【Devils×Night】
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#101 [オッズ]
「オッズ……」

私はつぶやいた。

「はい、私の名はオッズ。
オッズ以外の何者でもありません」

オッズは歌うように答える。
いくら歌声を出しても、オッズの声は陰欝で、かび臭いような気がした。

「それって……あんたがなんなのか教えてくれないってこと?」

「お教えしたはずですが?
私はオッズ。
それ以上でも以下でもございません」

「……そう」

⏰:07/05/09 21:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#102 [オッズ]
人間なのかなんなのか。

人形を見た後だったから、オッズが人間じゃなくても納得できる。

私は質問を変えた。

「後程っていつ?」

オッズは私に向かって、長い腕を突き出した。

すごく大きな手。

私は身をひいた。

「ご一緒ください」

私が答えるまもなく、オッズは私の手を握り、歩きだしていた。

⏰:07/05/09 21:59 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#103 [オッズ]
―――――――――…


先程は、オッズは歩きだしたと言ったが、実際のところはわからない。

オッズに触れられた途端、せっかく復活した脳みそがとろけたようになったしまったからだ。

ボーッとしていたら、あっというまに目的地に着いちゃった。

だけど時間が裁ったようには感じなかった。


私の目の前には、不思議な形をしたお屋敷が広がっている。

こんな屋敷、見たことがない。

⏰:07/05/09 22:03 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#104 [オッズ]
「ねぇ……」

話し掛けてみる。

「何でしょう?」

オッズはそう言いながら、屋敷の入り口に向かっていく。

「ここ何?
お家の形、変じゃない?」

答えない。

オッズは私を無視して歩き続けている。

身長三メートルはあるウサギ男と、身長150あるかないかの私の歩調が合うはずがない。

着いていくのに必死で、私も黙った。

⏰:07/05/09 22:08 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#105 [オッズ]
「入りますよ」

門から入り口までかなりの距離があり、私はすでに疲れていた。

屋敷は西洋風で、かなり古いらしい。

オッズは私を気遣う様子もなく、ドアを開け、中に入ってしまった。

「待って!」

私も慌てて中にはいる。

「うわぁ……!」

屋敷の中は真っ暗だった。

本当に真っ暗で、何も見えない。
前を歩いているはずのオッズの姿も見えない。

⏰:07/05/09 22:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#106 [オッズ]
「オッズ」

小さな声で呼んでみたが返事が無い。

私は不安になった。

その時、何か声が聞こえてきた。

オッズ……?

耳をすますと、バサバサというような羽音と共に、嘆き声が聞こえた。

『ママ……助けて……』
『殺される!』
『助けて……助けて!』

な、何?!

声と羽音はいたるところから聞こえた。

⏰:07/05/09 22:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#107 [オッズ]
私の顔に何かあたる。

「やだ……、ちょっと……なんなの?!
オッズ!オッズー!」

私は我慢できずに大声を出した。

「千鶴様!
何か悲鳴のような声は聞こえますか?」

オッズだ!

少し遠くにいるようで、声がこだましていた。

私はすっかりオッズに気を許していた。

「聞こえるよ!」

⏰:07/05/09 22:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#108 [オッズ]
「声の主を掴みなさい」

オッズの堂々とした声が響き渡る。

「え?!無理だよっ!
オッズ、こっちに来てよ」

私は半ば泣きそうだった。

あちこちから聞こえる悲鳴は気を滅入らせた。

「いいから!掴むのです」

私は仕方なく、手をのばしてみる。

手に無数の何かがあたっている。

⏰:07/05/09 22:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#109 [オッズ]
もう、しょうがない!

「えいっ!」

私は空を掴むように、手を握り締めた。

何かを掴んだような感じがする。

その途端、急に光があらわれ、辺りが見えるようになった。

光は私の手の付近から発されている。

恐る恐る手を見てみると、コウモリみたいな生きものが私の手の中で光っていた。

「ひっ!」

⏰:07/05/09 22:30 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#110 [オッズ]
私はなんとか、手を離したくなる衝動を押さえた。

このコウモリ一匹だけでもかなり明るい。

まわりにはコウモリが大量に飛び回り、君の悪い呪文を唱え続けている。

気持ち悪っ!

「千鶴様!
こちらですよ」

やっとオッズの姿を見つけることができた。

「……はい」

コウモリのことは聞かないことにした。

⏰:07/05/09 22:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#111 [オッズ]
―――――――――…


オッズは散々歩き回った後、一つのドアの前でとまった。

私はその間、ずっとコウモリを握り続けなければいけなかった。

「ここですよ」

ドアはすごく大きな両開きなもので、彫刻が施されている。


ギィー……


ドアはうめき声をたてて、ゆっくりと開いていく。

⏰:07/05/09 22:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#112 [オッズ]
部屋の中は廊下とは違い明るかった。

