― 短編箱 ―
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#233 [栢]

「美知‥ありがと‥」

パパが確かにそう言った
消えそうな壊れそうな声で
確かに私にそう言った


その瞬間
魔法が溶けたように
子供らしく泣きわめいた

小さくなって泣く私を
お兄ちゃんは優しく包んでくれた

⏰:09/11/02 17:55 📱:D905i 🆔:j2q9RMHc


#234 [栢]

子供の私たちは
家に帰らされた。

お兄ちゃんと2人きりの家。
風が窓を揺らす音が
さらに寂しくさせた

「お兄ちゃん‥
パパ‥元気にならなかった」

うつむいて目を擦って
少し震える声で
「美知‥パパの秘密知ってる?」
そう言った。

頑張って明るく振る舞うその声に
私は涙を止めた

⏰:09/11/02 18:00 📱:D905i 🆔:j2q9RMHc


#235 [栢]

顔を上げ
首を横に振って見せる

するとお兄ちゃんは
にっと笑って小声で言った。

「パパって、
お星様の国の王様なんだよ!」

「おうさま?!」

驚いて胸を時めかせた私の口を
塞ぐ

暖かくて大きな手‥。

⏰:09/11/02 18:04 📱:D905i 🆔:j2q9RMHc


#236 [栢]

「だからあんなに
お星様に詳しいんだよ?
それで、今日は帰らなくちゃいけない日
お星様の国のみんなだって
パパが居なくちゃ困ってるんだ」

一気に涙が乾く
とっさに思いついた優しさに
私は笑顔を浮かべた

「だけど‥パパは
美知のパパなんだよ?
勝手に連れてっちゃいや‥」

大好きな初めての"恋人"に
やきもちを焼くくらい大人になった

⏰:09/11/02 18:08 📱:D905i 🆔:j2q9RMHc


#237 [栢]

「美知にもパパが必要なように‥
あっちのみんなにもパパが必要なんだ。
パパは人気者なの、

"お友達とは仲良く半分こ"って
パパと約束したでしょ?」

澄み切った空気に包まれて
私は大きく頷いた

⏰:09/11/02 18:12 📱:D905i 🆔:j2q9RMHc


#238 [栢]

「じゃあ美知‥
お星様の絵パパにあげる!
それで、
みんなに自慢してもらうの!
美知はこんなに上手な絵を書くんだよって!」

にこにこと笑みを浮かべた
ちょっぴり大人になった。
大好きな"恋人"を
少しだけ独占したかった。


「そうしようか」

安心したようにお兄ちゃんが笑う

⏰:09/11/02 18:16 📱:D905i 🆔:j2q9RMHc


#239 [栢]

たくさんの人に見送られて
パパはお星様の国に旅立った。

「美知!ほらあの白い煙‥
パパが馬車に乗ってるんだよ」

「わぁ‥!パパ王様だもんね!!」

笑顔でさよならをした
またいつか帰ってきてねと

⏰:09/11/02 18:19 📱:D905i 🆔:j2q9RMHc


#240 [栢]

その日の夜は
星が満ちていた。


「パパが帰ったから
今日はお星様いっぱいだね」

白い息をリズムに乗せて

「今頃‥
美知の絵、自慢してるよ」

「そうだといいなぁ‥!」

流れ星が一筋
きらり、光って月に消えた

⏰:09/11/02 18:23 📱:D905i 🆔:j2q9RMHc


#241 [栢]

>>213-241

まとまりなさすぎます(´;ω;`)笑

先日
流星群もあったと言うことで
星をネタにしたものが書きたくて
思いつきで書いてみました ^^
今回は恋愛ではなく
家族愛っぽいものを‥

死を暖かく見つめる事と
兄弟愛とパパに恋する娘と‥
いろいろ盛り込みシリーズ!←

何かしら
感じてもらえたら嬉しいです◎

⏰:09/11/02 18:28 📱:D905i 🆔:j2q9RMHc


#242 [栢]

>>213-241
星のブーケ

>>180-208
春の青い芽

>>153-179
たった一度の反抗期

>>136-151
金木犀

>>135
前作

⏰:09/11/02 18:38 📱:D905i 🆔:j2q9RMHc


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