*- エロチュウ -*
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#360 [亜夢]
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>>002-358

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実家に帰ると言ったことは、あたしにとって精一杯の優しさだった。

あたしの存在=龍紀の彼女であることが思考回路の妨げになるなら、離れてあげればいいと思えた。

仕事に対する意欲や自分へのプライドの高さがトップレベルの彼が、なにも考えれないくらい落ち込んでるんだ。

―…過去を知らない部外者は、そっとしてあげるのがいい、と勝手に判断した。

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⏰:10/07/14 05:40 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#361 [亜夢]
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家からでるときにおでこに軽くキスを残してあたしは部屋を後にした。

ひさびさに実家に帰ってきた。

「…ただいまあ。」

連絡もせず帰宅したのにも関わらず、家族みんな喜んで突然おかえりパーティみたいになってた。

喧嘩したの?とかさんざん聞かれたけど、恋しくなったから少しこっちにいる、と理由をつけておいた。

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⏰:10/07/14 05:42 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#362 [亜夢]
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「あ、あたしコンビニ行ってくる〜」

夜中にふと愛読してる雑誌が先日発売したことを思い出して近所のコンビニに走った。

コンビニの前でたむろしてる人たちにどこか見覚えがあった。

と同時に「あっ!!!!」と声がそろう。

「えっ…亜夢だよな?」

「わっ!!!! 夏川くん?」

高校の同級生の夏川力(りき)とその友達だった。

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⏰:10/07/14 05:49 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#363 [亜夢]
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「何年振りだろっ…」

コンビニの外で思い出話をたくさんして、今××くんはだれだれと付き合ってるとか誰かが結婚したとか、いろんな話をした。

「俺も亜夢に振られたしなあ〜〜」笑

夏川くんが頭をぽりぽりかきながら言う。

あたしの記憶が確かなら体育祭の日だ。 係で同じになった夏川くんからの突然の告白…あたしはもちろん受けることはできなかった。

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⏰:10/07/14 05:52 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#364 [亜夢]
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「俺は仲良くしてくれてたから完全に舞い上がってたなあ。 実は俺に気あるんじゃないかって。」

バカだろ、と笑いながら夏川くんは言った。

あたしは首を横に振る。

確かにクラスも3年間一緒で、隣の席になる率も高かったし、親しい男の子の友達部類にははいってた。

あたしはあのころ恋なんてものの意味さえも知らなかった。

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⏰:10/07/14 06:02 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#365 [亜夢]
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「今彼氏は?」

すぐさま返事をしようとするとメールが受信した。

送信者:龍紀

《別れよう。》

今彼氏はの答えは、現在別れ話をしてる感じと答えたほうがいいの?

「ちょっとごめんっ……」

あたしは少し離れてから電話をかけた。 もちろん龍紀にだ。

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⏰:10/07/14 06:05 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#366 [亜夢]
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「もしもし龍紀?」

「…うん。」

かすれて聞こえにくい声。 この間まであたしの誕生日やマナブさんに相談するといってた元気のある雰囲気はもちろんない。

「…どういうこと?」

「やっぱマナブは裏切ることができない…別れて欲しい…」

華さんはあたしと別れてもらいたい。 当然、あたしが現れなかったら目を覚ました華さんと結ばれるのは必然的に龍紀だもの。

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⏰:10/07/14 06:25 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#367 [亜夢]
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でも思った。

じゃあ、あたしはあのとき手を取る人間を間違ったということ?

