恋愛喫茶店
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#401 [向日葵]
誘導されるがままに私は角まで行く。
曲がると少し行った所に灰色で2階建てのアパートがあった。
新市「灰色のアパート…の…2階。右から3つ目……。ハァ」
ブツッ
音子「え?新市君?新市君?!」
突然電話が途絶えた。
私は急いでアパートに向かい、カンカンカンカン階段を駆け上がった。
音子「……あ。よく考えてみたら……。」
『ドア開けられないじゃん!!』
:07/05/03 00:29
:SO903i
:WfkdcBro
#402 [向日葵]
イチかバチかでドアノブを捻ってみる。
……すると
カチャ…… キィ……
『開いた!嬉しいけど不用心だよっ!』
音子「お邪魔しまーす……。」
中はシーンとしていた。
とりあえず寝室にいるハズ。探してみることにした。
キィ
『違う。』
キィ
『ここも違う。』
:07/05/03 00:33
:SO903i
:WfkdcBro
#403 [向日葵]
音子「し、新市くーん……?」
名前を呼んでも、聞こえるのは床の軋む音のみ。
しかし、一瞬何かが私の耳に入ってきた。
「――…?」
音子「?新市…君?」
聞こえたのは今から調べようとしてたすぐ近くの部屋。
私はゆっくりとドアを開けた。
キィ……
音子「新市君……っ!」
ベッドに横たわり、途中で会話が途切れた携帯は床に落とされていた。
:07/05/03 00:41
:SO903i
:WfkdcBro
#404 [向日葵]
音子「新市君?私だよ?聞こえる?」
すると瞼がピクッと動き、うっすらと目が開いた。
そして首を動かし、私を認める。
新市「ぁ……音子……っゲホゲホゲホ!!」
音子「大丈夫?!」
おでこに手をやると予想以上に熱かった。
熱を出してる。
とりあえず頭を冷やさなきゃ!!
音子「台所借りるね!!」
:07/05/03 00:46
:SO903i
:WfkdcBro
#405 [向日葵]
行こうとした瞬間。
腕を引かれて私は後ろから新市君に抱き締めたられた。
こんな時に不謹慎だけど、もの凄くドキドキしてる。
音子「し……新市君……?」
新市「ハァ…ここに……いて……?」
熱い吐息が耳にかかってゾクッとした。
音子「すぐ、だから…。待ってて?」
すると新市君は一度ギュッと力を入れると、素直に離してくれた。
そしと事切れたようにフーッとベッドに倒れこんだ。
:07/05/03 00:54
:SO903i
:WfkdcBro
#406 [向日葵]
私はそこに布団をかけてから台所に向かった。
とりあえず氷枕とー。濡れタオルとー。あとお粥いるかなぁ……。薬飲まなきゃいけないし。
最初の2つをとりあえず持って行った後、私はお粥作りに励んだ。
音子「あ!蜂蜜すりリンゴとかもいいかもー…だけぇどぉ……無いよね……。」
回りを見渡すが、リンゴらしいものもなければ蜂蜜だってなかった。
音子「まぁ、大丈夫かなぁっ?」
:07/05/03 00:59
:SO903i
:WfkdcBro
#407 [向日葵]
##############
すいません

今日はここまでです

よければ感想ください

:07/05/03 01:00
:SO903i
:WfkdcBro
#408 [向日葵]
:07/05/03 01:16
:SO903i
:WfkdcBro
#409 [奈津歩]
あげ2


