『異常』━『先輩』
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#1 [正常]
小説を書くのは初めてです。
とにかく投げ出さないことが第一の目標です。

⏰:06/06/05 20:32 📱:SH901iS 🆔:W1NTVNq.


#2 [正常]
僕には尊敬している先輩がいる。僕が通う高校の部活の先輩だ。

僕はその先輩にだけ、名前を付けずにただ『先輩』と呼んでいる。

その先輩の異常ぶりに、僕はその先輩の名前を口に出すのが恐ろしくなったからだ。

その上、先輩といると異常な出来事が次々と起こる。
いや、先輩が異常な出来事を吸い寄せているのかもしれない。

これから此処に、僕が体験した『異常』を記してみたいと思う。

⏰:06/06/05 20:36 📱:SH901iS 🆔:W1NTVNq.


#3 [正常]
【手】
最初、僕は他の先輩と同じ様に、先輩のことを名前も付け加えて呼んでいた。

しかしこの出来事がきっかけで、僕は先輩の名前を呼ばなくなった。

つまり、先輩の異常ぶりに恐怖した最初の出来事である。

⏰:06/06/05 20:39 📱:SH901iS 🆔:W1NTVNq.


#4 [正常]
その日、先輩は部活終了後すぐに部室に戻って、パイプイスに座り、テーブルに上半身を突っ伏して寝始めた。

僕はすぐに家へ帰りたくないから部室で読書をしていた。

部員も帰り始め、部室に残ったのは僕と先輩だけとなった。

辺りが次第に、闇に包まれていった。

しばらくして、先輩は上半身をゆっくりと起こし、あくびをした。眼が半開きだ。

⏰:06/06/05 20:42 📱:SH901iS 🆔:W1NTVNq.


#5 [正常]
先輩はケータイを取出した。おそらく時刻を確認したんだろう。

すぐにケータイをしまい、ゆっくりと立ち上がって帰る支度を始めた。

僕も本の区切りが良い所でついたら帰ることにした。
しかし、中々区切りが良い所でつかない。

先輩は支度も終わり、じゃあねと素っ気なく俺に言って、部室を出ていった。

先輩がいなくなり、急に孤独感が増幅した僕は、区切りが悪いまま本をバッグに入れて、部室から出た。

⏰:06/06/05 21:33 📱:SH901iS 🆔:W1NTVNq.


#6 [正常]
自転車をダラダラとこいで家に向かった。

しかし、僕はある所で自転車を止めた。

そこは、今は既に使われなくなった工場。

その廃工場の入口付近に見覚えのあるバイクが停めてあった。

遠くてよく見えないが、そのバイクは、ついさっき部室で寝ていた先輩の物に似ていた。

バイクで学校に通う生徒は珍しい。先輩はその珍しい生徒の一人だ。

だから先輩のバイクは印象が強くてよく知っていた。

⏰:06/06/05 21:51 📱:SH901iS 🆔:W1NTVNq.


#7 [正常]
僕はまさかと思い、もっと近くでバイクを見た。

間違いなくそれは先輩の物だった。

となると、先輩はこの廃工場に入って何かしているのだろうか。

廃工場の入口は、化け物が口を開けた様に大きい。その中を覗いたが、真っ暗で何も見えなかった。

僕の中から恐怖心が溢れてきた。しかし同時に興味心も湧いてきた。

そして興味心が恐怖心に打ち勝ってしまい、僕はその廃工場の潜入を試みることにした。

⏰:06/06/07 06:52 📱:SH901iS 🆔:Ckattsb6


#8 [ペッツ]
すんごい気になる
(δεδ)

⏰:06/06/07 20:15 📱:P901iS 🆔:pzCCS7JE


#9 [我輩は匿名である]
ぁたひも

⏰:06/06/07 20:25 📱:F901iC 🆔:Z1FkUE72


#10 [かなや]
わいも

⏰:06/06/07 22:43 📱:P901iS 🆔:P5o0jjh6


#11 [我輩は匿名である]
はゃく書いて

⏰:06/06/08 12:00 📱:SH902i 🆔:Tj8ONNPE


#12 [我輩は匿名である]
まじ気になって仕方ない!はやく書いて

⏰:06/06/08 20:11 📱:F901iC 🆔:UIAa4Kh.


#13 [正常]
皆さんありがとうございます!とても感激です!そして遅くなり申し訳ありません。どんどん書きたいと思います。

⏰:06/06/12 06:24 📱:SH901iS 🆔:pJ/IdemI


#14 [正常]
だが、大きく開いた表入口から堂々と入るのは、何と言うか、危険な気がした。第一、潜入というのは他人にばれずにこっそりと入ることである。
よって僕は裏から回って、そこに自転車を停めてから廃工場へ入ることにした。