「…で責任とるために華さんと付き合うの?」

「それもしない…俺は天涯孤独だよ。」

龍紀のマイナス面をこれほどみれる機会なんてない。

「あたしを幸せにしないの?」

……と沈黙が続く。

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⏰:10/07/14 06:28 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#368 [亜夢]
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安価

>>003-050
>>051-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350

最新

>>351-367

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⏰:10/07/14 06:30 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#369 [亜夢]
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あたしはその後なにを話したかなんて覚えない。 ごめん、としか言わない龍紀に泣きじゃくってあたしはもういい、と確か電話を切ったはず…

内容なんて覚えない…

たぶんただのこじつけ。

「亜夢…」

後ろから夏川くんが手を肩に置いた。

今あたし多分ひどい顔してる。 あたしは両手で顔を押さえた。 みられたくない。 やだ、やだ、やだ…

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⏰:10/07/14 22:33 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#370 [亜夢]
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「亜夢は笑顔のほうが素敵だよ?」

夏川くんは昔と変わらない綺麗な笑顔であたしに言った。 急に涙が止まる。 満面の笑みがあたしのなかであふれてくる。

「ふ…ふふっ……」

あたしはなぜか笑えた。

「ちょ…/// カッコつけて言ったんだから笑うなよ〜!!!!」

夏川くんがアタフタしながら言った。

その挙動不審な彼にまた笑えてきてあたしは涙を拭きながら笑い続けた。

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⏰:10/07/14 22:37 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#371 [亜夢]
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夏川くんの友達は気づけば帰ってた。 ふたりでコンビニの前でだらだらしながらしょうもないことを話した。

夏川くんは電話の内容とか、あたしが泣いてた理由とか聞かなかった。

安心する―…この空気…

「はあ、笑い疲れてきちゃったあ…」

あたしは貸してもらったうちわでパタパタさせながら言った。 涙はとっくの前に蒸発して消えてってた。

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⏰:10/07/14 22:41 📱:F02B 🆔:u5edCtoU


#372 [亜夢]
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「純江いく?」

懐かしい名前。 純江(すみえ)とはあたしたちの地元にある海の場所を言う。

「…行きたい…!!!!」

夏川くんはわかった、と言うと止めてあったバイクにまたがってエンジンをかけた。

「しっかり掴まって。」

後ろからぎゅっと夏川くんの腰から腹に手を回すと何故だか涙がでた。

人の温もりは時に悲しくもさせる……

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⏰:10/07/15 03:35 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#373 [亜夢]
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龍紀が来ていたあの席。

龍紀がカラカラと指で氷をまわす夏っぽい音。

龍紀がくるくると鍵を回す仕草。

龍紀が寝ぼけてあたしを離してくれない時。

龍紀が嬉しそうにあたしの髪の毛をなでる顔。

龍紀と飲んだあのシャンパンの味。

龍紀としたこの恋……

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⏰:10/07/15 03:38 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#374 [亜夢]
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バイクにのって数十分あたしは思い出のなかを駆けめぐった。 楽しかったことや悲しかったこと…

エンジンの音が消えたときには、あたしの涙は消え去っていた。

「懐かしの純江だぞ〜…て俺はよく来るけどなっ…」

ヘルメットをはずして片手に持つとあたしたちは波際まで足を進める。

ふわふわの白い砂。

月の光でほんのりきらきらしている深い色の海。

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⏰:10/07/15 03:41 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#375 [亜夢]
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ふたりでお尻をつけて、じい―っと海を眺めた。

静かにはいってくる波の音と、時折聞こえるチャポンという音。

サアーサアー…

「……はあ。」

ふたりで同時にため息をついたので、夏川くんもあたしも目を丸くして向き合った。

「すごいね…いまのタイミング。」

「だね。」

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⏰:10/07/15 03:43 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#376 [亜夢]
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「実はさ〜…俺3日前に彼女に振られちゃったんだよね〜…」

苦笑いしながら夏川くんが言った。

それから彼は彼と彼女の恋愛話を淡々としてくれた。

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⏰:10/07/15 03:45 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#377 [亜夢]
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***

「り〜きっ!!!!」

可愛くてキラキラした笑顔で俺の名前を呼ぶのは佳織(かおり)。

出会いは親友の開いた飲み会でたまたま居た子だ。

すぐ仲良くなり何度か遊んでるうちに俺たちは彼氏と彼女になった。

わがままの彼女の言うことをきいてあげるのは苦痛ではなかった。 優しいと言われるのがいいことだとおもった。

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⏰:10/07/15 03:49 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#378 [亜夢]
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居酒屋でアルバイトしてた佳織はいつのまにか水商売に興味を持つようになった。

