【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男
最新 最初 全 
#66 [オッズ]
僕が女の子を追って駆け出すと、しぶしぶジェラルドも付いてきた。
走るのが得意な僕だったが、茂みの奥は鬱蒼とした草木ばかりで、すぐに足を取られてしまう。
ジェラルドは難なく、女の子に負けない軽やかな足取りで進んでいく。
しばらく走るとようやく森を抜け、小さな家の前に着いた。
女の子は安心した表情で、僕とジェラルドを家のなかに入れた。
:07/06/19 22:12
:N700i
:☆☆☆
#67 [オッズ]
「ここは私の家なの。
私の名前はキキよ」
女の子は微笑んだ。
髪と同じ藍色の瞳が僕らに問い掛けるように向けられている。
「ジェラルドだ」
ジェラルドは堂々と自慢げに名乗った。
僕はおどおどしてしまい、ジェラルドように格好よく言うことができなかった。
まあ、いつものことなのだが。
「ハンス……」
キキは、ジェラルドにも僕にも同様に笑いかけてくれた。
:07/06/19 22:17
:N700i
:☆☆☆
#68 [オッズ]
茂みの奥から現れた時とは全く違い、キキは生き生きとしていてより一層美しかった。
「ジェラにハンスね!」
キキはそう言いながら踊りだした。
ジェラルドのことをジェラと呼べるのは彼女だけなんじゃないかと思った。
僕はいつまでもキキが踊っている姿を見ていたかったが、ジェラルドはそうでもないらしい。
「おい、キキ」
「なあに?」
ジェラルドの不躾な質問も気にしていないようだ。
:07/06/19 22:22
:N700i
:☆☆☆
#69 [オッズ]
「さっき言ってたミロって誰だ?
死刑執行人とも言ってただろう?
それに、何故さっきの民家には人がいなかったんだ?
ひどい匂いもしやがった」
僕はふと気付いた。
「この辺りはあまり匂いがしないね」
キキは踊るのをやめ、目を伏せた。
とても悲しそうな顔をしている。
「あなたたちって旅人かなにか?この町のこと、何も知らないのね……」
:07/06/19 22:26
:N700i
:☆☆☆
#70 [オッズ]
僕とジェラルドは黙ったまま頷いた。
「さっき、あなたたちを見つけられて本当によかったわ。
何も知らない旅人が時々この町に迷い込むのよね。
だから私、見回りをしているのよ」
茂みで会ったときのように、キキは不安そうにしていた。
「何のために?」
ジェラルドは容赦なかった。
キキの体がぶるぶると震えだす。
:07/06/19 22:31
:N700i
:☆☆☆
#71 [オッズ]
「守るためよ。
ミロに……殺されないように……」
キキの声はひどく擦れていた。
僕はキキの声の調子から、それが真実であって深刻な問題であると理解できたが、いきなり『殺される』と言われてもピンとこなかった。
ジェラルドも訝しげに首を傾げている。
「殺されるのよ……。
さっきの家の人々はみんな殺されたか、仲間にされてしまった。
臭いのは死体の匂いだと思う……」
:07/06/19 22:36
:N700i
:☆☆☆
#72 [ふぅ]
:07/06/20 06:26
:SH903iTV
:mxquRokw
#73 [オッズ]
ふぅさん
いつもいつも
あげ
てくださって
本当にありがとおございます
すごく嬉しいです(´;ω;`)
:07/06/20 17:54
:N700i
:☆☆☆
#74 [オッズ]
それを聞いただけで吐きそうになった。
「それ、どういうこと?」
やっとの思いで僕はそう言った。
まさか、あの気分の悪くなる匂いが死体のものだなんて……。
そんなのありえるのか?
でも、キキが嘘をついているようには見えない。
僕は家の壁に血のようなものが付着していたのを思い出した。
「詳しく話せ」
:07/06/20 17:59
:N700i
:☆☆☆
#75 [オッズ]
ジェラルドの口調はわずかではあるが、弱々しくなっていた。
キキも吐きそうな顔をしている。
「話すわ……。
ある日、突然この町の外れにミロっていう男が引っ越してきたの」
ミロ……。
そいつがどんなやつなのかさっぱりわからないのに、僕は思わず身震いをした。
「それで?」
:07/06/20 18:02
:N700i
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194