strip
最新 最初 🆕
#301 []
頑張って

⏰:07/02/16 19:15 📱:P902i 🆔:☆☆☆


#302 [あさ]
この小説好きだわ

⏰:07/02/16 22:00 📱:P902i 🆔:☆☆☆


#303 [can]
 
>>301
>>302
ありがとう
今から書くね

⏰:07/02/16 22:35 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#304 [can]
 
―――

何も変わらない
いつものショー。

それを終えて
舞台袖に行くと
あの子がいた。

莉奈『あ、久しぶり!』

自然と笑顔になった。

ボーイ『久しぶりです』

あの新人のボーイも
照れ臭そうに笑った。

⏰:07/02/16 22:44 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#305 [can]
 
莉奈『どう?慣れた?』

わざとらしく
肩をボーイに見せた。

ボーイ『いや…ちょっと…
まだ慣れてないんで…』

莉奈『アハハッ!あんた
可愛いね〜。名前は?』

ボーイ『司です』

⏰:07/02/16 22:45 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#306 [can]
 
莉奈『司か…まだ裸とか
慣れないの?』

司『はい。
莉奈サンとか特に…』

莉奈『アハハハハッ!
あんた面白いね〜
私の癒し係だわ』

⏰:07/02/16 22:49 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#307 [can]
 
司『え?癒し?』

焦っている司が
可愛かった。

魔法を使ったみたいに
思えた。

可愛い弟ができたみたいで
私は司といると
自然な笑顔を
浮かべる事もできた。

⏰:07/02/16 22:54 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#308 [can]
 
楽屋までの道のりが
楽しくて仕方ない。

司をからかうと
期待通りの反応で
照れている。

母性本能って言うのかな?

顔とは真逆なその
奥手な性格に
私は癒された。

⏰:07/02/16 22:55 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#309 [can]
 
―――

季節が変わった。

何も変わらない。

充実してると言ったら
嘘になる。

だけど充実してない
わけではない。

何とも言えない日々を
送っていた。

⏰:07/02/16 22:57 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#310 [can]
 
お蔭さまで
私は沢山のショーに
出させてもらっている。

亜由美も夏美さんも
私と同じで
ショーの登場回数も増えた。

だからと言って
忙しい訳でもなく
…本当、平凡な毎日。

⏰:07/02/16 22:58 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#311 [can]
 
ある日
テレビから流れる言葉に
頭を抱えた。

『あなたの夢は
何ですか?』

…夢?

夢かぁ。

夢は…ない。

何の目標もない私。

今に満足している。

⏰:07/02/16 23:02 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#312 [can]
 
私には
悩む脳が無いのか…
考え事が嫌い。

何か壁にぶち当たると
私は決まって
亜由美か夏美サンか司に
相談する。

その日は
夏美サンに相談した。

莉奈『夏美サンは
夢ってあります?』

⏰:07/02/16 23:03 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#313 [can]
 
夏美サンの部屋に行くなり
私は問い掛けた。

夏美『はい?
いきなり何?』

莉奈『だから〜
夏美サンの将来の夢!』

夏美『何で聞きたいの?』

莉奈『私には
夢がないから…
皆はあるのかな?って』

⏰:07/02/16 23:04 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#314 [can]
 
夏美『…夢かぁ。
私はあるよ!
でも私の夢は叶わない
かもしれないけどね』

眉を下げて
苦笑いした夏美サン。

莉奈『え?』

夏美『恥ずかしいけど
私ね子供好きなの』

莉奈『子供?』

⏰:07/02/16 23:09 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#315 [can]
 
夏美『保育士とかに
なれたらな〜…なんて
淡い夢だけどね』

莉奈『…素敵ですね』

私は普通に感動した。

夏美『でも無理でしょ!
職歴はストリッパーだなんて』

莉奈『秘密にすれば
いいじゃないですか』

⏰:07/02/16 23:10 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#316 [can]
 
夏美『ん〜…そうだけど
いずれバレちゃいそうだし
…専門学校とか
この歳で通うのもって
感じじゃない?』

莉奈『そんな事ない!
大丈夫ですよ』

夏美『…そうかな?』

自信なさげに
夏美サンは呟く。

⏰:07/02/16 23:12 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#317 [can]
 
