浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#258 [笹]
第九章 【守られて】

*。*。*。*
ちょっぴり甘い話←
ちょっぴり甘い壱助さん

"所有物"から昇格した香夜ちゃん
何に昇格したのかは謎ですがw
壱助さんの偉大さが身に滲みます

甘壱助さん
どんな気持ちで言ったんだか(笑)
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⏰:10/01/31 19:37 📱:D905i 🆔:HYkp9PyY


#259 [我輩は匿名である]
>>226-260

⏰:10/01/31 20:56 📱:W53H 🆔:c7HoKKOs


#260 []
 
嫉妬‥、
私は餓鬼に‥興味はないです、よ



強いて言うなら
‥"保護者"ですか、ね



"親の心、子知らず"

⏰:10/02/01 17:03 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#261 []
 
「いやぁあぁあああ!!」

どんなに暴れても
壱助さんの力に勝てるはずもなく

「少し黙ってくれや、しやせんか」

ぐいっと片手であたしの両腕を掴み
せっせとそれを帯で縛り上げる

前の帯がもういらないからって
そんな事に使わなくても‥

⏰:10/02/01 17:04 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#262 []
 
あっさり両腕を縛られ
捕らわれの身

「解いてください!!」

「何、故」

またお茶を啜る
何事もなかったかのように

「何故って‥こうする理由は?!

ちょっと戻ってくるのが
遅かっただけじゃないですか!!」

⏰:10/02/01 17:05 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#263 []
 
―‥少しの沈黙
一気に空気が凍りついた

カタンと湯飲みを置く
またその落ち着き方が怖い



「ほぉう‥遅かった"だけ"、と」

_

⏰:10/02/01 17:06 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#264 []
 
いつも以上に鋭い目が
あたしを滅多刺しにする

‥心臓が止まりそうですよ



―‥事の発端は今日の午前中の事

⏰:10/02/01 17:06 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#265 []



「えーっと、漢方薬‥と
後は、お茶の葉と‥
それからぁー‥何だっけ?」

朝っぱらから
‥最早あたしの日常の一部だけど
顔面ひっぱたかれて、

買い出しに行ってこいって
買ってくる物を
呪文みたいに聞かされて
ぴょいっと宿から放り出された

⏰:10/02/01 17:07 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#266 []
 
「そんな一回じゃ
覚えられないよー‥もう」

ぶつぶつ言いながら
街のあちこちを行ったりきたり


しかも荷物が増える増える。

これを一人で持てなんて
壱助さんはやっぱり鬼だ

⏰:10/02/01 17:08 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#267 []
 
だけどそんなこと言ったら
どんなことになるか‥


とりあえず、骨一本は犠牲だ‥


いろいろと目に見えてるので
一人で頑張ってた訳です。

⏰:10/02/01 17:09 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#268 []
 
「あらお嬢ちゃん
そんなに大荷物、大変ねぇ‥
財布出せるかい?」

「あぁ‥大丈夫‥です」


袖の中を何とか弄る

手は吊りそうだし肩凝るし
早く済ませて帰りたいったら
この上ない

お金足りたかなぁー‥
‥嘘、ちょっと待って

⏰:10/02/01 17:09 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#269 []
 



「お財布がなぁああい!!!」



_

⏰:10/02/01 17:10 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#270 []
 
だってさっきまでここに‥
どこかに落としたかなぁ
あっれー‥?

がさがさばたばたばたっっ


「うぎゃあぁああっ!!!」


足元が荷物で埋まる
思いっきりぶちまけてしまった

⏰:10/02/01 17:11 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#271 []
 
今日はついてないや‥

溜め息を付き
ぺこぺこ頭を下げて
慌てて荷物を拾う

あーあ、誰か助けてくれな‥


「大丈夫ですかい?」

「ふえ?」

⏰:10/02/01 17:11 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#272 []
 
目の前には
荷物拾いを手伝ってくれてる
男気溢れる人。

って言うか
壱助さんばっかり見てたら
どんな人も
男らしく見えるんだけど‥


「あぁっ‥すみません
ありがとうございます」

⏰:10/02/01 17:12 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#273 []
 
男の人はこうでなくちゃ!!

なぁんて壱助さんを思い浮かべて
思ってしまう不束物です


「これ、貴女の財布ですか?」

「あぁああ!!!あったぁぁ!!!」

確かに壱助さんから預かった財布
いやー助かったぁ
死ななくて済みそうです‥はは

⏰:10/02/01 17:13 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#274 []
 
「ふはは、元気な方だ」

そんな事言われちゃって
しかも目尻下げて笑われて
不覚にも、どきどき

ちゃっちゃと会計済ませて
"お茶でもおごらせて下さい"
なんて言おうもんなら

"お茶は是非と言いたいですが
おごりでは‥"
なんて遠慮するもので

⏰:10/02/01 17:13 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#275 []




「本当に面白い方だ」

本当によく笑う人だなぁ
壱助さんぴくりともしないもんな


んー‥人ってこうあるべきよね

⏰:10/02/01 17:14 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#276 []
 
「よかったらこの後
お時間‥いただけませんか?」

その人は祥吉さんと言って
この街の大工さんらしい。


「あぁ‥はい!!」

まぁ少しくらいならって
思ったわけですよ

⏰:10/02/01 17:15 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#277 []



「‥いい人だったんだもん」

確かにいい人だった
壱助さんばかりといるから余計

「ほぉう‥
知らない叔父さんには
付いて行くなと‥
教わらなかったんですかい?」

縛られたあたしを
舐めるように眺めながら言った

⏰:10/02/01 17:16 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#278 []
 
