― 短編箱 ―
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#1 [栢]
:09/10/01 17:19 :D905i :N3I8OBHs
#2 [栢]
君の、 匂い。
_
:09/10/01 17:23 :D905i :N3I8OBHs
#3 [栢]
「太一の匂いだぁ‥」
にこにこしながら
俺を見上げたのは
あと少しで
付き合って2年になる彼女。
俺の胸元に鼻を押し当てて
犬みたいに
くんくんと匂いをかぐ
改めて
小さいんだなぁと思う。
:09/10/01 17:31 :D905i :N3I8OBHs
#4 [栢]
彼女は匂いフェチなのか
なんなのか‥
よくわかんないけど
こうするのが好きだった。
俺もなんとなく、
こうされるのが好きだった。
だだ、それだけ
:09/10/02 15:47 :D905i :xQZDlkoQ
#5 [栢]
「太一もドキドキするんだね」
そのたびに言われたもんだ。
そりゃぁ、するよ と言う答えに
満足そうに笑う彼女。
そして今日も
「太一もドキドキするんだね」
お決まりのセリフを言われた。
:09/10/02 15:50 :D905i :xQZDlkoQ
#6 [栢]
だけど、なんとなく今日は
お決まりの答えを
返す気分じゃなかったから
「なんでいつも聞くの?」
自分の中の
ちょっとした疑問をぶつけてみる
その答えが
不安げな顔と共に返ってきたもんだから
俺は少し戸惑ってしまうのだ。
:09/10/02 15:53 :D905i :xQZDlkoQ
#7 [栢]
「あたしのこと好きなのかなぁって思って」
女の子ってわからない。
好きだから付き合ってるのに
なんでそんなことを思うんだろう
いつだって俺は
彼女中心なフリをして‥
何ひとつわかっちゃいなかった。
ここで一言言ってあげるべきなのに‥
:09/10/02 15:57 :D905i :xQZDlkoQ
#8 [栢]
彼女の腕に
力が入るのがわかる。
その言葉を待っていたんだろう
ただ"好きだよ"と
言われたかったんだろう。
期待に応えられなかった俺。
情けない男だ
:09/10/02 15:59 :D905i :xQZDlkoQ
#9 [栢]
「太一、
好きって言ってくれたことない」
ふてくされたような
今にも泣き出しそうな
そんな声で言われちゃあ‥
グサッと棘がささる。
女の子ってわからない
:09/10/02 16:02 :D905i :xQZDlkoQ
#10 [栢]
なんで?
あたしのこと好きじゃない?
俺に問い詰める声が
だんだんと小さく
だんだんと安定感をなくしていく
2年間も不安にさせていたんだと
ここでやっと気づいたのだ。
だけど
女の子ってわからない
言わなきゃだめ?
:09/10/02 16:05 :D905i :xQZDlkoQ
#11 [栢]
そして遂に
彼女は泣き出してしまった。
いつだって笑ってた彼女
時々落ち込んだり、怒ったりはしたけど
俺の前で泣いたことはなかったのに
今目の前で泣いている彼女を
どうするべきなのか
わからなかった
本当に情けない男
:09/10/02 16:15 :D905i :xQZDlkoQ
#12 [栢]
どうしても
言ってやれなかった。
気持ちは確かなのに
言葉にすることを拒む口
この気持ちを
たった二文字で表すことを
惜しく思ってて、
今まで言葉にできなかったんだけど‥
:09/10/02 16:21 :D905i :xQZDlkoQ
#13 [栢]
黙り込む俺を見かねてか
「わかった」
と小さく呟いて
俺を抱きしめる手を話した。
そのまま言ってやればよかったのに
好きじゃ伝わりきらないって
言ってやればよかったのに、
‥情けない男は彼女を失った
:09/10/02 16:24 :D905i :xQZDlkoQ
#14 [栢]
あれから5年が経つ
「女の子ってわからんないよ」
「好きって言って欲しいのよ。
ただ言葉にしてもらえるだけで
安心するものなの」
「好きなんかじゃ足りない場合だって
あるんだからな?」
そんな口論は日常になった。
:09/10/02 16:28 :D905i :xQZDlkoQ
#15 [栢]
未だに好きだと言わない俺に
彼女はすでに呆れ
情けなく頑固な俺を受け入れてくれた
「太一の匂いだぁ
太一もドキドキするんだね」
相変わらずそんなことを言われる
そんな「‥好きだよ」と
俺は初めて言って見せた
:09/10/02 16:36 :D905i :xQZDlkoQ
#16 [栢]
彼女は驚いたようにぽかんとした
そりゃあそうだ。
7年経ってやっとだもんな
しかし彼女は
くすりと笑ってこう言うのだ。
「‥好きって言われるより、
あなたの匂いを感じてたほうが
よっぽど安心するみたい」
つられて俺も笑ってしまった。
そして、いつものように
抱き合って眠りについた。
:09/10/02 16:40 :D905i :xQZDlkoQ
#17 [栢]
>>2-16「君の、匂い。」
なんかよくわかんない第一作目
男の子と女の子の
典型的な考えの違いを
書いてみました(´・ω・`)
中途半端な終わりかたですね×
:09/10/02 16:59 :D905i :xQZDlkoQ
#18 [栢]
一番じゃなくても
_
:09/10/02 17:00 :D905i :xQZDlkoQ
#19 [栢]
好きな人に振られました。
もう一年も前の話だけど
忘れられずにいるのです。
:09/10/02 17:03 :D905i :xQZDlkoQ
#20 [栢]
高校も別々になってしまって
もう1年と半年が経ちました。
好きになって2年が経ちました。
あなたは変わらず
私の好きなあなたでいますか?
