…キコエナイ歌声…
最新 最初 全 
#1 [三ッ葉
]
……………
………………………
…キコエナイ歌声…
………………………
……………
:07/03/04 08:42
:N902i
:☆☆☆
#2 [三ッ葉
]
主な登場人物

………………………………
榎坂 美和-エノサカ ミワ-
神山 麻人-カミヤマ アサト-
………………………………
榎坂 恭介-エノサカ キョウスケ- 美和の父。
榎坂 理恵-エノサカ リエ-
美和の母。
………………………………
:07/03/04 08:56
:N902i
:☆☆☆
#3 [三ッ葉
]
〜♪
私は、テレビを前にして歌っていた
「美和は本当に歌がスキね〜」
私の横にいるおばあちゃんがにっこりとほほ笑みかける
美「うんッ!
だって…お母さんも歌ってるから」
:07/03/04 09:06
:N902i
:☆☆☆
#4 [三ッ葉
]
私は、テレビの方向を指差した
テレビの中で歌う人物に目を光らせた
テレビの中で
スポットライトに照らされながら堂々と歌う人…
それが
私のお母さんなんだから!!
:07/03/04 09:16
:N902i
:☆☆☆
#5 [三ッ葉
]
【消しゴムのように…】
私は今六歳。
今日は、仕事で忙しいお母さんの珍しい休日の日。
私のお母さんは
私を18歳という若さで産んだ
皆から羨ましがられていて、私の自慢のお母さんだ
:07/03/04 09:21
:N902i
:☆☆☆
#6 [ちひろ]
想いの行方x読みましたまた書いてくれるなんて…~
こっちも頑張ってください~(ヌuヌx)ト~
:07/03/04 12:41
:W31K
:☆☆☆
#7 [三ッ葉
]
:07/03/04 20:49
:N902i
:☆☆☆
#8 [三ッ葉
]
:07/03/04 21:01
:N902i
:☆☆☆
#9 [三ッ葉
]
>>5から
自分でいうのもなんだけど、私のお母さんは
若くて綺麗だし、
なんてったって
今、売れっ子の歌手だもん!!
お母さんの歌は
本当に遠くまで響いていて心にまで響く………
子供の私でも凄いのは分かるんだ
:07/03/06 00:38
:N902i
:☆☆☆
#10 [三ッ葉
]
そんなお母さんは
作曲家のお父さん
と一緒に活動をしている
お父さんの作曲する曲は、もちろん良くて
それをお母さんが歌って皆に届けている――…
お母さんとお父さんは、
本当に絵に描いたような
幸せいっぱいの夫婦なの
:07/03/06 00:42
:N902i
:☆☆☆
#11 [三ッ葉
]
恭「理恵、新しい曲つくってみたんだけど……ちょっと歌ってみない??」
お父さんが
私と一緒にソファーに寝転ぶお母さんにむかって問い掛ける
手には楽譜があり
ひらひらと揺らしていた
理「うん、歌ってみよっかな〜」
私を抱き抱えてお母さんはソファーから体を起こした
:07/03/07 21:00
:N902i
:☆☆☆
#12 [三ッ葉
]
そして、
お父さんの手から楽譜を受け取り黙読する
美「美和も歌いたい…」
私はお母さんに静かに頼んだ
お母さんとお父さんは顔を見合わせて
笑ってうなずいた
その反応をみて
私は顔を輝かせた
:07/03/07 21:03
:N902i
:☆☆☆
#13 [三ッ葉
]
家のバルコニーにでると
サンサンと輝く太陽と
澄み切った青空が
出迎えてくれた
恭「じゃあ、ウォーミングアップに――…」
お父さんはそう言って
バルコニーの端にある部屋にあるピアノに手をかける
〜♪
お母さんが口を大きく開け、まわりの空気をたっぷりと吸い込んでから
歌いだす……
:07/03/07 21:09
:N902i
:☆☆☆
#14 [三ッ葉
]
美「……ッ…」
その歌声は
まわりの空気を大きく震わせて私の中まで入ってくるようだった――…
まるで
とりつかれてしまうように体を音にゆだねた
――――――……
…………………
:07/03/07 21:12
:N902i
:☆☆☆
#15 [三ッ葉
]
気が付くと時間が過ぎていた―――……
お母さんは新譜を手に取り、軽く口ずさむ
私も一緒に練習した
理「恭介、一回試しに合わせてみよっか??」
お父さんは返事の代わりに笑った
:07/03/07 21:15
:N902i
:☆☆☆
#16 [三ッ葉
]
〜♪
ピアノの音の上に透き通るような声が踊っているようだった
この新しい曲―――…
さっき、お母さんと一緒に口ずさんだ時から何かを感じた
やっぱりいい曲……。
スウッ――…
:07/03/07 21:18
:N902i
:☆☆☆
#17 [三ッ葉
]
私も上手に歌いたい
いつか
歌手になりたい……
そんな思いを大きく抱いて息を吸った
私の声も重なっていった……
思いを込めて
一つ一つの音を――…
詞を大切に噛み締めながら歌った
:07/03/07 21:22
:N902i
:☆☆☆
#18 [三ッ葉
]
そんな時――…
理「………!」
恭「………!!」
お母さんは声を出すのを止め、お父さんは何かに驚いたような顔をしながら
ピアノを弾いていた
だけど……
歌の世界に入りきった私は、そんな事に気付かないまま歌い続けた
:07/03/07 21:26
:N902i
:☆☆☆
#19 [三ッ葉
]
歌いながら目を開くと
…………ッ!?