それからすぐにキャバクラに勤務するようになり、数ヶ月後には、十分なお給料をもらって新しい鞄や靴、洋服に囲まれてた。

「…あ、りき〜…あたし今からお客さんとご飯いかなきゃ!!! またね〜♪」

一緒にいてもそんなことが多くなった。

俺は迎えにきてと言われたら店まで迎えにいった。 泊まっていっても起きたら佳織はいないことが多かった。

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⏰:10/07/15 03:52 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#379 [亜夢]
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ある日のことだ。
俺の親友の彼女は佳織の仲良しの友達だった。 ふたりで同時に水商売をはじめたため、愚痴や相談はお互いちょこちょこしてた。

「お前ってさあ〜…心広いよなあ…」

え?なんでと聞き返すとため息を深くついてから奴は言った。

「だってホスト通ってるんだぜ?俺んとこの女と佳織ちゃん…知ってるんだろ?俺まじ言われたときひいた。 彼氏いるのに行くかよ……」

ホストってなんだ?

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⏰:10/07/15 03:55 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#380 [亜夢]
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ある日疑問に思った俺は佳織が風呂にはいってるときに携帯をみてしまった。

携帯をみていいことなんてない…わかってた。 でもどうしようもないくらいみたくなった。

電話帳のグループに【ホスト】という項目があった。

ずらっと並んだ源氏名。

何人いたかなんて覚えていない…

プロフには顔写真のせているひとやメモにいろいろかいてるひともいた。

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⏰:10/07/15 03:59 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#381 [亜夢]
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メール…一番みてはいけないもの。 俺はその掟を破ってしまった。

受信メールの下に何個か振り分けでメールボックスがあった。

一番上には、りきにゃん…それをみて安心したのもつかの間、俺の下には

さあにゃんと合った。

女かもしれない。

内容は男はふつうだったが、佳織が可愛いように思われたい感があふれ出てた。

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⏰:10/07/15 04:02 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#382 [亜夢]
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翌日にホストに行ってることを説教したら「もういいっ、別れよ!!!!」と、あっけなく2年の恋が終了したんだ。

***

「イケメンに負けるなら納得かも……」

ははっと笑う夏川くん。 彼自身イケメンで優しく気配りもできるいい子なのに。

「…わかんない…あたしの彼氏、ホストだったけど、悪いひとじゃなかったよ。 あたし最初は軽蔑してたけど、そうじゃないひともいるから……」

狂ってしまう本人責任だよ。

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⏰:10/07/15 04:05 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#383 [亜夢]
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あたしと龍紀との間であった出来事なんて隅から隅まで話せる自信がなかった。

ちょっとの期間でも事件がおおすぎて…

「あ〜でも海みてると、どうでもいいやっ!!! てなる…」

あたしはそのまま背中を倒して綺麗にひかる星たちを眺めた。

月があるからこそ輝ける星……

あたしには月の存在が必要なんだ。

あたしみたいな不器用なひとに大丈夫な道を教えてくれる月の光が。

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⏰:10/07/15 04:09 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#384 [亜夢]
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「だな…」

アホらしいよな!!!と元気に声をかけてくれる夏川くんにあたしは同じように元気よく返事をした。

「いい恋愛ってどんなだろうね…悩まない恋なんてあるのかな?」

「どーだろ…俺はいつも悲しく終わる恋だなあ。」

なんでだろ?と首を傾げる夏川くんが可愛くてあたしはケラケラと笑った。

「楽しい恋がしたいねっ!!!!」

ほんとに!!!!

