― 短編箱 ―
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#18 [栢]
一番じゃなくても
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:09/10/02 17:00 :D905i :xQZDlkoQ
#19 [栢]
好きな人に振られました。
もう一年も前の話だけど
忘れられずにいるのです。
:09/10/02 17:03 :D905i :xQZDlkoQ
#20 [栢]
高校も別々になってしまって
もう1年と半年が経ちました。
好きになって2年が経ちました。
あなたは変わらず
私の好きなあなたでいますか?
それとも、
変わってしまいましたか?
そんなことすらわからずに、
一度も会えずにいたのです。
:09/10/02 17:06 :D905i :xQZDlkoQ
#21 [栢]
会えないのに
どうしてこんなに好きなのでしょう。
会えないから、
どんどん好きになっていくのです。
会いたい気持ちが日に日に増して
時々寂しくなることでさえも
愛おしく感じています。
:09/10/02 17:08 :D905i :xQZDlkoQ
#22 [栢]
ただただ
なんの刺激もなく過ぎて行く日々に
飽き飽きしてしまいそうでした。
あの日あなたが言った
"一度の友達"と言う言葉に
私は涙を流しましたが、
今はもう一度
そんなことを言われてもいいから
会いたいと思ってしまうのです。
:09/10/02 17:13 :D905i :xQZDlkoQ
#23 [栢]
そして2年前に
大好きなあなたが祝ってくれた、
私の誕生日が
秋の澄んだ冷たい空気と共に
やってきました。
誕生日だから何があるとか
そんな期待はもうしなくなり、
いつもと変わらない帰り道を
ひとりとぼとぼと歩くのでした。
:09/10/02 17:19 :D905i :xQZDlkoQ
#24 [栢]
ついに、想いすぎて
幻聴が聞こえるようになってしまいました。
私のことを呼ぶ
あなたの声が聞こえてしまいました。
末期症状のようですね。
気のせいだと確信していましたが
振り向いてしまいたくなりました。
:09/10/02 17:25 :D905i :xQZDlkoQ
#25 [栢]
だけど、ここで振り向いて
あなたがいないことを目にしたら
あなたのことを
忘れなければならないような
そんな気がしたのです。
:09/10/02 17:26 :D905i :xQZDlkoQ
#26 [栢]
好きでいることが
苦ではなかったので、
振り向きはしませんでした。
付き合いたいわけじゃなくて
ただあなたを見ていたいのです。
ただあなたを想っていたいのです。
おかしいことでしょうか?
:09/10/02 17:29 :D905i :xQZDlkoQ
#27 [栢]
トントンと
右の肩を叩かれた気がして
無意識に振り向いてしまいました。
幻覚が見えてしまったのです。
あの時から
何ひとつ変わらない
あなたが見えてしまったのです。
もう私はどうかしていますね
:09/10/02 17:32 :D905i :xQZDlkoQ
#28 [栢]
「久しぶり」
現実なのだと気付きましたが
久しぶりに会ったものだから
実際に目の前にすると
心臓が破裂してしまいそうで、
「もしかして、忘れちゃった?」
不安そうに
私の顔を覗き込むあなたに
大きく頭を横に振って見せました。
夢のようです。
:09/10/02 17:36 :D905i :xQZDlkoQ
#29 [栢]
「同じ駅で同じ町なのに
全く会わないとか
ある意味すごいよね」
あの時と変わらない
無邪気な笑顔を見せて
私の横を歩くあなた。
涙が出そうなくらいうれしくて
言葉がぎこちなくなりました。
:09/10/02 17:40 :D905i :xQZDlkoQ
#30 [栢]
「あ、
誕生日おめでとうね」
覚えててくれたんだ‥
私のことなんて
忘れちゃったと思ってた。
ばいばいと手を振るあなたを
見えなくなるまで見届けて
嬉しくさが込み上げてきて
口元が緩んでしまうのです。
