漆黒の夜に君と。V[BL]
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#111 [ちか]
しかし俺のそんな努力はむなしく、さらにこいつの神経を逆なでするだけだったようだ。
「だから違うっつってんだろーが!!!何回言ったら分かんだよ、このバカ医者!」
それが好きな相手に言う言葉なのか。
思わず顔がひきつりそうになる。
まったく、この手のタイプは正直かなり苦手だ。
「いいからとっとと帰れ。俺は研究の続きがしたいんだ。」
できれば極力関わりたくない。
:11/10/14 20:55
:Android
:0c0hhoR2
#112 [ちか]
「だから返事くれるまで帰らないって…」
押し問答になりかけていたその時、研究室のドアが開いた。
「すいません、うちの患者がまた来てしまって!」
助かった。
ちょうど看護婦のお迎えだ。
溜め息が安堵の息に変わる。
:11/10/14 21:02
:Android
:0c0hhoR2
#113 [ちか]
「いやだ、離せよ!!」
「いいから来なさい!!」
そんな会話と共に、嵐のようなソレは去っていった。
再びドアがバタンと閉まる。
「…はぁ。」
あれが理由なら、助けなければ良かった。
そう思うのは医者として最低だろうか。
そんなことを思いながら、
煙草に火をつけた。
:11/10/14 22:25
:Android
:0c0hhoR2
#114 [ちか]
肺に煙が入ってくる感覚が、
心地良い。
もう一度吸い、そして吐く。
濁った白煙が浮かんで消えた。
暫くソレを味わったあと、
散らかった机の上からおもむろに一枚の紙を取り出した。
“離婚届”
そう記されたその紙には、すでに片方の枠に名前が記入されている。
「俺はもう誰も好きになれないんだよ。」
その紙を眺めて、独り言のように呟いた。
………――――――
……―――――
…―――
:11/10/14 23:26
:Android
:0c0hhoR2
#115 [ちか]
:11/10/14 23:32
:Android
:0c0hhoR2
#116 [ちか]
― 優里side. ―
むかつく。
むかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつく!!!!!
「なんで分かんねえんだよ、あのバカヤロー!!」
「廊下では静かに!!」
「うるせー!!」
黒羽優里(16)、
ただいま病室に強制送還中。
:11/10/15 08:35
:Android
:GBumr9Qk
#117 [ちか]
「今日こそ返事聞くつもりだったのに邪魔しに来んなよ。」
ギロリと俺は看護婦を睨んだ。
しかし、さすがは長年俺の担当をしているだけある。そんな睨みに怯む様子は一切ない。
むしろ、
「あなたが先生の研究邪魔してるでしょうが。」
なんて揚げ足を拾ってくるくらい。
:11/10/15 12:54
:Android
:GBumr9Qk
#118 [ちか]
「うっせ。」
これ以上揚げ足を拾われるのも気分が悪いから、反抗は控え目にしておく。
そんな調節も、この歳になって多少するようになった。
そんなことより問題は、
あいつが“返事”をくれないこと。
:11/10/15 12:56
:Android
:GBumr9Qk
#119 [ちか]
気のせいだの、からかうなだの、そんなことの一点張りで、“コレ”と言える決め手をあいつは一度も言ってきたことがない。
「振るなら振ればいいのに。」
思わず心の中の声が漏れてしまった。
慌てて片手で口を塞いだが、もうすでに遅い。
看護婦の耳にはしっかりと届いていたみたいだ。
「それが先生の優しさなんじゃない。」
看護婦は特に興味もなさそうに呟くが、それは俺にとって受け入れたくない言葉だった。
優しさ。
そんなもの、俺には同情にしか聞こえない。
:11/10/15 13:03
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:GBumr9Qk
#120 [ちか]
イライラする。
まさにあの曖昧な返事があいつの優しさだと言うなら、俺はそんなの…―――
ちょうど検査室の前に到着し、
看護婦は去り際に忠告のような雰囲気で口を開いた。
「まぁ、でもあんまり困らせちゃだめよ。あの先生、ご結婚されてるらしいから。」
:11/10/15 13:11
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