:07/05/03 15:40
:D902iS
:☆☆☆
#410 [か]
:07/05/03 16:41
:F902i
:WLuAL4IM
#411 [向日葵]
:07/05/03 23:50
:SO903i
:WfkdcBro
#412 [向日葵]
ご飯がクツクツ煮えてるのを確認しながら薬がありそうな所を物色した。
音子「あ、これかな。」
棚の中にル●発見。
『早く良くなるといいけど……。』
と、考えながらさっき抱きしめられる光景が脳裏に浮かぶ。
それを手でかき消し、薬と水を用意する。
『あれはホラッ!風邪になるとなんだか寂しくなるじゃない?!人肌恋しいって言うか!!!!』
舞い上がって水を並々と入れる。
お粥も良い感じに出来上がったので味見。
:07/05/03 23:59
:SO903i
:WfkdcBro
#413 [向日葵]
音子「ウンオッケィ♪」
見つけてきたお盆に乗せて私は再び寝室に行った。
コンコン
音子「新市くーん。お粥出来たよー。」
新市君はスースーと寝息を立てて眠っていた。
とりあえず床にお盆をおいて、熱くなってしまったタオルを濡らしに行った。
帰ってくると新市君が起きようとしていた。
新市「……ぁ。」
音子「起きた?お粥食べる?」
新市「……鈴」
『……え?鈴(りん)?』
:07/05/04 00:06
:SO903i
:Nr.atdks
#414 [向日葵]
新市君は懐かしそうな顔をして私を見つめる。
そして私の腕を引いて私を抱き締めた。
新市「…鈴……。」
違う私……
“鈴”なんかじゃない。
ドンッ!!
病人の新市君を思わず突き飛ばしてしまった。
新市君はそれでも私を鈴と思っているらしく、私の名前を呼んでくれない。
新市「鈴……?どうした……。」
音子「…………なんか、買ってくるから。」
:07/05/04 00:11
:SO903i
:Nr.atdks
#415 [向日葵]
私は頭に何か重い物を乗せた気分で部屋を出た。
『リンゴと蜂蜜でも買ってこよ……。』
暑い日差し。
私の心は暑さとショックで暗雲が垂れ込んでいた。
音子「誰よ鈴って……。」
重い足取りでスーパーへ向かう。その間も自分が呟いたセリフで頭がいっぱいだった。
・・・・・・・・・
手にリンゴと蜂蜜を入れた袋を持って私は涼しいスーパーから暑い外へ行く。
:07/05/04 00:20
:SO903i
:Nr.atdks
#416 [向日葵]
天国から一気に地獄。
鈴のことも頭にひっついて離れない。
もしかしたら男友達かもしれないじゃん!!!…いやおかしいおかしい。ならなんで抱きしめるんだよ!!っとかさっきからグルグルグルグル頭を巡る。
音子「せっかく幸せ全開だったのに……。」
ジワァっと涙が滲む。
ハァ…と溜め息をついて少し汗ばんでいる手で拭った。
「あれ?音子さん?」
少し遠くでマスターと黒髪美少女が立っていた。
音子「あ、マスター…。」
:07/05/04 00:31
:SO903i
:Nr.atdks
#417 [向日葵]
まだ目に残る涙を全部拭き取ってマスターに近づく。
マスター「こんにちは。今日はデートじゃなかったんですか?」
マスターが挨拶をすると同時に黒髪美少女がペコッと頭を下げた。
私もニコッと笑い軽く下げる。
黒髪美少女「マスター。私中に入ってますね。」
マスター「すいません世津さん。」
『あぁ…。あの子がマスターの……。』
世津「構いませんよ。」
カランカラン
:07/05/04 00:40
:SO903i
:Nr.atdks
#418 [向日葵]
マスターが世津ちゃんを見届けると私の方に向き直った。
マスター「で、どうしたんです?」
音子「マスターもすみには置けませんね〜♪」
聞かれた事とは別の事を答えた。
マスターは一回咳払いすると、もう一回どうしたのかと尋ねた。
音子「ねぇマスター?新市君の知り合いで“鈴”って知ってます?」
マスター「鈴さん?鈴さんは確かお亡くなりになった新市さんの幼なじみですよ。」
:07/05/04 00:47
:SO903i
:Nr.atdks
#419 [向日葵]
頭の中でドンッと言う音が鳴った。
亡くなった?
もしかして前に新市君が話してた……好きな人……。
マスター「それがどぅ……音子さん?」
私はマスターの言葉を最後まで聞かずアパートまで走った。
ゴメンネ新市君。
死んだ人、重ねてたんだ。辛い。本当は重ねて見られるのは辛い。
でも、死んだ人の思い出と一緒に全部ひっくるめて“新市君”だもん。
:07/05/04 00:54
:SO903i
:Nr.atdks
#420 [向日葵]
私は大丈夫。
だから死んだ人を忘れないであげて。
新市君なら分かるよね?
思い出にしてしまう辛さを。
バンッ
勢いよく扉を開けてしまった。
病人がいることを思い出して、ゆっくりと戸を閉める。
そして寝室を開けると同時に新市君は目を覚ました。
新市「……鈴?」
まだ私を鈴さんと勘違いしているらしい。
でもいいの。
:07/05/04 00:57
:SO903i
:Nr.atdks
#421 [向日葵]
音子「大丈夫。ずっと側にいるから……。」
私は新市君の手を両手で握る。すると新市君は涙を流し始めた。
新市「側に……いてやれなくて……っゴメン……っ!!」
私の手をギュッと握り返す。鳴咽を少し漏らしながら新市君は話し続けた。
新市「ずっと…ずっと好きだったよ……。俺……も、鈴のトコっ行こっと…思った。んくっ――でも、守ってあげたい子が出来たんだっ!」
その言葉を聞いて、「えっ」と口パクで言った。
『……それは、私の事…?』
新市「お前の分まで生きるから……っ。だか、ら。俺をその子の側にいさせてっくれ!!」
:07/05/04 01:08
:SO903i
:Nr.atdks
#422 [向日葵]
それはきっと、ずっと鈴さん本人に言いたかった言葉だろう。
生きていたなら……。
鈴さんが生きていたなら私は新市君と出会っていない。
だから鈴さん。
私は貴方の分まで新市君を守らせてください。
そして見守ってあげてください……。