知らない男の子がバルコニーの柵の間からこちらを見ていた
誰――…??
その男の子はひたすら戸惑う私を見ていた
:07/03/07 21:46
:N902i
:☆☆☆
#20 [三ッ葉
]
私は何となく笑顔をつくった
すると――…
無表情な男の子の顔が少しゆるんだ
ドクンッ……
「こら、麻人ッ……人の家をのぞくもんじゃありません!!」
横にいた男の子はお母さんに手を引っ張られて
視界から消えていった
:07/03/08 02:40
:N902i
:☆☆☆
#21 [三ッ葉
]
〜アサト〜
………………….
スタスタ――…
お母さんに引っ張られて歩いた
さっきの子の歌声…
俺と同じ年ぐらいだけど、全然そうとは思えないくらい上手かった
:07/03/08 02:46
:N902i
:☆☆☆
#22 [三ッ葉
]
あの子の歌ってたメロディーが頭の中で何度も流れた
ドクンッ……
あの時感じた鼓動――…。
俺の何かが疼いた――…
また逢うのかな……??
:07/03/08 02:50
:N902i
:☆☆☆
#23 [三ッ葉
]
〜ミワ〜
…………………
理「美和…本当に歌が上手くなったわね」
恭「俺も驚いた!六歳とは思えない歌だった」
二人がうんうんと頷く
美「本当ッ!??
それより、さっきの男の子――…」
恭「あぁ〜近所に住んでる神山さんだっけ??」
:07/03/08 02:55
:N902i
:☆☆☆
#24 [三ッ葉
]
理「そうそう!
神山……麻人くんってゆうんだって
美和と同じ年よ??
でも違う小学校では、違うクラスだよね…??」
お母さんが私に問いかけた
美「うん。だって、あの男の子知らないもん」
入学したばかりの私は、違うクラスの事などよく知らない
:07/03/08 02:59
:N902i
:☆☆☆
#25 [三ッ葉
]
でもあの時――…
何かを感じた。
また………
あえるのかな??
:07/03/08 03:01
:N902i
:☆☆☆
#26 [三ッ葉
]
それから数日後……
理「本当に良い天気ね」
私とお母さんは家から少し離れた公園へときていた
太陽よりもお母さんの笑顔のほうが眩しかった
ポンッ…ポン
しばらくして私は丸いボールを夢中になってついていた
:07/03/08 03:07
:N902i
:☆☆☆
#27 [三ッ葉
]
ポンッ…ポン
ポンッ……ポッ――!!
美「あッ……!!」
ついたボールが自分の足に当たり、
方向をかえてスピード良く転がっていった……
美「あッ…まって…!!」
私はお気に入りのボールをがむしゃらに懸命に追い続けた
:07/03/08 03:10
:N902i
:☆☆☆
#28 [三ッ葉
]
>>24の
×【でも違う学校では、違うクラスだよね??】
を
〇【でも学校では、違うクラスだよね??】
にしてください


:07/03/08 09:50
:N902i
:☆☆☆
#29 [三ッ葉
]
>>27から
理「だめッ…美和――ッ!!」
というお母さんの必死な声にも気付かないくらいに…………
手からボールまでの距離が狭まり、あとわずかというところで気付く――…
私は今、白と黒のしましまの地面に立っていることに
横断歩道………?