⏰:06/06/12 06:24 📱:SH901iS 🆔:pJ/IdemI


#15 [正常]
裏口の鍵は掛かっていなかったため、安易に潜入することが出来た。

廃工場の中は薄暗く、何に使っていたのか分からない機械が所々に設置されていた。

僕はスパイにでもなった気分で、機械等の物影に隠れながら前進していった。

いくらか進んでいくと、広場のような所が見えた。そこには機械が設置されていないで、自由に人々が行き交える様になっている。

そして僕から真っすぐ奥を見ると、四角い入口がぽっかりと開いていた。

外からでは暗くて見えなかったが、どうやら表入口のすぐにこの広場があるらしい。

⏰:06/06/12 06:43 📱:SH901iS 🆔:pJ/IdemI


#16 [正常]
僕は古錆びた機械に隠れながら、先輩を捜す様に広場の周囲を見渡した。しかし薄暗い闇が邪魔して、先輩の姿を確認することが出来なかった。

けど、何故だか分からないが、『何か』がこの広場のどこかにいる気配を感じた。

⏰:06/06/12 19:22 📱:SH901iS 🆔:pJ/IdemI


#17 [正常]
僕は少しの間その場で待機することにした。

あまりの静けさに、この世から音が消されたのかと思った。

数分経過したが、何も起こらない。

僕は次第に不安を感じた。
先輩がいるとしたら、少しくらい物音がしても良いはずだ。なのに無音状態が続いている。

僕の感じた気配はただの思い違いだったのだろうか。
僕はそう考え、小さな溜め息をついたその時である。

⏰:06/06/13 06:18 📱:SH901iS 🆔:jndqux2Q


#18 [正常]
車の走行音が聞こえてきて、その音がこの廃工場に近いてきた。

どうせこの工場を横切るだけだろうと僕は思った。だが、その車の走行音は弱まり、廃工場の敷地内へと入ってきたのだ。

表入口から二つの眩しいヘッドライトが廃工場の中を照らした。

⏰:06/06/13 21:14 📱:SH901iS 🆔:jndqux2Q


#19 [正常]
僕は車の出現に驚いたが、それよりも明るくなったこの広場に先輩がいるかどうか、周囲を見回して確かめた。

僕から見て、約十メートル離れた所の左側に先輩はいた。後ろにある機械に寄り掛かりながら、少し顔を車の方に向けていた。

やはりあの気配は思い違いではなかった。

⏰:06/06/13 23:13 📱:SH901iS 🆔:jndqux2Q


#20 [正常]
やがて、ヘッドライトがついている状態で車のエンジンが止まり、運転手がドアを開けて出てきた。

運転手は男性で、片手にはコートを持っていた。

その男性は一歩ずつ足を運び、工場内に入ってきた。普段は気にも止めない足音でも、ここでは騒音のように聞こえた。

男性は歩くのをやめ、先輩と向き合った。

車のライトが、二人の横の姿を影にして写し出した。

⏰:06/06/14 20:34 📱:SH901iS 🆔:kQuxGO6I


#21 [正常]
少しの間、沈黙が続いた。
「お久しぶりですね。」

最初に沈黙を破ったのは先輩だった。

「そうだな。」

後から男性の声が聞こえた。

「驚きましたよ。柊さんから俺にメールを送るなんて、滅多にないですし。」

先輩のその言葉で、男性の名字が柊ということが解った。

「突然こんな場所に呼び出してすまない。」

柊という男性の声は少し鋭い感じだった。

「別に構いませんよ。俺も暇でしたし。そんなことより、話とは何ですか?」

先輩が尋ねた。

⏰:06/06/15 00:32 📱:SH901iS 🆔:5ry/fRXU


#22 [正常]
「…頼みたいことがあるんだ。」

僕は柊の声が次第に暗くなってゆくのを感じた。

「柊さんが俺に何か頼むなんて珍しいですね。」

先輩の声は、ずっと変わらず平淡だ。

「……………。」

柊はしばらく黙り込んだ後、ゆっくりと口を開け、こう言った。





「君の手を譲ってほしい。」

⏰:06/06/15 22:33 📱:SH901iS 🆔:5ry/fRXU


#23 [(・∀・)]
主続きが気になる!!書いてくれ〜

⏰:06/06/16 23:28 📱:W21SA 🆔:aJV2E09g


#24 [正常]
自分の小説とも言えない小説を読んでくれている方がいるなんて、凄まじく嬉しいです。
昨日更新しなくてごめんなさい。しかしコメントを頂いてやる気が出ました。
それでは続きです。

⏰:06/06/17 21:18 📱:SH901iS 🆔:2Gd1leys


#25 [正常]
柊の右手からスルリとコートが抜け落ちる。工場内は、コートが地面をたたく音で広がった。

コートが擦り抜けた手には、刃渡り20p以上はある大きなナタが握られていた。

⏰:06/06/17 21:19 📱:SH901iS 🆔:2Gd1leys


#26 [正常]
柊の有り得ない発言、そして手に握られてる有り得ない物、僕はそれらを疑った。

しかしそれは全て事実であり、有り得ているのだ。

僕の身体中の血が勢いよく引いていき、そして勢いよく嫌な汗が噴き出るのを感じた。

⏰:06/06/17 22:45 📱:SH901iS 🆔:2Gd1leys


#27 [(・∀・)]
主の小説おもしろいよ♪どうなるのか楽しみにしてます!!

⏰:06/06/18 01:02 📱:W32SA 🆔:q5F.pg9o


#28 [我輩は匿名である]
面白ぃです 続きが気になるから早く書いてぇ

⏰:06/06/18 12:19 📱:SA700iS 🆔:UBM0P5l6


#29 [正常]
ああ…。皆様のご声援があまりにも嬉しすぎて手が震えています。
本当にありがとうございます!
では続きです。

⏰:06/06/18 20:01 📱:SH901iS 🆔:BEb9St5I


#30 [正常]
まさか…そのナタで先輩の手を…。



「そのナタで俺の手を切り落とす気ですか?」

僕が思ってたことを、先輩がそのまま柊に尋ねた。

先輩の声は恐ろしいほど冷静だった。冷静なのは声だけではない。先輩の横顔は、柊の持ってる凶器に全く動じていなかった。

⏰:06/06/18 20:05 📱:SH901iS 🆔:BEb9St5I


#31 [(・∀・)]
主大変だとおもうけど更新がんばってくださいね☆

⏰:06/06/18 20:46 📱:W32SA 🆔:q5F.pg9o


#32 [正常]
はい。頑張ります。
というか、こうやってコメントをしてくれたおかげで頑張れます。本当に感謝します。

⏰:06/06/18 21:39 📱:SH901iS 🆔:BEb9St5I


#33 [正常]
柊は何も言わず、先輩に向かって歩きだした。先輩は逃げもせず静止していた。
柊と先輩の距離は次第に狭まり、二人の間には1mも満たない空間ができた。

⏰:06/06/18 21:40 📱:SH901iS 🆔:BEb9St5I


#34 [正常]
「両手を前に出してくれ。」

強張った声で、柊は先輩にそう命令した。

「嫌だ。と断ったらどうします?」

まるで柊をからかっているかの様に、先輩は質問した。

「その時は、君を殺す。」
柊は真剣に言った。

⏰:06/06/18 23:37 📱:SH901iS 🆔:BEb9St5I


#35 [(・∀・)]
怖え〜(>_<)手なくなるんかいな?むっちゃドキドキやん☆

⏰:06/06/19 00:01 📱:W32SA 🆔:EVWWEz0c


#36 [正常]
先輩は少し考えるかの様に静まり返っていたが、
「いいですよ。俺の手を譲りましょう。」
と微笑んで言って、両方の袖をめくりあげ、ゆっくりと両手を前に突き出した。

⏰:06/06/19 00:02 📱:SH901iS 🆔:mRg8FEz2


#37 [正常]
先輩の行動に、僕は驚愕した。

確かに、殺されるよりは両手を切り落とされる方がよっぽど増しだが、先輩は素直すぎる。

まるで、先輩にとって自分の両手は『身体の一部』ではなく、ただの『道具』としか認識していないかのようだった。

⏰:06/06/19 00:39 📱:SH901iS 🆔:mRg8FEz2


#38 [正常]
柊が先輩の左側に回って、僕と柊が向き合うようになった。

僕は見つかったら危険だと思い、自分の頭を物影に引っ込めた。しかし、柊の眼は先輩の両手に釘付けだった。

僕は再び顔を物影から出して、二人の様子を窺った。

⏰:06/06/19 00:40 📱:SH901iS 🆔:mRg8FEz2


#39 [我輩は匿名である]
小説ぉもしろぃです〜☆★
続きが気になるぅ(ノД ̄)
更新頑張ってさぃね♪応援してます!!