私はすかさず、握り締めていたコウモリを離す。

部屋はただっ広く、家具などはとくになかった。

しかし中央に豪華な装飾された豪華な椅子が置かれ、そこには男の子が座っていた。

「遅かったじゃないか」

男の子はにんまりしながらそう言った。

からかうような口調だったが、厳しい威厳も感じられた。

⏰:07/05/10 06:57 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#113 [かナょ]
あげ

⏰:07/05/11 22:54 📱:D902i 🆔:LAE9.bT2


#114 [オッズ]

かナょさん
あげてくれて
ありがとおございます

⏰:07/05/12 15:06 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#115 [オッズ]
支配者―――…

私はそう感じた。

それと同時にかっこいい!とも叫びたかった。

だって椅子に座っている男の子は素晴らしいくらいかっこよかったから。

漆黒の黒髪はウェーブがかかり、瞳は蜂蜜のような色をしている。
肌は青白く、大理石みたいにしなやかだ。

私はこんなときに最悪だと思いながらも、美少年を前にして心踊らせた。

⏰:07/05/12 15:11 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#116 [かナょ]
私この話好きやから
あげ
当然ですよぉ

⏰:07/05/12 19:51 📱:D902i 🆔:/gd4Yexs


#117 [リカ]

すっごい面白いです
ハマりました
怖いんですけど、どん続きが気になりますッ
主サン文才ありすぎですよ-
これからも頑張って下さいね

⏰:07/05/12 21:20 📱:P903iTV 🆔:☆☆☆


#118 [オッズ]

かナょさん
そう言ってもらえて
感激です(´;ω;`)
かナょさんのためにも
頑張りますっ

⏰:07/05/12 22:17 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#119 [オッズ]

リカさん
おもしろいって
言っていただけて
すごく嬉しいです(*´∨`)
文才なんて
ちっともないですよ
頑張るので
よかったら、これからも
読んでください

⏰:07/05/12 22:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#120 [オッズ]
男の子が私を見つめた。

いたずらな笑顔をしていたが、私は威圧感に押し潰されそうだった。

金色の瞳は爛々と光を放っている。

「初めましてお嬢さん。
僕はキジ。
その様子だと……弟さんは食べられちゃったみたいねぇ……」

キジと名乗った少年は、そこでクスクスと笑った。

再び怒りと悲しみが私を押し寄せる。

驚きの連続で、私は家族の死を完璧に受け入れられてなかったらしい。

私は悪趣味な少年に怒鳴ろうとしたときだった。

⏰:07/05/12 22:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#121 [オッズ]
「ニャァ!」

泣き声と同時に真っ赤な猫が、私の横を通り抜け、キジの膝の上に飛び乗った。

「あ……」

ゴミ捨て場にいた猫だ。

真っ赤な毛の猫なんて、なかなかいるもんじゃない。

私が猫に気をとられていると、キジが陽気に猫に話し掛けた。

「いつまでその姿でいるつもり?」

猫はキジを見つめると、笑った。

笑ったのだ。

⏰:07/05/12 22:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#122 [オッズ]
そして猫はキジの膝の上から可憐に飛び降りたと同時に変身した。

猫だったのに、次の瞬間には人間になっていた。

目を丸くして驚いている私を見て、キジが意地悪く笑う。

背後でオッズが不気味な笑い声を出しているのも聞こえる。

「ありえない……!」

私はそう呟き、猫だった男の人を眺めた。

「ありえるさ。
彼の名はハインリッヒ。
もともと人間だったんだけど、わけありで普段は猫の姿。
僕の近くにいるときだけ人間の姿になれるってわけ」

⏰:07/05/14 21:46 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#123 [オッズ]
キジはそう説明して、私にわかった?と、解いたげな視線を送った。

私は更にポカーンとした。

なになに?
普段は猫だけど、本当は人間?
そんなのってあり?
こんなお伽話みたいなのあっていいわけ?

「まぁ、彼は僕の下部だね。彼のことはトラと呼んでやってくれ」

キジは満足そうにそう付け加えた。

「え?!」

はっ?!
トラ?なんで?
ハインリッヒっていう格好いい名前があるのに?
しかも下部って……。

「そう呼んでください」

⏰:07/05/14 21:53 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#124 [オッズ]
「……わかった」

私は納得いかないまま、一応うなずいた。

トラは悩ましげな笑みを浮かべている。

猫の時のような真っ赤な色をした髪が、彫刻のような美しい顔にかかっていた。

背はすらっと高く、黒いタキシードのような服がよく似合っている。

猫の姿より、人間の姿の方が素敵……。

そこで私はハッとした。

私、ここで何してるんだ?

