2年A組
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#192 [我輩は匿名である]
ベッドに座って麦茶を飲む誠を、彩はじっと見つめる。

「…もしかして」

グラスから口を離し、誠が言う。

「警察に黙って、自分で捕まえようとか思ってるんじゃないよな」

「…わからない」

彩は視線を外す。

「自分で捕まえられる何て思ってないし、そもそも犯人に会いたくない。でも…あの人たちに言って、本当に捕まえてくれるのかもわからないし…」

「…俺たちは、一応言うつもりだ。無能でも、警察は警察だからな」

⏰:11/11/24 23:54 📱:PC/0 🆔:tI5MkzOk


#193 [我輩は匿名である]
「そうだよね…」

「…塩見、女刑事の電話番号知ってたよな?」

「あの時名刺もらったじゃん」

「どっかいっちまってさ」

「何してんの!?もー…」

彩は持ってきた携帯電話を操作し、南里の携帯番号を表示する。

「かけようか?」

「いいよ、自分のでかける」

彩の携帯を見ながら、誠は自分の携帯電話で南里に電話をかけ始めた。

⏰:11/11/24 23:54 📱:PC/0 🆔:tI5MkzOk


#194 [我輩は匿名である]
「はい、南里です」

「…あんた達に犯人扱いされた内村誠ですけど」

相手が出て早々ケンカを売るような言い方の誠を、彩はひやひやしながら見る。

「あぁ…あの時はごめんなさい」

「冗談ですよ。こうでも言わないとわかってもらえないと思って」

「(…絶対怒ってる…)」

顔は真顔だが、明らかにあの時の事を怒っている。彩は誠を見て思った。

「刑事さんたちに、ちょっと話があって」

⏰:11/11/24 23:55 📱:PC/0 🆔:tI5MkzOk


#195 [我輩は匿名である]
「話…?」

南里の疑り深い声が、誠の携帯電話を通して彩にも聞こえる。

「…犯人なんじゃないかなぁと思う人が1人いるんですけど」

「…急に何かと思ったら…。本当に言っているの?」

「嘘だと思うんなら電話切りますよ」

「(…怖いよこの2人…)」

誠の隣に移動して電話の内容を聞く彩は、ちょっと肩を縮める。

「…誰?参考程度に聞いておくわ」

⏰:11/11/24 23:55 📱:PC/0 🆔:tI5MkzOk


#196 [我輩は匿名である]
「3〜4年前、この辺で殺人事件を起こしてた葛城歩って、覚えてます?」

「……えぇ、覚えてるわ。でも、なぜ彼だと?」

「手口が似てるから。…あと、俺たちが中学2年になってから、全く事件が起きなくなったから、もしかしたら何かあるんじゃないかと思って」

「…確かに、手口は似てるわね。でもあなた達のクラスメイトと彼は、何も接点なんてないでしょう?」

「今までの被害者もなかったはずですよ」

「よく調べてるのね」

「そりゃ、自分の命にかかってることですからね」

⏰:11/11/24 23:56 📱:PC/0 🆔:tI5MkzOk


#197 [我輩は匿名である]
「…いいでしょう。葛城は葛城で逮捕しなきゃいけない人間だし、こっちでも調べてみます。ありがとう」

「お願いします。俺たちもこんな事、もう嫌なので」

「そうね。それじゃあ、また何かあったら言ってください」

2人の電話はそれで終わった。

「これでいいだろ。…何だよ、その疲れ果てた顔は」

「…疲れるよ、うっちー達の電話聞いてると」

「?」

静かな言い合いを聞いていたような気がしてうなだれる彩に、誠は不思議そうに首をかしげた。

⏰:11/11/24 23:56 📱:PC/0 🆔:tI5MkzOk


#198 [我輩は匿名である]
その日の夜、保護者会に行ってきた母親から、“今日から1週間以内に新たな事件が起きなかった場合、午前中に限って全授業を再開する”という意見で決まったという事を聞いた。

1週間は、意外と早く過ぎて行った。その上、まるでその情報を犯人たちも知っていたかのように、事件が全く起こらなかった。

⏰:11/11/26 21:04 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#199 [我輩は匿名である]
月が替わった6月8日。ようやく彩たちが学校に行けるようになった。

それで彩達の緊張が和らぐわけではないが、久しぶりに友人たちに会うと、少しだけ気が休まる。

「彩ー!!」

登校して早々、皐が抱き着いてきた。

「おはよ」

「久しぶり!もう超暇だったー!」

よっぽどストレスがたまっていたのか、いつもに増してさらに声が大きい。

⏰:11/11/26 21:04 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#200 [我輩は匿名である]
「あっ、内村もおはよ!」

「…おはよ」

眠そうな顔の誠は、短く挨拶してさっさと自分の教室へ行ってしまった。

「もしかして一緒に来たの!?」

「え?うん、1人じゃ危ないから…って」

「そうなんだ」

そう言った皐の笑顔がなぜか、彩には暗く見えた。

⏰:11/11/26 21:05 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#201 [我輩は匿名である]
「彩ちゃーん!皐ちゃーん!」

今度は美穂が教室にやってくる。

すると、ちょうど同じタイミングで入ってきた忍とぶつかってしまった。

「あっ、ごめんなさい!」

美穂はそれだけ言って、小走りで彩たちの所へ走ってくる。

「久しぶり!元気だった?」

「元気だったよ!美穂は!?」

「私もー!」

仲良く抱き着いている2人を見て、彩はほっとしたように笑う。

⏰:11/11/26 21:05 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


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