⏰:06/06/19 02:24 📱:W21T 🆔:H1QSDan6


#40 [正常]
ご声援ありがとうございます。本当に嬉しいです。
これはもう毎日更新しなければ罰当たりですね。
張り切って書き続けます。

⏰:06/06/19 06:33 📱:SH901iS 🆔:mRg8FEz2


#41 [正常]
柊が先輩の両手を左手で掴んだ。その後、右手に持っているナタを、先輩の両手首に刃を立てるようにして軽く置き、何処を切断するか考えていた。

⏰:06/06/19 07:13 📱:SH901iS 🆔:mRg8FEz2


#42 [正常]
今のうちに助けないと、先輩が危ない。

僕は、頭ではそう思っていたが、身体がいうことを効かない。柊の持っているナタがあまりにも恐ろしくて、身体が完全に硬直していたのだ。

ならば大声を出し、柊の注意をこちらへ引き付けようと考えたが、喉まで硬直していたから声を出すことも出来きず、僕は先輩をただ見守るしかなかった。

⏰:06/06/19 07:20 📱:SH901iS 🆔:mRg8FEz2


#43 [正常]
そして、切断地点を決めた柊は、大きくナタを振り上げた。

「ああっ、ちょっと待って下さい。」

柊のナタが頂点まで振り上げられたその時、先輩が何か思い付いたかのように、一旦柊を止めた。

「なんだ?」

柊はナタを振り上げたまま首を曲げ、先輩の顔を見た。途中で止められたから、機嫌が悪い声だった。

「柊さんはただ単に手が欲しいのですか?」

自分の両手が危ないというのに先輩は相変わらず冷静だった。

⏰:06/06/19 20:02 📱:SH901iS 🆔:mRg8FEz2


#44 [(・∀・)]
主がんばれ(*^_^*)

⏰:06/06/19 22:25 📱:W32SA 🆔:EVWWEz0c


#45 [ュリカ]
あ〜早く続き見たいです(>人<)すごく楽しいです!

⏰:06/06/19 23:49 📱:W32T 🆔:fpa9Z9No


#46 [正常]
皆様、本当に嬉しい限りです。
嬉しさのあまり、手が…手が震えてます。

それでは続きを少し更新します。

⏰:06/06/20 01:37 📱:SH901iS 🆔:geb5RIk2


#47 [正常]
「いいや、君の手が欲しかったんだ。」

首を横に振り、柊が言った。

「何故、俺の手が欲しいのですか?野郎の手ですよ?」

先輩は柊に問い続けた。

⏰:06/06/20 01:42 📱:SH901iS 🆔:geb5RIk2


#48 [正常]
すると、柊は視線を先輩の両手に戻し、少し考えた後にこう言った。

「君の手が特別な物に見えるんだ。穢れなく美しい、まるで聖母の手の様に。」
「そう…ですか。」

先輩のその言葉は、何となく切ない感じがした。

⏰:06/06/20 20:57 📱:SH901iS 🆔:geb5RIk2


#49 [正常]
ほどなくして、柊が口を開いた。

「それじゃあ、切るよ。」
「ええ、どうぞ。」

先輩はあっさりと言う。

ナタを振り上げた状態で停止していた柊の右手が、ピクッと少し作動した。

「言い忘れたことがあった。………『ありがとう』」

柊は先輩に礼を言うと、右手をおもいっきり下に振り落とした。

「「ドシャッ」」と、鈍い音が工場内に響き渡った。

⏰:06/06/20 23:24 📱:SH901iS 🆔:geb5RIk2


#50 [まみーーーい]
よんでます(*´艸`*)   恐あーーいケン気になるカラ更新がんばれえ

⏰:06/06/20 23:35 📱:N901iS 🆔:V2ocqCKE


#51 [正常]
コメントありがとうございます。素で嬉しいです。
頑張らなくては…。
気合いが入りました。

⏰:06/06/21 22:51 📱:SH901iS 🆔:PrEYmVVw


#52 [正常]
やがて、その鈍い音は闇に溶けるように消えていった。

だがすぐに、硬質な塊が地面に落下し、重低音を発した。その塊の正体は、ついさっき人の手首を切断した、大きなナタ。

⏰:06/06/21 22:53 📱:SH901iS 🆔:PrEYmVVw


#53 [正常]
一人の人間がうずくまっているのを僕は見た。

車のヘッドライトを反射するおびただしい量の血液が、その人付近の地面にじわじわと広がっていく。







うずくまっている人間、それは先輩ではなく、柊であった。

⏰:06/06/21 22:55 📱:SH901iS 🆔:PrEYmVVw


#54 [ぷー]
おもろぃゎぁ〜!!「
気になるA♪

⏰:06/06/21 23:01 📱:W41H 🆔:ClvATKE2


#55 [我輩は匿名である]
気になって寝れないんですけどぉ

⏰:06/06/21 23:25 📱:N901iC 🆔:9Owkf8Tk


#56 [正常]
皆様、本当に感謝します。
皆様のご声援が嬉しくて、ついさっき叫びました。

更新が遅くてすみません。

⏰:06/06/22 23:09 📱:SH901iS 🆔:Pb6aPpNw


#57 [正常]
柊がナタを振り落とした瞬間、その時にそれは起こった。

先輩が素早く両手を引っ張り、先輩の両手を掴んでいた柊の左手が、切断される地点にズレてしまったのだ。

勢いがついたナタは、誰にも止めることは出来ない。そのまま切断地点を目掛けて下降し、柊の左手首を奇麗に切断した。

⏰:06/06/22 23:12 📱:SH901iS 🆔:Pb6aPpNw


#58 [正常]
柊はあまりの苦痛に声も出ないらしい。ナタを地面に落とし、そのままうずくまってしまったのだ。

先輩は、そんな柊を見下す様にして立っていた。

⏰:06/06/23 00:37 📱:SH901iS 🆔:EOY7B6v6


#59 [正常]
「柊さん、確かあなたは俺の手が、聖母の手の様に見えると、おっしゃってましたよね。」

先輩は、両手を掴んだまま硬直している柊の左手をほどきながら、淡々と言う。
しかし、柊の左手をほどき終えた後、先輩の雰囲気が急に変わった。冷静、いや冷酷な声でこう言った。

