偽コイビト
最新 最初 全
#201 [なな]
「あった!」
猛ダッシュしたせいで
汗をかいてしまった。
わたしは直ぐさま
ノートを手に取り
教室を出ようとした時だった
「香奈ちゃん?」
:15/07/22 13:06 :au/SH34 :ksuykelg
#202 [なな]
……。
「…か、かなめ…?
な、なにしてるの?」
「……。」
わたしを呼んだのは
要だった。
要は窓から空を眺めているのか
こっちに背を向けていた
「香奈ちゃん。俺に
会いにきてくれたの?」
:15/07/22 13:17 :au/SH34 :ksuykelg
#203 [なな]
「えっ!わ、わたしは
ノートを取りに来ただけだよ」
「そうなんだ。なんだ〜俺に会いにきてくれたのかって思った…。」
「そんなわけないでしょ。」
「だよね。ってか、
俺がずっと教室にいたの、気が付かなかったしょ?」
要は笑いながら
こっちを向いた
「うん。全然気づかなかったよ(笑)」
:15/07/22 13:26 :au/SH34 :ksuykelg
#204 [なな]
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
「え〜っと…じゃあ
わたし帰るね。また」
要と一瞬、気まずくなってしまい
わたしは、お別れを言って
教室を出ようとしたときだった。
:15/07/22 13:34 :au/SH34 :ksuykelg
#205 [なな]
「?」
目の前が
いきなり真っ白になった。
これは、一体?
………。
てか…わたし
今、要にキスされてるような感じがするのは気のせい?
いや。確実にされてる
気のせいじゃない。
:15/07/23 13:41 :au/SH34 :vU6bliy6
#206 [なな]
「ごめん。びっくりした?」
「あ、いや…あの」
要はすぐに離してくれたが
わたしは、この状況を
まだ理解できないでいた
これは夢?
それとも現実…?
わたしはその場に
固まってしまった。
そんなわたしを見て
要は「ごめん」っと謝り
「今の忘れて…。」
それだけ、言うと…
教室を出て行った
:15/07/23 13:58 :au/SH34 :vU6bliy6
#207 [なな]
わたしは、その場から
しばらく動くことができなかった。
そして、気づかなかった
誰かが、この様子を
廊下で撮っていたことにー。
:15/07/23 14:01 :au/SH34 :vU6bliy6
#208 [なな]
「ふざけんな。香奈が
そんなことするはずない!」
「はぁぁ?ここにちゃんと証拠あるんですけど…?」
「おはよう…」
次の日、学校に行くと
夏美が何人かの女子と
モメていた
わたしが教室に入ると
みんな一斉に睨む
「え〜と…どうしたの?」
恐る恐る聞いてみると
いまさっきまで夏美と
モメていた女子が
わたしを囲んだ
「ちょっと!あんた
これどういう事!?」
:15/07/23 14:10 :au/SH34 :vU6bliy6
#209 [なな]
「え?なにこれ…」
その子が、わたしに
携帯の画面を見せつけた
その子の携帯には
昨日の要とわたしが
写っていた
嘘でしょ?