莉奈『夢があるって
素敵じゃないですか!
尊敬しますよ』

夏美『うん…ありがと。
でもこの仕事から
保育士なんかになるには
金銭感覚も急に
変えないといけない
だろうから、きっと
大変だよね』

⏰:07/02/16 23:14 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#318 [can]
 
莉奈『確かにそれは…
貯金してるんですか?』

夏美『してるよ。
学校に通うお金とか』

莉奈『ほんと夏美サンって
すごいですね〜』

夏美『莉奈も
自然と夢が見つかる日が
来るから焦らないで
今を楽しみなよ?』

⏰:07/02/16 23:15 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#319 [can]
 
そう言ってくれた
夏美サンは
すごく素敵だった。

キラキラと輝いてるみたい。

夏美サンのような
夢を持った人になりたい。

この日
そんな夢を抱いた。

⏰:07/02/16 23:16 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#320 [can]
 
きっと
こんな仕事は
偏見ばかりだろう。

だけど需要があるから
私達は成り立つ。

こんな仕事だから
保育士は無理。

…そんな訳ない。

誰にでもチャンスは
絶対にある。

それを夏美サンから
学んだ気がする。

⏰:07/02/16 23:18 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#321 [can]
 
―――

もぅ
夢とか希望とか
無理に考えない事にした。

亜由美もまだ夢は
無いって言ってたから。

何だか仲間がいて
余計に気が楽になった。

⏰:07/02/16 23:21 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#322 [can]
 
時間は過ぎてく。

また季節が変わろうと
していた。

亜由美『莉奈も
せっかくだし行かない?』

莉奈『ん〜…どうしよ』

亜由美『たまには
いいじゃんか!?』

莉奈『ん…』

亜由美の強引さには
勝てなかった。

⏰:07/02/17 09:24 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#323 [can]
 
莉奈『少しだけなら…』

亜由美『本当?』

亜由美は嬉しそうに
目を輝かせた。

莉奈『うん』

不安だったけど
私はコクッと頷いた。

亜由美『やったー!
ありがとう!
莉奈と行くなんて
何年ぶりだろ〜』

⏰:07/02/17 09:26 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#324 [can]
 
莉奈『風俗以来かな』

亜由美『そうだね〜。
よし!早く着替えよ』

莉奈『うん』

…本当に久しぶりだな。

二、三回しか
行った事がないもん。

どんな服を
着ればいいのか
わからないぐらい
久しぶり。

⏰:07/02/17 09:29 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#325 [can]
 
亜由美『ねえ莉奈?』

莉奈『ん?』

亜由美『せっかく行くって
決めてくれたのに
こんな事聞くの悪い
かもしれないけどさ…
何で行く気になったの?』

莉奈『ん〜…気分かな。
最近エッチしてないし』

⏰:07/02/17 09:34 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#326 [can]
 
そう。

…気分。

亜由美『そっか〜。
それでも嬉しいよ!
久しぶりに裕也クン
見てね?かなり男前に
なってるんだよ』

莉奈『裕也クンと
まだ繋がってたんだ』

亜由美『当たり前じゃん』

⏰:07/02/17 09:36 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#327 [can]
 
綺麗に着飾った亜由美は
可愛く笑った。

莉奈『アハハッ!
さすが亜由美だね』

亜由美の笑顔につられて
私も笑った。

そして
二人は出掛けた。

…久しぶりの
乱交パーティーに。

⏰:07/02/17 09:40 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#328 [can]
 
亜由美『ゴム買ってこ』

莉奈『うん』

二人はコンビニに寄った。

まだ少し乗り気じゃない
私をよそに亜由美は
鼻歌を歌いながら
コンドームを選んでいた。

亜由美『コレにしよ〜っと。
莉奈はどれにする?』

⏰:07/02/17 09:41 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#329 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-351

⏰:07/02/17 13:46 📱:W43H 🆔:☆☆☆


#330 [can]
 