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⏰:10/07/15 04:12 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#385 [亜夢]
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「今度飲み会しようよ!!!! そんときに俺男メンツあわせるし、軽い合コンのりで★」

「いいねっ!!!! 来週の土曜は?」

いいじゃん、と言ってあたしは夏川くんと連絡先を交換した。

気づいたらもうすぐ日の出がみれる時間にまでなってしまっていた。

海がどんどん赤とオレンジを綺麗に混ぜ合わせた色になっていく―…

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⏰:10/07/15 04:15 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#386 [亜夢]
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よし、と言うと両手を広げて夏川くんは腕をのばした。

「おしっ…電話帳からさよならしよ!!!!」

携帯をすっと出すとあたしに【佳織】ていう電話帳の1ページをひらいて消した。

《消去しました。》

「俺は新しい恋をするっ!!!! 過去にしがみついたらろくなことにならない〜でしょ?」

過去にさよなら…か。

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⏰:10/07/15 04:17 📱:F02B 🆔:rTWU1lSc


#387 [亜夢]
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夏川くんはさわやかすぎるほど笑顔であたしにそう言って笑った。

「正直…2年間なんでこんな女が好きだったんだろ?って思った。 後悔だってもちろんしたよ…」

けど、と続けた。

「俺もいいよ、別れよってすんなり言ったときに思ったんだ。 意地なのかわかんないけれど… そこまで好きじゃなかったんじゃないかって…」

龍紀もそこまであたしを必要としてなかったの―?

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⏰:10/07/19 23:13 📱:F02B 🆔:7ReKU.y2


#388 [亜夢]
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と、夏川くんの左手が明るく光った。

「知らない番号から…―て言いたいとこだけど、佳織だ…」

先ほど話にでてた彼女だった。

「…もしもし。」

少しためらった顔をしながら夏川くんは電話をとった。

うん、うん…と話を真剣に聞いてる夏川くんが突然立ち上がった。

「…相手と連絡がとれないから戻るってこと?」

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⏰:10/07/19 23:16 📱:F02B 🆔:7ReKU.y2


#389 [亜夢]
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「俺はもう戻る気ないよ…佳織のメモリーも消したからかけてこないで欲しい。」

いつも笑顔で爽やかな彼が見せた冷たい笑顔にあたしはヒヤッとするものを感じた。

嫌なことは顔にでるんだよ、やっぱり……

「じゃあ…」

夏川くんは一方的に電話を切ったように思えた。 パチッといって折りたたみを閉じたのに、またイルミネーションが光る。

「おかしいよね…自分のものじゃなくなった途端戻りたいなんて……」

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⏰:10/07/19 23:19 📱:F02B 🆔:7ReKU.y2


#390 [亜夢]
夏川くんは少し疲れたように笑った。

「夏川くん…佳織さんは大事なものに気づけたんじゃない? ただ寂しさを埋めるなら…誰だって埋めてくれるはずじゃない。」

「そうかもしれない…でもさ、大事なものって失ってから気づいても遅いってことくらい、誰だってわかってるはずだろ?」

確かにそうかもしれない。

「でも学べないから…人間て失敗してきづくんじゃないの?」

そうだよ…龍紀だって今一生懸命かんがえてるんだよ。

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⏰:10/07/19 23:24 📱:F02B 🆔:7ReKU.y2


#391 [亜夢]
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たぶん今すぐじゃない。 けれどいつか気づくはず。 あたしを必要としてくれること信じてる。

だから―…あたしは貴方を待ちません。

沢山恋愛をして、貴方以上のひとを見つけたいと思っているから…

それでも貴方が一番なら…あたしは貴方にもう一度声をかけたいと思っています。

それがどんな形でも。

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⏰:10/07/19 23:26 📱:F02B 🆔:7ReKU.y2


#392 [亜夢]
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―――

「おはよ〜夢ちゃんっ!!!」

あれから3年という月日が経った。 あたしはセットサロンで大学を卒業するまで働いてついこの間辞めた。

「今日も出勤して真面目だね、夢ちゃんは〜」

そして今…

あたしは水商売の女になった。

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⏰:10/07/20 02:04 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#393 [亜夢]
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龍紀に別れを切り出されて以来、あたしはいろんな人沢山の人に出会った。