:09/10/02 17:45 :D905i :xQZDlkoQ
#31 [栢]
それから時間が合えば
一緒に帰るようになりました。
幸せすぎて
どうしよもありませんでした。
相変わらず
たわいもない話をして
私を笑顔にしてくれる
"友達"として接してくれるあなたは
やっぱり素敵な人なのです。
:09/10/02 17:48 :D905i :xQZDlkoQ
#32 [栢]
誕生日から
1ヶ月が経って
空気はさらに冷たくなり
吐息を白く染めるようになりました。
「今日公園寄っていかない?」
いつもより
たくさん話せると思うと
にやけてしまいそうで
あなたの顔をちゃんと見れませんでした
:09/10/02 17:53 :D905i :xQZDlkoQ
#33 [栢]
ベンチに座って
ふぅと真っ白な息を吐くあなたの隣に
少し距離を置いて座りました。
きっとあなたは
何かいつもとは違うことを話すために
ここに誘ったのでしょう。
だけど、
私は気持ちを押さえられませんでした。
:09/10/02 17:58 :D905i :xQZDlkoQ
#34 [栢]
「今、彼氏いるの?」
「いるわけないよ。
高校入ってから一人も‥」
そう言うと
あなたは驚きましたね。
「私ね、
別に付き合えなくてもいいやって思う。
付き合いたいから
好きでいるんじゃないし、」
私の今までの想いが
一気に溢れてきたのです。
:09/10/02 18:02 :D905i :xQZDlkoQ
#35 [栢]
「一番になりたくたって
なれない時だってあるでしょ?
無理に手に入れようとしたって
ただ辛いだけ。
一番になれないなら二番でいいの。
二番にもなれないなら
三番でもいい。」
あなたが私を
じっと見つめてるのがわかりました。
今にも涙がこぼれそうだったので
私は下を向きました。
:09/10/02 18:05 :D905i :xQZDlkoQ
#36 [栢]
もう一度告白するつもりなんて
なかったのですが‥
「だから今すごく幸せ。
友達だってかまわない。
彼女がいるなら見守るし
好きな人がいるなら応援するし
少しでもあたしのこと考えてくれてたら
それだけで幸せだし
今こうして話してくれるだけで
好きでいてよかったなって思う」
:09/10/02 18:10 :D905i :xQZDlkoQ
#37 [栢]
ぽたりと
涙が右の手の甲に落ちた瞬間に
一気に冬を通り越して
春がきてしまったかのような
優しいぬくもりを感じました。
「俺、お前じゃなきゃだめだ‥
振ってからずっと後悔してた。
ずっとお前のことしか、頭になくて
待たせてごめん。
二番でいいなんて言うなよ。」
あなたのぬくもりが
私を包み込みました。
:09/10/02 18:16 :D905i :xQZDlkoQ
#38 [栢]
「‥一番がいいよ。
ほんとは一番がいい‥」
「もう強がんなくていいよ。」
今まで自分が傷つかないために
自分を守るために
一番じゃなくていいと強がっていました。
そんな自分の隠れた思いに
私はやっと気づかされ、
あなたに強く優しく包まれて
今までで一番弱くなったのでした。
:09/10/02 18:22 :D905i :xQZDlkoQ
#39 [栢]
大切なあなたへ。
これからも、
あたしがずっと一番でいられるかは
わからないことですが
もしも一番でなくなってしまった時は
本当に本当に
二番になってもいいと思えます。
あなたは本当に素敵な人だから
それだけの価値がある人だから‥
だけど、
やっぱり一緒にいたいです。
毎日が幸せなのです。
ありがとう。大好きです。
:09/10/02 18:27 :D905i :xQZDlkoQ
#40 [栢]
>>2-16君の、匂い。
>>18-39一番じゃなくても
プチノンフィクションです ^^*
今の彼とのお話を元に
あの時のことを思い出しながら
書きました。
が
文章力に欠けててだめだめですね×
:09/10/02 18:30 :D905i :xQZDlkoQ
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