俺とコウの物語
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#166 []
「…………」
いつ余計なお世話しましたか。
「厄介は…まぁ厄介ですが、今はその話したくありません。新鮮な朝なので」
「…ほな何の話題」
「必殺仕事人の」
それ新鮮な朝にピッタリの話題ですかね!?
:07/10/05 03:03 :SH901iS :☆☆☆
#167 []
「それも似たよーなもんやん!殺しの話題やん!」
「いいえ、彼らは人の恨みつらみを晴らしているだけです、世のためです」
「新鮮ちゃうやん。斬新やん」
「…志乃くん…」
コウは俺を見ながら呆れたようにため息をついた。
また嫌な予感…。
:07/10/05 03:05 :SH901iS :☆☆☆
#168 []
「いいですか、彼らは世のために仕事をしているんです。それが彼らの仕事なんです。麻生という霊とは全く違います比べものになりません。むしろ比べるのは失礼です、いいですか?彼らは…」
嫌な予感が的中した。
コウは俺に注意すると見せ掛け、仕事人の話を延々と語りだした。
:07/10/05 03:08 :SH901iS :☆☆☆
#169 []
15分経過したが、コウのトークはノンストップだ。
むしろ話に拍車がかかり、やや興奮気味。
あげくの果てには物真似をしだしてしまった。
「お前さんの恨み、晴らしてやったぜ」
「…………」
似てない。
俺は今日耳栓を買おう、と決心した。
:07/10/05 03:11 :SH901iS :☆☆☆
#170 []
学校へ行く間中も
ウザがる俺を全く気にせずにコウは延々と仕事人、中村さんの話題をしていた。
「…そこで藤田まことが敵の…」
はぁ…ウザイ。
俺は耳に手をあてながら学校への道を歩く。
「…志乃ぉ……」
:07/10/05 03:27 :SH901iS :☆☆☆
#171 []
耳に手をあてていた俺だがこの愛しい声は聞き逃さなかった。
「幸子!おはよう」
「…おはよ……」
俺の後ろから声をかけてきた幸子は、あからさまに暗い…いや、悲しい表情だった。
「どしてん?」
:07/10/05 03:29 :SH901iS :☆☆☆
#172 []
「…あのね……」
幸子は口を開こうとしない。
「幸子?どしたん?」
「………」
「幸子?」
「―で、ですね、その時藤田まことが…―志乃くん!聞いてますか?」
「やかましい!」
まだ仕事人の話しとんかいなコイツは。
:07/10/06 02:52 :SH901iS :☆☆☆
#173 []
「おや?幸子さんいたんですか」
お前がいたんですか、じゃ。
「…神谷くん…おはよ…」
「元気ないですね、どうしました?」
「う…ん……」
幸子は俯いたまま、俺の制服の裾を掴んだ。
:07/10/06 02:54 :SH901iS :☆☆☆
#174 []
「どした?話聞くで、二人になるか?」
俺は幸子ももちろん心配だが、コウから離れたくて仕方なかった。
「そうしましょう、あちらで話を聞きましょうか」
お前も来るんかい!!
:07/10/06 02:55 :SH901iS :☆☆☆
#175 []
「…うん…じゃあ…」
幸子は俺の裾を掴んだまま俺の後についてきた。
表情が暗い。
一体どうした…?
しばらく歩き、学校の近くにある公園のベンチに腰を降ろした。
「さて、聞きましょう」
余計なコイツも一緒に。
:07/10/06 02:57 :SH901iS :☆☆☆
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