あの時、撮られてたんだ
「サイテー!駿くんと
付き合ってるくせに…
要くんと浮気するなんて」
「…ちがうっ」
:15/07/23 14:19 :au/SH34 :vU6bliy6
#210 [なな]
わたしは必死に否定するも
みんなは冷たい目を向けたまま
「昨日の夜にさ匿名で
うち等全員の携帯にさ
これが送られて来たんだよ」
「…えっ」
「たぶん駿くんの携帯
にも送られてるはずだよ」
「!」
「ずっと駿くん騙してたんだ?あんた最低。」
「ちがうよ…それは」
「小野寺って大人しい
顔してやることやってんだな」
「以外だったわ〜」
からかう男子。
冷たい目でをする女子
:15/07/23 14:29 :au/SH34 :vU6bliy6
#211 [なな]
「だから、違うっ」
「違う?じゃあこれは
なに?合成だとでも…
言いたいわけ?」
「…っ。」
これ以上、出る言葉が
見つからなかった
「サイテー女」
「…いった」
わたしは、蹴飛ばされ
床に尻餅をついた
:15/07/23 14:36 :au/SH34 :vU6bliy6
#212 [なな]
「香奈になにするのよ!」
「夏美…。」
そんな女子たちに
夏美はキレる
「あんたの携帯にも
送られて来たでしょ?」
「それがなによ?」
「信じてんの?この女のこと…。」
「当たり前よ。香奈は
わたしの大事な親友だもの…」
:15/07/23 14:43 :au/SH34 :vU6bliy6
#213 [なな]
「それに香奈は絶対に
そんなことするような子じゃない。」
「まぁあんたは親友だから、そうかもしれない…。でもここに居る
みんなはどうかしら?」
「それは…。」
「なにやってんの?」
「ふふっっ良い所で来たわ」
「駿。」
わたしたちがモメてると
駿が登校してきてしまった
:15/07/23 14:51 :au/SH34 :vU6bliy6
#214 [なな]
状況を知らない駿は
頭がハテナマークになっている
「駿くん携帯見て」
その女子は今度は
駿に迫る
「は?」
「いいから!」
「いや…意味わからないんだけど」
「いいから早く見てよ」
「は?」
「駿くん携帯見ないで!お願い」
夏美が必死にそう言った
:15/07/23 14:56 :au/SH34 :vU6bliy6
#215 [なな]
まだ状況を
理解できていない駿は
困惑状態
「あ〜もうじれったい。!」
その子は、そんな駿に
イライラし始め
「これ見て!」
遂には自分の携帯画面を
見せつけた
この瞬間
終わった…っと思った
駿との関係も…
今までのことも…
全てが…
今までの全てが…
全部終わったって…
:15/07/27 14:10 :au/SH34 :7Hzb8oiI
#216 [なな]
「……。」
駿は向けられている
携帯画面を見たまま
その場で固まってしまった
「駿。違うんだよ…
これは…その…。」
わたしは必死に否定するも
「駿くん、騙されてたんだよ…この子に」
その子は真剣な顔で
駿にそう話す
:15/07/27 14:18 :au/SH34 :7Hzb8oiI
#217 [なな]
「最低だよね本当。
別れたら?こんな浮気
女なんかと」
その子は、そう言って
意地悪そうに笑った
「……。」
しかし、駿は
なにも言わない…。
そしてその子は話しを
続ける
「まさか駿くんまで
信じるとでも……?
嘘よね?ここに証拠が
あるんだからさ、」
:15/07/27 14:24 :au/SH34 :7Hzb8oiI
#218 [なな]
「まぁ…あれよね
彼氏がいること知ってて
手を出す要くんも悪いけど…1番悪いのは
それに平気で乗っちゃう方よね?」
その子の言葉に駿と
夏美以外のみんなが
頷いた。
「……。」
そして駿は黙ったまま
教室を出て行ってしまった…
「駿。待って!」
:15/07/27 14:32 :au/SH34 :7Hzb8oiI
#219 [なな]
「あ〜あ嫌われちゃったね〜私しらない〜」
「…っ。」
「香奈、行ってきなよ。ここはアタシに任せてよ」
「夏美…」
夏美は(大丈夫)っと
頷き
わたしは教室を出た
:15/07/28 10:44 :au/SH34 :BFurol2U
#220 [なな]
裏庭
屋上
保健室
どこ捜しても
駿はいなかった
「どうしよう…」
もう全てが終わってしまったんだ。
なにもかも…。
もうあの頃には戻れないんだ
わたしは、その場で
泣き崩れてしまった
:15/07/28 10:47 :au/SH34 :BFurol2U
#221 [なな]
……
……
…。
「んっ…」
「気づいた…?」
「あ、あの…わたし」
気がつくと、わたしは
保健室のベッドにいた