大学では教授や先輩、同級生…サークルの友達など。

地元では高校や中学の同級生や先輩。 またそのつながりが枝となって分かれていった。

また、セットサロンではスタッフをはじめ、水商売をしているお客さんや、一般の人でも美意識が高いお客さんなど…

いろんな人に会った。

なぜ水商売をしたか?…龍紀がどんな仕事をしているか興味があったからだ。

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⏰:10/07/20 02:07 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#394 [亜夢]
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裕也とアリサには大反対された。 向いてないだとか…不器用たからやめとけだとか…でも、あたしは向いてるらしい。

お客さんは呼ばずともくる。

それから気づいたのはキャバクラで働く女の子の大半は見よう見まねだってこと。

ある程度の礼儀作法しか知らない子だって多々みえた。 ただ、可愛くて若ければお客さんがつく…てこともあった。

でもあたしはほかの水商売が長いお姉さんたちには負けたくなかった。 だから、お客さんに頼んでランクの高いクラブなどにつれてってもらった。

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⏰:10/07/20 02:10 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#395 [亜夢]
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龍紀に負けたくない―…

あたしは働いて半年で店では一番売り上げをあげるキャストになっていた。

源氏名は《夢》。
自分のなまえからとってつけた。

あたしは【響皐月】に負けたくなかった。

あたしを幸せにするって言ったくせにあたしを手放した初恋の相手に、どうしてもいわせたかった。

「ごめん、俺が悪かった…」てね。

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⏰:10/07/20 02:13 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#396 [亜夢]
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「夢ってホスクラとかいかないの〜?」

同期の《まゆら》が営業終了後にそう声をかけてきた。

「未だに行ったことないなあ。」

まゆらはあたしの元彼がホストとは知っていたけれど中身はちゃんと知らなかったので、ホスクラに行ったことないあたしにビックリしてた。

「営業されてもなかったんだあ…いるんだね、やっぱそうゆう子。 元彼はどこのひとなの?」

あたしは首を傾げてごまかした。

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⏰:10/07/20 02:16 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#397 [亜夢]
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知ってる…彼があたしに別れを告げてから数週間であの店に戻ってきたことをあたしは知ってる。

いきいきした顔で雑誌にのっていた。

病んでるときの龍紀を知ってたから、あたしは安心した。 いまだって彼のことは心配する。

どんなヒドいことされたって…あたしにとって龍紀はずっと大事なひと…。

「あたし、行きたいとこあるから付き合ってよ!!!!」

そう言ってまゆらはアフターがない日はたいがいホスクラに誘ってきた。

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⏰:10/07/20 02:19 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#398 [亜夢]
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「酔っぱらったあ〜…♪」

まゆらのおごりで2件ほどホストに行ってヘロヘロになっている帰り道だった。

「すいません〜初回2000円なんですけど…うち新規店なんですがお願いしますっ!!!!」

若い男の子がふたり頭をさげてきた。

「いいよっ♪ 夢ちゃん奢るし今日は朝までのもっ♪」

その男の子たちに連れられて少し小さめながらも白で装飾されている店にはいった。

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⏰:10/07/20 02:22 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#399 [亜夢]
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「いらっしゃいませ〜…」

あたしはグラサンをかけたまま席についておしぼりを手にとる。 渡された男メニューというものに手をかける…

【響皐月】

でかでかとパネル写真と彼の源氏名がのっていた。

まさか…

「まゆらちゃん…ごめん、あたし用事あったんだ!!!! 帰るねっ―…」

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⏰:10/07/20 02:24 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#400 [亜夢]
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マイペースなまゆらちゃんは分かった★と言って両手を振ってきた。

あたしは急いで荷物をもってでようとすると自動ドアが出ようとする瞬間にひらく。

「あっ―…」

あたしは思わず開きそうになった口を押さえてエレベーターのほうに駆け足で行く。

「待って!!!!!」

捕まれる右手。

「亜夢…?」

久しぶりに聞くその声。

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⏰:10/07/20 02:27 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


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