*- エロチュウ -*
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#161 [亜夢]
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「華の家族には会ったことがなかったから、病院で初めて両親にあった。
『はじめまして…おつきあいさせてもらっている龍紀と言います…』
俺は真っ赤に腫れた目をこすりながら頭をさげたよ。
そしたら華のお母さんにこう言われたんだ。
『なんでなの?なんで家まで送らないのよっ…彼氏だったんでしょ?ねえ!!!!!』
涙があふれてる彼女の目をまともにみることができなかった…」
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:10/05/31 04:21
:F02B
:RUsf33YU
#162 [亜夢]
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ふうとため息をついてスコッチをのどに通すと龍紀はまた話し出す。
「―…全部俺のせいにされたよ。
そうなのかもしれないけど、17の俺にはつらかった。
高校にいっても悪い噂は広がり、
華と付き合ってる間にも女が他にいるだとか…実は少年院にはいってたとか…
わけのわからない噂で埋め尽くされた。
白い目で見られ続けたよ。」
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:10/05/31 04:24
:F02B
:RUsf33YU
#163 [亜夢]
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「だから俺は逃げてきた。
そんな地元で暮らす自信がなかったんだ。
でも重みを感じた俺は華の両親にいったんだ。
『目が覚めるまで、治療費は僕が全部しますから…!!!!』
それは両親も喜んでくれた。
でも俺が莫大な医療費を払えることに驚いた華の両親だが、俺が気にしてることを知って、お金をゆするようになった…」
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:10/05/31 04:28
:F02B
:RUsf33YU
#164 [亜夢]
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―…
15歳で味わった親友の惨い死に方。
17歳まで2年も付き合った彼女の交通事故。
白い目でみられ世間から逃げなくては耐えきれなかった龍紀の心。
そして彼女の両親からの龍紀に対するお金の要求…
「だから金は死ぬほど欲しい…」
龍紀は前にいってた。
人をだましてるわけじゃない、彼女たちがお金で俺達を買いにくるだって…
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:10/05/31 04:31
:F02B
:RUsf33YU
#165 [亜夢]
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「すぐにこの位置にまでのぼりつめた。 それからまだ上がる時なんだよ。」
ここは、ただの俺の意地だけどね、と口元をゆるませる龍紀。
「でもつくづく嫌になるときもあるよ…俺嘘なんてつきたくないもん、ほんとは。」
煙草に火をつける。
「金をもらってるから優しくするわけでもない。 ホストなんか擬似恋愛の世界に、ただ女の子が一線を飛び越えてしまっただけなんだよ。」
頭をかかえる龍紀にアタシはなにもいえなかった。
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:10/05/31 04:35
:F02B
:RUsf33YU
#166 [亜夢]
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なんで龍紀は全部背負い込もうとしてるんだろう。
「だから彼女は作れなかった…」
彼女が起きないままだからかな。
「でもお前に落ちてしまった。」
ホストが言う臭い台詞なんていらない。
ただその胸に頭をうずめて、大きな腕で包みこんでほしい…
「過去のこと話すのつらかった…?」
まあね、と苦笑いする龍紀。
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:10/05/31 04:38
:F02B
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#167 [亜夢]
:10/05/31 04:40
:F02B
:RUsf33YU
#168 [亜夢]
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あたしって…そう考えるとあまりにも平凡で、あっけない人生なのかもしれない。
龍紀はいろんな悲しいこと、苦なことを経験してるからこそ、いまの龍紀があって【響皐月】がある。
「俺…何度も恨んだよ。 俺の親友を殺したドライバーや華をこんな状態にした飲酒運転した奴―…それから、華の両親を狂わした金…」
全部嫌いだよ、と言った。
そのときから、4年が経っての今…
龍紀はこれからをどうするんだろう?
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:10/05/31 10:06
:F02B
:RUsf33YU
#169 [亜夢]
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「―…」
そのとき、誰かの心の中の火が消えてしまったことを私たちは気づく余地もなかったんです。
龍紀が過去を話してくれた日は、あたしは龍紀の家にいた。
別にそれ以上を聞くわけじゃない。
ただ、抱きしめてあげたら楽になるんじゃないかと想った。
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:10/05/31 10:09
:F02B
:RUsf33YU
#170 [亜夢]
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***
今日も仕事がおわったのは朝方。 俺は後輩たち何人かをつれて、よく行ってる定食屋にいった。
夫婦で切り盛りしてる小さな軒だ。
「はいっ…スタミナ焼き一丁ね〜」
「おばちゃん俺頼んでないよ?」
するとふんわり微笑むおばちゃんが鼻をこすった。
「あんた今日元気ないからね!!!! 美味しいご飯食べて元気になってもらわないと、あんたらしくないでしょっ!!!!」
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:10/05/31 10:14
:F02B
:RUsf33YU
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