― 短編箱 ―
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#243 [栢]
淡い雪
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:09/11/06 17:16 :D905i :Szu5HYiU
#244 [栢]
ため息白く染まる。
「帰ろっか」
眉をさげて
少し恥ずかしそうに
手を差し出した。
小さな白い手が
俺の手を軽く握る。
「相変わらず、
手‥あったかいね」
クスリと笑う姿が
とてつもなく愛おしい。
:09/11/06 17:22 :D905i :Szu5HYiU
#245 [栢]
「相変わらず‥冷え性だね」
それを理由にして
その手を握りしめて
そのままポケットに突っ込んだ。
「手が冷たい人は
心があったかいんだよー」
長い睫に白い雪が降る
少し冷たそうにして
彼女は片目を瞑った。
:09/11/06 17:28 :D905i :Szu5HYiU
#246 [栢]
「ねぇ?」
真っ赤な傘から
こちらに顔を出しす
少し切りすぎたと言った
眉の上の前髪が揺れた
「何?」
返事をするのを忘れそうなくらい
見とれているから
それくらい、惚れてるから‥
離したくないんだけどね。
:09/11/06 17:33 :D905i :Szu5HYiU
#247 [栢]
「‥んん。
やっぱり、前髪変かな?」
彼女は何かを飲み込んだ
本当に言いたいことは
いつも言ってくれない‥。
「あぁ‥似合ってるよ?
長いときもよかったけど、」
手を伸ばして
くしゃくしゃと撫でた
視線を惹きたくて。
:09/11/06 17:38 :D905i :Szu5HYiU
#248 [栢]
「ありがと
去年も‥失敗したんだよねぇ」
白く染まったため息を
惜しそうに眺めて
それがまた俺を切なくさせるから
「可愛いよ‥可愛い」
「‥ありがとう」
去年と重ねてる?
そんなに遠くを見て、
彼女には何が見えてるんだろう
:09/11/06 17:43 :D905i :Szu5HYiU
#249 [栢]
「ほんと?‥嬉しい
可愛いって、言ってもらえると
やっぱり‥」
そんな悲しそうに笑わないでよ
「あんまり、
言われたことないから」
アイツは‥言わなかったんだ。
俺はアイツとは違うよ?
あんな奴とは違うのに‥
:09/11/07 18:20 :D905i :B5ShcEsI
#250 [栢]
ねぇ教えて欲しいよ。
‥どこがいいの?
アイツは何を持ってるの?
嫉妬するよ
優しさには自信があるんだ
想う気持ちだって‥
誰よりも大きいはずなんだ。
灰色の空が渦をまく
ぼんやりした色。
:09/11/07 18:24 :D905i :B5ShcEsI
#251 [栢]
「あ‥クリスマス
一緒に‥いてくれる?」
未だに直視できないでいる
君の"笑顔"。
‥気づいてるよ。
ただ、見て見ぬ振りをしてるんだ
こんなに近くにいるのに
君に手が届かない。
いつまで経っても
俺の手じゃ暖められない
あの日から冷たい小さな手
:09/11/07 18:28 :D905i :B5ShcEsI
#252 [栢]
「一緒に過ごそうか」
独りよがり。
こんなの、愛じゃないさ
ただの自己満足なんだ‥。
いつかちゃんと見てくれる‥
そんな期待すら今では、抱かずに
君の足下を見つめるだけ。
「‥楽しみ」
雪が君の声を吸い取って邪魔をする
:09/11/07 18:33 :D905i :B5ShcEsI
#253 [栢]
「‥去年は、独りだったから
恋人と過ごすのは‥初めてなの」
君を独りにした
寂しい思いをさせた
アイツが憎いよ。
だけど俺にはきっと
そんな思いをさせることすら
できないんだろうな‥。
目頭に降った雪がじわっと溶けた。
:09/11/07 18:36 :D905i :B5ShcEsI
#254 [栢]
真っ赤な傘が
真っ白な雪の上に落ちる。
小さく君は驚いたけど、
‥それだけ。
壊れてしまいそうなくらい
強く強く抱きしめてみたけど
空気を抱いているみたいに、
虚しさを覚えた。
「ごめんね‥」
その言葉が
この想いへの返事な気がして
俺は目を閉じて‥
:09/11/07 18:43 :D905i :B5ShcEsI
#255 [栢]
いつまで
偽りの"笑顔"に浸ってるつもりだろう
「‥好きだ」
止むことを知らない淡い雪。
:09/11/07 18:46 :D905i :B5ShcEsI
#256 [栢]
>>243-256
冬なので冬のお話 ^^
今回は切ないかんじに書いてみました!
またわかりにくい話ですが
簡単に解説すると
付き合ってるんだけど
彼女が元カレ忘れられなくて
それに気づいてるのに
別れられない俺←
なんかもやもやしたかんじで
わかる人にはわかる気持ちなのかも
:09/11/07 18:50 :D905i :B5ShcEsI
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