― 短編箱 ―
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#167 [栢]

1人孤独を抱えたまま
長い長い時間を過ごす

あれから彼とは
連絡もまめにしなくなった。


また無意識に自らを殴る
もはや軽い習慣‥

⏰:09/10/23 20:39 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#168 [栢]

「‥ねぇ、何してるの?」


後ろを向くと
青ざめたお母さんの姿

「これ、
お母さんを安心させて‥!」


渡された"現実"
逃げられない受け入れなきゃいけない

ママ‥なんてまだなりたくないよ

⏰:09/10/23 20:42 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#169 [栢]

「うるさいなあ!!
いちいち心配しすぎなの!
そうやってストレス溜めさせるから
来なくなるんでしょう?!」


今まで溜めてた
‥怒りじゃない
溢れ出したこの感情は


不安。

⏰:09/10/23 20:45 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#170 [栢]

睫が濡れる
息をするのを忘れる

「お願いだから‥!早く」




‥、結果はあたしの思い込み
あたしはまだひとりの少女。

⏰:09/10/23 20:48 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#171 [栢]

それを見て
お母さんが泣き崩れた。

今までの怒ったような顔が
一気に崩れた。

大きな雫をこぼして
「‥よかった‥よかった」

ただそう呟くの

⏰:09/10/23 20:50 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#172 [栢]

「お母さん‥
どうしようかと思った‥
毎日不安で、寝れなくて‥、」


久しぶりに視線を向ける


白髪が増えちゃったね‥
痩せこけちゃったね‥


だけど、"ごめんね"が
言えないあたし

⏰:09/10/23 20:52 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#173 [栢]

「自分の体は自分で守りなさい‥
自分をしっかり持ちなさい‥」

震えた声で力強く言うお母さんに


「わかってるよ!!
‥いちいちうるさいの!!」


泣きながら枕を投げつけた。
不安がほどけて
すべてが崩壊したように
泣き狂った

⏰:09/10/23 20:55 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#174 [栢]

あのときの
お母さんの寂しそうな後ろ姿


こんな姿にしてしまったのは
こんなに不安にさせてしまったのは

誰でもなくあたしなんだ。


大好きなのに、

⏰:09/10/23 20:57 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#175 [栢]

結局
ごめんねと言えなかった。


あの人と別れてから
お母さんを安心させようと
男の人と関わるのをやめた。


それでも
「どこ行くの?」
「生理は来たの?」
一年くらいはずっと
耳にべたりとへばりつくように
しつこく言われたものだ

⏰:09/10/23 21:00 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#176 [栢]

だけどもう反抗なんてしない

お母さんを追いつめたくないから、


誰よりも明るい人だけど
すごく心配性で傷つきやすい
大事にしなきゃいけない

初めてお母さんの弱いところに
真っ正面から向き合った。



強い人だ

⏰:09/10/23 21:02 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


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