:10/05/29 12:19
:SH06A3
:R/ocBIJk
#746 [のの子]
「合気道?キャラじゃない事するね。」
鈴は頬を赤くして口をとんがらす。
「キャラとか関係ないもん。私は私なりに強くなろうとしてるのっ。それに運動神経は良い方だし?」
「でも怪我でもしたら‥」
そう言って心配するフクだけど、変わろうとしている鈴を見つめる瞳はどこか優しかった。
「でもぉショートになっておサルさんみたいで可愛いんじゃない?」
.
:10/05/29 20:04
:SH06A3
:R/ocBIJk
#747 [のの子]
桃ちゃんがニコニコ笑いながら鈴の目の前に座る。
「っ‥ありがとうございます‥」
桃ちゃんを目の前に、鈴は顔を引き攣らせ笑う。
『フクの妹だからって場合によっては容赦しないからね。』
フクの妹と知った後に顔を合わせた時、桃ちゃんは笑ってそう言ったらしい。
意外にも桃ちゃんは聡美に喧嘩を売ってきた時の事をかなり根に持っていた。
それからあの自己チューだった鈴の性格も少し落ち着いたとかどうとか..
.
:10/05/29 20:14
:SH06A3
:R/ocBIJk
#748 [のの子]
「あっ来た来たっ!」
っ!
旬の声に反応して人混みに目線を戻す。
サラリーマンもいれば、携帯をイジりながら歩くギャルに家族で仲良く手を繋いで歩く姿が目に映る。
でも、その中に見覚えのある二人の姿が現れる。
「悪いっ遅れたっ!」
「ごめんねぇっ!」
.
:10/05/29 20:20
:SH06A3
:R/ocBIJk
#749 [のの子]
息を切らす二人。
「おっそーいっ!二人してやる気あんの〜?」
旬がムッとすると聡美が苦笑いしておでごの汗をふく。
「ハァッごめんね?電車乗り遅れちゃって‥」
「あっちぃ‥ってかたった15分ぐらいじゃんかよ。」
彰もTシャツを掴んでパタパタと動かす。
「うわっ悪気ない奴一名いるんですけどーっ!罰としてジュースおごれぇ!」
「俺が飲みてぇよっ!」
.
:10/05/29 20:27
:SH06A3
:R/ocBIJk
#750 [のの子]
「聡美っおはよぉ♪」
「あっ桃も鈴ちゃんもおはよー♪ハァッ本当遅くなってごめんねぇ?」
桃が聡美に近寄ると鈴も自然とそれについていく。
「寝坊でもしたんですか?」
鈴が呆れた表情で聡美を見つめる。
「そういう訳じゃないんだけど〜‥むしろ睡眠不足?」
「なにやってたんですか‥」
えへへっと笑う聡美に鈴も笑う。
.
:10/05/29 20:31
:SH06A3
:R/ocBIJk
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