漆黒の夜に君と。V[BL]
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#149 [ちか]
― 優里side. ―
ああ、そうだ。
そりゃもう、ラブラブ。
あいつの言った言葉が何度も何度も頭をループする。
:11/10/16 14:56
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:5cqVBQH2
#150 [ちか]
俺は去っていく後ろ姿を追いかけることすら出来なかった。
「やっぱりしてたんだ…」
結婚。…――
昼より胸の締め付けは一層強くなった。
だって
愛し合っている人が居るってことは、
入り込む隙間がないってことで。
兄貴と冥のように。
:11/10/16 15:32
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:5cqVBQH2
#151 [ちか]
兄貴は兄貴。
冥は良い奴。
そんなことは分かってはいるものの、やっぱり大好きだった人を奪われるのは少しトラウマだった。
相手がいる人間を素直に好きでいることは、それだけ俺にとって難しいことだった。
:11/10/17 08:14
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#152 [ちか]
「何してるの?」
呆然と立ち尽くす俺に背後から誰かが声を掛けてきた。
「あ?」
俺に声をかけてくる奴が居るなんて珍しいな。
新人か?
警戒心全開の顔で振り向くと、そこに立っていたのは金髪の男。
「君、ユーリくんだよね。」
俺とは違って天然のブロンドヘアを持ったその男はたしか見覚えがあった。
:11/10/17 08:19
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#153 [ちか]
ああ、そうだ
コイツたしか‥
「俺の向かいの病室の、」
「ケン。―って言うんだ。」
俺相手ににっこり微笑むなんてますます珍しい。
ケン。
たしかにそんな名前だった。
スラッとした長身で外人特有の髪色と目、どっかのモデルなんじゃないかと思うほどその顔は外人という枠を省いても整っていた。
:11/10/17 08:26
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#154 [ちか]
「なんか用?」
いつからなのか、患者同士で馴れ合うなんてことはしたくなくて敢えて頑なな態度で接するクセがついてしまった。
大抵の人間はそれ以上俺に関わってこない。
「いや、別に?でも俺、前から君と話してみたかったんだ。」
…はずなんだけど。
:11/10/17 12:41
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#155 [ちか]
「隣いい?」
ケンと名乗るそいつはそう言って俺の隣にあったソファに腰をおろした。
「良いとか言ってないし。」
そう返しつつ、俺もソファに腰かける。
いつもならそんなことしないのに。
今日は一人になりたくなくて、つい…
「あのさ、」
つい口を開いてしまった。
「好きな人に好きな人が居たら、どうする?」…―――
:11/10/17 12:50
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#156 [ちか]
― 陽平side. ―
もうここまで来れば俺の声も聞こえないだろう。
足を止めたのはもと居た七階と八階を繋ぐ階段の踊り場。
安堵の息を漏らす暇もなく、受話器から声が聞こえた。
『なにがマイハニーよ、悪いものでも食べたの?』
「相変わらずだな」
電話の主は妻で、ざっくりと切り込んでくるような口調は相変わらずだとふいに笑いが出た。
:11/10/17 16:18
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#157 [ちか]
そんな俺とは対称に、至って真面目に淡々と話す妻。
『そんなことより離婚届、まだ届かないんだけど。』
やっぱりその電話か。
予想はしていた。
わざわざ浮気までして別れた夫に電話なんて、はじめから目的が限られている。
「ごめん、まだ書けてない。」
俺がそう返すと電話ごしでその口調から、妻は怪訝な顔が思い浮かんだ。
『それは大切な人との約束ってやつが原因?』
「勘が鋭い妻を持つといろいろキツいな。」
いつだったか一度だけした夫婦喧嘩の中で、あの約束の話をしたがさすがに覚えているとは思っていなかったから、痛いところをつかれたと声が弱った。
:11/10/17 16:26
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#158 [ちか]
「ああ。その通りだ。」
――――………
―――……
喧嘩の原因は1つのアクセサリーだった。
「これなに?」
そう言って妻が突きつけてきたのは引き出しの名かにしまっていたはずの古いデザインをしたネックレス。
「お前、ヒトの引き出しを…」
「掃除のときにたまたまよ。あなたの仕事で使う書類が出しっぱなしになってたからしまおうと思ってあけたの。そしたら、その中にコレがあった。」
突きつけられたネックレスは紛れもなく俺のもので、俺は言い訳する気にもなれず頷いた。
「それは大切な人の形見だ。返せ。」
:11/10/17 16:44
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