「けど俺には自分の手が、穢れて醜い悪魔の手の様に見えます。」

その言葉に、僕は身震いをした。まるで、冷たい手が僕の背中を撫でているようだった。

⏰:06/06/23 00:39 📱:SH901iS 🆔:EOY7B6v6


#60 [らら+゚]
まじ☆ォモシロイ!!主☆頑張れ!

⏰:06/06/23 00:43 📱:N900iS 🆔:2NP4QOAs


#61 [ゅぅ]
初めましてスゴィぉもしろぃはまっちゃぃましたぁ応援してるので頑張ってくださぃ

⏰:06/06/23 10:01 📱:N701i 🆔:ZjCS87T6


#62 [正常]
ああ、なんて嬉しいことなんでしょう。
嬉しすぎてハシャギましたよ。ついさっき。


更新がいつも遅い自分が憎いです。そして皆様、こんな自分をどうか許してやって下さい。
では続きです。

⏰:06/06/24 00:12 📱:SH901iS 🆔:PcxrD/WI


#63 [正常]
「まー、もしも俺の手が『聖母の手』でしたら、柊さんの左手はこんなことにはならなかったでしょう。『悪魔の手』だったからこそ、このような結果にたどり着いた訳ですし。」

先輩はいつもの冷静な声に戻り、切れた左手を持ち主の傍に置いた。その手の持ち主は、未だにうずくまったまま動こうとはしない。

⏰:06/06/24 00:14 📱:SH901iS 🆔:PcxrD/WI


#64 [正常]
そして先輩は、それではと別れの挨拶を言って、この廃工場の出入口に向かって歩き出した。

足音が波紋の様に響く。

先輩の後ろ姿が僕の眼に写る。

恐怖で硬直していた自分の身体が、わずかながら解れてきた。

⏰:06/06/24 00:15 📱:SH901iS 🆔:PcxrD/WI


#65 [正常]
だが、先輩が唐突に立ち止まった。と思いきや、ゆっくりと僕の方を振り向いたのだ。

油断していた僕は、物影から顔をおもいっきり出していた。だから完全に先輩と眼が合ってしまった。

先輩は僕に冷たい笑みを見せた。

少し解れた身体が再び硬直した。

ヤバイ、気付かれた!先輩がこっちに来る!

僕はそう予想し、戸惑った。けど先輩は顔を前に戻し、歩くことを続けた。僕がいても別に構わない、まるでそんな感じだった。

⏰:06/06/24 00:50 📱:SH901iS 🆔:PcxrD/WI


#66 [正常]
車のライトに照らされながら、廃工場を出ていく先輩。やがてバイクのエンジン音が聞こえ、先輩は行ってしまった。

工場内には僕と柊の二人だけとなった。

しばらくして、柊が身体を起こし始めた。

僕は警戒するように、物影に隠れた。

柊は震えながら立ち上がり、切断された自分の左手を拾った。

⏰:06/06/24 16:19 📱:SH901iS 🆔:PcxrD/WI


#67 [る]
まぢ気になる~~

⏰:06/06/24 17:35 📱:PENCK 🆔:AGvmnkZg


#68 [正常]
その後、ナタを巻いていたコートがある場所まで歩き、コートを左腕の先端部にグルグル巻いた。

巻き終えると、少しの間立ちすくんでいた。その時、柊は呟くように、だけどはっきりと言うように、口を開いた。

「いつか絶対…手に入れる。」

⏰:06/06/24 17:36 📱:SH901iS 🆔:PcxrD/WI


#69 [我輩は匿名である]
まぢ気になります!! どんなにかかってもぃぃので、書いて下さい(*>u<*)

⏰:06/06/25 00:23 📱:SA700iS 🆔:3NKC9OBk


#70 [正常]
>>67
>>69

またしてもコメントが…。
本当に嬉しいです。嬉しすぎて逆に不安です。でも嬉しいです。嬉しすぎて文が変です。でも嬉しいです。

⏰:06/06/25 00:54 📱:SH901iS 🆔:m.L9672g


#71 [正常]
柊はふらついた足取りで、ライトがついている自分の車まで歩いた。

やがて柊は車に乗り、いびつにそれを操縦し、廃工場から消えていった。

柊の車のライトが無くなった工場内は、再び暗闇が支配した。

僕は念のため、柊が行ってしまった後も、そのまま5分間動かなかった。

⏰:06/06/25 00:55 📱:SH901iS 🆔:m.L9672g


#72 [正常]
僕は深呼吸をした後、物影に隠れるのをやめ、先輩と柊の二人がいた所へ行ってみた。

その周辺をケータイの画面の光で照らしてみると、柊の血液が地面に広がっていた。
よく出血多量で死ななかったよな。と、地面に染み付いている血液を見てそう思った。

⏰:06/06/25 02:16 📱:SH901iS 🆔:m.L9672g


#73 []
怖いケドおもしろい展開が気になる..まぢハマりマシタ
頑張ってくださぃ

⏰:06/06/25 09:33 📱:F902i 🆔:eSYLLzZ2


#74 [みなみ]
すっごいおもしろい
本でたら買うし

⏰:06/06/25 10:26 📱:P902i 🆔:SXCxYAXA


#75 [正常]
>>73
>>74

感激としか言うようがありません。感激すぎて逆立ちしました。首捻挫しました。いや本当に感激します。

⏰:06/06/25 12:13 📱:SH901iS 🆔:m.L9672g


#76 [正常]
他の所も照らしてみた。すると、大きな塊を発見した。その塊は、柊の左手を一瞬にして切断した、あのナタである。刃の一部に、柊の血液が付着していて紅かかった。

