黒蝶・蜜乙女―第2幕―
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#141 [向日葵]
セツナの大きな温かい両手が、私の顔を包む。
セツナ「俺だって……死ぬほど会いたかった……蜜……。」
瞼に唇が触れる。
セツナだ。
セツナなんだ……。
蜜「セツナ……。」
確かめる様に名前を呼んだ。
セツナが涙を親指で拭いてくれたお陰で、優しい微笑みが見える……。
セツナ「ん……?」
蜜「大好きです……。」
:07/08/19 03:45 :SO903i :NfUWlfOw
#142 [向日葵]
セツナはより一層優しく微笑む。
セツナ「俺もだ蜜……。」
ゆっくり目を瞑ると共に、セツナの唇がこれ以上ないほど押し付けられた。
私達の周りで、桜が混じった風が吹いた。
私はこれからも、側にいるセツナと運命を共にしていきます……。
:07/08/19 03:48 :SO903i :NfUWlfOw
#143 [向日葵]
――
終わり
――
:07/08/19 03:49 :SO903i :NfUWlfOw
#144 [向日葵]
:07/08/19 03:52 :SO903i :NfUWlfOw
#145 [向日葵]
黒蝶・蜜乙女
*スペシャルチャプター*
春です!
桜です!
お花見です!
という訳でパンパカパーン!今日はお花見大かーい!(って言ってもお弁当は一人分……。)
こんにちは!
私は本山蜜。もうすぐ専門学生。
入学式前の春休み。私達はお花見に向かう事にしました。
:07/08/23 00:58 :SO903i :KKHO/xOI
#146 [向日葵]
庭へ出るともう温かくなった陽射しが心地よくって、春眠暁を覚えずって言葉の意味がよく分かります。
私が背伸びをしていると、後ろに引力が。
蜜「わ!」
セツナ「準備出来たか?」
ご存知此方はセツナ。
私の……こ、恋人で、ついこの間、ようやく帰って参りました。
蜜「私はいいですけどラフィーユ達がお花摘みに行ってまだなんです。」
セツナの他に、この家には二名、一緒に住んでる人達がいます。
:07/08/23 01:03 :SO903i :KKHO/xOI
#147 [向日葵]
その人達は、また来た時に説明を。
私がラフィーユ達の帰ってくる姿があるか空を向いていると、体が180゚回転してセツナの方へ向いた。
大体は、予想がつく……。今から何が起こるかは……。
セツナ「いつまで経っても慣れないんだな。」
ククッと可笑しそうに笑うセツナに対し、私は視線を色々な方向へさ迷わせた。
そんな私を、セツナは顎をクイッと上に上げると、ゆっくりと顔を傾け唇を重ねた……。
:07/08/23 01:07 :SO903i :KKHO/xOI
#148 [向日葵]
まだこの段階はいいんだ……。問題は次。
蜜「――っ。ふぅ……っ!」
セツナの舌が、私の口内を荒らす。
朝から何やってんだとお思いのそこの貴方。
これは実は普通のくちづけではないんです。
セツナを含むその他二名は、人間じゃなく、黒蝶族と言う自然界でも頂点にいるなんだかファンタジーな世界の人間。
その人達には、“蜜乙女”と言う存在が稀にいて、私はその“蜜乙女”なのだ。
:07/08/23 01:11 :SO903i :KKHO/xOI
#149 [向日葵]
それと今のくちづけと何が関係あるかって?
この人達はつまり蝶々な訳で、自分の“蜜乙女”の“蜜”を主食とします。
もし、“蜜乙女”がいない場合には、花の蜜等を吸って生活しています。
最近気付いたのは、蜜じゃなくて、私達が食べる物を食べれると言う事だ。
……ちょっと失礼。大分息が限界です。
蜜「ちょ……っ、長い!!」
私は無理矢理セツナを引き剥がす。
でも足に力が入らず、結局はセツナに抱えてもらう形になった。
:07/08/23 01:15 :SO903i :KKHO/xOI
#150 [向日葵]
セツナに私から“蜜”を取るなと一回言った事があるけど、自分の運命の相手、つまり“蜜乙女”の“蜜”は、そこらの花よりも遥かに勝っていて、味は極上らしい。
蜜「蜜……吸い取る…の、に……どんだけ時間かか、って、んですか……。」
呼吸困難ながら必死に話す私を見ながらセツナは余裕で、愉快とでも言うようにニヤリと笑う。
セツナ「食事より愛のくちづけの方に時間を取ってしまったんだよ。相変わらず可愛らしいなお前は。」
この人はやったらサブい台詞を吐きなさる。
私も最初は呆気に取られっぱなしだった。
:07/08/23 01:21 :SO903i :KKHO/xOI
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