>>329どうも
 

⏰:07/02/17 22:07 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#331 [can]
 
莉奈『私も亜由美と
同じのでいいや』

亜由美と同じコンドームを
手に取った。

莉奈『ジュースも〜』

楽しそうに
飲み物売り場の所に
歩いていく亜由美。

私はトボトボと
亜由美に付いて行く。

⏰:07/02/17 22:10 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#332 [can]
 
亜由美『あれ〜!?
奇遇だねー』

亜由美の声が聞こえた。

品物の棚が高くて
誰と話しているか
見えない。

ゆっくり足を進めて
角を曲がる。

飲み物が並ぶ冷蔵庫前に
亜由美と男の子が
話しているのが見えた。

⏰:07/02/17 22:15 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#333 [can]
 
『あ、莉奈さん!』

…え?

聞き慣れたあの声。

見慣れたあの顔。

莉奈『…司?』

⏰:07/02/17 22:21 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#334 [can]
 
司『こんばんは!』

初めて見る私服姿。

すごく驚いた。

いつもの制服と
全然違う雰囲気だから
別人にあったみたい。

だけど笑顔は
いつもの笑顔。

莉奈『奇遇だね…』

⏰:07/02/17 22:24 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#335 [can]
 
少し戸惑いながらも
話しかけた。

司『二人とも今から
お出かけですかー?
綺麗な服ですね』

亜由美『ちょっと
パーティーにね』

司『パーティー?
すごいな!』

亜由美『別にすごく
ないよ?乱パだもん』

⏰:07/02/17 22:27 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#336 [can]
 
莉奈『あ…』

司『らん…ぱ?』

司は意味がわからない
と言う顔をしている。

莉奈『違うの…えっと…』

いいわけしようと
思ったけど
すでに遅かった。

亜由美『乱交パーティー。
ほら!準備万端っしょ?』

⏰:07/02/17 22:30 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#337 [can]
 
そう言って亜由美は
手に持っていた
コンドームの箱を
司に見せ付けた。

司『あ…えっと…
楽しんでくださいね』

少し気まずそうに
笑った司。

亜由美『うん!』

⏰:07/02/17 22:32 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#338 [can]
 
亜由美はニコッと笑った後
ジュースを選び始めた。

司の方をチラッと見ると
目が合った。

反らす事ができなくて
数秒間は目が合ったまま。

乱パなんて
本当は行きたくないの。

そんな気持ちを
沈黙の会話として
伝えたかった。

⏰:07/02/17 22:34 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#339 [can]
 
司には
この気持ち届いたかな?

どうしてだろう。

司に知られるのが
嫌だった。

どうしてだろう。

司の事が好きだとか
そういうんじゃないのに
すごく嫌。

どうしてなのかな…

⏰:07/02/17 22:35 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#340 [can]
 
亜由美『莉奈は?』

亜由美の明るい声で
二人は目を反らした。

莉奈『え?あ…紅茶
取ってくれる?』

亜由美『は〜い』

亜由美にジュースを
取ってもらい
コンドームとジュースを
手に持ってレジに向かう。

⏰:07/02/17 22:37 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#341 [can]
 
亜由美『つかっちゃん!
私おごったげるから
持ってきなよ』

レジ近くで亜由美が
司に向かって叫んだ。

司『え?いいっすよ』

亜由美『早く持ってこい』

司『…いいんですか?
ありがとうございます』

⏰:07/02/17 22:39 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#342 [can]
 
司は亜由美の方に
近寄って行った。

ジュースやガムなどが
レジ台に置かれた。

亜由美が司の分を
支払う。

司『亜由美サン…
本当にいいんですか?』

亜由美『いいよ〜
今日は気分いいしね』

⏰:07/02/17 22:40 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#343 [can]
 
司『…パーティーだから
ですか!?』

亜由美『うん』

亜由美と司が
楽しそうに話していた。

そして私も亜由美も
支払いが終わって
店の外に出た。

⏰:07/02/17 22:43 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#344 [can]
 