僕はそれを見て、息を飲んだ。人間の一部分を切り落とした凶器が、自分の眼の前にある。

⏰:06/06/25 12:14 📱:SH901iS 🆔:m.L9672g


#77 [正常]
このナタをどうすれば良いか、考えた。この廃工場には人が滅多に来ない。だからそのまま放置してても問題にはならないだろう。

僕はそのナタの柄を握り、持ち上げてみた。




重い。そして恐い。…けど、欲しい。



気付いたら、僕は裏口から廃工場を出ていた。何かに憑かれた気分だった。

右手にはあのナタが握られていた。何だか気味が悪くなった。

⏰:06/06/25 13:54 📱:SH901iS 🆔:m.L9672g


#78 [まみ孑]
主サンのキャラがまみ孑わすきです。
主サンの文才にまみ孑わ憧れます。

⏰:06/06/25 13:57 📱:W41T 🆔:od6cc77s


#79 [正常]
>>78
いや、もう、照れます。
すごく嬉しいです。

⏰:06/06/25 15:09 📱:SH901iS 🆔:m.L9672g


#80 [正常]
しかし、また廃工場に入って、ナタを置きに行くのは面倒である。というか、もうあの中には入りたくない。
僕はバッグからスポーツタオルを取り出した。それをナタに巻いて、バッグの中に入れた。

僕は自転車に乗り、猛スピードで自宅に直行した。

⏰:06/06/25 15:11 📱:SH901iS 🆔:m.L9672g


#81 [リキ]
やっぱこの小説おもしろぃです!!どんどん書いて下さい!!!!楽しみにしてます!

⏰:06/06/25 16:52 📱:SA700iS 🆔:3NKC9OBk


#82 [やぁこ]
このお話面白いです!最初から見てます!照れやな主とのギャップも最高です!
マジでぁんた天才!!ぁんたが大将!頑張って下さい!!!!

⏰:06/06/25 17:36 📱:SH901iS 🆔:jN3AyFts


#83 [リィ]
ウチもズット読んでますゥめッちぁ面白L1そして照れ屋さんな主がマヂナィスやンワラ 応援してるんで頑張ッてくださL1楽しみにしてます

⏰:06/06/25 17:47 📱:N901iS 🆔:imXjP44s


#84 [リキ]
早くッ!!早くッッッッッッッ!!!! (笑"お願いします(◎^ー゚)b

⏰:06/06/25 21:38 📱:SA700iS 🆔:3NKC9OBk


#85 [みー]
ぃっも読んでます☆主サンまぢスキッ♪♪

頑張って下さぃ(*>v<)応援してますッ(>ε<*)

