こちら満腹堂【BL】
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#91 [ひとり]
【第四話/だし巻き卵のおいしさよ】


ランチと夜の営業の合間。
雨の上がった満腹堂裏のベンチで軽く一服。店内で火照った身体に、冬の風が心地いい。

「横いい?」

声がして視線を向けるとノジコさんがいた。

「お疲れさまです」

「お疲れ」

スキニーで脚線美が強調された長い足を組むと、俺の横で煙草に火をつける。
旨そうに、ゆっくりと深く煙を吸った。

⏰:09/12/12 15:56 📱:F01B 🆔:ql9Mw/7E


#92 [ひとり]
それから徐にノジコさんは口を開く。

「根岸さー何かあった?」

「え、なんすか急に」

こういう勘が鋭いとこ、ドキッとする。しかも聞き方がストレート。回りくどい事が嫌いな彼女らしい。

「いや急っつーか結構前から気になってたんだわ」

「・・・・・・・」

「・・言いたくなきゃムリと聞くような野暮なことはしないよ」

「安心して」と軽く笑ったノジコさん。俺はその言葉に本当に安心して、気づけばとんでもない質問をしていた。

「ノジコさんは、女の人好きになったりしますか?」

⏰:09/12/12 15:57 📱:F01B 🆔:ql9Mw/7E


#93 [ひとり]
予期せぬ俺の質問に固まったノジコさんは、そのまま鼻から煙をフスーっと吹き出した。

「すんません、息なり変な事聞いて」

気まずくなって謝る俺。

「何で謝るの?」

「いや、だって」

「全然変な事じゃないじゃん」

⏰:09/12/12 15:57 📱:F01B 🆔:ql9Mw/7E


#94 [ひとり]
「・・・・」

「あたし両刀だし」

「りょ!?・・それって」

「バイだよ」


思わぬカミングアウトに、今度は俺が固まった。

「驚きすぎだから」

何でもないように、実際ノジコさんにすればそれは当たり前の事なのかもしれないが、ケラケラと笑った。ノジコさん、よく笑う人。

⏰:09/12/12 15:58 📱:F01B 🆔:ql9Mw/7E


#95 [ひとり]
「マヂすか」

「マヂっす、引いた?」

「いや、全然。悩んだり、なかったんすか?」

「ん〜・・・ないといえば嘘になる・・かなぁ」


少し遠くを見るようにしてノジコさんは続けた。

「でも好きになったらさぁ、もう手遅れなんだよねぇ」

⏰:09/12/12 15:59 📱:F01B 🆔:ql9Mw/7E


#96 [ひとり]
今の俺に、 その台詞はズシンと響いた。

「俺もそう、思います」

「だろ?」

俺の顔を見て、満足そうに言った彼女は、また旨そうに煙草を吸う。

「はい」

俺もそれに習って短くなった残りに口をつけた。

再び見上げた雨上がりの空。雲間から一筋、光がさしている。

⏰:09/12/12 16:02 📱:F01B 🆔:ql9Mw/7E


#97 [ひとり]
【休憩】

第四話、完結でーす。
ひとりの書く話し、一話一話が短いんで読みごたえないかもですがすんません。

ノジコさんはなんとバイでありました。色んな人がいるんです。"みんな違って、みんないい"です。

シュワッチ!!

⏰:09/12/12 16:16 📱:F01B 🆔:ql9Mw/7E


#98 [明希゚J゚=アキ]
 
(゚A゚;)更新されとる!
三田さんと根岸の
コンビネーション……
最高っす(*´д`)ハァハァ

頑張って「ひとり」殿(゚-゚) 

⏰:09/12/12 17:31 📱:W65T 🆔:W3gCfKok


#99 [ひとり]
>>98

明希さん

更新しちゃったよ、ムハハ(´∀`)できるだけ砕けた感じの会話を心がけていきたいと思っとりますんで、宜しくです(´_ゝ`)

明希さんいぱい来てくれて感謝いたしております(土下座)

⏰:09/12/12 18:46 📱:F01B 🆔:ql9Mw/7E


#100 [ひとり]
【第五話/居酒屋でハメ外し過ぎる奴らは大概スーツ】


「コルァ根岸先黒コルァ!!!!」

「三田さんそうゆう品のない絡み止めてもらえますか」

「うっせバカコルァ!!俺はまだお前の大罪を放免したつもりはないんじゃコルァ!!!!」


閉店後の三田さんはやけに巻き舌で絡んできた。

「つうか俺まだ剥けてもないんで」

「嘘つけコルァこのヤリチンインテリア気取りコルァ!!!!」

「・・・それは俺が家具みたいなヤツって事すか?それともインテリ気取りって言いたかったんすか?」

「・・・・・・・・コルァ!!!!!」

「"インテリ"って言いたかったんすね」

⏰:09/12/12 18:56 📱:F01B 🆔:ql9Mw/7E


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