思い出は、懐かしむと同時に切なさがあります。
その切なさを少しでも私が分かち合えるように…。
一緒に思い出を大切に出来るように……。
:07/05/04 01:12
:SO903i
:Nr.atdks
#423 [向日葵]
――……
「――…ね。音子。」
ハッと目を覚ますと、目の前に新市君の顔。
音子「おあっ!!!びっくりしたぁっ!!あれ?もういいの?」
新市君はケロッとした顔でウンと頷いた。
そして座ったまま背伸びをして、所々ポキポキと鳴らす。
音子「…あれ?私いつの間にベッドに寝てるの?」
新市「あぁ。一回目覚めた時に座って寝てたから俺の隣で寝かした。」
:07/05/04 01:21
:SO903i
:Nr.atdks
#424 [向日葵]
『と、となり?!隣って貴方!!!』
顔が赤くなるのを自覚しながら床に置いてあったお粥と薬と水が空っぽな事に気づく。
音子「全部食べたんだ……。」
新市「ウン!腹減ってたし!!薬飲んでまた寝たから結構スッキリしたよ」
そっか……っと言ってお盆を片付ける。
器を洗おうと水を出した瞬間。
音子「…っ!」
新市君がまた後ろから抱きしめてきた。
:07/05/04 01:27
:SO903i
:Nr.atdks
#425 [向日葵]
その時思った。
新市君は私を抱き締めた瞬間から私を鈴さんだと思ったのかも知れない。
今度はなんだか落ち着いて新市君の少し熱がある体温を感じれた。
音子「どうしたの……。」
食器を洗う手を止めて新市君に聞く。
新市君の力が少し強くなった。
新市「夢…。見たんだ。幼なじみの。」
『ウン……知ってるよ。』
でも私は黙って話を聞く。新市君も話を続けた。
:07/05/04 01:34
:SO903i
:Nr.atdks
#426 [向日葵]
新市「長い夢でさ…。名前呼んだら辛そうな顔してどっか行っちゃったんだ。」
それはきっと鈴さんの名前を初めて呟かれた時だろう。
新市「抱き締めたら、ちゃんと感触があって。……でもまた現れた時、思ったんだ。――――あぁ…。これは夢だって……。」
だって現実に考えてアイツはもういないんだもんなぁと、笑いながら話すその声は寂しそうだった。
私は何も言えなかった。
そして話は、新市君が泣いた時に行った。
:07/05/04 01:40
:SO903i
:Nr.atdks
#427 [向日葵]
新市「謝ったんだ。側にいてやれなくて……って。そしたらアイツ、……笑って言うんだ。『新市が幸せなら私は幸せよ…』って。」
そこで私は「え?!」っと思った。だって私は何も言ってない。ただ耳を傾けていただけなのに…。
『鈴さんっ…。』
新市「それで言ったんだ。『守ってあげたい子がいる』って。」
そう言うと、私を新市君の方へ向かせた。
音子「……鈴さ…その人はそしたらなんて?」
:07/05/04 01:49
:SO903i
:Nr.atdks
#428 [向日葵]
新市君はニコッと柔らかく笑って言った。
新市「『しっかり守ってあげなさい』って。」
その言葉を聞くと同時に私は抱きついた。
涙が出た。
私の声が鈴さんに届いて、新市君が私を大事にしてくれて……。
これ以上の幸せはきっとない。
新市君は私を少し話して涙を拭いた。
新市「なぁんで音子が泣くのー?」
音子「いや……あのっ…。」
:07/05/04 01:57
:SO903i
:Nr.atdks
#429 [向日葵]
すると新市君は私の目元をキスした。
まるで涙を舐めるように。
音子「…。ねぇ」
新市「ん?」
音子「なんで口にはしてくれないの?」
少し拗ね気味で新市君を睨む。
新市君はそれを聞いてまた熱が上がるんじゃないかってくらい赤くなった。
新市「深い意味はないよっ!!」
音子「じゃあしてくれてもいいじゃない!!」
わたしゃ痴女か……。
:07/05/04 02:01
:SO903i
:Nr.atdks
#430 [向日葵]
新市「だ……大事にしたかったから……。俺だってちゃんと……。」
真剣な顔をして顔を両手で包まれた。新市君の目を見る。吸い込まれそうなくらいキレイ。
私も彼の頬に軽く手を添えた。
そしてゆっくりと唇を重ねる。
初めてのキスは一瞬だったけど、新市君をもっと好きになった。
:07/05/04 02:07
:SO903i
:Nr.atdks
#431 [向日葵]
そしてまたギュッと抱き締め合う。
今日は抱き締められることが多いなぁ(笑)
新市「デート出来なかったね……。」
音子「ウン…。でもいいの。一緒にいれるから……。」
―――……
「ちょっと鈴ー!!」
鈴「あ、天使さん。」
天使は雲の上で座ってる鈴を発見した。
天使「貴方また地上に行ったでしょー!」
鈴「へへへっ。ごめんなさいっ!」
:07/05/04 02:12
:SO903i
:Nr.atdks
#432 [向日葵]
ペロッと舌を出しながら笑う鈴に天使は呆れながら笑った。
鈴『2人共。幸せにね……。』
鈴「私2人の子供に生まれたいなぁっ」
地上を見つめながら言う鈴に天使は手を差し延べる。
天使「きっとなれるわ。」
天使の手を取りながら鈴は笑う。
その背中には小さな白い羽根が生えていた。
:07/05/04 02:16
:SO903i
:Nr.atdks
#433 [向日葵]
そんな会話が繰り広げていられることなんて露知らず。
私と新市君は笑い合う。
何年後かに生まれるその子を夢みて……。
:07/05/04 02:18
:SO903i
:Nr.atdks
#434 [向日葵]
【再出発〜隣のあなた〜】
Fin
:07/05/04 02:19
:SO903i
:Nr.atdks
#435 [向日葵]
:07/05/04 02:20
:SO903i
:Nr.atdks
#436 [向日葵]
:07/05/04 02:21
:SO903i
:Nr.atdks
#437 [奈津歩]
:07/05/04 15:22
:D902iS
:☆☆☆
#438 [向日葵]
マスター「さて……そろそろお話も尽きてきましたねぇ…。」
カランカラン