「廊下で倒れてたのよ。見かけた生徒さんが連れて来てくれたのよ。」
「そうなんですか?」
わたし倒れたんだ…
全然記憶がない
:15/07/28 10:52 :au/SH34 :BFurol2U
#222 [なな]
「身体の調子でも悪いの?」
「あ、いや」
「そう…ならいいんだけど」
まさか泣いてたなんて
言えないよ
「教室戻る?」
教室か…
戻りたくないなぁ
「いえ、今日は帰ります」
「そうね。その方がいいわ」
わたしは夏美に荷物を
持ってきてもらい
帰ることにした
:15/07/28 10:58 :au/SH34 :BFurol2U
#223 [なな]
「…ただいま…。」
当たり前だけど
家は誰もいない
親は仕事だし
弟や妹は学校
ちょうどよかったって
思ってる
今は1人になりたかったから…
プルループルル
「只今、電話に出ることができません…。」
「またダメか…」
わたしは自分の部屋で
駿に何度も電話を掛けたが
出ることはなかった
:15/07/28 11:07 :au/SH34 :BFurol2U
#224 [なな]
「…おはよう」
次の日
わたしは気まずい中学校に登校した
本当は休みたかったけど
ずる休みは良くないって
お母さんに言われ
仕方なく登校
わたしが教室に入ると
賑やかだったクラスが
急に白ける
:15/07/28 11:18 :au/SH34 :BFurol2U
#225 [なな]
教室に入ってすぐに
わたしは自分の席に
座ってる
駿を見つけた
「あのさ、駿…」
わたしは勇気を出して
話しをかけた
「なに?」
でも…駿は冷たかった
「その…写真のことなんだけど」
「……。」
「あの写真は、その…
違うんだよ…だから」
「ごめん…しばらく
俺に話しかけないで…?」
:15/07/28 11:40 :au/SH34 :BFurol2U
#226 [なな]
「…えっ?」
クラスのみんなが
わたし達に注目する
でも、今はそんなの
どうでもよかった
「いま…なんて?」
「だから話しかけないでって言ったんだけど?聞こえなかった?」
「…な、なんで?」
「別に…俺が話したくないから」
「……。」
その瞬間
涙がこぼれ落ちた
:15/07/28 11:46 :au/SH34 :BFurol2U
#227 [なな]
クラス中がざわついた
そしてヒソヒソと笑う
昨日の子たち
「香奈ちゃん」
「…要?」
要がそんな様子を廊下で
見ていたのか
わたしを呼んだ
そして、わたしの所に
歩み寄り
「もう、ほっときなよ。こんな奴ら」
「で、でも…わたし」
「いいから、行こ」
「え…?」
わたしは要に手を引かれ
廊下に出された
:15/07/28 11:57 :au/SH34 :BFurol2U
#228 [なな]
「な、なに…?」
連れてこられたのは
屋上。
「もう、いいじゃん?」
「えっ?」
「駿なんて、もういいじゃん?」
屋上に来るなり要は
わたしにそう言う
「い、いいわけないよ」
いいわけない絶対に
わたしこのままなんて
嫌だ
「なんで?」
:15/07/29 13:33 :au/SH34 :KHCNutvg
#229 [なな]
「だって、」
「駿はさ、あの写真見せられて…話しかけるなって言ったんだよ?」
「そうだけど…。」
「俺が一方的にしただけなのにさ完全に
あの子たちの言葉信じて、香奈ちゃんを嫌いになるんだもん。所詮さ…その程度の男だったってことでしょ?」
要のその言葉を
否定するかのように…
わたしは大きく首を振った。
:15/07/29 13:43 :au/SH34 :KHCNutvg
#230 [なな]
「どうしてそこまでして庇うの?」
首を横に振ったわたしに要は問い掛ける
「決まってるじゃん」
そんなの答えは一つしかない
「好きだから」
駿がわたしを
嫌いになっても
わたしは好きでいたい
だから、庇うんだよ
:15/07/29 13:56 :au/SH34 :KHCNutvg
#231 [なな]
要は悲しい顔をする
そして…
「俺じゃあダメなの?」
っと…問い掛けた
「俺じゃあ…駿の変わりにはなれないの?」
「要…」
ごめんね…
側にいてほしいのも
意地悪してほしいのも
一緒にいてほしいのも
全部
駿じゃあなきゃダメなの
要じゃあダメなんだよ
:15/07/29 14:16 :au/SH34 :KHCNutvg
#232 [なな]
「ごめんね…」
「俺、香奈ちゃんが
好きだよ?」
「うん…。」
「遊びとかじゃなくて
本気で好きなんだ」
「うん…」
「それでもダメ?」
「うん…」
要ごめんね…
すごくうれしいよ。
でもその気持ちに
答えることできないんだ。
本当ごめんなさい