司『それじゃあ
楽しんできて下さいね』

亜由美『うん!
つかっちゃんは原付き?』

司『はい。本当
おごっちゃってもらって
ありがとうございました』

亜由美『はいよ〜
気をつけてね』

⏰:07/02/17 22:48 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#345 [can]
 
莉奈『気をつけてね。
バイバイ』

亜由美『バイバイ』

司『お疲れ様です!
さようなら!』

司は原付きを乗って
去って行った。

莉奈『ハァ…』

溜め息がこぼれた。

亜由美『莉奈?』

莉奈『ん?』

⏰:07/02/17 22:52 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#346 [can]
 
亜由美はさっきまでの
明るい声じゃない。

亜由美『莉奈さぁ…
つかっちゃんの事
好きなの?』

心臓がドキッとした。

莉奈『え?何それ』

亜由美『好きなの?』

莉奈『好きなわけないよ』

⏰:07/02/17 22:57 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#347 [我輩は匿名である]
>>300-350

⏰:07/02/17 23:29 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#348 [あさ]
最新されてる
頑張って(〇*>UO)b+*★

⏰:07/02/18 08:40 📱:P902i 🆔:☆☆☆


#349 [can]
 
>>347どうも
>>348頑張ります
 

⏰:07/02/18 12:34 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#350 [can]
 
亜由美『素直になれば?』

亜由美は真面目な顔を
している。

莉奈『何言ってんの?
亜由美らしくないよ!
早く行こう』

気持ちを掻き消す様に
私は亜由美の腕を
引っ張りながら
足を進めた。

⏰:07/02/18 12:38 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#351 [can]
 
亜由美『莉奈…』

亜由美は
複雑そうな顔をしている。

亜由美『つかっちゃんの事
好きだったんなら謝るよ。
ごめんね?
つかっちゃんの前で
乱パ行くって
騒いじゃって…ごめん』

⏰:07/02/18 12:41 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#352 [can]
 
莉奈『だから〜
好きじゃないの!!
謝らないでよ』

莉奈は笑った。

亜由美『…本当?』

莉奈『うん。
年上好きの私が司の事を
好きになると思う?』

亜由美『…そっか』

私が笑うと
亜由美も笑った。

⏰:07/02/18 12:43 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#353 [can]
 
私が弁解すると
亜由美は安心したように
また笑いながら
色んな話をしてくれた。

亜由美が
心配しているような事は
ないんだ。

私が司を
好きになるはずなんて
きっとないんだ。

⏰:07/02/18 12:45 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#354 [can]
 
私達は
パーティー会場に
足を早めた。

―――

♪〜…

トランス音が流れる会場。

昔来た時は
R&Bが流れていた会場
だったから
すごく印象が違って
びっくりした。

⏰:07/02/18 12:47 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#355 [can]
 
莉奈『うるさい…』

そう呟いたけど
誰も聞こえる訳がない。

ついつい
嫌な顔になってしまう。

亜由美に手を引かれて
音量がマシな所に
連れて行かれた。

⏰:07/02/18 12:49 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#356 [can]
 
亜由美『ここなら
声が聞こえるね』

そう言った亜由美は
叫ぶように話してた。

私はコクッっ頷いた。

亜由美『でもやっぱ
うるさいね〜!』

私はまた頷いた。

声を出す気にもならない。

⏰:07/02/18 12:50 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#357 [can]
 
私は鞄から携帯電話を
取り出した。

莉奈【何か雰囲気
変わったね】

そう画面に打って
亜由美に見せた。

亜由美も同じように
携帯電話に文字を
打ち始めた。

亜由美【ここ最近は
ずっとこうなんだよ】

⏰:07/02/18 12:51 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#358 [can]
 
莉奈【そっか。
昔の方が私は好きだった】

亜由美は
困ったように笑った。

亜由美【言うの
忘れてた。ごめんね】

莉奈【別にいいよ!
裕也クンは来てる?】

亜由美【まだみたい】

⏰:07/02/18 12:54 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#359 [can]
 
少しやり取りしていると
亜由美の携帯電話が
鳴った。

メールが来たらしく
亜由美は画面を
見つめて少し笑った。

そして画面を
私に向けた。

送信主は裕也からだった。

裕也【外出て来て】

⏰:07/02/18 22:29 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#360 [can]
 