:07/03/08 09:54
:N902i
:☆☆☆
#30 [三ッ葉
]
でももう遅かった……
車がグングンと私に向かって走ってくる
美「……ッ…!」
恐怖からか足がすくんで動けなかった
運転手が気付き、目をかっと開いてブレーキをかけようとするのがかすか見えた
:07/03/08 09:57
:N902i
:☆☆☆
#31 [三ッ葉
]
…………!!
キキィ――…ッ!!!
ドンッ………
急なブレーキで
車のタイヤが悲鳴をあげた
その後に鈍い音がまわりに響いた
:07/03/08 10:00
:N902i
:☆☆☆
#32 [三ッ葉
]
美「んッ……ッ!!??」
あまり衝撃がなかった
なぜだろう?と周りを見渡した
ドクッ……
自分の足元に生暖かい液体が水溜まりのようになっていた………
水じゃない……
透明の色じゃない
:07/03/08 10:04
:N902i
:☆☆☆
#33 [三ッ葉
]
鮮明に赤い――…
赤い"血"の色
私はその後に見るものに
泣き避けんだ
美「お母さんッ……!!」
:07/03/08 10:06
:N902i
:☆☆☆
#34 [三ッ葉
]
━━━━━━━………
━━━━━………
あれからどれぐらい泣いていたんだろう
お母さんは
道路に飛びだした私をかばって―――…
死んだ………。
:07/03/08 10:09
:N902i
:☆☆☆
#35 [三ッ葉
]
あっという間だった……
消しゴムでスッと消してしまうように――…
軽い怪我しかしなかった私は、すぐに病院をでれた
まだ足元には
生暖かいお母さんの血の温もりが残っていた
:07/03/08 10:13
:N902i
:☆☆☆
#36 [三ッ葉
]
【失いしもの】
お葬式……。
お母さんの綺麗な写真があった………。
本当に綺麗
私の横でお父さんもこれまで見たことがないくらいに泣いていた
私が――…
:07/03/08 10:17
:N902i
:☆☆☆
#37 [三ッ葉
]
:07/03/08 10:20
:N902i
:☆☆☆
#38 [三ッ葉
]
私はその事故から
学校に通わなくなった…
周りからの目が恐いから
私がお母さんを殺したんだ―――……
私は、醜い人間??
:07/03/08 20:05
:N902i
:☆☆☆
#39 [三ッ葉
]
新聞記事や雑誌には
【榎坂 理恵。愛する娘を守り天国へ……!!】
などのタイトルでいくつも出版されていた……。
ギュッ
ストレスから、
喉を何度もキツク摘むようになってしまう
:07/03/08 23:33
:N902i
:☆☆☆
#40 [三ッ葉
]
それから一年たった
何となくバルコニーに足を踏み出した
外の空気を久々に吸った気がする
でも
今日の空はどんよりと曇っていた
美「私みたい……」
:07/03/10 00:56
:N902i
:☆☆☆
#41 [三ッ葉
]
「何が……??」
バッ……
突然聞こえた声に顔をあげる
柵を挟んで私の前に立っていたのは……
えっと……
たしか――――…
神山 麻人。
:07/03/10 01:00
:N902i
:☆☆☆
#42 [三ッ葉
]
美「かっ…神山くん……
何でココに――…??」
私は柵に体を近付けた
麻「何でって……プリント渡しに来たんだけど?」
と、言いながら
真っ黒で光沢のあるランドセルからプリントをだす
何だかそっけない男の子だな………
:07/03/10 11:19
:N902i
:☆☆☆
#43 [三ッ葉
]
美「そっか………でも、何で神山くんが??」
いつもは
女の子か先生なのに……
麻「クラス替え。
俺、一緒のクラスでさ……家も近いし」
クラス替えか………
一年たったんだもんね
:07/03/10 13:09
:N902i
:☆☆☆
#44 [三ッ葉
]
麻「………。
お前学校こいよなッ!!
待ってる奴いてるし…」
こんな私でも待っててくれる人いてるの……??
