― 短編箱 ―
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#91 [栢]

それから
お葬式がやってきた


じいちゃんの写真が
きれいなお花に囲まれていた

無口な人だったけど
いろんな人に慕われていたんだろう
たくさんの人が参列していた

その間も
ばあちゃんは泣いていなかった
やっぱり‥、

⏰:09/10/12 01:08 📱:D905i 🆔:8HWp1nKk


#92 [栢]

静かに眠ったじいちゃんの周りに
たくさんのお花と
大好きだったタバコを入れた


しっかりと蓋を閉めて
釘が打たれた。

そして運ばれていく‥

⏰:09/10/12 01:11 📱:D905i 🆔:8HWp1nKk


#93 [栢]

あのばあちゃんが泣いていた

小さな体を
さらに小さくして

顔が崩れてしまいそうなくらい
くしゃっとシワを寄せて
ぼろぼろと涙を流していた


じいさん、じいさん‥

ただただ繰り返すだけだった

⏰:09/10/12 01:13 📱:D905i 🆔:8HWp1nKk


#94 [栢]

じいちゃんは
白い煙になって天国に行った

これから長い旅に出るのだと
お坊さんが言っていた。



そして
紅葉の季節になる

⏰:09/10/12 01:14 📱:D905i 🆔:8HWp1nKk


#95 [栢]

ばあちゃんが
近所の友達と家の居間で話しているのが
たまたま耳に入った。


「最初は信じられなかったよ
ほんとだってわかると
追いかけて逝きたくなっちゃうね
寂しいもんだ‥
癖でじいさんの湯飲みにも
お茶を入れちゃうんだから」


ばあちゃんは
確かにじいちゃんを愛していた

⏰:09/10/12 01:18 📱:D905i 🆔:8HWp1nKk


#96 [栢]


「ひどいことを言ってばかりで
後悔してるよ‥
じいさんに嫌われてしまったね」


ばあちゃん、私知ってるよ
じいちゃんは確かに
ばあちゃんのこと愛していた

⏰:09/10/12 01:21 📱:D905i 🆔:8HWp1nKk


#97 [栢]

じいちゃんが亡くなってから
私はお母さんから
手紙を受け取った

じいちゃんからの手紙。


"じいちゃんはとても不器用です
ばあさんはもっと不器用です。
あなたも不器用です。

だけどそこがまたいいのです

ばあさんは寂しがり屋だから
ん話し相手になってあげてください
きっと喜びます

じいちゃんはばあさんを
愛しています。

恥ずかしいので
秘密にしておいてください。"

⏰:09/10/12 01:25 📱:D905i 🆔:8HWp1nKk


#98 [栢]

じいちゃんは不器用だった

誰よりも不器用だった


だけど一途な人だった
とても素敵な人だった


じいちゃんが亡くなってから
もう3年。


今でもばあちゃんは
じいちゃんのことを楽しそうに
幸せそうに話してくれます。

⏰:09/10/12 01:28 📱:D905i 🆔:8HWp1nKk


#99 [栢]
>>69-98

実話です
フィクションじゃなくて
ごめんなさい(´・ω・`)


夫婦ってすごいなーって
感じました ^^*
じいちゃんのこと尊敬してます

⏰:09/10/12 01:30 📱:D905i 🆔:8HWp1nKk


#100 [あ]
一気に読みました
最後の話で
涙がでました

⏰:09/10/12 20:09 📱:SH906i 🆔:OvK85Guw


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