消えないレムリア
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#210 [ぎぶそん]
2日後の夜。彼と一緒にリビングのテーブルで勉強をしながら、時々とりとめのない話をしていた。
「夏休み隣町の遊園地で、『ステレオマン』のヒーローショーがあるらしいから行こうぜ」
「何で私がそんな子供向けのイベント見に行かないといけないの!大体そういうのは一旦敵にやられそうになって、観客皆で『ステレオマーン!』って呼んで、結局最後はこてんぱんにやっつけるんでしょ!」
「よく知ってんじゃん。その単純さがいいじゃんか。あー、怪獣の着ぐるみを生で見たいな。何の怪獣が来るんだろ」
彼が目を輝かせて頬杖をつく。
「そういえばずっと疑問に思ってたんだけど、怪獣って宇宙からやって来るんでしょ?何でいつも日本ばっかピンポイントで襲撃してくんの?日本に恨みでもあるわけ?」
私の質問の何がおかしかったのか彼が突然大笑いをしはじめ、腹を抱えて床を笑い転げた。
抱腹絶倒とはまさにこのことかと思った。
「何かいいね、癒される。俺、かなめといる時“素(す)”なんだよね。椎橋とか、大学の奴らといる時とはまた違う」
彼が優しく笑いながら言う。
「あっそ」
私は照れ臭くなって下を向いた。
彼のその発言は、今までの人生で言われた中で1番嬉しいかも知れない。
でも私は彼とは反対に、彼といる時は全然“素”じゃない。
今まで誰かにこんな荒々しい言葉遣いはしたことないし、もちろん暴力なんて振るったこともない。
彼といると、常に新しい自分が見えてくる。
:12/07/04 01:09
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