― 短編箱 ―
最新 最初 全
#106 [栢]
ある雨の日
_
:09/10/14 15:48 :D905i :U5TmC86c
#107 [栢]
毎日乗る電車の
同じ車両に乗ってくる子がいる
緩いパーマのかかった
可愛らしい子
わかんないけどたぶん同い年
俺の高校の近くの女子高の制服
どっちかって言うと
大人しそうなかんじかな、
:09/10/14 15:52 :D905i :U5TmC86c
#108 [栢]
いつも俺の前あたりに座る
ってか俺が
その子の前に座ってるんだけど(笑)
単語帳とか本とか読んでて
頭よさそう。
たまに眼鏡かけてたり‥
‥ちょっといくらか見すぎか?
:09/10/14 15:55 :D905i :U5TmC86c
#109 [栢]
そんなわけで、
可愛くて仕方がない。
もちろん話したことないし
名前も知らない
俺みたいなばかっぽい奴
相手にしてくれないかもなぁ‥
要は叶わぬ恋らしき一目惚れ
:09/10/14 15:57 :D905i :U5TmC86c
#110 [栢]
彼氏いんのかなー
いそうだなぁ‥。
そんなかんじで
ぼーっと眺めていると
ふと目があった
それだけで心臓やばかった、
その子はにこっと小さく笑って
また本を読み出した。
くそかわいいなこの野郎。
悶々とする思春期17才
:09/10/14 16:00 :D905i :U5TmC86c
#111 [栢]
思い切って
話しかけてみたいんだが、
なかなかタイミングがつかめずに早半年
眺めてるだけで
幸せって言えば幸せなんだけど‥
できるなら話してみたい。
できるなら‥うん。
話しかけようかと思っても
電車を降りると
友達と待ち合わせしてるらしく
ひとりでいないし‥あぁ
:09/10/14 16:04 :D905i :U5TmC86c
#112 [栢]
そんな日の帰りのこと。
いつも通り電車に乗って
駅につくと
ちょうど雨が降り出した。
「うわ‥最悪」
あいにく傘持ってきてなくて、
しかも雨のあの濡れた時の
べたべた感が苦手で
少し駅で雨宿りしていたんだ
:09/10/14 16:19 :D905i :U5TmC86c
#113 [栢]
すぐ止むかと思ったけど
なかなか止まなかった。
傘さしてる人たちを
ぼーっと見つめてるその間も
あの子のこと考えてて、
あの子いつもどこで乗るんだ?
俺よりも前の駅ってのは
わかってたけど‥。
まぁそれも
聞いてみなきゃわからない話で
やっぱり何一つ情報もなく
興味や勝手な妄想だけで
俺を支配してくあの子。
:09/10/14 16:23 :D905i :U5TmC86c
#114 [栢]
とりあえず
今度いい機会があったら
絶対話しかけると誓った。
そしてそのいい機会は‥
「早くやまねぇかな‥」
ふと横に目をやると、
あれ‥?なんで ?
:09/10/14 16:41 :D905i :U5TmC86c
#115 [栢]
あの子がいる。
俺の横にかわいいあの子
今さっき
自分に誓ってしまったことを
恨みたくなる‥
まだ心の準備できてないし、
自然と目が泳いでしまう
怪しく思われてないかなと
横目で様子をうかがう。
案の定
彼女は俺に目もくれていない
:09/10/14 16:45 :D905i :U5TmC86c
#116 [栢]
どうやらメールを打ってるようだ
やっぱり彼氏‥
あー‥なんかもう
話しかけるの怖い(笑)
やっぱり諦めようかななんて
考えていた‥
その時。
:09/10/14 16:48 :D905i :U5TmC86c
#117 [栢]
「すみません‥ちょっといいですか?」
とひとりのおばあさんが
彼女に話しかけた。
なぜか俺は息を潜め
様子をうかがっていた。
「西沼に行くバス停はどこですかね?」
:09/10/14 16:53 :D905i :U5TmC86c
#118 [栢]
彼女は困った様子だった
そりゃそうだろう
ここの人じゃないんだから、
‥これはチャンスだと思った。
「おばあちゃん、
西沼行きはあそこのバス停ですよ」
俺はうまく会話に入り込んだ
:09/10/14 16:56 :D905i :U5TmC86c
#119 []
わくわく(。・ω・。)
:09/10/14 17:42 :SH903i :/JGHqsj6
#120 [栢]
:09/10/14 23:46 :D905i :U5TmC86c
#121 [栢]
おばあさんはにっこり笑い
小さくお辞儀をして
お礼にと飴を2つくれた
雨の日に飴って‥(笑)