美少年と美青年と気持ちの悪いウサギ男に囲まれて、談笑をしに来たわけじゃないことは確か。

⏰:07/05/14 22:00 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#125 [オッズ]
「そ、それより、なんで私をここに連れてきたのよっ?!」

私は強気な態度に出ることにした。

キジは冷たい目で私を一別して、ため息を吐いた。

「君の家に、人形が来ただろう?」

胸が苦しい。
来たなんて、生易しいもんじゃない。

キジは私を無視して話を続ける。

「人形の名前はリリー。
彼女は……僕の許婚だ」

⏰:07/05/14 22:04 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#126 [かナょ]
更新されてるぅー
がんばってください

⏰:07/05/14 22:13 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#127 [ヒナ]
予想ができない展開ですねっ(≧ω≦)
楽しみです♪

⏰:07/05/15 01:06 📱:W44K 🆔:u9RLaD/A


#128 [Ayu]
更新してほしいです

⏰:07/05/19 00:01 📱:P902iS 🆔:n/8I3JN6


#129 [オッズ]

かナょさんヒナさん
Ayuさん
書きしてくださって
ありがとおございます
更新遅くなって
すいません(´;ω;`)
頑張ります

⏰:07/05/19 09:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#130 [オッズ]
「はっ?!」

許婚って……あの人形が?

ちょっと待って!
いくらキジが頭おかしいからって、人形が許婚なんてねぇ……。

私は疑るようにキジを見つめた。

キジはキョトンとした顔で私を見つめ返していたが、すぐに納得したようにうなずいた。

瞳がキラキラと金色に輝いている。

「君は愚かだな。
僕が人形と結婚するはずないだろう?
リリーが人間だった時だ。
僕の許婚だったのは」

⏰:07/05/19 09:24 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#131 [オッズ]
また出たよ……。

実は人間だったみたいな。

そのパターン、もううんざりなんだけど。

「ほぇー。
人食い人形のリリーちゃんは、実は人間だったの!」

皮肉を交えて言った。

それを聞いて、トラはクスクスと笑ったが、キジは気を悪くしたようだ。

「あぁ、そうだ!
彼女はとても美しい人間の少女だった!」

キジは怒ったように、けれどとてもゆっくりとリリーのことを話しだした。

⏰:07/05/19 09:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#132 [オッズ]
―――――――――…


リリーが初めて僕の前にあらわれたのは、とても寒い冬の日だった。

雪が降っていて、恐ろしいくらい静かだったのを覚えている。

リリーは召使に連れられて、僕の宮殿にやってきた。
幼いときから、許婚として決まっていたのだが、会うのは初めてだった。

クリーム色のドレスを来た彼女は、ひどく美しかった。

僕は一瞬で彼女に心をひかれた。

⏰:07/05/19 09:35 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#133 [オッズ]
彼女は美しいだけでなく、何か内に秘めたものを持っているような気がした。

深い青の瞳の奥に、なんともいえない強い力を感じたんだ。

そしてその予感はあたっていた―――…。


その後、何度もリリーと顔を会わせたが、特に変わった様子はなかった。

おとなしく、僕が言うことにただただ微笑むだけだった。

僕はそんな彼女にうんざりしてきて、他の女性と遊ぶようになっていった。

⏰:07/05/20 10:03 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#134 [オッズ]
僕が彼女と他の女性たちを同じように見るようになってから、彼女は変わった。

殺人鬼に変貌した。

欲望に狩られた瞳は隠す事無く、爛々と輝きだした。

リリーは当時、僕が一番親しくしていた女性を殺したのだ。

そしてその死骸を食らった。

僕はたまたまその光景を見ることができた。

僕は狂喜した。

おしとやかで、天使のような少女が、悪魔に変身してしまったのだ。

⏰:07/05/20 10:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#135 []
今日全部読みました
めっちゃおもろいです
頑張って下さい

⏰:07/05/21 13:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#136 [オッズ]

さん
読んでくださって
ありがとおございます
光栄です(´;ω;`)
ただ今、テスト期間中なので、終わりしだい更新
頑張ります

⏰:07/05/21 18:44 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#137 [かナょ]
オッズさんガンバー

⏰:07/05/21 20:56 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#138 [Ayu]
待ってます
頑張って下さい

⏰:07/05/22 06:31 📱:P902iS 🆔:NGgwkKro


#139 [オッズ]

かナょさんAyuさん
ありがとおございます
嬉しいです(*´∪`*)
頑張りますね
まだテスト期間中なので
たくさんは書けませんが
少しだけ更新
したいと思います

⏰:07/05/23 19:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#140 [オッズ]
>>134から

僕は待っていたのだ。

彼女が行動するのを。

平凡な女たちにはあきあきしていた。

だから、返り血をあびながら、ただの肉片になってしまった女性を食べ続けるリリーに対して、なんの恐怖も感じなかった。



リリーはそれから、僕のまわりの女性をすべて殺していった。

僕には、以前どおりのおとなしい様子で接していたが、どこか妖艶になったように思った。

⏰:07/05/23 19:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#141 [オッズ]
リリーは犯罪を隠すことは無かった。

そのため、すぐにリリーの犯行だと言うことが周囲に知れ渡ってしまった。


そして、彼女はついに捕えられたのだ。

魔女だ人食い鬼だと罵られ、リリーはひどい拷問を受けたうえで、火やぶりにされた。

しかし、それでも彼女の僕に対する愛は途絶える事無く、殺人は彼女に快楽を与えた。

それらを忘れることができなかったリリーの魂は、現世にとどまった。

⏰:07/05/23 19:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#142 [オッズ]
―――――――――…

「そして、その魂を僕があの人形に閉じ込めたのさ」

最悪な話―――…。

私は鳥肌のたった腕を擦った。

リリーは生きていた頃から、人間を食べていたんだ。

……そういえば、話がかなり昔っぽかったけど、コイツは一体何歳?