亜由美に目を向けると
外に出ようと
指で示した。

私は頷き、
二人は店の外に出た。

外は寒かった。

中とは全く違う静けさ。

辺りを見渡すと
駐車場辺りに
人影が見えた。

莉奈『あれ裕也クン達?』

⏰:07/02/18 22:33 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#361 [can]
 
亜由美『あ!きっとそう。
友達と一緒だって
言ってたから
隣にいるのはたぶん
剛クンだよ』

莉奈『剛クン?
聞いた事ある名前だな』

亜由美『え?そうなの?
私も会うの初めてなんだ』

⏰:07/02/18 22:35 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#362 [can]
 
>>361訂正

×私も会うの
〇私は会うの

失礼しました〜

⏰:07/02/18 22:37 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#363 [can]
 
莉奈『わかんないけど…
とりあえず裕也クンの所に
行ってみよっか』

亜由美『うん』

さっきまでの
司へのモヤモヤした気持ちは
忘れていた。

昔からの友達に会う時の
ワクワクした気持ちに
占領されていたからかな。

⏰:07/02/18 22:38 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#364 [can]
 
裕也クンとは
寝た事はないけど
中身はいい子。

ノリもよくって
顔も整っている。

面食いの亜由美が
ハマるのも
訳ないなって思う。

亜由美『裕也クン!』

亜由美が呼ぶと
裕也クンと剛と言う男は
こっちに歩いてきた。

⏰:07/02/18 22:41 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#365 [can]
 
裕也『亜由美〜!
腹減った〜』

亜由美『は?いきなり?』

裕也『焼肉おごって』

亜由美『厚かましいな〜』

二人は笑い合いながら
楽しそうに話してる。

⏰:07/02/18 22:44 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#366 [can]
 
剛の方をチラッと見た。

剛は亜由美と裕也の
やり取りを
見て笑っていた。

裕也とは正反対。

落ち着いた雰囲気で
乱パなんて
参加しそうじゃないのに…

⏰:07/02/18 22:44 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#367 [can]
 
裕也『つーか!
莉奈チャン久しぶり〜』

莉奈『え?あ!
久しぶりだね』

裕也『珍しいね!』

莉奈『そういう気分
だったの〜』

裕也『アハハッ!
莉奈チャンみたいな奴
ここにもいるよ』

そう言って剛を指さした。

⏰:07/02/18 22:49 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#368 [can]
 
裕也『亜由美には
メールで言っただろ?』

亜由美『うん。
剛クンだよね!?』

剛『うん。よろしくね』

亜由美『よろしく〜』

莉奈『よろしくね』

紹介やちょっとした話が
終わって裕也クンが
店に戻ろうと言った。

⏰:07/02/18 22:51 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#369 [can]
 
そしてまた
あのうるさい店に入った。

急に
また機嫌が悪くなるのが
自分でもわかった。

…うるさい。

そんな時
手に持っていた
携帯電話が震えた。

画面を見ると
【司】の文字があった。

⏰:07/02/18 22:53 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#370 [can]
 
…何だろ?

亜由美と裕也クンは
ホールに立って踊っている。

亜由美には何も言わず
少し複雑な気持ちで
私は店の外に出た。

また外の静けさに
驚かされる。

フゥと溜め息をつき、
私は電話に出た。

⏰:07/02/18 22:56 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#371 [can]
 
莉奈『はい』

司『パーティー中
ごめんなさい。
今、大丈夫ですか?』

莉奈『うん。店の外に
出て来たから』

司『すみません。
…どうですか?
楽しんでます?』

莉奈『トランスがうるさくて
疲れちゃうよ』

⏰:07/02/18 22:57 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#372 [can]
 
司『そうなんですか』

莉奈『うん。
…で、どうしたの?』

司『え!?あの…
えーっとですね』

…わかりやすいな。

焦りすぎだよ。

莉奈『まさか…
心配してくれてんの?』

⏰:07/02/18 22:59 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#373 [can]
 