:15/07/29 14:22 :au/SH34 :KHCNutvg
#233 [なな]
好きになってくれて
ありがとうー。
それ以上、要はなにも
言うことはなかった
そして…要は学校に
しばらく来なくなった
:15/07/29 14:33 :au/SH34 :KHCNutvg
#234 [なな]
みんなは要が学校に
来なくなったのは
わたしのせいだって
言っている
わたしが
色目を使ったせいで
要がみんなに攻められて
精神的に追い詰められたのが原因だって
みんなデタラメな噂をしている
でも実際に要が学校に
来なくなったのは
わたしのせいなんだけどね…。
:15/07/29 14:42 :au/SH34 :KHCNutvg
#235 [なな]
「気にしなくて大丈夫。香奈のせいじゃないから」
「うん…夏美…ありがとう」
夏美はみんなに
陰口を言われる度に
わたしを必死に庇ってくれる
大丈夫大丈夫
アタシは味方だよって
側にいてくれる
そんな夏美の優しさに
いつも涙が出そうになる
:15/07/29 14:52 :au/SH34 :KHCNutvg
#236 [なな]
夏美だけじゃなくて
裕也くんも
「俺も味方だよ」って
言ってくれる
でも、駿は……。
:15/07/29 15:40 :au/SH34 :KHCNutvg
#237 [なな]
駿とは一週間くらい
口を利いてない
話しをかけたいけど冷たくされるのかと思うと
怖くて話しをかける
勇気がでないの。
わかってるよ
このままじゃダメだって
「誤解だよ」って
この一言すら言えない
本当情けないよね…。
:15/07/29 15:54 :au/SH34 :KHCNutvg
#238 [なな]
そんな情けない自分に
腹が立つ
「じゃあね」
「うんまた明日」
放課後になりわたしは
夏美と別れて学校を出た
いつもなら、駿と一緒に
帰ってるのに
最近は1人だ…。
いつもなら、駿と
言い合いながら歩いてたのに
もうそれもできないんだね…。
:15/07/29 16:17 :au/SH34 :KHCNutvg
#239 [なな]
きっといい合うことも
一緒に帰ることも
できないんだね
「どうしてこんなことになったの…」
こんなに辛い
思いをするくらいなら
偽の彼女なんて
ならなきゃよかった
あのとき最初から断れば
よかったんだ
タイムマシーンがあって
もしあの時に戻たっら
きっとわたしは断るだろう
:15/07/29 16:25 :au/SH34 :KHCNutvg
#240 [なな]
:15/07/29 16:27 :au/SH34 :KHCNutvg
#241 [なな]
だって辛い思いしなくて
いいんだから
こんなことにもならなくて済む
好きになることもない
こんな風になることも
全部ないんだ
:15/07/29 16:57 :au/SH34 :KHCNutvg
#242 [なな]
でも…
今のわたしはこんな風に強がっているけれど
本当は会いたい
駿に 会いたい…。
「ねぇキミそんな所で
しゃがみ込みこんでなにしてるの?」
「え?」
:15/07/29 17:02 :au/SH34 :KHCNutvg
#243 [なな]
「ちょうどよかった
俺たち暇なんだよね〜
一緒に遊ばない?」
「えっ?」
気づいたら
しゃがみ込んでいた
わたしに何人かの男が
声をかけてきた
「高校生だよね?
どこの学校通ってるの?」
なにこの人たち…
怖い
「ねぇ俺たちと遊ばない?」
「は?」
…もしかしてこれって
ナンパってやつ?
:15/07/29 17:07 :au/SH34 :KHCNutvg
#244 [なな]
「い、いやです…」
「えっ?なんでキミ
一人だよね?いいじゃん、遊ぼうよ」
「いや…ちょっと」
わたしは手を引っ張られた
別に力強く引っ張られた訳じゃないけど
とにかく嫌だった
「なんもしないよ?
ただ、遊ぶだけだから」
:15/07/29 17:11 :au/SH34 :KHCNutvg
#245 [なな]
「いやです…。」
本当に、いや
こわい
なにもしないって
言ったて
ナンパなんて大体そういうのが目当てなんでしょ
「お願いです離してください」
「え〜どうしようかっな」
どんなにいやがっても
なかなか離してくれない
「なにしてんの?」
:15/07/29 17:21 :au/SH34 :KHCNutvg
#246 [なな]
「は?だれお前」
わたしが連れて行かれそうになっていたとき
「……駿?」
止めに入ったのは
わたしがずっとずっと
会いたかった
駿だった
:15/07/29 17:26 :au/SH34 :KHCNutvg
#247 [なな]
「誰?」
なんで、駿がここに?