そんなことはどうでもよくて
さぁ、どうしようこの状況。
:09/10/14 23:48 :D905i :U5TmC86c
#122 [栢]
ちらっと様子をうかがった時に
ばちりと目が合った
「ありがとう‥ございます」
彼女は礼儀正しく深く頭を下げた
初めて聞いた
彼女の柔らかくて安心する声
尚も雨は降り続く
:09/10/14 23:53 :D905i :U5TmC86c
#123 [栢]
いえいえと笑いのける
それはもう、爽やか気取りで。
内心にやけっぱなし
口元緩んでたかも‥
「傘‥忘れたんですか?」
心配そうに彼女は言った。
「今日、天気予報見るの忘れてて(笑)」
なんだか照れくさい
:09/10/14 23:57 :D905i :U5TmC86c
#124 [栢]
すると彼女はくすっと笑って
「私もです」と言った。
なんか一気に事が進んで
運命とかロマンチックを気取りたくなる
むしろもう
雨止まないでくれ。
一瞬にして雨が好きになる俺
だけど天気は気まぐれで
そこまで味方はしてくれない
:09/10/15 00:01 :D905i :HzfhWb16
#125 [栢]
雨がだんだん弱くなる。
「飴‥!!どっちがいい?」
さっき貰った飴のことを
ふと思い出したのだ
彼女のきょとんとした顔も
初めて見た
「桃と林檎、どっち好き?」
俺の質問に
謙虚に透き通った声で答える
:09/10/15 00:39 :D905i :HzfhWb16
#126 [栢]
「じゃあ、林檎がいいです」
少し恥ずかしそうで嬉しそうな彼女
こっちまで
嬉しくさせる笑顔
雨が止んだ。
:09/10/15 00:41 :D905i :HzfhWb16
#127 [栢]
あっという間に時がすぎてしまって
彼女はまた深く頭をさげて
にこりと笑って去っていった。
夢のようだ‥。
まだあの優しい空間に包まれる
結局
名前も駅のことも彼氏のことも
何ひとつ聞けなかった
:09/10/15 00:44 :D905i :HzfhWb16
#128 [栢]
ただ一つ得た情報に頼るしかなかった俺
もう一回話したい
もう一回笑顔が見たい
ただそれだけのために‥。
あの日から行きの電車で
彼女の前に座るのが照れくさい
だけどあれから彼女とは
"知り合い"になったわけで
ぺこりと軽く頭をさげるようになった
:09/10/15 00:48 :D905i :HzfhWb16
#129 [栢]
そしてまた雨の日のこと
その日はちゃんと傘は持っていた
だけど俺の手が傘を開こうとしない
根拠もないままに
あの日と同じように
ぼーっとしながら彼女を想う
やっぱり雨好きだ
また彼女がやってきた
:09/10/15 00:51 :D905i :HzfhWb16
#130 [栢]
「こんにちは」
にこりとあの笑顔。
鼓動がじわじわと熱くなる
「あ‥飴なめる?」
とにかく話したくて
カバンの中をあさり
飴の袋を取り出した。
もちろん林檎味
彼女のために買った
俺には似合わない林檎の飴
:09/10/15 00:55 :D905i :HzfhWb16
#131 [栢]
彼女は少し驚き
そしてすぐにくすっと笑って
「ありがとう」
欲しかった笑顔を見せてくれた
「林檎‥好きなの?」
飴の袋を指差して
純粋な眼差しで見つめられる
:09/10/15 00:58 :D905i :HzfhWb16
#132 [栢]
君と話したくて‥
笑顔が見たくて‥なんて
言えたもんじゃない。
残念ながら
奥手具合は治らない(笑)
俺は一呼吸置いて
「うん、好き」
君のことがね、
:09/10/15 01:01 :D905i :HzfhWb16
#133 [栢]
雨がだんだん弱くなる
傘を広げて彼女はまた去っていく
「あの‥!」
雨が止んでうっすらと虹がかかる
滴がきらりと眩しい
もう雨には頼らない
:09/10/15 01:07 :D905i :HzfhWb16
#134 [栢]
>>106-134
まとまりがないです(´・ω・`)
全然展開を考えずに
書き始めてしまったので
わけわからんことになってしまいました
結局
名前とかいろいろと謎のままだし←
ほとんどがハッピーエンドなので
今回はもどかしい過程を書いてみました
このあとはご想像におまかせです ^^*
:09/10/15 01:10 :D905i :HzfhWb16
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194