世津「マスター。こんにちわ。」
※―――今回で恋愛喫茶店は最終回です。
最後のお話は……
【双子〜行方〜】
:07/05/04 19:56
:SO903i
:Nr.atdks
#439 [向日葵]
私は世津。
17歳の双子の姉。
先日、マスターに双子の妹・世衣のせいで(ダジャレじゃない)元気を無くしていた私を励ましてくれた。
…………しかも…。
告白までされたっ!!!!!
実は私はまだその答えを待ってもらっている。
改めて言うとなるとすんごい恥ずかしいのだ。
マスター「今日はなんにしますか?」
世津「冷たいカフェオレ!もう暑くって……。」
:07/05/04 20:05
:SO903i
:Nr.atdks
#440 [向日葵]
マスター「はい。」
マスターは何も言わない私を待ってくれている。
マスターの為にも私は早く答えを言わなきゃいけない。
世津「マ、マスター!!!」
マスター「ハイ?」
穏やかな笑みで振り向くから決心が揺らぐ。
世津「ぅ、わ、わた、しっ…。―――んの高校で文化祭があるんですけど来ませんか?!」
『じゃなーくーてぇぇぇ……。』
私は心の中で泣いた。
:07/05/04 20:09
:SO903i
:Nr.atdks
#441 [向日葵]
マスター「あぁ。もうそんな時期ですか。世津さんは何をなさるんですか?」
どっちにしろ文化祭には誘うつもりだったんで、パンフレットを持って来ていた。
私達は展示部門のバルーンアートをやるのだ。
世津「だから…その……一緒に回りませんか?!」
パンフレットに目をやっていたマスターは私に目を向けた。
世津「……ダメなら…いいんです……。」
マスター「いいえ。行きますよ。」
:07/05/04 20:23
:SO903i
:Nr.atdks
#442 [向日葵]
マスターは嬉しそうに笑っていた。
その言葉を聞いて私もパアァァっと嬉しくなった。
世津「日時は、そこに書いてるんで!!……ではっ!あ、お金!!」
財布を出そうとする私の手をマスターの大きなキレイな手が上に被さる。
『え…』
――ドキン
手が触れただけで私の心臓は、はち切れそうだった。
マスター「今日はいいですよ。文化祭に誘って頂きましたし……。」
:07/05/04 20:29
:SO903i
:Nr.atdks
#443 [向日葵]
世津「でも、そんだけじゃダメですよ!」
そう答えると、マスターは顎に手を当てて考え出した。そして何か思い出したのか、カウンターから出てきた。
そしてドアを開けて、私を手招きした。
マスター「では、私に送らせて下さい。」
世津「え?!いやそんなのでチャラはっ……。」
マスター「私が嬉しいので…送らせて下さい…。」
そこまで言われると弱い。しかもマスターが嬉しいとか……。
そんなのズルイ……。
:07/05/04 20:37
:SO903i
:Nr.atdks
#444 [向日葵]
世津「じゃあ…お願いします……。」
・・・・・・・・・・・・
マスターに送ってもらうのはすごく嬉しい。
一緒にいる時間が長くなるから。
……緊張するけど……。
マスター「バルーンアートは何を作るんですか?」
世津「あ、えっとーいっぱい作るんです。虹とかドラ●もんとか。」
「それとー…」と考えると、この狭い道で結構なスピードで車が走って来た。
『あ、避けなきゃ。』
:07/05/05 10:46
:SO903i
:YakLudVw
#445 [向日葵]
と思った瞬間。
グイッ
世津「!!」
マスターが私を抱き寄せて守ってくれた。
『ひゃぁぁぁっ』
マスター「危ないですねぇ。世津さん。大丈夫ですか?」
世津「だ、だだ大丈夫ですっ…!」
それどころじゃない!!
目の前ではマスター広い胸板があって、大人らしい香水の香りが鼻をくすぐる。
:07/05/05 10:51
:SO903i
:YakLudVw
#446 [向日葵]
しかも自分の左肩には大きな手。
前に一回抱きしめられたことがあるものの、あの時は絶望の淵にいたから何にも気にしていなかった。
マスター「私も女性に道路側を歩かせてしまいました。すいません。」
と言って私の手を取って家側にやってくれた。
世津「あ、ありがとうマス……」
『あれ?そういえば…。』
マスターの名前を私は知らない。聞いたことがない。多分世衣すら知らないかもしれない。
:07/05/05 10:55
:SO903i
:YakLudVw
#447 [向日葵]
世津「ねぇマスター?」
マスター「ハイ?」
世津「マスターの名前は…なんて言うの?」
するとマスターは立ち止まりいつもの優しい笑顔が無くなってスッと表情を真顔になった。
そんな顔初めて見たから私は少し怖くなった。
マスターはゆっくりと元の穏やかな顔に戻って行った。
マスター「またいつか…教えますよ……。」
世津「はっ、……ハイ……。」
:07/05/05 11:02
:SO903i
:YakLudVw
#448 [向日葵]
「なんで」とは言えなかった。「聞かないで」と言われてる様で…。
世津「あ。着きましたんで…。ありがとうございました……。」
マスター「いいえ。ではおやすみなさい。」
マスターは来た道を引き返して行った。
世津「……マスター…。」
私はそのどこか孤独な背中を姿が見えなくなるまで見つめ続けた。
――――……
<文化祭当日>
沢山の人が訪れて、どこもかしこも満員状態。
特に喫茶店とかやってるクラスには人がごったかえしていた。
:07/05/05 11:08
:SO903i
:YakLudVw
#449 [向日葵]
私は見に来た人が悪戯して風船を割らないように湖穂と店番をしていた。
湖穂「すっごい人だねー!!老若男女勢揃い!!」
世津「他校からもいっぱい来てるねぇ。みんな情報が早いなぁ〜。」
とか言いながら私はマスターが来ると言うのでソワソワしていた。
慣れないことに髪の毛を可愛く湖穂に結んでもらった。
湖穂「誰かさんはいいわね〜彼氏が来るんだからぁ〜。」
とわざとらしくため息をつく湖穂。
:07/05/05 11:15
:SO903i
