天使と悪魔の暇潰し
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#101 [匿名]
僕達は近くのカフェに入る事にした。時間帯がよかったのか、あまりコーヒーが美味しくないのか、他の客はあまりいなかった。
店員に端の席に案内してもらい、コーヒーを2つ頼んだ。
「すみません、突然で。何かお約束などはなかったですか?」
警戒心を解いてもらおうと、良い人柄を演じる。
「いえ、帰るだけでしたから大丈夫です。…で、何かあったんでしょうか?」
女性は早く話が聞きたいみたいで、そわそわしていた。
「えっとですね、まず謝らなければなりません。」
:10/11/09 14:09 :F06B :☆☆☆
#102 [匿名]
「…謝る?」
女性が聞き返した所でコーヒーが運ばれた。話は中断となり、店員が置き終わるのを待つ。
「実は、昨日犯人だと申したあの男は無実でした。本当に申し訳ございません。」
えっと短い声を出した女性は口に手に抑え、目を見開いていた。
口ではなく、目を抑えた方がいいんじゃないかと思うほど、こぼれ落ちそうだった。
:10/11/09 14:14 :F06B :☆☆☆
#103 [匿名]
「僕達が追っていた詐欺師は、あの男性と良く似た風貌で、上の調査の手違いで犯人だと間違えられたようです。」
女性は驚いた顔のまま、あまり動かない。
「真犯人は今日捕まりました。あの男性には、まだ詐欺師の容疑がかけられていた事は知りません。」
「それは、本当ですか?」
ようやく女性は言葉を発した。零れそうな目も、先程よりはましになっている。
:10/11/09 14:21 :F06B :☆☆☆
#104 [匿名]
「えぇ。全て事実です。なので今日は謝りに参りました。本当に申し訳ございませんでした。」
女性は全身の力が抜けたように、脱力していた。
「今日の朝も、あの男性を会社まで尾行していたのですが、やはり元気がなかったです。きっとあなたに振られてしまったからでしょう。死にそうな顔をしていました。」
女性ははっと顔を上げた。
「私、彼に酷い事を言ってしまった。」
目には涙が浮かんでいて、今にも零れ落ちそうだった。
:10/11/09 14:30 :F06B :☆☆☆
#105 [匿名]
五日目 最終日
毎回ながら、最終日は少しドキドキする。ワクワクと言ってもいいかもしれない。
五日間付きまとったターゲットが死ぬのか、生き続けるのか…、今日決まる。天使が勝つのか、悪魔が勝つのか。
勝てば少なからず嬉しい気持ちはある。負けてもやはり少し悔しいと思う。ターゲットの命がなくなったからではない。勝負に負けるからだ。
:10/11/10 15:59 :F06B :☆☆☆
#106 [匿名]
この日のターゲットも会社にいた。
来たよ。来なきゃいいのに。使えない奴だよな。本日いらない。邪魔。
皆が皆、そこら辺でターゲットの悪口を言っている。
遠くにいても、上から見ている僕には分かる。ターゲットに同情はしなかった。むしろ、しょうがないんじゃないか、と思ってしまう。
:10/11/10 16:06 :F06B :☆☆☆
#107 [匿名]
「あいつらさ〜陰で言ってねぇで本人に直接言ってくんねぇかなぁ!」
彼は下を睨みながら舌打ちをした。
「そしたらもっともっと追い込まれんのによぉ。嫌いだったら直接言った方がスッキリすんじゃんなぁ」
その通りだ。
「嫌いじゃないんじゃない?」
:10/11/10 16:14 :F06B :☆☆☆
#108 [匿名]
ただ皆が悪口を言うから、私も言ってみた。そんな所なんだろうな。
彼の言った通り、直接言った方がスッキリする。見ててイライラしてるだけなんて、ストレスをわざと溜めてるようにしか見えない。
本当はそこまで嫌いじゃないんだ、きっと。だから直接言わない。皆に合わせてるだけ、ストレスなんて溜まらない。
:10/11/10 16:18 :F06B :☆☆☆
#109 [我輩は匿名である]
:10/11/10 18:31 :P03B :84bByedM
#110 [匿名]
:10/11/10 18:56 :F06B :☆☆☆
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