⏰:06/06/25 22:28 📱:W41T 🆔:o5wUl0wE


#86 [正常]
皆様…本当に、本当にありがとうございます…。

涙が出てきました…あまりの嬉しさに…。

そんなことはいいから早く小説書けって感じですよね。ハイッ、スイマセンッ。

⏰:06/06/26 00:20 📱:SH901iS 🆔:SJeJ5xvI


#87 [正常]
その日の翌日。

学校の授業も終わり、僕は部室へと向かった。

昨日の件もあり、先輩と顔を合わせるのが気まずい。
「とりあえずあの先輩とは顔を合わさないようにしよう。」

そう独り言を言って、部室のドアを開けた。

部員は既に何人か来ていて、その中にあの先輩もいた。先輩は、他の先輩達と笑いながら話していた。昨日の先輩とは雰囲気が違っていた。

⏰:06/06/26 00:22 📱:SH901iS 🆔:SJeJ5xvI


#88 [正常]
ちなみに僕の所属する部活は卓球部である。

部員は部室で一旦準備し、必要な物だけ体育館に持って行き、部活を行う。

僕はなるべく早く準備し、体育館に行こうとした。しかし、後ろから誰かに呼び止められた。僕は声の主が誰だか分かったが、反射的に振り向いてしまった。

僕を呼び止めたのは、昨日廃工場にいた、あの先輩だった。

⏰:06/06/26 00:29 📱:SH901iS 🆔:SJeJ5xvI


#89 [正常]
「部活の練習、一緒にやらない?」

先輩が誘ってきた。

もちろん、後輩の僕には拒否権がなく、受け入れることしか道がない。

結局僕は、先輩と顔を合わせっぱなしになるという、一番望んでいない状況に陥った。

⏰:06/06/26 07:21 📱:SH901iS 🆔:SJeJ5xvI


#90 [オレ様]
授業よりこっちに集中してます(◎´∪`)ワラ

⏰:06/06/26 12:36 📱:P901iS 🆔:G16tPdsU


#91 [(・∀・)]
主ガンバれ!!!!楽しみにしとりますo(^-^)o

⏰:06/06/26 21:04 📱:W32SA 🆔:1kR2itiA


#92 [正常]
>>90
>>91

あ、あ、ありがとうございます。

嬉しいです。嬉しすぎて蒸発しそうです。てかもう下半身が蒸発してます。

更新がダラダラと遅いですが許してやって下さい。しかしなるべく早く更新するよう努めます。

⏰:06/06/27 00:36 📱:SH901iS 🆔:bVU5bniQ


#93 [正常]
先輩との会話もなく、ただひたすらボールを打ち続けた。

気まずい空気が、僕に重くのしかかった。しかし時間が経つにつれ、その空気は薄くなり、身体が軽くなった。先輩と打っているのが楽しい、そう感じてきたのだ。

先輩と僕は部活が終了しても練習をやり続けた。

ボールの打球音だけが、体育館中に広がった。

⏰:06/06/27 00:37 📱:SH901iS 🆔:bVU5bniQ


#94 [正常]
二人が部室に戻った時には他の部員は既に帰っていて、部室内には誰もいなかった。

僕と先輩は部室にあるパイプイスに座り、少し休憩することにした。

「わるいね。遅くまで練習を付き合わせちゃって。」
先輩が静かに口を開いた。
「いいえ、気にしないで下さい。」

部活中、あまり喋らなかったから、上手く声を出すのが難しかった。

「それに、楽しかったです。」

僕は付け加えるように言った。

⏰:06/06/27 22:33 📱:SH901iS 🆔:bVU5bniQ


#95 [正常]
「俺も楽しかったよ。」

先輩が僕に微笑んだ。

僕は先輩の笑みを見て、少し顔が熱くなった。先輩から眼を逸らし、スポーツタオルで顔を覆う様にして汗を拭いた。


何だか少し嬉しい気持ちになった。

⏰:06/06/27 22:36 📱:SH901iS 🆔:bVU5bniQ


#96 [正常]
「それはそうと、昨日のことは秘密にしといてほしい。」

先輩のその言葉が、僕の嬉しい気持ちを消した。

僕はタオルをそのまま顔に当てながら、昨日のことを鮮明に思い出した。

先輩は続けて言った。

「いや、別に話してもいいけどさ。どうせ誰も信じないと思うし。けど、変な噂が流れたりすると厄介なんだよ。」


『変な噂が流れると厄介』


先輩にとって昨日の出来事は、その程度に過ぎないらしい。僕は唖然とした。


「はぁ…まぁ…分かりました。」

元から人に話すつもりはなかったが、僕はタオルを顔から離し、返事をした。

⏰:06/06/27 22:41 📱:SH901iS 🆔:bVU5bniQ


#97 [正常]
先輩はパイプイスから立ち上がり、帰る支度を始めた。

僕は先輩に尋ねたいことがあった。しかし、これは尋ねてはいけないことだと思った。

先輩は支度を整え、帰ろうとする。

昨日と同じく、じゃあねと言って先輩はドアに手をかけた。

⏰:06/06/28 00:21 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#98 [正常]
僕は躊躇していたが、先輩を呼び止めた。

「…あの。」

先輩は立ち止まり、振り向く。

「昨日、先輩の手を切ろうとした、柊という男性は何者なんですか?」

僕は先輩に尋ねた。

先輩は少し黙したが、その質問に答えてくれた。

⏰:06/06/28 00:25 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#99 [正常]
「俺の先輩だよ。君がこの高校に入学する前、この部の部長を務めてたんだ。仲が良くて、柊さんが卒業した後も交際を続けていた。」

「そう…だったんですか。」

僕はそう言い、少し俯いた。

「でも、まさか俺の身体が目的だったとは。」

僕を笑わそうとしたのか、先輩はそんなことを言った。

⏰:06/06/28 00:28 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#100 [正常]
しかし僕は無視し、もう一つ先輩に尋ねた。

「もし、柊さんがまた手を狙ってきたら、どうします?」



『いつか絶対…手に入れる』

先輩が去った後、柊が発した言葉。その言葉が脳裏に浮かんだ。

⏰:06/06/28 00:32 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#101 [あお]
ぬしさんガンバって
おもしろいし。気になって一気に読んじゃった

⏰:06/06/28 01:02 📱:N902i 🆔:JjgN.dMY


#102 [かア]
主サンもこの小説もホント大スキですッ(◆b'v`d)+゜主サンのペースで,無理せず頑張ってさぃネ★☆

⏰:06/06/28 01:37 📱:W31K 🆔:14SCb2DY


#103 [正常]
>>101
>>102

恐縮です。とっても恐縮です。
皆様のご声援、本当に嬉しいです。
頑張って書き続けます。これからもご声援お願い致します。

⏰:06/06/28 21:05 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#104 [正常]
「さぁ、どうだろうね。」

先輩は僕から眼を離し、ドアを開けて部室から出た。そして、ドアを閉める時にもう一度僕を見て、こう言った。

「もしかしたら、右手も身体から切り離すかも。」

その時に見せた先輩の笑みは、冷たく無機質なものだった。

⏰:06/06/28 21:06 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#105 [正常]
以来、先輩と僕は急激に仲が良くなった。

部活は一緒に練習し、遅くまで部室に残って話すようにもなった。

前は先輩のことを、名前を付け加えて呼んでいた。けど親しくなってから、名前を付けずただ『先輩』と呼ぶようになった。

もちろんその理由は、最初に記した通りだ。

今思えば、この『異常』な出来事が『先輩』と関係を持つきっかけとなり、全ての『始まり』でもあった。

⏰:06/06/28 21:09 📱:SH901iS 🆔:XJjpwk1k


#106 [聖ナイト]
とても惹かれていく文章ですね〜!続きも楽しみに待っています♪

⏰:06/06/28 21:44 📱:W22SA 🆔:InuDkTtE


#107 [(・∀・)]
主ガンバッ☆☆☆愛しているから早く続きを書いておくれ(笑)

⏰:06/06/28 23:03 📱:W32SA 🆔:ExLfVcQM


#108 [まみーーーーい]
おひさですッ*゚    まあじドキドキ   楽しみにしてゆよお

⏰:06/06/28 23:21 📱:N901iS 🆔:e/YMOcwE


#109 [正常]
>>106
ご感想ありがとうございます。もっと惹かれるような小説にしていきたいと思います。

>>107
私も愛しています。少しネタ考え中なので、小説の更新は明日にさせて頂きます。本当に申し訳ありません。
>>108
ドキドキしてもらえて光栄です。期待に応えられるよう頑張ります。

⏰:06/06/29 20:14 📱:SH901iS 🆔:wWWGi3No


#110 [我輩は匿名である]
上げ

⏰:06/06/30 01:03 📱:D901i 🆔:vs9SDQ8o


#111 [正常]
【血】
「知らない子供から血をねだられた。」

部活が終わり、部室で先輩と二人でゆっくりしていたら、先輩がいきなり言い出した。

あまりにも唐突だったため「はぁ…。」 と、中途半端な返事をしてしまった。

⏰:06/06/30 19:33 📱:SH901iS 🆔:csYLn/BY


#112 [正常]
先輩がその事について詳しく説明してくれた。

「学校と自宅を行き来する時に、ある公園を見掛けるんだけど、昨日の下校途中、その公園内をたまたま見てみたら変わった少女が独りでブランコに乗っていたんでね。俺は公園付近にバイクを停めて、しばらくの間その少女を観察することにしたんだよ。」