:YakLudVw
#450 [向日葵]
湖穂も年上の彼がいるらしいが、仕事があるからと言われたらしい。
世津「か、彼氏じゃないもん!!…………返事まだしてないし。」
湖穂「はあぁぁぁ?!まだ言ってないわけ?!何してんのアンタ!!いつまでも焦らすと、マスターさんも他の人んトコ行っちゃうよ?!」
世津「わ…わかって」
キャアァァァァ!!
いきなり廊下の向こう側から悲鳴。……と言うよりも歓声……?
:07/05/05 11:20
:SO903i
:YakLudVw
#451 [向日葵]
世津「な、何事?!」
湖穂「さぁ……。」
女子軍団に囲まれて、歓声を浴びている主が歩いてきた。
世津「マ、マスターァァァ!!!!」
私の叫び声を聞いて、マスターは私があげたパンフレットをパタンと閉めた。
マスター「あぁ世津さん。ここでしたか。」
マスターは白いシャツを腕捲りして、ボタンを少し開けていた。開けた所からネックレスがしてあった。
そして黒いズボン。
今日はメガネみたいなのをしていなかった。
:07/05/05 11:27
:SO903i
:YakLudVw
#452 [向日葵]
いたってシンプルな服装なのに色気があって、私も一緒にキャアァァァァ!!と言いたくなった。
湖穂は初めて見るマスターに惚れ惚れしていた。
そして一旦後ろを向いて
湖穂「こんなカッコイイんだったら早く返事しちゃいなさいよ!!」
と小声で言った。
そして元の位置に戻って自己紹介。
湖穂「はじめまして!世津の友達の湖穂です。」
マスター「ご丁寧にありがとうございます。私は喫茶店を営んでいます。マスターです。」
:07/05/05 11:32
:SO903i
:YakLudVw
#453 [向日葵]
『やっぱり名前言わないんだ……。』
とか思ってると丁度交代の時間になったので、湖穂と別れ、私達は一緒に校内を回ることにした。
・・・・・・・・・・
クラスの前を通る度、女の子達がざわめきだす。
世津「世衣の所にいきませんか?クレープやってるんですよ!!」
マスター「では案内お願い出来ますか?」
世津「ハイッ!」
私は女の子の視線が痛かった。なんか呪いの言葉が聞こえる気がするけど気のせいだよね!!
:07/05/05 11:40
:SO903i
:YakLudVw
#454 [向日葵]
外でも人がいっぱいだった。
軽快な音楽が流れていて、皆楽しそうだった。
あとで生徒が歌を歌ったり、ダンスを踊ったり、コントをしたりすり特設ステージもある。
私もそれなりにワクワクしてきた。
世衣「あ、せっちゃん!!マスターも!!」
人混みを掻き分けて、世衣がメイド服に近い恰好でやってきた。
:07/05/05 11:47
:SO903i
:YakLudVw
#455 [向日葵]
マスター「可愛らしい恰好をなさってるんですね。」
世衣「エヘヘ!ありがとっ☆私のトコクレープ作ってるんです!!こっちこっち!!」
私達の手を引いて世衣は自分のクラスへと誘導していった。
その時、聞いてしまった……。
しばらく聞いていなかったから、油断していたんだ。
:07/05/05 11:51
:SO903i
:YakLudVw
#456 [向日葵]
「なぁんだ相模原妹の方だったか。」
「そりゃそうでしょ。姉の方ってなんか可愛げないじゃん?」
「双子なのにまったくタイプ違うよねー。妹の方が断然カワイイもん。」
一瞬足許が崩れそうになった。
あ、まただ…。しかも今度は女子。きっとマスターの事で妬んでいるんだ。
……そぅ妬んでいるのよ……。なら――――ヘコまなくていっか!!
:07/05/05 11:57
:SO903i
:YakLudVw
#457 [向日葵]
考えていてもやっぱりショックがある。
するとマスターがいきなり私の肩を抱いた。
世津「…?マスター?」
マスター「人にぶつかると危ないですから。」
そうにっこり笑って後ろをチラリと見た。
この時、私はマスターが陰口をたたいた女の子達を睨んだことは知らなかった。
・・・・・・・・・・
世衣「ハイ!どれにする?!」
世津「私バナナカスタード。」
マスター「じゃあ私はサラダで。」
:07/05/05 12:01
:SO903i
:YakLudVw
#458 [向日葵]
世衣「はぁい☆ちょっと待っててください♪」
世衣が注文を告げに言ったので店前で待つ。
世津「マスター。甘いものダメなんですか?」
マスター「嫌いではないですが、進んでは食べようと思いませんね。」
『あぁそうなんだ。覚えとこ…。』
とか考えているとクレープが出来上がった。
結構綺麗に作られている。
世衣「また来てねー!!」
とブンブン手を振っている世衣に手を振り返して私達はその場を離れた。
:07/05/05 12:07
:SO903i
:YakLudVw
#459 [向日葵]
さすがに人がいっぱいなので、どこかに避難することにした。
世津「空き教室が北校舎の3階に集中してるんでそこに行きませんか?」
マスター「大丈夫ですよ。この辺りで立ち止まりましょう。」
移動した場所は結構人気がいなくて体育館に続く階段もあったので、そこに座ることにした。
そしてクレープを一口。
世津「あ、美味しい。マスター美味しいですよ!」
マスター「そうですね。あ、世津さん失礼します。」
:07/05/05 12:16
:SO903i
:YakLudVw
#460 [向日葵]
マスターは私の口に手を伸ばし何かを拭き取った。
マスター「クス。カスタード。付いてましたよ。」
カアァァァァ!!!
カレカノ定番技!!(?)
世津「スイマセン!!ハンカチッ!」
急いでマスターの親指を拭く。
いつものマスターじゃないせいか、一緒にいるのがいつも以上にドキドキする。
マスター「そんなに拭かなくていいですよ。」
世津「あ、ハイ。もういいですよね…。」
:07/05/05 12:21
:SO903i
:YakLudVw
#461 [向日葵]
:07/05/05 12:22
:SO903i
:YakLudVw
#462 [るぅ
]
頑張ってください