どうして…?
「誰って、彼氏なんだけど?」
「はぁ!?彼氏?」
「駿、どうしてここに?」
「香奈、話しは後。」
「えっ?」
:15/07/30 13:28 :au/SH34 :ybKH0jVc
#248 [なな]
駿はそう言うと
わたしをナンパした
男たちと話しを続けた
「一人だと思った?
こいつこう見えて一応、
彼氏持ちなんで…」
「は?意味わかんないから、たまたま通り掛かっただけでしょ?」
その男たちは話しを全く
信じず、再びわたしの
手を引っ張ろうとした
しかし、直ぐさま
駿が止めに入った
:15/07/30 13:37 :au/SH34 :ybKH0jVc
#249 [なな]
「なんだよ?」
「だから、止めろって」
「あぁ!?」
ヤバイ…
今にもヤバイ雰囲気
もし殴り合になったら
どうしよう
わたしが止めなきゃ!
「止めて!」
:15/07/30 13:44 :au/SH34 :ybKH0jVc
#250 [なな]
「お、お願いだから……止めて。」
わたしは必死に止めに
入った
すると
「ねぇ本当にキミの
彼氏なの?」
1人の男が問い掛ける
勿論。わたしの返事は
迷いなく
「はい。そうです」
その言葉に迷いなんか
絶対にない
「そっか。」
:15/07/30 13:55 :au/SH34 :ybKH0jVc
#251 [なな]
わたしが、ハッキリ
答えると
「わかったよ彼氏いるのに、しつこくして…悪かったな」
っと、男たちは頭を下げた
「いいえ、わかってもらえてよかったです」
男たちは謝ると
「じゃあ」っと言って
帰っていった
だけど、男たちが…
帰ったあと
駿と少し気まずくなって
固まってしまった。
:15/07/30 14:04 :au/SH34 :ybKH0jVc
#252 [なな]
「後で話しがある」
「へっ?」
固まっていたわたしに
いきなり駿が話しを掛けてきた
「だから話し」
「話し?」
話しって…なに?
「7時に公園に来て」
「公園?」
「絶対遅れるなよ」
駿はそれだけ言うと
帰って行った
:15/07/30 14:11 :au/SH34 :ybKH0jVc
#253 [なな]
「えっ?あ、ちょっと!駿。」
わたしが止めに入る声が
聞こえなかったのか
駿はとっとと行ってしまった
一体、話しって…?
もしかして別れ話しとかじゃないよね?
・
・
・
・
・
・。
心の中では
たぶん大丈夫だと思っている
でも
もし別れ話しだったら?
:15/07/30 14:20 :au/SH34 :ybKH0jVc
#254 [なな]
もし駿との関係が
終わっってしまったら
きっとわたしは二度と
立ち直れないだろう…
きっと苦しくて辛くて
一生、泣いたままで…
今の明るいわたしには
きっと戻れないだろう
:15/07/30 14:26 :au/SH34 :ybKH0jVc
#255 [なな]
・
・
・
・
・
・
・
・。
「お待たせ…」
ずっとそんなことを…
考えていたら
あっという間に
7時になってしまった
わたしは待ち合わせの
公園に着いた
「おせーよ。バカ」
公園に着くと、不機嫌な
顔をして駿が待っていた
「10分遅刻な」
:15/07/30 14:31 :au/SH34 :ybKH0jVc
#256 [なな]
「ごめん…。」
冬が近いこともあり
夜の公園は少し肌寒い
いつもなら公園に
誰かしら残っているが
さすがに寒いのか
今日は誰もいなかった
「……。」
「……。」
わたしと駿は無言で
聞こえるのは風の音だけ
:15/07/30 14:40 :au/SH34 :ybKH0jVc
#257 [なな]
だけどそんな沈黙を
最初に切ったのは駿だった
「あのさ」
「うん…」
別れを言われるような
気がして
少し怖い
もし別れ話しでも…
聞かなきゃいけないから
辛い
「あのことなんだけどさ、」
「えっ?」
「俺、信じてるから…
お前のこと」
:15/07/30 14:54 :au/SH34 :ybKH0jVc
#258 [なな]
駿の口から出た言葉は
わたしの想像とは違った
駿の話しはわたしと
要の写真のことだった
しかも{信じる}って
そう言った
「信じてるなんって…
嘘でしょ?」
だって、駿はずっと
怒ってたじゃん
じゃあ…あれは
一体?
