2年A組
最新 最初 🆕
#202 [我輩は匿名である]
「相変わらず大きいほくろだねぇ♪」

「うるさいな!」

抱き着いた拍子に目に映ったのか、皐の首元のほくろを見て美穂が笑う。

「…彩ちゃん」

美穂は、今度は彩の方を向いて小さく笑う。

「…電話で聞いたよ、春香ちゃんの事。…気を落とさないで」

美穂に言われ、彩も同じように笑って頷いた。

⏰:11/11/26 21:05 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#203 [我輩は匿名である]
「それにしてもあの陰キャラ、美穂にぶつかっといてダンマリかよ!」

皐はよっぽど嫌いなのか、むすっとした表情で小言を言いながら忍の背中をにらむ。

「陰キャラ?」

「そう!さっき美穂がぶつかったやつ、岡本忍っていうオタクだよ」

「ふーん」

鼻息を荒くしている皐とは反対に、美穂がどうでもよさそうに返事する。

すると、その美穂の視界が急に真っ暗になった。

「きゃあ!?」

⏰:11/11/26 21:06 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#204 [我輩は匿名である]
「よっ♪」

「寺田君!」

美穂に目隠ししていた手を離し、龍也が笑う。

「おはよー」

「何しに来たんだよ」

「いやー青山が嬉しそうに入って行ったのが見えたからさ、俺も行こうと思って」

「何その理由」

自分も嬉しそうにデレデレしている龍也を見て、皐が呆れている。

⏰:11/11/26 21:06 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#205 [我輩は匿名である]
「寺田君も、元気そうだね」

ここでは、みんな変わっていない。彩もちょっと嬉しくなって話の輪の中に入る。

「元気も何も、暇すぎてさぁ!この間も暇だったから、おっさんのとこに抗議しに行ったんだけど、『忙しい』っつって相手にしてくれなかったし」

「え、おっさんって誰?」

「知らなかったっけ?俺がぐれてた時に話聞いてくれた、刑事のおっさん。土谷っていうんだけどさ」

「土谷…」

どこかで聞いたことがあると思ったら、誠が疑われたときに南里と一緒にいたあの髭の刑事か。

⏰:11/11/26 21:06 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#206 [我輩は匿名である]
「そんなに忙しそうにしてたの?刑事さん。何かわかったのかなぁ?」

「さぁ?でも、犯人かもしれない奴がわかったから、探してるって」

「マジで!?じゃあやっと終わんの!?やったー!」

皐がガッツポーズをする。

土谷が言っているのは、1週間前に誠が南里に言った葛城の事だろうか。まぁどちらにしろ、やっと警察が力を入れて動き出したのを聞いて、彩もようやく期待が持てる気がした。

⏰:11/11/26 21:07 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#207 [我輩は匿名である]
その日は予定通り、午前中で授業が終わった。

彩はいつも通り誠と一緒に家へと帰り、皐もぶらぶらと寄り道をして帰ろうとしていた。

美穂も1人、家への道を歩く。まだ外も明るいため、特に怖いとは思わない。

それでも、やっぱり早く帰った方がいいというのは頭の中に残っていたため、近道しようと、近所の公園を横切ろうと決めた。

公園に1歩踏み入った瞬間。誰かがぽんと、美穂の肩をたたいた。

完全に気を抜いていたため、美穂の背筋が一気に凍りつく。

⏰:11/11/26 21:07 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#208 [我輩は匿名である]
「青山?」

名前を呼ぶその声に、美穂は思わず振り返る。そこにいたのは、同じく学校帰りの龍也だった。

「寺田くんかぁ…」

美穂はこれ以上ない安堵のため息をつく。

「びっくりした…」

「え!?ごめん!全くそんなつもりなかったけど!」

龍也は慌てて謝る。

「塩見と内村が、危ないからって一緒に帰ってたからさ、…よかったら、近くまで送っていこうかなぁ、と、思って」

龍也は相当照れながら、途切れ途切れに美穂に言う。

⏰:11/11/26 21:08 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#209 [我輩は匿名である]
それを聞いて、美穂の表情がパッと明るくなった。

「本当!?ありがとう!!」

美穂の嬉しそうな笑顔に、龍也も笑って、2人並んで公園に入った。

「でも、寺田くんの家ってこっちだっけ?」

「え?いや、正反対だけど」

「良かったの?なんかごめんね、ついて来てもらっちゃって」

「え!?いいよいいよ!俺が勝手について来てるだけだし!」

「…ありがとう。寺田くん、パッと見怖いけど、優しいね」

⏰:11/11/26 21:08 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#210 [我輩は匿名である]
「(…パッと見は怖いのか、俺…)」

美穂の何気ない一言に、龍也は少し肩を落とす。

そんな事に気づかず、美穂は公園内を見渡す。いつもなら親子が遊んだり、主婦同士が楽しそうに話しているはずの公園だが、事件のせいかほとんど人影がない。

「…やっぱり、寺田くんに送ってもらってて良かった」

「何で?」

「この公園、本当はもっと人がいるの。でも、事件が起こってからは、ほとんど誰もいなくて…」

「そうなんだ。言われてみたら誰もいないな」

美穂に言われ、龍也も周りを見まわす。

「…あのさぁ、これから…何日か送っていってもいい?」

⏰:11/11/26 21:09 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


#211 [我輩は匿名である]
龍也が緊張した面持ちで美穂に尋ねる。美穂はきょとんとした表情で龍也を見上げる。

「…どうして?」

「どうしてって……やっぱり、心配だから…さ」

珍しく、龍也が真面目な顔で言う。それを見た美穂も、少しドキッとして視線を落とす。

「…でも…危なくない…?」

「大丈夫だよ!俺狙われてないしさ!もし出て来やがったら、俺がとっつかまえてやるよ!」

龍也が力強く宣言する姿に、美穂は笑う。

「…じゃあ…お願いしてもいい?」

「おう!まかせとけ!」

⏰:11/11/26 21:10 📱:PC/0 🆔:RTHns4Yw


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194