:07/05/05 12:49
:SH703i
:2dIz3qGw
#463 [
]
:07/05/05 23:03
:N902i
:☆☆☆
#464 [向日葵]
:07/05/06 00:01
:SO903i
:dyICY6Qg
#465 [奈津歩]
:07/05/06 00:13
:D902iS
:☆☆☆
#466 [なっつ
]
:07/05/06 00:35
:P902i
:bkEcsKzI
#467 [向日葵]
奈津歩ちゃん

ありがとう

なっつさん

ありがとうございます

頑張ります

:07/05/06 01:22
:SO903i
:dyICY6Qg
#468 [向日葵]
少しほのぼの空気が流れたところで、私はやっぱり名前のことが気になった。
なのでもう一度聞いてみることにした。
……が。
「あー!いたいたぁ☆」
女の子が1人。私達の前に現れた。
「みんなぁ!こっちこっちぃ!!」
『え?みんな??』
すると複数の女子が一斉にやってきた。
説明しなくても分かると思うがみんなマスター狙いだ。
:07/05/06 01:26
:SO903i
:dyICY6Qg
#469 [向日葵]
「みんないくよー。せーのっ「「お名前なんて言うんですかー?」」
おー揃った揃ったー。
……じゃなくて!
マスターは名前言わないんだから。
第一アンタ達マスターにばっかり集中しすぎ!
マスター「私はマスターです。」
「しっかり本名教えてくださいー。」
「じゃないとここ動きませんよー!」
迷惑極まりない。
だから女子の塊って嫌。
:07/05/06 01:30
:SO903i
:dyICY6Qg
#470 [向日葵]
世津「あ、あのね。マスターは」
マスター「健輔です。」
………………え。
「健輔さんだってー!」
「わかりましたー!ありがとうございます☆」
女子軍団は約束通り名前を教えたら帰って行った。
しかし今はそんなことが問題じゃない。
『どーして……?』
私は教えてもらえなかった。今からだって断られるの覚悟で聞こうとした。―――なのに…。
:07/05/06 01:33
:SO903i
:dyICY6Qg
#471 [向日葵]
世津「マスター。意味分からないんですけど……。」
マスター「え?……あ、あれは」
世津「なんであの子達なんかに教えて私には教えてくれないんですか?!」
あんな恐い顔するからあんまり聞きたくなかった。
でも私はマスターを名前で呼びたかった。
だってみんなマスターって呼ぶ中で私にだけ教えてもらって、私だけがそれを呼んだらなんだか私は特別の様な気がして……。
でも違う。
思い上がってたんだ。
:07/05/06 01:38
:SO903i
:dyICY6Qg
#472 [向日葵]
世津「私もうマスターがわかんないよ!!」
私はその場を走り去った。
湖穂[取られちゃうわよ?!]
そうだね湖穂。
もしかしたらマスターはもう私のことが好きじゃないかもしれない。
だから特別にしか教えないから私は教えてもらえないのかもしれない。
世津「自分で考えといて…悲しいなぁ……。」
泣きそうになった。
こんなことなら早く返事すればよかった。
私も好きですって……。
:07/05/06 01:42
:SO903i
:dyICY6Qg
#473 [向日葵]
:07/05/06 01:43
:SO903i
:dyICY6Qg
#474 [
]
またAコメしましたぁ


続き気になる

主サン更新頑張ってね


あげ↑↑(^-^)
:07/05/06 22:56
:N902i
:☆☆☆
#475 [向日葵]