そう聞こうとしたとき
:15/07/30 15:01 :au/SH34 :ybKH0jVc
#259 [なな]
再び駿が口を開く
「お前のことは最初から
信じてた」
そして
もう一度、そう言った
「えっ!?」
「ただ…」
「ただ?」
駿の言っていることが
よくわからない
「その…なんていうか…」
「…?」
:15/07/30 15:06 :au/SH34 :ybKH0jVc
#260 [なな]
「ただ…その…お前が…
なんていうか」
駿は少し照れながら
話しを続ける
「お前が俺以外の男にさ
そういうことされたのが
ずっと気に入らなくて」
「えっ?」
「それでずっと怒ってた…それだけだ。」
わたしは駿の話しを
全部聞いて
固まってしまった
:15/07/30 15:20 :au/SH34 :ybKH0jVc
#261 [なな]
それって…つまり
わたしの
間違いじゃなければ
嫉妬ってことだよね?
いままでずっと
嫉妬してたってこと?
「でさ、ここからが
大事な話し」
「えっ?」
「なんでこんな気持ちになるのか、自分の気持ちを整理してたんだ。ずっと…」
「う、うん」
「で、わかったんだ
自分の気持ち」
:15/07/30 16:47 :au/SH34 :ybKH0jVc
#262 [なな]
「う、うん…」
わたしが返事をすると
駿は歩み寄ってきて
「えっ?」
気づいたら、わたしは
抱きしめられていた
「聞きたい?俺の気持ち」
駿は優しく
わたしを抱きしめて
そう呟いた
:15/07/30 17:07 :au/SH34 :ybKH0jVc
#263 [なな]
「うん…。」
聞きたいよ?
当たり前じゃん
「…好きだ」
その瞬間…わたしは
涙が零れた
:15/07/30 17:09 :au/SH34 :ybKH0jVc
#264 [なな]
「い、いま…なんて
言ったの?」
本当は聞こえたけど
もう一度聞きたくて…
「好きだ…。」
聞こえてないフリをした
わたしに駿はもう一度、
呟いた。
:15/07/30 17:18 :au/SH34 :ybKH0jVc
#265 [なな]
これは夢ですか?
それとも現実ですか?
「って…何度も言わせんなよ」
いいえ、夢ではありません
「だって…」
わたしも好きだから
何度も聞きたいもん
「わたしも…」
「ん?」
:15/07/30 17:22 :au/SH34 :ybKH0jVc
#266 [なな]
「わたしも好き…」
わたしがそう言うと
駿は「…知ってる」って
答えた
「えっ?知ってなの?いつから?」
「結構前から」
:15/07/30 17:25 :au/SH34 :ybKH0jVc
#267 [なな]
ずっと知ってたの?
とっくに気づいてたの?
「なんで言ってくれなかったのさ?//」
「いや…だって、面白いから(笑)」
「なっ///」
わたしは駿が気持ちに
気づいていないと思ってたから
衝撃の事実を知って
パニック状態
そんなわたしを見て
笑っている駿
:15/07/30 17:30 :au/SH34 :ybKH0jVc
#268 [なな]
「ハハッやっぱり……
わたし嫌い(笑)」
っていうのは、嘘。
わたしを馬鹿にするから
少しキツイこと言ってやろうって思ったのよ
「嘘。」
でもそんなのすぐに
嘘だってバレる
てか、バレてる
「本当は好きなくせに」
駿はいつもの意地悪い
笑顔でそう言う
:15/07/30 17:36 :au/SH34 :ybKH0jVc
#269 [なな]
「正解(笑)」
「お前っ…。」
「ごめん(笑)」
「全然反省してねーだろ」
「そんなことないよ?」
「…香奈。」
「なに…?」
:15/07/30 17:42 :au/SH34 :ybKH0jVc
#270 [なな]
「……。」
「……。」
さっきまで言い合ってた
空気がガラッと変わった
そして、
駿は優しくわたしに
キスをした
:15/07/30 17:44 :au/SH34 :ybKH0jVc
#271 [なな]
わたしは、こんなにも
幸せなことはないって思った…。
幸せ過ぎてまた涙が出そうになる
「なんで泣きそうなんだよ?」
「だって…。」
唇を話すと駿は
泣きそうになってる
わたしを見て問い掛けた
「な、なんでもないっ…。」
わたしがそう答えると
駿は優しく笑って
再びわたしにキスをした
今度は激しく
:15/09/02 14:09 :au/SH34 :BhPRmN7E
#272 [なな]
「んっ…ちょっ…」
慣れないわたしは
うまくできない
こんなの初めてだから
駿に合わせることしか
できないんだ
どんどん
激しくなっていくキス
これが…その…あれですか
噂のディープキスって
やつですか?