「リリーはこの屋敷に居るかぎり、自由に動くことはできなかった。
ところが、数日前にリリーは盗まれてしまった。
盗んだ男はリリーに食われたらしがな」

キジは憎々しげに笑った。

「あ……」

公園で殺された人だ。

「……ねぇ?
私をなんでここに呼んだの?」

⏰:07/05/23 19:49 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#143 [オッズ]
キジは天使のような美しいほほ笑みを讃えながら、椅子から立ち上がった。

ゆっくりと優雅に私に近づいてくる少年は、何ていってよいかわからないが、人間ではないような気がした。

近くで見るキジは息が詰まるほど、綺麗だ。

「君を、助けてあげよう」

私はしっかりとキジが差し出した手を握り締めた。

ひんやりとした滑らかで陶器のような手。

……彼女は……リリーは、どれほどこの少年を愛していたんだろう。

⏰:07/05/23 19:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#144 [ヒナ]
久々にカキコしました☆毎日チェックしてます(*´▽`)
頑張って下さいね♪

⏰:07/05/23 21:01 📱:W44K 🆔:Riw/hv3k


#145 [Ayu]
あぁ〜おもろい
また更新されるのを
楽しみにしてます

⏰:07/05/24 07:39 📱:P902iS 🆔:RAfIDm/U


#146 [オッズ]

ヒナさん
かきしてくれて
ありがとおございます
毎日チェックしてて
くれたんですか(゚Д゚)
光栄です
めちゃ頑張ります

⏰:07/05/24 22:43 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#147 [オッズ]

Ayuさん
おもしろいって
言ってくれて
ありがとおございます
嬉しいです(*´∪`)
更新
明日、しに来れたらと
思います
すいません

⏰:07/05/24 22:46 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#148 [オッズ]
「……それで、助けるって具体的にどうしてくれるの?」

殺風景だった部屋にいつのまにか、豪華なテーブルと椅子があらわれた。
私はそっとその椅子に座ってみたけど、かなり嫌な感じだった。
椅子は不気味な唸り声をあげているし、時々ガタガタと震えた。

テーブルにはオッズがお菓子と紅茶みたいな飲み物を用意してくれてたけど、絶対口にするのはやめようと心に決めた。

キジは気にする事無く、手掴みでケーキのようなお菓子を頬張っていた。

トラはキジの後ろに姿勢良く立っている。

「あのさ……」

「何?」
キジは顔をこちらに向けたが、むしゃむしゃとお菓子を食べ続けている。

⏰:07/05/25 22:41 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#149 [オッズ]
「うん……。えっと、私の家族……お父さん、お母さん優太はどうなるの?」

キジの手がピタリととまった。
蜂蜜色の瞳に不審の色が広がった。

「どうなるもこうなるも死んでいるだろう?」

眉間にしわがよっている。

「そうだけど……」

私の頬に涙が伝った。

キジならなんとかしてくれるんじゃないかって……。

お父さんたちを殺したのは人形だし、人間じゃないんだし……。

だから―――…。

⏰:07/05/26 18:31 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#150 [オッズ]
でも、そんなはずないんだよね。

いくらキジだって、人間を生き返らせることなんてできるはずないし。
そもそも私はキジのことを何も知らないんだ。
偉そうにしてるけど、本当は大したことはできないガキかもしれない。

それに相手が誰であろうと家族が殺されたのは明らかなんだ。

なのに期待しちゃうなんてバカだよね……。

キジはそっと椅子から立ち上がると、次の瞬間には私の横に立っていた。

困ったように私を見つめている。

「わ、私だって……い、生き……返らせるられるって、本気で思ってた……わけじゃない!……けど」

私はわんわんと泣き声をあげた。

⏰:07/05/26 19:39 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#151 [オッズ]
お父さんたちを誰も助けられないんだ。

私は完全に独りぼっちになっちゃったんだ。

独りぼっちになってまで、わざわざ助けてもらって生きている意味ある?

「私……帰る!
た、助けなんて……いらないから……」

私は涙と鼻水だらだらの顔で、キジを思いっきり睨み付けた。

キジはせめるような視線を返し、私の涙をケーキでべとべとになった手で拭き取った。

「……できる」

「え……?」

⏰:07/05/26 19:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#152 [オッズ]
キジは私から顔をそらして、トラの方を見つめた。

トラの表情は厳しかった。

「僕なら千鶴の家族を蘇らせられる。
千鶴、確か君は家族の一部を保存していたね?」

家族の一部……?
って耳たぶとか指とか?