さん

ありがとうございます


明日早いんで今日も少ししか更新できませんがご了承くださいm(__)m
:07/05/06 23:57
:SO903i
:dyICY6Qg
#476 [向日葵]
「ちょっとアンタ。」
世津「え?ちょ、何よ!!」
私はさっきの女子軍団に囲まれて、どこかへ引きずられていった……。
――――……
一方。
見事に置いてけぼりをくらったマスターは、まだ階段のところに座りこんでいた。
:07/05/07 00:00
:SO903i
:ig2tmRBQ
#477 [向日葵]
世津[何で私には教えてくれないんですか?!][もうマスターが分からない!!]
実は世津は誤解をしていた。その誤解をマスターは解かなければならない。
マスターは立ち上がり、世津を探しに行くことにした。お昼を少し過ぎたので大分人混みがマシになってきた。
世依「あ!マスター!!」
制服に戻った世依が駆け寄って来た。
マスター「世依さん。どうなされたんですか?」
世依「な、なんか、せっちゃんが大勢の女の子に連れて行かれてたの!!あれ一体何?!」
それだけでマスターはさっきの人達だと言うことが分かった。
マスター「早く探しに行かないと……」
:07/05/07 00:06
:SO903i
:ig2tmRBQ
#478 [向日葵]
世依「で、でもどこに…。」
それはマスターもわからなかった。
とりあえず落ち着いて考え様と試みた。
マスター「…………そういえば…」
世津[空き教室が北館の3階に集中してて……]
マスター「……!世依さん。北館はどちらですか?」
世依「北館?それならあっち……え?!マスター?!」
マスターは世依が指差した方に疾風がごとく走って行った。
:07/05/07 00:11
:SO903i
:ig2tmRBQ
#479 [向日葵]
―――……
ダァァァ……ン
私は女子軍団に囲まれて壁に追い詰められていた。
その内の1人が私の顔の横に手を勢いよく置いた。
世津「何なのよアンタ達。陰湿じゃない。」
「はぁ?うっとおしいわねぇ。双子の影の分際で。」
「アンタなんか妹がいなきゃ存在感ないもんねぇ?」
ここで女子軍団が高らかに笑った。
まったくもって何が面白いのか全然分からん。
:07/05/07 00:20
:SO903i
:ig2tmRBQ
#480 [向日葵]
世津「アンタらに構ってる暇ないんだけど。」
化粧だけ濃いくて外を飾っても所詮中身は腐ってるなコイツら。
私が睨むと、私の左にいた奴が私の髪を掴んだ。
「なんだよその目。文句ある?」
世津「大有り。私アンタらに何もしてないじゃん。」
「影の存在があんないい男連れて目立ってんじゃねぇよ!」
パシッ
平手を喰らった。
いきなりだったんで口の中を噛んでしまった。
:07/05/07 00:24
:SO903i
:ig2tmRBQ
#481 [向日葵]
世津「いったいなー。噛んだじゃんか。アンタらだって彼氏ぐらいいるでしょーが。」
「うっとおしい奴見ると嫌気さすじゃない?」
『自己中も甚だしいな。』
私はとりあえず負ける気はしなかった。
気は強い方なので、ここにいる奴全員を蹴散らす元気ぐらいはある。
世津「知ってる?そーゆーのヒガミって言うの。」
笑いながら言ってやったら、図星を突かれた何人かが私を蹴ってきた。
:07/05/07 00:29
:SO903i
:ig2tmRBQ
#482 [向日葵]
「アンタみたいな奴、あんなカッコイイ人が本気で相手してると思ってんのかよ!!」
『……』
そんなの私にはわからない。でもマスターがくれた暖かさとか、優しさとか、抱きしめてくれた力強さとか……
それはきっと嘘なんかじゃない。
マスターのことなんて、まだ3分の1以下くらいしかきっと知らない。
でも私は知っていきたい。
だって……
大好きなんだもん!!
:07/05/07 00:33
:SO903i
:ig2tmRBQ
#483 [向日葵]
世津「私が相手されてないんなら、アンタらなんか眼中にも無いよ!!」
女子軍団の怒りに触れた。
「超ウゼェ!!ふざけてんじゃねぇよ!!」
複数の女子が殴りかかってきた。
仕方ない。我慢してたけど……反撃開始!!
――――と思ったら。
ガラッ!!!
マスター「おや。皆様お揃いのご様子で。」
世津「マ、マスター!!」
:07/05/07 00:38
:SO903i
:ig2tmRBQ
#484 [向日葵]
女子軍団はバツが悪そうに少し身を引く。
マスター「綺麗どころがお集まりになりまして…。大変失礼します。」
執事さんがやるような礼をして、マスターは私に目を向ける。
私はと言うと蹴られたせいで制服に足跡が付いてたり、髪の毛を掴まれたりしたせいでグシャグシャになっていた。
その姿を見たマスターは、笑顔なのにどこか怒っていて周りには冷たい空気が流れていた。
マスター「世津さん。行きましょうか。」
世津「え?あ、ハイ…。」
:07/05/07 00:46
:SO903i
:ig2tmRBQ
#485 [向日葵]
差し延べられた手を半ば呆然として握る。
そして教室を出て行く時にマスターが一言。
マスター「名前。健輔なんて嘘ですよ。」
ピシャン
…………
「「エェェェェェ!!!!」」
中に入る女子は大騒ぎ。
一方の私もびっくり。
世津「え?マスター…?」
マスター「……どこか、空いてる教室はありませんか?」
そう言ったマスターはいつもの優しいマスターに戻っていた。
:07/05/07 00:53
:SO903i
:ig2tmRBQ
#486 [向日葵]
