こちら満腹堂【BL】
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#601 [ひとり]
これだけは絶対に嫌だ。

でも後から入れば・・・

俺部屋入る

アキ根岸の横にびったり

でももう片側空いてる

俺そこに座る

うん、完璧だろコレ。

⏰:10/03/11 21:39 📱:F01B 🆔:bk4/GH5o


#602 [ひとり]
イメトレをした俺は、勇んで便所を出た。

「うんこ、長げぇよ」

出た所に滝が立っていた。習慣で、出る時自然に水を流してしまったので、普通に用を足していたと思われたんだろう。

「うんこじゃねぇよ」

「嘘こけ、小用にんなかかるか」

「最近きれが悪りんだ」

「・・・あそ」

⏰:10/03/11 21:52 📱:F01B 🆔:bk4/GH5o


#603 [ひとり]
折角気合いを入れたのに、滝の下品な一言で、急激に気が抜けてしまった。

が、それがよかったらしい。

「はぁ〜出た出た」

腰を下ろしながら独り言。

「トイレですか」

「うん」

凄い自然な感じで、作戦通り根岸の横をキープできたのだった。もちろん、反対側にはアキがいるが、今は初めて上がったべぇやんちのあれやこれやに目を奪われているみたいで、これまた助かった。

⏰:10/03/11 22:04 📱:F01B 🆔:bk4/GH5o


#604 [ひとり]
少しして姿の見えなかったべぇやんが登場した両手に抱えた酒酒酒。普段満腹堂で鍛えているだけあって、随分な量を一気に運んできた。

そのタイミングで、アキがべぇやんに声をかけた。卒アルが見たいと言う。

女子は得てして過去の写真やプリクラを見たがるものだ。

どうぞお好きにと、べぇやんも快く了承していた。

アルバムでもバオバブでも好きに見たらいいさ。

⏰:10/03/12 00:22 📱:F01B 🆔:8eStKdnw


#605 [。゚+ゆきな+゚。]
>>269-600

⏰:10/03/13 00:04 📱:SH904i 🆔:H2bXfRmc


#606 [ひとり]
>>605

ゆきなさん

安価ありがとございます(゚∀゚)イヤン

⏰:10/03/13 08:42 📱:F01B 🆔:LbnwAcyw


#607 [ひとり]
>>604

適当にえらんだグラスの中身を口に含んで、アキの動向を観察する。卒アルに手を伸ばした。するとべぇやんが『他のアルバムも好きに見ちゃって』と言い出した。更に目を爛々とさせたアキは、直感的に黄色のアルバムに手をかけた。て・・・・・え、それって。


いやいやいやいや不味いよ!!
ちょ、おっまマヂ何考えてんですかコノヤロォォオ!!!!

それは、俺のアルバムだった。女が得てして過去の写真を見たがるように、世の男達は得てして過去の写真を取って置くものなんだ。いや、知らんけど。

⏰:10/03/13 08:42 📱:F01B 🆔:LbnwAcyw


#608 [ひとり]
俺はそうだよって話し。

昔、学生の時分に好きになった娘がいた。学校は違った。年は、俺の一つ上で、でも頼りなくて、俺がいなくちゃ、とか思ってた。少し身体が弱くて、消えちまうんじゃないかってくらい透き通った白い肌をしていた。でも彼女が微笑うと、パッと辺りが鮮やかになる。そんな華のある娘だった。

それまで・・ってのは、ヤンキーになってから暫く。"彼女"と言えばヤン女かじりのギャルか、ただのギャルか、はたまた筋金入りのヤン女か。

だからあの娘の存在は、俺の中でとても新鮮で、なんか甘酸っぱかった。

⏰:10/03/13 08:43 📱:F01B 🆔:LbnwAcyw


#609 [ひとり]
あの当時はあの娘が全てで、あの娘で最後だって思ってた。"これから先もずっと"って。

まぁ、それが叶わなかったから、今の根岸と俺の関係があるんだけど。

少しばかりの彼女との思い出。それを捨てきれず、かといって自分で持っておくのはしんどくて、べぇやんちにこっそり持って来て、紛れさせていたもの。黄色のアルバム。

それが今、アキの手の中に。

⏰:10/03/13 08:43 📱:F01B 🆔:LbnwAcyw


#610 [ひとり]
「ちょ、バカお前それはやめとけって!」

気付いた時には、声が出ていた。

「なしたよ突然、ビックリすんだろ」

正面に居る滝が面食らった顔で文句をたれる。俺自身、無意識に出た声の張り具合に焦ってるんだけど、んなことはお首にも出さずに。

「いや、別に卒アルだけでいんじゃねぇかと思って」

さり気なさを装って、サラッと笑ってみせた。

⏰:10/03/15 00:04 📱:F01B 🆔:yIafTo3o


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