自意識過剰な言葉を
無意識に言ってしまった。

司『え?』

司も驚いていたみたい。

莉奈『あ…別に』

撤回しようとしたけど
司は私の言葉を遮った。

司『そうです。
何か…すごく心配で』

⏰:07/02/18 23:01 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#374 [can]
 
莉奈『そっか…
ありがとね。
でも大丈夫だよ』

司『何かテンション低いし
笑顔引きつってたし…
体調悪いなら無理しないで
帰って下さいね!?』

莉奈『アハッ…うん』

司『それだけです。
じゃあまた…』

⏰:07/02/18 23:03 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#375 [can]
 
莉奈『ありがとね』

そして電話を切った。

司の言葉が嬉しかった。

一人でも
私の事を心配してくれる
男がいたなんて…

司の優しさが
すごく嬉しかった。

⏰:07/02/18 23:04 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#376 [can]
 
静かな店の外は
少し寒かった。

シーンっとした外に
急に低い声が響いた。

『電話終わった?』

びっくりして振り返ると
剛クンが地面に
腰を降ろしていた。

莉奈『剛クン…
びっくりした〜!』

⏰:07/02/18 23:06 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#377 [can]
 
剛『俺もトランス苦手なんだ』

莉奈『…盗み聞き?』

私は怒ったフリをした。

剛『アハハッ。ごめんね』

だけど剛には
笑って交わされた。

莉奈『別にいいけど…
剛クンも苦手なんだね』

⏰:07/02/18 23:08 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#378 [can]
 
剛『剛でいいよ。
莉奈って呼ぶからね』

莉奈『うん…わかった』

剛『隣座りなよ。
見下ろされてると
何か嫌だから』

莉奈『…自己中!』

そう言いながらも
私は剛の隣に座った。

⏰:07/02/18 23:10 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#379 [can]
 
剛『俺さぁ
普段こんな所に
滅多に来ないんだよ。
何かめんどくさいじゃん』

莉奈『私もだよ!?
今日はたまたま…
亜由美と裕也クンは
しょっちゅうらしいけど』

⏰:07/02/18 23:11 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#380 [can]
 
それからしばらく
話に華が咲いて
夢中に話した。

剛は一つ年上で
彼女はいないらしい。

私の仕事に対しては
偉いねって褒めてくれた。

剛はいい人だった。

⏰:07/02/18 23:13 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#381 [can]
 
♪〜…

携帯電話が鳴った。

亜由美からのメールだった。

亜由美【どこにいるの?】

莉奈『亜由美からだ。
そろそろ中戻ろう』

苦笑いすると剛も
苦笑いしながら頷いた。

⏰:07/02/18 23:15 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#382 [can]
 
私は立ち上がり
店に入ろうとした。

剛『待って!』

莉奈『ん?』

剛が私を呼び止めた。

剛『連絡先教えて?』

莉奈『あ…うん』

剛『今度二人で
会わない?』

莉奈『…いいよ』

⏰:07/02/18 23:16 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#383 [can]
 
そして
連絡先を交換した。

莉奈『入ろっか』

扉を開けようとする私に
剛は眉を下げて
笑いながらこう言った。

剛『帰るわ…
もうトランス無理だし…』

莉奈『え!?マジ?』

剛『悪いけど裕也に
言っといてくんない?』

⏰:07/02/18 23:18 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#384 [can]
 
莉奈『…うん』

剛『じゃあまたな!』

そう言って剛は
駐車場の方に
歩き去って行った。

私は仲間がいなくなった
気分で仕方なかった。

扉を開けて店に入る。

トランスに耳を壊されながら
亜由美のいる所に
戻った。

⏰:07/02/18 23:19 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#385 [can]
 
莉奈【ごめん。
外にいた。剛は帰った。
裕也クンに伝えて】

また携帯電話の画面での
会話が始まった。

亜由美【了解】

―――

しばらくして
亜由美が画面を
見せてきた。

⏰:07/02/18 23:29 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#386 [can]
 
