クソガキジジイと少年」
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#897 [ザセツポンジュ]
『いや、あるぞ。ワシはな、きーさんの企みにはシブシブ付き合っているし、時間も裂いておる。』
この町の
近所迷惑代表と言う事を
忘れて誇らしげな
鈴木家の老人。62歳。
『人はな、ごめんねと言われると許してしまう事もある。その言葉を一言聞きたかっただけなんじゃ。』
『きーさん、すまんな。』
『。。。。許そうと思った事もないわ。』
共に62歳の仕掛け職人は
2人して
コタツで眠りについた。
:08/07/06 01:40 :PC :JyF5mtcA
#898 [ザセツポンジュ]
友達が
いると言う事。
ひとりでもいい。
友達が、ここに
いると言う事。
クリスマスの夜に。
:08/07/06 01:41 :PC :JyF5mtcA
#899 [ザセツポンジュ]
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『真っ赤な〜太陽〜』
『沈む〜さぁばく〜に』
『おおき〜な怪獣が』
『の〜んびり暮らしてたっ。フフフ。』
怪獣のバラードを
変わりばんこに
口ずさみながら
夜道を歩く二人の少年少女。
ジョウは続けた。
『ある朝目〜覚めたら』
『遠〜くで〜キャラバンの』
『鈴の音聞〜こえたよ、お〜もわず叫んだよっ。』
『海が見〜たぁ〜い〜』
『人を〜。』
“人を愛したい、怪獣にも心はあるのさ。”
:08/07/06 01:41 :PC :JyF5mtcA
#900 [ザセツポンジュ]
エノシタさんは止まった。
ジョウが次のフレーズを
歌う番だ。
(ひ〜と〜を〜あ〜いしたい、、、、。ボクにも心はあるんだよ。)
『あ、、、。』
ジョウは、足を止めた。
エノシタさんは、笑ってる。
『なんか恥ずかしいね。』
そう言ってエノシタさんは
歩き出した。
『エ、エノシタさん、あのね!』
ジョウの声に
驚いて振り向いた少女は
一瞬にして空気が変わるのが
分かった。
:08/07/06 01:43 :PC :JyF5mtcA
#901 [ザセツポンジュ]
『あの!ボクね!、、、え〜と、、、。』
切り出したのはいいものの
緊張から
困惑するジョウジロウちゃん。
人のいいところを
見つけると言うこと。
人を好きになると
言うこと。
想いを
伝えると言うこと。
『エノシタさんのことね、結構前から好きでした、、、。』
クリスマスの夜に。
:08/07/06 01:44 :PC :JyF5mtcA
#902 [ザセツポンジュ]
:08/07/06 01:46 :PC :JyF5mtcA
#903 [ザセツポンジュ]
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俺、鈴木シンイチロウ。
19歳。
専門学校をすぐやめました。
理由、授業がつまらないから。
って言っても
後ろめたさがあって
屋根裏部屋に
こもってたら
髪の毛はだんだん伸びるし
自己嫌悪にはなるし
無気力になるし
やべぇなぁと思って。
:08/07/07 00:14 :PC :WBqr7ZlI
#904 [ザセツポンジュ]
とりあえず服買う金がないから
服を作った。
そしたら案外上手く行ってさ。
あ、こんなに暇なら
絵を描くのが好きだし
作品つくろう。
だけどそれでも暇だから
アートブックでも読もうと
思って。
飽きたらギターを弾いて
暇をつぶして、、、。
あ、俺
ひとりでいけんじゃん!
って。
:08/07/07 00:15 :PC :WBqr7ZlI
#905 [ザセツポンジュ]
そう思ったすぐ後に
なんか寂しくなって来たんだよ。
オレの生活全て
マスターベーションじゃない?
年の近い奴らは
酒飲んで
ボーリングして
流行の服着て
ランキングばっか気にして
バカバカしいじゃん。
で、オレはひとりでいたいの?
人といたいの?
全然分からない。
むかつく。
自分がむかつくんだよ。
何にもできないし
何にもしないくせして、、、。
:08/07/07 00:16 :PC :WBqr7ZlI
#906 [ザセツポンジュ]
くだらない。
でもそんなくだらないことを
オレは毎日毎日考えてる。
考えながら、いつの間にか眠るんだ。
夢を見た。
地震が来てさ、
家族みんな行き場に困ってる。
オレは迷わず言うんだ。
『オレがなんとかするから、オレについて来て!』
できるわけないだろ。
って、目が覚めて思った。
:08/07/07 00:16 :PC :WBqr7ZlI
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