「そんな‥子供じゃないです」

いつまでも子供扱いして‥
もういい加減嫌なのだ

帯を解こうと必死にもがく
だけどもがけばもがく程
痛くなるくらいに締め付ける



「では‥大人です、か?」

⏰:10/02/01 17:16 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#279 []
 
壱助さんは立ち上がり
着物を畳に擦り付け
こちらににじり寄ってきた

「そ‥そうですよ!!」


もちろん壱助さんは
あたしなんかを大人だなんて
思ってもなくて‥

「男を‥知らないくせに?」

⏰:10/02/01 17:17 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#280 []
 
冷たい手が頬を這う
あの時の壱助さんが蘇る
あの冷え切った心の‥

「前に‥言ったはず、ですが」

首筋を伝い胸元を緩めて

「や‥」

「男はこういう物‥だと」

舌を這わせて

⏰:10/02/01 17:18 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#281 []
 
「いや‥やめて」

「最後まで、されなきゃ‥
わからないんですかい?」

「いやぁあぁっ」


縛られた手は役立たずで
声を上げても無駄だと言われ
ただ泣くしかなかった

⏰:10/02/01 17:18 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#282 []
 
「優しさなんてのは‥
ただの餌、ですよ」

酷いよ‥酷いよ貴方
みんながみんな‥
そういう訳じゃないじゃない


あたしに跨る壱助さんが
冷たい目で見下ろす

祥吉さんも‥そんな目だったかも

⏰:10/02/01 17:19 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#283 []
 
「嬉しかったんです、か

こんな事‥されて」


唇が今にも触れそうなくらい

壱助さんの吐息は暖かかった

⏰:10/02/01 17:20 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#284 []



あれから祥吉さんに
唇を奪われてしまい
運良く?悪く?
壱助さんに見つかってしまい
祥吉さんは何処かへ蹴り飛ばされ



‥あたしはこういう訳で

⏰:10/02/01 17:20 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#285 []
 
「さて‥お仕置きです、よ」


壱助さんは
"子供"と接吻なんて
‥真っ平だそうで


も、もちろんあたしもよ!!
この人としたら
唇食いちぎられそうだもの

⏰:10/02/01 17:21 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#286 []
 
体を離してまたお茶。


お茶お茶お茶お茶お茶お茶お茶



その内体が緑色になるわよ!!
‥もう

⏰:10/02/01 17:22 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#287 []
 
「どう‥されたいです、か」

帯解かれたいです。

「ここで男を知ります、か
あぁ‥それは無理でした」

「へ?」

「‥中の下では、"目覚め"ません」

‥本当に緑色になればいいのに
なんて、思うほど憎い

⏰:10/02/01 17:22 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#288 []
 
「そうです、ねぇ
三角木馬に座るも結構
針山を登るも結構
爪でその皮膚
丁寧に剥いでやりやしょう、か

お薦めは‥
爪との間に針をぶすっと‥」


「ぎゃあぁあぁあっ」

⏰:10/02/01 17:25 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#289 []
 
痛い‥痛すぎる
って言うか

なんでそんな拷問好き?
三角木馬とか‥本格的だし
本物の変態‥


爪とか、ぜーったい無理!!
だったら死んだほうが‥

⏰:10/02/01 17:26 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#290 []
 
「死なせません、ぜ」


急に柔らかくなる声
やっぱりわかる
壱助さんの微妙な声の変化


「無駄な命に、してはいけない」

「‥わかってますよ」

⏰:10/02/01 17:27 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#291 []
 
死んだりしない
お父さんのためにも‥。


「まぁ、今回は‥見逃しましょう
父上から預かった命、ですから」

「ほんとですか?!」


久しぶりの生きた心地ですよ

⏰:10/02/01 17:28 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#292 []
―――――――‥‥




_

⏰:10/02/01 17:28 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#293 []
 
「ぬぁ‥ぬぁあ‥」

「何、か」

「何って‥だって」

「消毒、ですよ」

「えぇえぇええ?!」

⏰:10/02/01 17:29 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#294 []
 


たった一度、触れただけ

一瞬だけ‥重なった。


_

⏰:10/02/01 17:30 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#295 [笹]
第十章 【奪われて】

*。*。*。*。*
遂にしてしまいました(笑)

唇食いちぎられはしなかった
無事です香夜ちゃん

鬼畜壱助さんのリクに
応えようと思ったらこの様←
ただの拷問好き変態に‥。

壱助さんの口は常にお茶なんで
殺菌作用は期待できますw
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4676/

⏰:10/02/01 17:33 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#296 [我輩は匿名である]
>>258-300

⏰:10/02/01 21:28 📱:W53H 🆔:G6YaoaOg


#297 []
 
"立てば芍薬、座れば牡丹、
歩く姿は百合の花"

そんな言葉がありますが
そんなに美しい女性って
実際にいるのかな?


壱助さんは
出会ったことあるんだって

今日はそんな壱助さんの
少し昔のお話です。

⏰:10/02/01 22:32 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#298 []




色がましい声で溢れる此処に
そんな声が一切聞こえない部屋

「また、来やしたぜ?」

毎日のように通いつめるのは
此処目的ではない

「また来たのかい
‥懲りない男だねぇ」

⏰:10/02/01 22:32 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#299 []
 
目的はこの遊女

容姿端麗
性格も気は強いが悪くはない


「まぁ、まぁ」

決まって距離を少しばかり取って
隣で足を崩す

⏰:10/02/01 22:33 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


#300 []
 
新しい着物だとか簪だとか
そんなことを言えば
"よく見てるねぇ"と
呆れ顔で笑顔を向ける


真っ白な首筋にある小さな黒子
彼女は好きじゃないと言う


‥私はそうは思わないのですが

⏰:10/02/01 22:33 📱:D905i 🆔:CnOOZU0s


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