それを聞いて僕は『はたから見れば変態ですよ』と、口にはしなかったが思った。

⏰:06/06/30 19:37 📱:SH901iS 🆔:csYLn/BY


#113 [正常]
先輩は話を続ける。

「そうしていると、その少女が俺に気付き、ブランコから降りて近付いて来た。そして彼女は俺にこう言ったのさ、
『血ぃ、ちょうだい』ってね。」

「それ…作り話ですか?」

僕は顔を引き攣りながら訊いてみた。

「作り話なら、もう少しマシな話を作るよ。」

先輩はニッコリと笑った。

⏰:06/06/30 19:40 📱:SH901iS 🆔:csYLn/BY


#114 [正常]
「…で、先輩はその子に血をあげたんですか?」

僕が尋ねると、先輩は顔を横に振った。

「いいや、断ったよ。さすがに初対面の人に血を分けてあげる程、お人好しではないんでね。」

「それでは、初対面じゃない人には血をあげるんですね?」

僕が尋ねると、先輩は顔を縦に頷き「もちろん。」と答えた。

⏰:06/06/30 20:10 📱:SH901iS 🆔:csYLn/BY


#115 [正常]
「だから…。」

先輩はそう言うと、リュックを持ってパイプイスから立ち上がり、部室のドアを開けた。

「もう初対面ではないその少女に会って、血を分けてあげようと思う。」

先輩はクルッと僕の方を向いて、微笑みながら言った。

「どう?一緒に来る?」


僕は真実を知るため、先輩の誘いにのった。

⏰:06/06/30 20:12 📱:SH901iS 🆔:csYLn/BY


#116 [し]
かなりぉもしろぃこの小説大好きです主さんのペースで頑張ってくださぃ

⏰:06/06/30 23:21 📱:N902i 🆔:u6..apuI


#117 [みんみんシ]
この小説ほんまオモロイ(シ0Д<`)-☆!!
主サン更新大変やと思うけど頑張って下さい(ノ∀`イ)
陰ながら応援してます(0`∨´0)~

⏰:06/07/01 23:56 📱:W41CA 🆔:bcGPldB6


#118 [すい]
すごくおもしろいです次どーなるのか、まじドキドキ主様のペースで最後まで頑張って下さい

⏰:06/07/02 03:59 📱:F902i 🆔:yAPi/t.k


#119 [正常]
>>116
>>117
>>118

恐縮です。本当に恐縮です。
更新、なるべく早く頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。

⏰:06/07/02 12:36 📱:SH901iS 🆔:XIo18nQg


#120 [正常]
先輩は酷い。

僕はその公園の場所を知らない。

だから先輩の後を付いて行かなくてはならない。

しかし先輩はバイク。

僕は自転車。

しかも容赦なくバイクのスピードを上げて走る先輩。

それを必死に自転車で追う僕。

公園前に着いた時には、死ぬのではないかと思うくらい息をあげていた。

⏰:06/07/02 12:37 📱:SH901iS 🆔:XIo18nQg


#121 [正常]
「せ…先輩…ぼ、ぼ僕を…コロ…殺す気…ですね…。」

肩で呼吸しながら、やっとのことで出した言葉は自分でも何を言っているのか解らなかった。

「ごめん。面白くて、つい。」

バイクから降り、ヘルメットを外しながら平然と言う先輩を、心から殴りたいと思った。

⏰:06/07/02 13:09 📱:SH901iS 🆔:XIo18nQg


#122 [いかりんぐ]
おもしろいし読みやす。頑張って下さい。最後まで書き終えて下さいね。

ちと失礼

>>1-70
>>71-140
>>141-210
>>211-280
>>281-350
>>351-420
>>421-490
>>491-560
>>561-630
>>631-700
>>701-770
>>771-840
>>841-910
>>911-980
>>981-1000

⏰:06/07/02 14:34 📱:W31S 🆔:idXyNQ32


#123 [正常]
>>122

読みやすくするためにアンカーを付けて下さり、ありがとうございます。しかも1〜1000を調度良い間隔で付けて下さるとは…。嬉しい限りです。

⏰:06/07/02 19:34 📱:SH901iS 🆔:XIo18nQg


#124 [正常]
息もだいぶ落ち着いてきた僕は、公園に入ろうとする先輩の後を付いて行った。

公園内をしばらく歩くと先輩が足を止めて、指をある方向に差し、こう口にした。

「あの子が例の少女さ。」

僕は先輩の指差す方向にゆっくりと眼をやった。

⏰:06/07/02 19:35 📱:SH901iS 🆔:XIo18nQg


#125 [正常]
顔を俯きながら、錆びているブランコに乗っている小さな少女が、そこにいた。

腰くらいまである白い髪。模様も何も無い白いワンピース。透き通るような白い肌。

それらの白さは、薄暗い夕闇の中でより一層映えていた。

「あんなにも白い人、初めて見ました。」

僕は眼を丸くしながら先輩に言った。

「だから言っただろ。『変わってる少女』だって。」

先輩は僕の反応を面白がるように笑った。

⏰:06/07/02 20:01 📱:SH901iS 🆔:XIo18nQg


#126 [正常]
僕は最初、髪の色と肌の色から、この子は外国人だと思っていた。しかし、長くて白い髪から覗かせる少女の奇麗な顔立ちは、紛れも無く東洋系だった。

少女はブランコから降り、少しずつこちらに近付いてきた。

僕は何となく気味が悪くなり、少し後ずさる。

先輩はその子が来るのを待つかのように、じっと立っている。

少女が先輩の前まで来て、静かに立ち止まった。

⏰:06/07/02 21:29 📱:SH901iS 🆔:XIo18nQg


#127 [先輩]
近くから見ると、少女は実に小さかった。年齢は、おそらく9〜10歳くらい。先輩の腰位までしか身長がなく、ちょっと押したら壊れてしまうような体つきだった。