「そうそれだ」

キジは、すかさずそう言った。

「え?!」

私、まだ何も言ってないよ?
てゆーか、なんで私がお父さんたちの一部を取っておいてるの知ってるわけ?
話してなかったよね……?

⏰:07/05/26 20:01 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#153 [オッズ]
「それがあれば生き返らせる。
僕ならできる」

キジの声は堂々としていたが、瞳は不安げだった。

キジが不安げにしてるなんて……。

今日初めて会ったばかりだけど、自信満々でこそキジって感じがする。

「……何か問題があるの?」

私は疑るように聞いた。

気付いたらオッズが私の隣に居て、布巾で私のケーキと涙と鼻水だらけの顔を拭きだした。

ここの屋敷の住人は、人に気付かれずに移動するのが好きみたいね。

⏰:07/05/26 20:09 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#154 [オッズ]
オッズの拭き方は血が出るんじゃないかっていうくらい乱暴で痛かった。

「ちょっとオッズ!
痛いよ!拭いてくれなくて大丈夫だから」

「すいませんねぇ……」

私の耳元でそう囁いた。
不気味で抑揚のない声。

思わず鳥肌がたつ。

オッズは背が高すぎるから、私の顔に顔を近付けるには、かがみこまないといけない。

体を曲げたり伸ばしたりすると、ボキボキと骨が折れているんじゃないかっていう音がしている。

近くで見るオッズってほんとに気持ち悪い。

「フフフ……」

キジが可愛らしい笑顔を見せた。

⏰:07/05/26 20:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#155 [オッズ]
「オッズ……おまえは本当に気持ち悪いねぇ」

キジは気持ち悪いというのが、最高の誉め言葉であるかのように言った。

オッズは、黒いぽっかりとした穴だけの耳に、指を突っ込み、意味不明なことを呟くと、血相を変えて部屋から出ていった。

「何あれ……」

キジは楽しそうにキャッキャッと笑いだした。

「照れてるんだ。オッズは愉快なやつだ」

トラがため息をついた。

⏰:07/05/26 20:25 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#156 [オッズ]
あれって照れてるの?

「それより千鶴。
問題は……無いというわけではない」

可愛らしい笑顔は消え、キジは真面目な顔になった。

「たとえばどんな問題があるの?」

私は心配になった。

キジはできるって言ってるけど、死んだ人を生き返らせるなんてたやすいはずがない。

キジにだって人を生き返らせるなんてできないと思ってたくらいだし。

「大した問題じゃないさ。
ただ、完全じゃない……それだけ」

「完全じゃないって……」

「黙って。
とにかく、僕は君の家族を蘇らせられるんだ。
このことは後で考えればいい」

⏰:07/05/26 21:07 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#157 [オッズ]
後でなんて……。
家族より大事なことなんて他にないのに!

キジは艶やかな黒髪をかきあげた。

「今考えるべきことは……君をリリーから助けだすことだ」

「でも!」

私は食い下がった。

なんとしてでも早く家族を生き返らせて欲しい。

「言うことを聞け。
僕は千鶴が助かったのを確認しないかぎり、君の家族は助けない」

キジは悩ましげに微笑んだ。

……可愛すぎる。
「わかった」

⏰:07/05/26 21:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#158 [オッズ]
「それでいい。
では……なぜ君でなくて、先に弟が殺されたかわかるかい?」

え……?
どういう意味?
やっぱり先に殺されるはずだったのは私だった?

私は首を振った。

キジは不敵な笑みを浮かべた。

「千鶴には微量ながら魔力が宿っている」

「はぁ?!魔力?」

ちょっと待ってよ!
私に魔力?
ありえないって。
キジに魔力があるとしたら頷ける。
たぶんあると思うし。
でも……私に?!

⏰:07/05/26 21:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#159 [オッズ]
「リリーは魔力に弱いんだ。だから、君に魔力が宿っていると知って、標的を弟に変えたのだ」

私に魔力……。

私に魔力なんかがあったから先に優太がやられた。

「ねぇ、私に魔力があるなら、優太たちを生き返らせることができる?」

キジは首を横に振った。

「魔力が弱すぎる。
しかし、僅かな魔力しかなくてもリリーには効果てきめんだ。
リリーは君に触れることはできない」

それってマジ?!

じゃあ、私は殺されないじゃん。

⏰:07/05/26 21:23 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#160 [オッズ]
「殺されないわけではない。
生きているまま君を食べることはできないが、例えば包丁で君を刺し殺した後なら、君を食べることはできる」

キジは私の心の中を読み取ったらしく、そう答えた。

「つまり……、刃物とかそういうものを使えば、リリーも私を殺すことができて、私は死んじゃったら食べられちゃう?」

「そういうことだ」

げげ……。
刃物使えば殺されちゃうんだ。

「だけど、キジなら簡単にリリーをやつけられるでしょ?
私が弱くても問題ないよね?」

⏰:07/05/26 21:28 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#161 [オッズ]
キジは私の質問には答えずにそっぽをむいた。

「残念ですが……キジ様はこの屋敷から出られないのです」

トラが申し訳なさそうに口を挟んだ。

うそ……。
うそでしょ?!
私一人でリリーと戦わなきゃいけないの?
無理……!絶対無理!