――――……
階の一番端にある空き教室に私達は入った。
女子軍団が乗り込んできてはダメなので、一応鍵を閉める。
ガチャン
『…ちょっと待って……。』
男女が密室に2人…。それってかなりヤバくない?!
マスター「世津さん」
世津「はいぃぃぃぃっ!!」
意識しすぎて突然のマスターの呼びかけに飛び上がる私。
マスター「どうぞこちらへ。制服をキレイにします。」
:07/05/07 00:58
:SO903i
:ig2tmRBQ
#487 [向日葵]
マスターはズボンのポケットからハンカチを取り出し、パッパッと足跡を払ってくれた。
少し汚れているけれど、大分マシになった。
そしてグシャグシャになった髪の毛をほどく。
世津「あ、マスターいいです!そのままで!!」
マスター「じゃあ。手櫛で失礼します。」
マスターの細くて長い指が私の髪の間を通る。
なんだかドキドキして、ゾクッとした。
マスター「キレイな髪をなさってますね……。」
:07/05/07 01:03
:SO903i
:ig2tmRBQ
#488 [向日葵]
世津「や、あの…っ」
マスター「私の母もそうでした。」
『えっ……』
髪の毛をキレイにし終ったマスターは私の後ろに立ったまま話始めた。
マスター「私は、両親に捨てられたんです。9つの時に……」
世津「……っ!」
マスターはそれから弧児院で育てられ、喫茶店の元マスターに育てられたんだと言う。元マスターは2年前に亡くなり、今はマスターが継いでいる。
:07/05/07 01:10
:SO903i
:ig2tmRBQ
#489 [向日葵]
マスター「私を育ててくれた父は、それは優しく、愛情を持って接してくれました。……でも名前で呼ばれることはありませんでした。」
世津「どー…して?」
私は振り向いた。
するとマスターは穏やかな、だけど寂しそうな顔をしていた。
マスター「私が、名前を教えなかったんです。いえ知っていたでしょう。でも私は自分の名前が嫌いで偽りの名前を言いました。それが……健輔なんです。」
世津「口からでまかせじゃなかったんですね……。」
私はクスッと笑った。
マスターも少し笑顔になった。
:07/05/07 01:16
:SO903i
:ig2tmRBQ
#490 [向日葵]
マスター「世津さん。私の名前を呼んでくれませんか?」
世津「え……?」
マスター「貴方に呼ばれたら好きになれそうなんです。」
私は少し考えた。
それはマスターが私に心を預けてる様な気がした。
ならば私もマスターに心を渡そう。
世津「マスター。私は貴方が好きです。お名前を聞いてもいいですか…?」
マスターは少し目を見開いて、直ぐに暖かい笑みを溢した。
:07/05/07 01:20
:SO903i
:ig2tmRBQ
#491 [向日葵]
マスター「な…つきです。五十嵐 那月。」
世津「いが…らし……那月……。」
私は知らず知らずにマスターの頬に手を添えた。
世津「那月さん…那月さん……」
マスターは目を閉じて私の手に手を添える。
世津「那月…。」
マスターは少し目を開けて幸せそうに笑う。
マスター「世津さん。唇切れてますよ。大丈夫ですか?」
世津「あぁ。多分さっきの……」
:07/05/07 01:27
:SO903i
:ig2tmRBQ
#492 [向日葵]
「さっきの時ついた傷です。」そう言う前にマスターの唇が私の唇に重なった。
外では、みんながその一瞬を楽しむように騒いでいる……。
―――……
マスター「これが最後のお話です。如何でしたか?」
世津「ちょっと那月さん!ミルクティー注文出てますよー!」
マスター「ハイ。只今。」
:07/05/07 01:33
:SO903i
:ig2tmRBQ
#493 [向日葵]
ここは恋愛喫茶店。
様々な恋愛話を、ここのマスターと……奥さんが話してくれる不思議な喫茶店。
次また貴方が必要な時に、扉が開くでしょう。
では
またのご来店を心よりお待ちしています……。
カラン…カラン……
:07/05/07 01:35
:SO903i
:ig2tmRBQ
#494 [向日葵]
:07/05/07 01:37
:SO903i
:ig2tmRBQ
#495 [向日葵]
:07/05/07 01:38
:SO903i
:ig2tmRBQ
#496 [向日葵]

あとがき

長らくの間「恋愛喫茶店」をご愛読&応援していただき、ホントにありがとうございました

なんとか書き上げることができました

次回作は「きらきら」の続編を書くことを予定しています。よろしければ手にお取りください

ありがとうございました

感想よければ
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2116/
:07/05/07 01:41
:SO903i
:ig2tmRBQ
#497 [奈津歩]
:07/05/08 19:38
:D902iS
:☆☆☆
#498 [奈津歩]
:07/05/10 19:27
:D902iS
:☆☆☆
#499 [
]
:07/05/12 15:12
:P903iTV
:☆☆☆
#500 [向日葵]
:07/05/12 15:17
:SO903i
:eR9ub5EA
#501 [
]
あげてみました


この話めっちゃおもしろいですよ


みなさんも

度は読んでみてください

:07/05/27 12:00
:N902i
:☆☆☆
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