:15/09/02 14:41 :au/SH34 :BhPRmN7E
#273 [なな]
薄暗くて少し肌寒くて
、
虫の鳴き声と風の吹く音しか聞こえない中で
わたしたちは身体が暑くなるぐらいの激しい
キスをした
:15/09/02 14:46 :au/SH34 :BhPRmN7E
#274 [なな]
わたしと駿は
.偽恋人.
から
.本物の恋人.
になった
前みたいに本物の恋人の
フリをする為に周りに
嘘を付くことも
バレるんじゃないかって
ビクビクすることも
無理矢理合わせることも
ない
堂々と一緒にいられるんだ
だって
本物の恋人だから
:15/09/02 15:04 :au/SH34 :BhPRmN7E
#275 [なな]
「キァー///
香奈おめでとう♪」
「あ、ありがとう」
次の日ー
わたしは学校に行って
すぐ夏美に全部話した
昨日の想い出は全部
胸の中に閉まってる
「アタシ嬉しいよ(泣)マジで本当に嬉しいよ…自分のことのように…。」
「夏美…。」
夏美は泣きながら
すごく喜んでくれた
:15/09/02 15:10 :au/SH34 :BhPRmN7E
#276 [なな]
なんだかんだいって
1番助けてくれたのは
夏美だった
落ちこんでいる時は励ましてくれたり
辛い時は
一緒に泣いてくれたり
時には素直になれない
わたしをキツく叱てくれた
わたしがこうなれたのは
夏美のおかげでもあるんだよ
「夏美…ありがとう」
:15/09/02 15:20 :au/SH34 :BhPRmN7E
#277 [なな]
「えっ?なにが?」
「ううん…なんでも」
夏美は?マークを一瞬
浮かべていたが
すぐ笑顔に戻った
「そうだ。裕也にも報告しなきゃね?2人のこと心配してたから…多分屋上にいるはず」
「うん。」
:15/09/02 15:30 :au/SH34 :BhPRmN7E
#278 [なな]
わたしたちが
屋上に行こうとしたとき
「おーい夏美」
裕也くんと駿がこっちに向かって歩いて来た
「あれ?裕也?屋上に行ってたんじゃないの?」
「行ってたけど寒いもん…即戻ってきたわ」
裕也くんは寒そうにブルブル震えていた
「あ、そうそうさっき
駿から話し聞いたよ。
みんなでパティーやろうよ」
「パティー?」
:15/09/02 15:54 :au/SH34 :BhPRmN7E
#279 [なな]
「うんそう。駿と香奈ちゃんのお祝いパティー」
「えっ、本当?楽しそう♪」
「いいよ…そんなのやらなくて」
「ちょっと…駿。」
楽しそうにしている
わたしと違って
駿はすごく嫌そう
「いますぐじゃねぇよ?今度だよ今度。」
「いいじゃん2人をお祝いさせてよアタシ達にさ♪」
夏美も裕也くんに続いて
そう言った
:15/09/02 16:07 :au/SH34 :BhPRmN7E
#280 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑a
:22/10/02 02:20 :Android :Ltpo.xA.
#281 [わをん◇◇]
:22/12/17 17:09 :Android :gTMgoNuA
#282 [わをん◇◇]
:22/12/17 17:09 :Android :gTMgoNuA
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194