それとも、
変わってしまいましたか?
そんなことすらわからずに、
一度も会えずにいたのです。
:09/10/02 17:06 :D905i :xQZDlkoQ
#21 [栢]
会えないのに
どうしてこんなに好きなのでしょう。
会えないから、
どんどん好きになっていくのです。
会いたい気持ちが日に日に増して
時々寂しくなることでさえも
愛おしく感じています。
:09/10/02 17:08 :D905i :xQZDlkoQ
#22 [栢]
ただただ
なんの刺激もなく過ぎて行く日々に
飽き飽きしてしまいそうでした。
あの日あなたが言った
"一度の友達"と言う言葉に
私は涙を流しましたが、
今はもう一度
そんなことを言われてもいいから
会いたいと思ってしまうのです。
:09/10/02 17:13 :D905i :xQZDlkoQ
#23 [栢]
そして2年前に
大好きなあなたが祝ってくれた、
私の誕生日が
秋の澄んだ冷たい空気と共に
やってきました。
誕生日だから何があるとか
そんな期待はもうしなくなり、
いつもと変わらない帰り道を
ひとりとぼとぼと歩くのでした。
:09/10/02 17:19 :D905i :xQZDlkoQ
#24 [栢]
ついに、想いすぎて
幻聴が聞こえるようになってしまいました。
私のことを呼ぶ
あなたの声が聞こえてしまいました。
末期症状のようですね。
気のせいだと確信していましたが
振り向いてしまいたくなりました。
:09/10/02 17:25 :D905i :xQZDlkoQ
#25 [栢]
だけど、ここで振り向いて
あなたがいないことを目にしたら
あなたのことを
忘れなければならないような
そんな気がしたのです。
:09/10/02 17:26 :D905i :xQZDlkoQ
#26 [栢]
好きでいることが
苦ではなかったので、
振り向きはしませんでした。
付き合いたいわけじゃなくて
ただあなたを見ていたいのです。
ただあなたを想っていたいのです。
おかしいことでしょうか?
:09/10/02 17:29 :D905i :xQZDlkoQ
#27 [栢]
トントンと
右の肩を叩かれた気がして
無意識に振り向いてしまいました。
幻覚が見えてしまったのです。
あの時から
何ひとつ変わらない
あなたが見えてしまったのです。
もう私はどうかしていますね
:09/10/02 17:32 :D905i :xQZDlkoQ
#28 [栢]
「久しぶり」
現実なのだと気付きましたが
久しぶりに会ったものだから
実際に目の前にすると
心臓が破裂してしまいそうで、
「もしかして、忘れちゃった?」
不安そうに
私の顔を覗き込むあなたに
大きく頭を横に振って見せました。
夢のようです。
:09/10/02 17:36 :D905i :xQZDlkoQ
#29 [栢]
「同じ駅で同じ町なのに
全く会わないとか
ある意味すごいよね」
あの時と変わらない
無邪気な笑顔を見せて
私の横を歩くあなた。
涙が出そうなくらいうれしくて
言葉がぎこちなくなりました。
:09/10/02 17:40 :D905i :xQZDlkoQ
#30 [栢]
「あ、
誕生日おめでとうね」
覚えててくれたんだ‥
私のことなんて
忘れちゃったと思ってた。
ばいばいと手を振るあなたを
見えなくなるまで見届けて
嬉しくさが込み上げてきて
口元が緩んでしまうのです。
:09/10/02 17:45 :D905i :xQZDlkoQ
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