少女は先輩をじっと見つめ、こう言った。

「血ぃ、ちょうだい。」

その幼い声はとても小さく、とても切なく、それでいて、とても美しかった。

「うん、いいよ。」

先輩が優しい声で返事をした。

⏰:06/07/02 23:40 📱:SH901iS 🆔:XIo18nQg


#128 [正常]
僕はこの時、ある疑問が浮かび上がった。一体、先輩はどうやって少女に血をあげるのだろうか、と。

注射器で先輩の血を抜いて、少女にそれをあげるのだろうか。それとも、刃物で先輩の皮膚を切り、その切り口から出た血を、少女に舐めさせるのだろうか。

後者なら面白いのに、とか思いながら先輩の行動を窺った。

⏰:06/07/03 05:44 📱:SH901iS 🆔:n.xtjcQ6


#129 [みんみんシ]
あげますeイ
まぢ楽しいんで主サン書くの頑張って

⏰:06/07/04 16:50 📱:W41CA 🆔:0vHalfsY


#130 [いかりんぐ]
アンカーは自分がこの小説を読みたいからですよ。是非頑張って下さい。

⏰:06/07/04 17:47 📱:W31S 🆔:vcjRvxcI


#131 [正常]
>>129
>>130

ご声援ありがとうございます。皆さんがこの小説ともいえない小説を読んでくれていると思うと、胸が弾みます。今も胸が弾んでいて、大変騒がしいです。

僅かながら更新します。

⏰:06/07/04 22:30 📱:SH901iS 🆔:cok1t/fs


#132 [正常]
先輩はおもむろに上着の学生服を脱ぎ出した。ワイシャツ姿となった先輩はその場で立ち膝をし、目線を少女と同じ高さに合わせた。

少女は先輩との距離を徐々に狭め、白い両腕を先輩の首にそっと巻き付けた。

⏰:06/07/04 22:31 📱:SH901iS 🆔:cok1t/fs


#133 [正常]
ああ…、なるほど。

僕は呆れた。注射器や刃物などを使わずに、血を与える方法があったではないか。そして今、少女はその画期的な方法を行った。

少女は小さい口を開け、先輩の首筋に噛み付いたのだ。

⏰:06/07/04 22:36 📱:SH901iS 🆔:cok1t/fs


#134 [正常]
先輩は痛みを感じないのだろうか。少女に噛み付かれても、ピクリと動かない。

身を乗り出すように先輩に寄り掛かり、ひたすら首筋を噛み付く少女。

けど、彼女の顎の力で先輩の皮膚を噛みちぎり、出血させることが出来るのだろうか。

そんなことを考えていたが、どうやら要らん心配の様だ。

⏰:06/07/06 00:20 📱:SH901iS 🆔:5ymzUJyA


#135 [正常]
少女が先輩の首筋から口を離した時に、血液が滲み出ていた。意外と顎の力はあるらしい。

そして血液が滲み出ている傷口を、子猫がミルクを飲むかのようにペロペロと舐め始めたのだ。

⏰:06/07/06 00:23 📱:SH901iS 🆔:5ymzUJyA


#136 [ちゅん]
めっちゃ気になる  明日またきまぁす

⏰:06/07/06 01:23 📱:N902i 🆔:slIqj4TI


#137 [☆MIKU☆]
主様やばい     超続きが気になっちゃう今までにたくさん小説読んできたけれど、主様の小説プロ並みにおもしろい大ファンになりました

⏰:06/07/06 11:35 📱:N901iC 🆔:3Si7RkQQ


#138 [正常]
>>136
>>137

いや、あの、本当に嬉しいです。嬉しすぎて謝りたいです。スミマセン。
おかげでテンションがかなり高くなりました。遅くなりましたが、更新させて頂きます。

⏰:06/07/06 23:52 📱:SH901iS 🆔:5ymzUJyA


#139 [正常]
僕はその光景を見るのが恥ずかしく思えた。

何と言うか………卑猥だ。

けど、そう思っていても、その様子を観察する自分がいた。

⏰:06/07/06 23:52 📱:SH901iS 🆔:5ymzUJyA


#140 [正常]
少女はじれったくなってきたのだろうか、次第に『舐める』というより、傷口を口に含み『しゃぶりつく』ようになっていた。

しばらくして、少女に血液を吸われるがままに吸われていた先輩が口を開いた。

「あー、そうだ。言い忘れたことがあった。」

先輩の言葉に関心が無く、夢中に首筋を口にくわえる少女。

一方、僕は先輩の言葉に耳を傾けた。

⏰:06/07/06 23:57 📱:SH901iS 🆔:5ymzUJyA


#141 [正常]
「俺の血なんて、いくらでもあげるよ。けど…」

そう言い掛けたまま、先輩は少女を包むように抱きしめた。

そして、冷静な声で『言い忘れたこと』を、言った。

「それなりの代価を、俺も貰うね。」





代価?
先輩の血の代価になるもの。それは一体何なんだろうか。
少し考えたが、先輩の起こした行動を見て、その答えが解決された。

⏰:06/07/07 00:01 📱:SH901iS 🆔:pD0NEsxM


#142 [正常]
先輩が少女の後ろから白い髪の毛を寄せると、白くて細い首筋が現れた。

途端に、先輩はその首筋に口を近づけ、噛み付いたのである。

先輩の血の代価になるもの。それは少女の血であった。

⏰:06/07/07 00:05 📱:SH901iS 🆔:pD0NEsxM


#143 [我輩は匿名である]
乙一のGOTHの主人公に先輩がそっくりな気が…。
主は乙一ファンですか?荒らしじゃないですソ

⏰:06/07/07 00:56 📱:W41H 🆔:p7kH69eY


#144 [☆MIKU☆]
気になってまた見に来ちゃいましたやっぱりおもしろぃ昨日書き込みした後も続きが気になって、更新してないか何回も調べに来ちゃいましたこれから毎日ココ通っちゃう主様更新頑張ってお願いします

⏰:06/07/07 05:54 📱:N901iC 🆔:sBY3/6yo


#145 [正常]
>>143

あなたにはケータイを通して人の心を読む能力でもあるんですか?
はい。全くもってその通りです。しかし、ファンではなく崇拝者です。
この小説、大先生の『GOTH』を参考にして頂きました。
なるべく先輩の性格を神山樹より楽観的に書こうと思ったのですが…どうやら被ってしまったようですね。

このままだとパクりですね。ヤバイですね。崇拝者失格ですね。

謝罪します。パクるつもりは無かったんです。
申し訳ありませんでし%

⏰:06/07/07 06:13 📱:SH901iS 🆔:pD0NEsxM


#146 [☆MIKU☆]
↑そうだったとしても続きがカナリ気になります主様、どうか更新をやめないで

⏰:06/07/07 06:24 📱:N901iC 🆔:sBY3/6yo


#147 [正常]
>>144

最高に嬉しくなる感想、ありがとうございます。私は幸せです。
なるべく毎日更新するように努力したいと思います。
本当に感謝です。

⏰:06/07/07 06:26 📱:SH901iS 🆔:pD0NEsxM


#148 [☆MIKU☆]
★MIKU★の方こそリアルタイムで主様と接触できて良かった応援するカラぜひ完結まで頑張ってくださいネッ

⏰:06/07/07 06:30 📱:N901iC 🆔:sBY3/6yo


#149 [正常]
>>146
そう言ってもらえると、気が楽になります。

⏰:06/07/07 06:31 📱:SH901iS 🆔:pD0NEsxM


#150 [正常]
>>148
ネタが尽きなかったら、最後まで書きます。
ご声援ありがとうございます。

⏰:06/07/07 06:33 📱:SH901iS 🆔:pD0NEsxM


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