黒蝶・蜜乙女
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#391 [向日葵]
でも今はとにかく放っておいてほしい。
私は、セツナにとってどんな存在か今麻痺をしていてわからなくなってしまった……。
ルキ[動物本能。]
ルキが言った通り、セツナはそれ目的で私に近付いたのかもしれない。
実際よくキスはしてきたし。
自分の生い立ちの事とかだって私を信じこませる為の嘘偽りかもしれない。
あの優しい目だって……
魅惑の言葉だって……
微笑みだって……。
:07/07/22 01:26 :SO903i :YGtAsc/E
#392 [向日葵]
瑞希さん
ありがとうございます
――――
――――
それが全部騙す為だったなら、セツナがいつも口にしていた通り、私は馬鹿だ。
枕シーツに顔を埋める。
どうしようもなくて叫びたい気分。
胸のもやもやが外れない。足が、手が、イライラして気持ち悪い。
ジタバタしたくなる。
『いい!今日は後の授業全部休んでやる!』
シャッ!
さっちゃん「なぁんだい?寝るんじゃないのか?」
:07/07/22 01:31 :SO903i :YGtAsc/E
#393 [向日葵]
蜜「今日は早退します!!」
さっちゃん「ったく。サボりか?」
蜜「そんな感じです。」
さっちゃん「後で後悔しても知らんぞ〜。ま、好きにしな。」
私は一礼をしてから保健室を出た。
それからさっちゃんの言葉を反芻(はんすう)していた。
さっちゃん[後悔しても…。]
『後悔なんかしない。』
:07/07/22 01:36 :SO903i :YGtAsc/E
#394 [向日葵]
これでいい……。
――――――
カチャン
家に着いた私は部屋へ直行した。
服を着替えてベッドに座ってからぼーっとする。
毎朝……ここにいたのになぁ……。
いつの間に手放せないくらい好きになっちゃったんだろう。
ジッと軽く開いた力ない掌を見つめる。
あの触れたくて触れた朝の日。やっと自覚出来たのに……。
:07/07/22 12:57 :SO903i :YGtAsc/E
#395 [向日葵]
セツナ[そうだな……。]
あんな事……言われちゃったら、私の気持ちどうなるのよ。
フワー……
そよ風がするんで顔をあげると、あの風さんがそこにはいた。
私の指を掴むと何処かへ連れて行こうとする。
蜜「ん?なぁに?」
階段を降りて連れていかれたのは庭だった。
風さんが指差した方には
蜜「あ……。」
セツナと同じ様な漆黒の羽をした蝶が、芝生の上に横たわっていた。
:07/07/22 13:05 :SO903i :YGtAsc/E
#396 [向日葵]
風さんはどうにかしてと泣きそうな顔で訴えかけてくる。
蜜「どうにか…って……。」
生きてるのそれ以前に。
両手で包む様に掬うと微かにプルッと震えた。
蜜「生きてますよ。寒いから弱ってるのかもですね。」
風さんに話かけると風さんは満足した様に飛び回る。
蝶々を温めるようにスカートの上に乗せて上から掌を被せる。
蜜「助けても…出会わなければ良かったかなぁ……。」
:07/07/22 13:19 :SO903i :YGtAsc/E
#397 [向日葵]
ホントはあの言葉を、真実を聞きたい。
自分が誤解してるのかもって……。信じたい。
でも続きが肯定であれば?
蜜「私は……セツナの中の私は存在意義が蜜乙女でしかないのかな……。」
するとフワッと蝶が宙に舞った。元気になったらしい。
少しそれを見てからまた視線を落とした。
蜜「そんなの……運命じゃないよね……?」
一陣の風が吹き抜ける。
:07/07/22 13:30 :SO903i :YGtAsc/E
#398 [向日葵]
「そんな訳ないだろ。」
後ろから声がした。驚いて後ろを向くとそこにいたのは、家の壁に寄りかかったセツナがいた。
蜜「いつ、の間に……。」
セツナ「お前の掌にいたけど?」
蜜「え?!」
さっきのあれがこれ?!
セツナ「風達に無理矢理に連れて来たんだ。ったく…こっちはやることあるって言うのに……。」
私はどうしようかと思った。今セツナと話したら…また泣いてしまいそう……。
:07/07/22 13:37 :SO903i :YGtAsc/E
#399 [向日葵]
1歩1歩、セツナから離れていく。
それに気付いたセツナはツカツカ距離を縮めた。
セツナ「頼むから、俺の話を聞いてくれないか。」
蜜「やだ…。」
セツナ「お前が思ってる様な内容じゃないと思うが?」
違う?……それは本当?
……でも聞かなければ、セツナはいつまでも私を追いかけてくる。
蜜「分かり……ました。聞きます……。」
セツナは私の手を優しく握った。
セツナ「おいで…。」
:07/07/22 13:43 :SO903i :YGtAsc/E
#400 [向日葵]
久しぶりの優しい甘い声。
いや、昨日ぶりだけど、長い事聞いてなかった気がする。
分かってる。私はもうセツナ依存症になってる。
あらがう事なんて一切出来ない。
黙ってセツナについて行き、庭へ出る窓のへりに座る。
セツナ「何が知りたい?」
蜜「とりあえず…私はやっぱり蜜乙女でしかないんですか?」
そこでセツナはフーッと息を吐いた。
:07/07/22 13:46 :SO903i :YGtAsc/E
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