*- エロチュウ -*
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#395 [亜夢]
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龍紀に負けたくない―…

あたしは働いて半年で店では一番売り上げをあげるキャストになっていた。

源氏名は《夢》。
自分のなまえからとってつけた。

あたしは【響皐月】に負けたくなかった。

あたしを幸せにするって言ったくせにあたしを手放した初恋の相手に、どうしてもいわせたかった。

「ごめん、俺が悪かった…」てね。

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⏰:10/07/20 02:13 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#396 [亜夢]
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「夢ってホスクラとかいかないの〜?」

同期の《まゆら》が営業終了後にそう声をかけてきた。

「未だに行ったことないなあ。」

まゆらはあたしの元彼がホストとは知っていたけれど中身はちゃんと知らなかったので、ホスクラに行ったことないあたしにビックリしてた。

「営業されてもなかったんだあ…いるんだね、やっぱそうゆう子。 元彼はどこのひとなの?」

あたしは首を傾げてごまかした。

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⏰:10/07/20 02:16 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#397 [亜夢]
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知ってる…彼があたしに別れを告げてから数週間であの店に戻ってきたことをあたしは知ってる。

いきいきした顔で雑誌にのっていた。

病んでるときの龍紀を知ってたから、あたしは安心した。 いまだって彼のことは心配する。

どんなヒドいことされたって…あたしにとって龍紀はずっと大事なひと…。

「あたし、行きたいとこあるから付き合ってよ!!!!」

そう言ってまゆらはアフターがない日はたいがいホスクラに誘ってきた。

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⏰:10/07/20 02:19 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#398 [亜夢]
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「酔っぱらったあ〜…♪」

まゆらのおごりで2件ほどホストに行ってヘロヘロになっている帰り道だった。

「すいません〜初回2000円なんですけど…うち新規店なんですがお願いしますっ!!!!」

若い男の子がふたり頭をさげてきた。

「いいよっ♪ 夢ちゃん奢るし今日は朝までのもっ♪」

その男の子たちに連れられて少し小さめながらも白で装飾されている店にはいった。

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⏰:10/07/20 02:22 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#399 [亜夢]
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「いらっしゃいませ〜…」

あたしはグラサンをかけたまま席についておしぼりを手にとる。 渡された男メニューというものに手をかける…

【響皐月】

でかでかとパネル写真と彼の源氏名がのっていた。

まさか…

「まゆらちゃん…ごめん、あたし用事あったんだ!!!! 帰るねっ―…」

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⏰:10/07/20 02:24 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#400 [亜夢]
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マイペースなまゆらちゃんは分かった★と言って両手を振ってきた。

あたしは急いで荷物をもってでようとすると自動ドアが出ようとする瞬間にひらく。

「あっ―…」

あたしは思わず開きそうになった口を押さえてエレベーターのほうに駆け足で行く。

「待って!!!!!」

捕まれる右手。

「亜夢…?」

久しぶりに聞くその声。

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⏰:10/07/20 02:27 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#401 [亜夢]
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感想お願いします
>>002

安価です

>>003-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400

最新はこのへん

>>360-400

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⏰:10/07/20 02:28 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#402 [亜夢]
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なんで運命はこうもふたりを引き寄せるんだろう?

「亜夢だろっ…?」

あたしの右手をぎゅっと握りしめて言う。

そんな切なそうな声であたしの名前を呼ばないで…あたしは汚れた蝶になった。 人をだます夜の世界にとけ込んだ蝶になった。

「………」

「…あのときはごめん…」

龍紀が深々と頭をさげていった。

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⏰:10/07/20 04:34 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#403 [亜夢]
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「…もう大丈夫。 綺麗さっぱり忘れちゃってたから。 …元気そうでよかった。 じゃあね。」

あたしは右手をふりほどいてエレベーターのボタンを押した。

「だめ…帰らせない。」

「営業で色かけるならほかでやってほしいんですけど。 あたし、家で待ってる彼氏いるから、じゃあ…っ」

開かれるエレベーターのドアが閉めかけたくらいに手に名刺。

はじめてあった時のような感覚…

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⏰:10/07/20 04:37 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#404 [亜夢]
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あたしが受け取らずに1階におりると、階段で降りてきたのか息を切らした龍紀がそこにいた。

「…ほかに男いてもいい。 からっ…」

あたしに男なんていなかった。 あれからデートはいっても、一緒になる男なんていなかった。 龍紀よりいい、と思える男に3年間あえなかった。

「あのときあたしを捨てといて―…都合いいね。」

あたしは背中をむけて右手をあげるとタクシーを拾った。

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⏰:10/07/20 04:40 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


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