リリーの前に立ったら、身動きできなくなりそう。

「心配するな」

キジがぶっきら棒に言った。
「リリーはどんどん進化していっているが、まだ道具をうまく使うことはできないだろう。
殺される心配はない」

⏰:07/05/26 21:33 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#162 [オッズ]
そんなの憶測でしょう?!

一人なんてやだよぉ!

私はトラを見たが、素早く目をそらされてしまった。

キジは私の心の声が聞こえているはずなのに、平然と無視している。

「それから、秘密道具をやろう」

キジはにんまりとして、私に向かって何かを投げた。

私は必死でそれをキャッチした。

「秘密道具って……」

キャッチしたものを見ると、それはすごく綺麗なネックレスだった。

⏰:07/05/26 21:39 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#163 [オッズ]
古そうなものだけど、ネックレスに付いている宝石の輝きは素晴らしい。

「これ……?」

「それは僕が、人間だった頃のリリーに送ったものだ」

キジは愛しそうに私が手にしているネックレスを見つめた。

キジが……リリーに?

「ネックレスには膨大な魔力を入れておいた。
それをリリーの首にかければ、魂も人形もぼろぼろに崩れるはずだ」

ネックレスをリリーの首に……。

私にそんなことができるのかな?

⏰:07/05/26 21:45 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#164 [オッズ]
でもやるしかない。

お父さん、お母さん、それに優太のためにも。

「わたかった。やる」

私は堂々とそう言った。

キジは静かにうなずく。

「……ねぇ、キジ?」

キジは金色に輝く美しい瞳で私を見つめた。

「あんたって何者っ?」

私はそう言ってにっこり笑った。
キジもにんまりと笑う。

「……魔法使いさ」

⏰:07/05/26 21:50 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#165 [オッズ]

>>149-164
今日わここまでにします

⏰:07/05/26 21:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#166 [かナょ]
やっぱおもろーい
頑張ってください
あげ

⏰:07/05/26 22:37 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#167 [奈菜]
はまった…゜凵Kx
やばい文才ですね~
続きが楽しみですフ

⏰:07/05/27 02:03 📱:W43H 🆔:HjoWSds.


#168 [オッズ]

かナょさん
いつもかきしてくださって
本当にありがとお
ございます(・ωq`)
すごくすごく嬉しいです
おもしろいだなんて
光栄です(*。_。)
後少しなので
頑張りますね

⏰:07/05/27 13:24 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#169 [オッズ]

奈菜さん
読んでくださって
ありがとおございます
文才なんて
ちっともないです(・ω・)
でもそう言っていただけて
嬉しいです
続き、頑張って書きます

⏰:07/05/27 13:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#170 [オッズ]
―――――――――…


私はオッズに手を引かれ、家に帰った。

やっぱり、どの道を通って帰ってきたのか思い出せない。

「それではお気を付けて」

オッズは早口でそう言うと、瞬きをしている間に消えてしまった。

キジにからかわれたのが堪えているのか、白い肌が青っぽくなっていて、調子が悪そうだった。

「……ふぅ」

家に入ろうとした時、ポストに白い紙が入っているのに気付いた。

⏰:07/05/27 13:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#171 [オッズ]
紙を取り出して広げる。

『いただきます。0』

0……。
0になんて絶対ならない。

私はリリーを壊して、キジに家族を助けてもらう。

4になるんだ。

唯一気掛かりなのは、文字がとても上手くなっていたことだ。

リリーは予想以上に進化しているんじゃないか?
私は易々と殺されるのではないか?

……そんなこと考えてもしょうがない。

私は手紙を破り捨て、家に入った。

⏰:07/05/27 13:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#172 [オッズ]
―――――――――…

PM.11:50

12時まで後少し。

昨日は私の隣には優太が居た。

私はボーッとそんなことを考えていた。

心臓は物凄い勢いで脈打っていたが、頭は空っぽだった。

右手には包丁を持ち、左手にはネックレスを持つ。

大丈夫……。

リリーは道具をうまく使えない。
リリーは私に触れない。
私は殺されない。

⏰:07/05/27 13:57 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#173 [オッズ]
……あれ?

私はふと思い出した。

私と優太がリリーと戦ったとき……私、リリーに腕を叩かれなかったっけ?

叩かれた……。

なんで?!
私に触れないんだよね?

でもほんの一瞬触られただけだし。

どうなってるの?

その時、時計の針が12時をさした。

来る……。

私は自分の部屋のドアを見つめる。

⏰:07/05/27 14:02 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#174 [オッズ]
ガッシャーン!

