†horror†
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#101 [輪廻◆j6ceQ96kak]
小さい外観と打って違って玄関は広いものであった。
優斗『すいませ〜ん!』
吉田が大声で言うと、しばらくして1人の着物を着た女将が姿を現した。
年齢は50代前半くらいだろうか、くたびれた感じの顔をしている。
:11/05/06 12:44 :T004 :c7ITtZXU
#102 [輪廻◆j6ceQ96kak]
池崎『ようこそいらっしゃいました。私、ここの旅館を切り盛りさせて頂いている池崎吉美と申します。本日は遠い所をわざわざお越し頂きましてありがとうございます』
女将、池崎は礼儀正しく挨拶をした。
優斗『昨日電話した吉田ですけど』
池崎『吉田様ですね、昨日はお電話ありがとうございます。お部屋は開いておりますので案内します。どうか私の後にお続きください』
:11/05/06 12:50 :T004 :c7ITtZXU
#103 [輪廻◆j6ceQ96kak]
3人は言われた通りに女将の後に続いた。
歩く度にミシミシと軋む長い廊下を歩く。
池崎『こちらのお部屋になります。何かあれば、なんなりとお申し付けくださいませ』
そこは鬼の間と書かれている部屋。
不吉な名前だと思いながらも3人は部屋の中に。
:11/05/06 12:56 :T004 :c7ITtZXU
#104 [輪廻◆j6ceQ96kak]
雪乃『結構綺麗な部屋じゃん』
池崎『恐縮でございます。昼食の前にお風呂に浸かってみては?』
優斗『こんなとこに風呂とかあんの?』
雪乃『ちょっと優斗。こんなところって失礼だよ』
池崎『この廊下を突き当たりに進んでいただくと男湯、女湯と書かれたお風呂がございますので』
女将は一切表情を変えずに言い切った。
:11/05/06 13:02 :T004 :c7ITtZXU
#105 [輪廻◆j6ceQ96kak]
池崎『では私はこれで。昼食はご用意しておきますので、ゆっくりお湯に浸かってくださいませ』
座りながら大きくお辞儀をし、立ち上がった女将は早々と戻って行った。
優斗『じゃあ風呂行ってくるわ』
雪乃『響歌は? 一緒に入らない?』
響歌『そうだね、入ろうか』
みんなそれぞれ荷物からバスタオルなどを取り出し、お風呂へ向かった。
:11/05/06 13:09 :T004 :c7ITtZXU
#106 [輪廻◆j6ceQ96kak]
雪乃『うわ〜響歌見て! お風呂も広いよ!』
雪乃は大きな浴室を見てはしゃぐようにして言う。
響歌『確かに広いね。建物はちっちゃく感じたのに』
雪乃『もう! そういう話はやめようよ〜。ここは細かい事気にしないで純粋に楽しもう?』
響歌『そうだね、ごめんごめん』
こうして、まるで貸切にでもなったような誰もいない湯船に浸かった。
:11/05/06 13:15 :T004 :c7ITtZXU
#107 [輪廻◆j6ceQ96kak]
風呂から戻ると、部屋には豪勢な昼食が用意されていた。
野菜から魚介類まで様々なジャンルの料理に響歌達は絶賛。
雪乃『なにこれすごいね!』
響歌『旅館といえば料理だよね』
その料理に興奮している2人だが、ふと雪乃が吉田がまだ戻っていない事に気がつく。
:11/05/09 12:26 :T004 :mHDv0ug.
#108 [輪廻◆j6ceQ96kak]
雪乃『そういえば優斗まだお風呂入ってるのかな…』
響歌『確かに…。もう上がってるかと思ったよ』
雪乃『ちょっと見てくるね』
響歌『いってらっしゃい』
着物姿の雪乃は部屋を出て行った。
響歌は改めて料理を凝視しながら座椅子に座る。
:11/05/09 12:30 :T004 :mHDv0ug.
#109 [輪廻◆j6ceQ96kak]
そして、ちょっとつまみ食いをしようと野菜料理に添えられたミニトマトに手を伸ばした瞬間だった。
雪乃『いやあああああ!!』
お風呂場の方から雪乃の今まで聞いた事のないような絶叫が。
響歌『雪乃!?』
伸ばした手を引っ込め、響歌はすぐに声のする方へ向かった。
:11/05/09 12:36 :T004 :mHDv0ug.
#110 [輪廻◆j6ceQ96kak]
廊下へ出た時、ちょうど同じく悲鳴を聞きつけたであろう女将の池崎と鉢合わせた。
池崎『今の声はなに事でいらっしゃいますか?』
響歌『わかりません。お風呂の方から…』
2人は顔を見合わせ、雪乃が向かった男湯へ。
:11/05/09 12:42 :T004 :mHDv0ug.
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