だって……
だって私―――――
麻「辛いかもしれないけど、前に進まないと……な??」
:07/03/10 16:02
:N902i
:☆☆☆
#45 [三ッ葉
]
前に進む………か。
コクンッ
私はゆっくり考えながら頭を縦に揺らした
麻「そっか……
じゃあ、一人で行くのもアレだし……
明日迎えにいくよ」
そういってニッコリと微笑んだ………
:07/03/10 17:30
:N902i
:☆☆☆
#46 [三ッ葉
]
その笑顔は
とても穏やかで
今までのそっけない態度を一変させるものだった
なぜか勇気づけられた気がする………
美「神山くんってさ、落ち着いてるよね……
同じ学年とは思えないくらい―――…」
麻「あ…それ…
俺も初めてみたとき、君に対して同じ事思った」
:07/03/10 23:05
:N902i
:☆☆☆
#47 [三ッ葉
]
私に対してって………??
私は神山君が
何の事を言っているのか分からなくて首を右に傾けた
美「………?」
麻「君が歌ってるのを見たとき、本当にびっくりしたんだ
同じ年だと全く思えないくらい上手でさ………
あの時の歌、歌ってほしいな……」
:07/03/10 23:10
:N902i
:☆☆☆
#48 [三ッ葉
]
歌…………
恭「いいんじゃないか、美和……??
ピアノ弾いてやるから」
カタンッ…
お父さんが姿を現し
ピアノ椅子に腰をかけて
フタを開けた
〜♪
綺麗な音が鳴り響く
:07/03/10 23:13
:N902i
:☆☆☆
#49 [三ッ葉
]
私は仕方なしに歌った
歌はお母さんが死んでしまってから
一度も歌っていなかった
声が震える
歌手だったお母さん……
死んだのは私の所為――…
:07/03/10 23:16
:N902i
:☆☆☆
#50 [三ッ葉
]
いいの―――――……??
そんな汚い私なんかが
今、この世界に生きてて
歌ってていいのかな??
私なんかが歌ってはいけない―――………
ダメだょ………
:07/03/10 23:19
:N902i
:☆☆☆
#51 [三ッ葉
]
美「………ッ」
私は歌うのをやめた
麻、恭「………!!??」
ダッ
私の足は勝手に自分の部屋に向かっていった……
ガチャンッ………
:07/03/10 23:22
:N902i
:☆☆☆
#52 [三ッ葉
]
部屋に入るなり
ベットに倒れこむように飛び込んだ
ギュウ………
喉を摘む
さっき歌った曲……。
歌手としてのお母さんの
新曲だったのに……
:07/03/10 23:25
:N902i
:☆☆☆
#53 [三ッ葉
]
奪ったんだ
声を――……
奪ったんだ
命を――……
私が全部。
ギュッ……
更に手に力が入る――…。
:07/03/10 23:27
:N902i
:☆☆☆
#54 [三ッ葉
]
━━━━━━━…………
━━━━━━………
ザーザーザー
目を覚ますと朝。
雨音が耳を刺激する
窓から見える空は灰色
鏡に写る私の顔色は
最悪だった
:07/03/10 23:33
:N902i
:☆☆☆
#55 [三ッ葉
]
朝食を済まし
用意して玄関のドアを開く―――…
お父さんが笑顔で見送ってくれた
家の門をでると
人影が見えた
美「神山くん…おはよ」
私がだした第一声は、
弱々しくて
力なくて
情けない声だった
:07/03/10 23:38
:N902i
:☆☆☆
#56 [三ッ葉
]
私の声を聞いて
振り向く神山君の顔は
曇っていた…
麻「昨日はごめん。
行くのが嫌なら、無理しなくていいよ??」
美「………だ…ぃじょうぶだよ……」
私は力なく笑って
先を歩いた
:07/03/10 23:43
:N902i
:☆☆☆
#57 [三ッ葉
]
雨がザーザーと音をたてる中―――…
私達は言葉を交わさず
学校へと歩き続けていた
神山くんの青い傘と
私の赤い傘だけがユラユラしてた
前に進むんだ……よね??
前に――…
:07/03/10 23:48
:N902i
:☆☆☆
#58 [三ッ葉
]
キュッと顔を引き締めた
そんな時――……
「あの子が榎坂 理恵さんの娘さんですって」
「あんなに人気な歌手だったのに……あの年で亡くなられるなんて……」
「子供を守って亡くなるなんて……気の毒よね〜?」
オバサン達の会話が私の耳をさした
:07/03/11 22:28
:N902i
:☆☆☆
#59 [三ッ葉
]
美「いやッ………」
麻「お…おいッ!?」
私は雨の道の中、傘を落とした
ズキンッ……ズキンッ
喉に激痛が走る
意識が遠退く――…
:07/03/11 22:32
:N902i
:☆☆☆
#60 [三ッ葉
]
.