亜由美【酒が回って
きたみたいだから
私と裕也クンは
部屋に向かうね】

部屋とはSEXをする為に
設けられている所。

莉奈【うん】

亜由美と裕也クンは
カップルみたいに
仲良く手を繋ぎながら
行ってしまった。

⏰:07/02/18 23:31 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#387 [can]
 
一人ぼっちになると
すぐに男が
近寄って来た。

ヤろう。

口の動きで
そう言ったのが
わかった。

首を横に振ると
男はすぐに
どこかに行った。

乱パなんて
そんなもんだよね。

⏰:07/02/18 23:33 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#388 [can]
 
…やっぱ無理だ。

耐え切れなくなって
私はまた店の外に
飛び出した。

この静けさには
心癒される。

…もう帰ろうかな。

亜由美には
悪いと思ったけど
先に帰る事にした。

⏰:07/02/18 23:34 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#389 [can]
 
そしてタクシーを拾い
寮に帰った。

莉奈『ハァ…』

ついつい溜め息が出た。

…亜由美はすごいよ。

あんな場所
やっぱり私には
合わなかった。

⏰:07/02/18 23:36 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#390 [can]
 
その日は
司と言う優しい年下と
剛と言う同じタイプの年上
二人に
胸が締め付けられた。

…恋?

違う。

ただ私と言う人間を
認めてくれついるような
嬉しさだと思う。

私は…
もう恋なんてしない。

⏰:07/02/18 23:37 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#391 [can]
 
翌朝に亜由美は
帰って来た。

先に帰った事については
少し怒られたけど
無理矢理だったかな?
ごめんね。
…と心配してくれた。

⏰:07/02/19 08:54 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#392 [我輩は匿名である]
上げますね
頑張って下さい

⏰:07/02/19 21:53 📱:SH902i 🆔:☆☆☆


#393 [can]
 
>>392ありがとう

ちょっと今日は
更新できません

明日も夜頃でないと
書けないかも

ごめんなさいね

また良ければ
感想とか下さい

⏰:07/02/19 23:03 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#394 [ナツ]
がんばってください
あげ

⏰:07/02/20 16:09 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#395 [can]
 
>>394ありがとう

遅くなったけど
今から書くね

⏰:07/02/21 10:55 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#396 [can]
 
―――

あの日から
また月日が流れた。

剛とは
たまに電話が来て
他愛もない会話をする。

遊びたいねって
剛は言うけど
お互い時間が合わない。

だからまだ
二人っきりで
会った事がなくて
微妙な距離なまま。

⏰:07/02/21 10:57 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#397 [can]
 
司は
乱パの次の日からも
普通に接してくれた。

だけど
私が少し意識して
最初はぎこちなかった。

でも司が和ませてくれて
今は前みたいに
意識する事もなく
接する事ができている。

やっぱりこれは
恋じゃないんだ。

⏰:07/02/21 10:59 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#398 [can]
 
そして
もう一人…

乱パの翌日、
電話を
かけてきた男がいた。

…晃だ。

キスマークを付けられて
怒りの電話をしようと
思ったら
訳のわからない対応されて
…あれっきりだった。

そんな晃から
電話があった。

⏰:07/02/21 11:08 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#399 [can]
 
晃『この前はごめんな』

莉奈『一体、何の
悪ふざけだったの?』

晃『近くに…
彼女がいたんだ』

莉奈『…あ!彼女!』

そう言えば
彼女が帰って来るって
言ってたっけ…

⏰:07/02/21 11:10 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#400 [can]
 
晃『一応バレないように
頑張ったんだけど…』

莉奈『…バレたの?』

晃『うん。
フラれちゃった〜』

莉奈『…そっか。
何かゴメンね』

晃『アハハッ!
何で謝ってんの?』

晃は明るい声だった。

⏰:07/02/21 11:12 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


#401 [can]
 
莉奈『私があの時
電話しちゃったから…
彼女来てるって事
忘れてたの。ごめん』

晃『莉奈のせいじゃ
ないよ!?言ったじゃん。
マンネリっぽいって…
あっちも浮気してた
っぽいんだよね〜』

莉奈『え?そうなの?』

⏰:07/02/21 11:13 📱:SH901iC 🆔:☆☆☆


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