ひどい騒音と共に、私の背後にあった窓が割れた。

ガラスの破片が飛び散る。

私は咄嗟に振り替えった。

「リリー……」

リリーは窓からするりと私の部屋に入ってきた。

リリーの外見は更に変貌していた。

人形だった部分が減り、人間の肌の部分が大半をしめている。

リリーは人間になろうとしてるんだ……。

⏰:07/05/27 14:10 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#175 [オッズ]
なんてグロテスクなんだろう。

『なんで私の名前……。……匂う……』

リリーはすぐにでも飛び掛かってきそうな姿勢だったが、ぴたりと動きを止めて呟いた。

匂う……?

『あの人の……匂いがする……あの人の……』

あの人ってキジのことだ。

リリーのガラスの瞳がキラリと光る。

『あんた……あの人に何をしたの?!』

「はっ?!」

⏰:07/05/27 14:24 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#176 [オッズ]
何言っちゃってるの?

私が言葉を発する間もなく、リリーが飛び掛かってきた。

「キャッ」

私は小さな悲鳴をあげて、ネックレスを守るようにリリーから背を向けた。

右腕に痛みがはしる。

思わず握っていた包丁を手放してしまった。

再び私は手を叩かれたのだ。

キジの嘘つき!

フツウに触られちゃってるんですけと!

⏰:07/05/27 14:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#177 [オッズ]
私は落としてしまった包丁を拾おうとしたが、リリーが先に拾い上げてしまった。

リリーは不器用そうに、包丁を両手で握る。

「ひゃぁ……」

恐怖で声が漏れてしまった。

『キャハハ!』

リリーが甲高い笑い声をあげる。
口が張り裂け、ボロボロと皮膚が剥がれ落ちた。

『あんたももう終わりよ』

リリーは囁くように言うと、私に襲い掛かった。

⏰:07/05/27 14:36 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#178 [オッズ]
もうダメだ。

もう助からないよ……。

お父さん、お母さん、優太、本当にごめんね。

こんなやつに殺されるなんて悔しい。

私はネックレスだけはしっかりと握り締め、かがみこんだ。

あんな女にネックレスは渡さない。

私は包丁でズタズタにされる覚悟をした。

「ニャア!」

私の悲鳴の代わりに、猫の唸り声が部屋中に響いた。

⏰:07/05/27 14:41 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#179 [オッズ]
私は顔をあげた。

一匹の真っ赤な猫がリリーに飛び掛かっていた。

リリーが慌てて包丁を振り回している。

「うそ……。トラ……?」

なんで……?
なんでトラがここに居るの?

包丁が猫の体を掠める。

トラの体から血が流れた。

「トラッ!!」

トラは私の呼び声に答えるかのように、叫び声をあげるとリリーを押し倒した。

⏰:07/05/27 14:49 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#180 [オッズ]
トラは『今だ』というように私の顔を見る。

私はリリーに向かって走りだした。

ガラスの破片が、グサグサと足の裏に突き刺さっていくが、気にしてなんかいられない。

『やめてぇー!!』

耳を塞ぎたくなるほどの絶叫。
リリーの目からは真っ赤な涙が流れている。


そして、
私はリリーの首にネックレスをかけた―――…。

⏰:07/05/27 14:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#181 [オッズ]
―――――――――…

気が付くと、私はトラを抱き締め、殺風景な部屋に座り込んでいた。

ここはキジの屋敷……。

私の頭は混乱していた。
どうしてまたここにいるのかもわからない。

「千鶴……よくやった」

いつのまにか、私の目の前にキジがいた。

切なそうな笑みを浮かべ、私の手からトラを受け取ると抱き上げる。

「まったく。君もむちゃなことをやるねぇ、ハインリッヒ?」

⏰:07/05/27 15:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#182 [オッズ]
キジの声音はとても優しく、心地よかった。


―――思い出した。

ネックレスをかけられたリリーは、崩れた。

皮膚が爛れ、乾燥しポロポロと床に零れる。

この世のものとは思えない悲鳴をあげていた。

それに、キジの名前を呼び続けてたんだ。

とても恐ろしい光景。

それから私は、怪我をしたトラを抱いて彷徨った。

私、帰ってこれたんだ……。

⏰:07/05/27 15:28 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#183 [オッズ]
安心感と疲労感が一気に込み上げてきて、
私は気を失ってしまった。

―――――――――…

次の日、私は清々しい朝を迎えた。

ガラスが刺さった足の裏が痛かったが、それが逆に誇らしく感じた。

「ねぇ、キジ!」

私は上機嫌でキジに話し掛けた。

「なあに?」

キジは欠伸をして、なかなか真面目に話を聞こうとしない。

⏰:07/05/27 15:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#184 [オッズ]
「もう!
約束はどうしたの?」

「約束ぅ?」

キジはけだるげに私を見つめた。

まさか本当に忘れてないわよね?

「キジ様、千鶴様のご家族を生き返らせてあげられるのでは?」

トラがゆったりとした足取りで部屋に入ってきた。

猫の姿ではなく人間の姿で。

「トラ!昨日はありがとう!怪我は?大丈夫?」

トラは微笑んだ。

「当然のことです。
怪我はご心配なく」

⏰:07/05/27 15:43 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#185 [オッズ]
爽やかなトラの笑顔に、私は思わず見とれてしまう。

「痛っ!」

キジが私の肩を思いっきりつかんだ。

「思い出した。
望みどおり、お前の家族を蘇らせてやる」

「本当に?」

キジが不満げな様子なので、私はめちゃくちゃ不安になってきた。

「あぁ、もちろん。
千鶴、ポケットの中を見てみろ」

ポケット?