麻「えっ…榎坂ッ……!!」
麻「おいッ榎坂っ!!!」
神山君の声が小さくなっていく――…
ドサッ……
私の意識は完全に途切れた
:07/03/11 22:34
:N902i
:☆☆☆
#61 [三ッ葉
]
>>60の最初の2文を
.
麻「えっ…榎坂ッ……!!」
麻「おいッ榎坂っ!!!」にしてください


間違いばかりでスミマセン

:07/03/11 22:37
:N902i
:☆☆☆
#62 [三ッ葉
]
…………………………
……………………
美「……」
目を開くと
病院独特の匂いが鼻をかすめた――…
窓の外に目をやると夜
周りが暗くて視界が霞む
私ずっと意識失ってたんだ――…
:07/03/11 22:41
:N902i
:☆☆☆
#63 [三ッ葉
]
病院の静かさは
少し恐い――……
今になって
記憶がハッキリ戻った
まだ、オバサン達の声が耳に残っていた
………………ん?
私の寝ているベットの横にお父さんの姿があった
:07/03/11 22:46
:N902i
:☆☆☆
#64 [三ッ葉
]
スウッ―――
静かな寝息をたてていた
ずっと横にいてくれたのかな………??
"お父さん"
と言おうと口を開きかけたとき―――――
ズキンッ…
:07/03/11 22:50
:N902i
:☆☆☆
#65 [三ッ葉
]
美「……ッ…」
私は声にならない小さな悲鳴をあげた
それでも
声をだそうと痛みに耐えた
耐えてた
でも
でない………。
:07/03/11 22:55
:N902i
:☆☆☆
#66 [三ッ葉
]
私の体が小刻みに震えた
そんな私を誰も見ていないのに、
隠そうとしてベットの真っ白い掛け布団に全身を覆った
キツク目をつぶった
声が……
声がでない――ッ…!!!
:07/03/11 22:58
:N902i
:☆☆☆
#67 [三ッ葉
]
:07/03/11 23:00
:N902i
:☆☆☆
#68 [三ッ葉
]
:07/03/11 23:02
:N902i
:☆☆☆
#69 [三ッ葉
]
【…ホ タ ル ノ ヒ カ リ…】
その夜は寝れなかった…
まだ体が震える
お父さんッ……
私の声が届かなくなっちゃったよ
助けて…
:07/03/12 21:47
:N902i
:☆☆☆
#70 [三ッ葉
]
━━━━━━━━……
ムクッ――…
上体を起こすとお父さんはまだ眠っている……
忙しくて疲れてるんだろうな
そっとしといてあげなきゃ――…
ガラガラッ
:07/03/12 21:53
:N902i
:☆☆☆
#71 [三ッ葉
]
私は
パジャマ姿のまま部屋の外へとでた
ガヤガヤ
朝の病院でもにぎやかだった
もしかしたら…
もう声がでるようになってるかも!!
私は、端にいた看護婦さんにあいさつしてみようと試みた
:07/03/12 21:57
:N902i
:☆☆☆
#72 [三ッ葉
]
美「……ッ………」
やっぱりでないままだった
「どうかしたの??」
看護婦さんが私に気付いて優しく声をかけてくれた
ダッ
私は、首を横に振ってその場からにげた
:07/03/12 22:02
:N902i
:☆☆☆
#73 [三ッ葉
]
自分を落ち着かせる為にも病院の外に出て
大きく息を吸い込んでみた
ズキンッ…
喉が痛む
それより心が痛かった
声がなくなっちゃったら
私どうしたらいいの…??
嫌だよ―…
:07/03/12 22:08
:N902i
:☆☆☆
#74 [三ッ葉
]
昨日雨が降ったおかげで
外に出て見える空は
青空だった
でも、じわじわとあふれる涙でにじんでいた
私は、そのまま地面にしゃがみこんだ
美「………グスッ」
スッ…
地面にうつる私の影に違う影が忍び寄るのが見えた
:07/03/13 10:45
:N902i
:☆☆☆
#75 [三ッ葉
]
美「……!!」
麻「え……のさか?
何で泣いてんの――…」
その影の正体は
神山 麻人だった
心配そうな顔をしている
風がさわっと吹きあたる
声が出なくなった
:07/03/15 11:21
:N902i
:☆☆☆
#76 [三ッ葉
]
……なんて言ったら
笑われそうで
引かれそうで
恐い。
私は黙り込んだ――…
麻「……」
ギュッ…
美「…ッ…!!?」
:07/03/15 11:24
:N902i
:☆☆☆
#77 [三ッ葉
]
突然、神山くんが
私の手を握り締めた
………な…なに??
何かに気付いたのかな??
もしかして
私の声が
なくなったこと分かったのかな…………??
まさか……ね;;
:07/03/15 11:30
:N902i
:☆☆☆
#78 [三ッ葉
]
麻「……そのまさかだよ」
美「……!?」
神山君がポソリと呟く
………そのまさか
って………??
???
:07/03/15 20:58
:N902i
:☆☆☆
#79 [三ッ葉
]
恭「……美和…」
後ろから声がして振り向くと心配そうな顔をしたお父さんがいた
スッ
私はしゃがみこんでいた体を起こして
お父さんの目をじっと見つめた――…
美「……」
:07/03/16 18:38
:N902i
:☆☆☆
#80 [三ッ葉
]
私は口をパクパクさせながら、喉の前に両手の人差し指をもってきて
バツ印をつくった……
お父さん……
どうか気付いて――…
私、声でなくなっちゃったの――……
涙ぐむ目で見つめ続けた
:07/03/16 18:40
:N902i
:☆☆☆
#81 [三ッ葉
]
恭「…美和――…?」
お父さんは分からないらしく戸惑っていた
ギュッ……
さっきから握り締められていた神山君の手に力が入った
麻「…声でなくなっちゃたの――…」
:07/03/16 18:46
:N902i
:☆☆☆
#82 [三ッ葉
]
…………ッ!?
麻「お父さん……
どうか気付いて――…」
神山君……
ついさっきまで私が考えてたことを口にしてる
何で――…??
麻「…って言ってますよ」
:07/03/18 01:12
:N902i
:☆☆☆
#83 [三ッ葉
]
恭「君は――…
それは本当か??」
お父さんは放心状態のような表情になる
麻「……はい」
神山君はスッと私の手を放した
私はお父さんに向かって
頷いた
:07/03/18 01:16
:N902i
:☆☆☆
#84 [三ッ葉
]
恭「…美和ッ……」
お父さんは
私をぎゅっと優しく抱きつつんでくれた
お父さんの温もりが心地よくて安心する
恭「お前は…一人で背負って……」
お父さんが赤くなっている私の喉に触れる
:07/03/18 01:22
:N902i
:☆☆☆
#85 [三ッ葉
]
私はお父さんにしがみついて泣き喚いた
本当は恐い……
すごくすごく――…
自分の気持ちを簡単に伝える事ができなくなるなんて――…
まだ子供の私には
恐い。
:07/03/18 01:26
:N902i
:☆☆☆
#86 [三ッ葉
]
お母さんを失わせた
私への戒め―――……
罰なのかな??
なら……
これで良かったのかもしれないのかな??
分かんないよ
:07/03/18 01:30
:N902i
:☆☆☆
#87 [三ッ葉
]
神「榎坂……
俺には、不思議な力があるんだ。
少し気付いてると思うけど、人の気持ちが読めるんだ―――……」
神山君が真剣な顔で
話をきりだす
俺「榎坂の力になれると思うんだ……
俺がずっと傍にいてやるよ……
だから、涙ばっか流すな」
:07/03/18 01:38
:N902i
:☆☆☆
#88 [三ッ葉
]
>>87訂正します
麻「榎坂……
俺には、不思議な力があるんだ。
少し気付いてると思うけど、人の気持ちが読めるんだ―――……」
神山君が真剣な顔で
話をきりだす
麻「俺、榎坂の力になれると思うんだ……
俺がずっと傍にいてやるよ……
だから、涙ばっか流すな」
:07/03/18 01:40
:N902i
:☆☆☆
#89 [三ッ葉
]
…………え??
私の力になってくれるの?
でも、悪いよ――…
私は首を横にふった
麻「もう俺が決めたんだから、決定だ!!