私はごそごそとスカートのポケットの中を探った。

⏰:07/05/27 15:47 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#186 [オッズ]
「あ……」

ポケットの中から、お父さんの耳たぶとお母さんの薬指が出てきた。

「それから、これは君の弟だ」

キジは優太の小さな両手を持っている。

「なんであんたが持ってるの?!」

てゆーか、なんで私も耳たぶと指を持ってるの?

ポケットに入れた覚えはないのに……。

「細かいことは気にするな。さぁ、それを床に置くんだ」

⏰:07/05/27 15:53 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#187 [オッズ]
私は反論したい気持ちを押さえ、キジに従った。

キジも弟の両手を床に置く。

「トラ」

キジがトラを呼ぶと、トラは可愛らしいダックスフントを抱えてあらわれた。

「犬……?」

なんで犬なんて連れてくるの?

何に使うの?

「千鶴、黙っていろ」

キジが厳しい口調で言った。
一心に床を見つめ、集中しきっている。

⏰:07/05/27 16:02 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#188 [オッズ]
キジが静かに呪文のようなものを唱えだした。

今まで聞いたことないような言葉……。

しばらく唱え続けると、耳たぶたちに変化が訪れた。

だらしなく床に置かれていた耳たぶは、元気よく飛び跳ねだす。

指も起き上がり、くるくると回転しだした。

そして弟の両手は……なんと、ダックスフントの前脚があった場所にいた。

⏰:07/05/27 16:08 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#189 [オッズ]
つまり、ダックスフントの前足は、優太の両手になってしまったのだ。

顔も体も後ろ足も列記としたダックスフントなのに、前足だけは人間の子供の手。

なんとも不気味だ。

「ちょ……何?コレ」

「何って、お前の家族だろう?」

キジは悪戯な笑顔で、不気味な犬たちを眺めた。

マジ……?

その時、優太の前足を持った犬が吠えた。

⏰:07/05/27 16:16 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#190 [オッズ]
『ワン』と吠えたのではない。

いや、性格に言えば吠えたのではなく、喋ったのだ。

「お姉ちゃん!」

犬は私のまわりを走りながら、『お姉ちゃん』と言い続ける。

すごく走りずらそうだ。

犬に続いて、指と耳たぶも『千鶴』と言いだした。

キジが鼻で笑った。

「ほら、千鶴の望みどおり蘇らせてやったぞ。
外見は少しばかり変わったが、中身は以前と同じだ。
ちゃんと話もできる」

⏰:07/05/27 16:21 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#191 [オッズ]
信じらんないっ!

「キージー!ちゃんともとに戻してよ!」

私はキジを勢い良く殴ろうとしたが、簡単に避けられてしまった。

キジの笑い声が屋敷中に響き渡った。



―――――――――…
END
―――――――――…

⏰:07/05/27 16:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#192 [オッズ]

>>170-192

【Devils×Night】わ
これで終わりです(・ω・)
今まで読んでくださった方、
ありがとおございました

⏰:07/05/27 16:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#193 [奈菜]
これって続きとか
書いたりするんですか?

⏰:07/05/27 17:44 📱:W43H 🆔:HjoWSds.


#194 [オッズ]

奈菜さん
続きですか
書こうかとも思っていたんですが……微妙です
まだ未定な感じです

⏰:07/05/27 19:16 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#195 [奈菜]
そうですかー
 
とりあえず
お疲れ様でしたx
怖かったけど凄く
楽しかったです
主さん文才あるので
凄く読みやすかった
ですしっ印。~

⏰:07/05/27 20:28 📱:W43H 🆔:HjoWSds.


#196 [かナょ]
完結お疲れさまでぇす

⏰:07/05/27 22:47 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#197 [オッズ]

奈菜さん
ありがとおございます
そう言ってもらえて
本当に光栄です(´;ω;`)
相変わらず
文才はないですが……
続きを書いた時わ
是非読んでください

⏰:07/05/27 22:49 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#198 [オッズ]

かナょさん
今まで読んでくださって
本当にありがとお
ございました(・_・`)
かナょさんがたくさん
かきしてくださったので
すごく励みになりました
感謝してます

⏰:07/05/27 22:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#199 [かナょ]
励みやなんて
んまにお疲れさまです

⏰:07/05/27 23:02 📱:D902i 🆔:☆☆☆


#200 [あIナみ]
>>001-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200

⏰:07/05/28 02:18 📱:N903i 🆔:1cCT2fOA


#201 [オッズ]

かナょさん
すごく励みになったんですよ
こちらこそ
本当にありがとお
ございました(*´∀`)

⏰:07/05/28 21:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


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