俺がそうしたいんだから良いんだよ」
:07/03/18 01:44
:N902i
:☆☆☆
#90 [三ッ葉
]
神山君が不器用に笑った
そして、
私に手を差し伸ばす
少し間をあけて……
私は涙をこぼしながら笑って
神山君の手を握り締めた
:07/03/18 01:48
:N902i
:☆☆☆
#91 [三ッ葉
]
この時の小さな私には
この時の小さな君の笑顔と言葉が
本当に嬉しくて……
私の小さな希望になった
私にとって小さいけど
光になった
小さい光………。
蛍の様に私を照らす――…
:07/03/18 01:52
:N902i
:☆☆☆
#92 [三ッ葉
]
:07/03/18 02:11
:N902i
:☆☆☆
#93 [三ッ葉
]
【Cherry】
麻「でさ、今俺等は手握ってるよね??」
私は頷いた
麻「この状態が気持ち読み取れるんだ
だから、気持ちを伝えるときは、お互い手握ってないといけないんだ」
病室に戻った私とお父さんは、麻人君の説明を聞いていた
:07/03/18 08:14
:N902i
:☆☆☆
#94 [三ッ葉
]
今なら神山君に聞こえるのかな…??
"今日は、いい天気ですね………聞こえてる?"
と心の中で念じる
麻「聞こえてる…てか、何でそんな文章;;?」
神山君は口の前に手をあてて、少し笑った
:07/03/18 12:56
:N902i
:☆☆☆
#95 [三ッ葉
]
麻「それから、俺は力のコントロールをしなきゃなんない………
俺の集中力次第で、細かいところまで読んでしまうんだ;;」
グイッ……
神山君が私の腕を引っ張り、体を近付ける
麻「普通に心を読むときは、どれぐらいの力でいいのか分かっとかないと
榎坂の知られたくないとこまで読んじゃうことになる………」
:07/03/18 18:18
:N902i
:☆☆☆
#96 [三ッ葉
]
麻「これまでに何度か手を握ったことあるけど
力の大きさが合わなくて、榎坂に何があったか、
何を抱えて苦しんでるか分かっちゃったんだ……
ごめん――…
気持ち覗くつもりじゃなかったんだけど…」
神山君が罪悪感を抱えた表情を見せた
神山君は、私の気持ちの殆どを知っちゃったって事だよね…………??
:07/03/18 18:20
:N902i
:☆☆☆
#97 [三ッ葉
]
"大丈夫だよ……
そんな顔しないで!!
私は何をしたらいい??"
私は両手で神山君の手を握った
麻「……おでこ貸して」
ペタッ
私と神山君は、
おでこをぴったりとくっつける形になった
近くて緊張する……;;
:07/03/18 18:46
:N902i
:☆☆☆
#98 [三ッ葉
]
麻「さっきみたいな文章でもいいから、このまま伝えたい事だけを思い続けて」
さっきみたいな文章…か―――…
"今日はいい天気ですね
うん、本当いい天気!!
神山君……こんな私に手を差し伸べて助けてくれるなんてすごく優しいね…
無理しないでね?
嫌だったらちゃんと言ってね??
本当……ありがとう"
:07/03/18 18:48
:N902i
:☆☆☆
#99 [三ッ葉
]
また涙ぐんできた……
麻「…泣くなって
これからよろしくな」
ポンポンッ…
神山君が私の頭を撫でる
"うん、よろしくね…"
そんな私達をお父さんは
にこやかに眺めていた
:07/03/18 19:53
:N902i
:☆☆☆
#100 [三ッ葉
]
━━━━━━━━……
私は、声がでるようになるまで病院の施設に通うことになった……
当分は、病院生活だ
今のところ
それも苦ではなかった
なぜなら、神山君とお父さんが逢いにきてくれるから………。
いつもいろんな話を聞かせてくれて、私の笑顔を作ってくれるから……。
:07/03/19 00:13
:N902i
:☆☆☆
#101 [三ッ葉
]
………………。
数日経ったとき――…
恭「美和ごめんッ……
仕事がたくさん溜まっちゃって、断れない仕事もあってで………
しばらくお仕事で忙しくなると思う――…」
お父さんが申し訳なさそうな顔をする
しばらくは病院に顔だせないって事だよね………。
:07/03/19 12:58
:N902i
:☆☆☆
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