黒蝶・蜜乙女―第2幕―
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#151 [向日葵]
随分一緒にいても、この美貌とサブい台詞にはやっぱり慣れない。

台詞には免疫がほんの少しついたものの、この神々しく美しい顔は無理だ。

更に優しくなるともう私は逆らえない。
色気のある顔をされれば逃げられない。
この人は自分の使い道をよく分かっている。
だからこそ……困る。

セツナ「何を黙っている。いつもの事だろ?……それとも……。」

そして何よりのSっ気満載!

セツナ「足りなかったとか……?もっとって言いたいのか?蜜も大分こちらに免疫ついてきたのだな……。」

⏰:07/08/23 01:27 📱:SO903i 🆔:KKHO/xOI


#152 [向日葵]
ズビシッ!
堪えきれず脳天チョップ。

蜜「もーいいですからっ!……あ!」

空から二つの影が舞い降りて来た。

オウマ「いよ!待たせたな!」

ラフィーユ「オウマ、選ぶ、遅い。」

さてさて、この二人をやっと紹介できます。

まずは元気なオレンジ頭の男の子オウマ君。

私の護衛の為にお城建設をきっかけにこちらへ半住み込み。
実は、もう一人の薄青い長い髪の毛のクールビューティ、ラフィーユの事が好きなのです。

⏰:07/08/23 03:19 📱:SO903i 🆔:KKHO/xOI


#153 [向日葵]
ラフィーユは、オウマ君と昔からの知り合いで、喋り方の事からオウマ君が(友達として)大切なのです。

ちなみに料理が半端なく上手いです。
食べないくせに。

蜜「じゃー…いこっかぁ!お弁当持ってきますね。」

お弁当を持った私は、セツナに抱きかかえられて上空へ。
上から見た街は桜であちらこちらがピンク色だった。

私達が向かう場所は皆がお花見して一杯の所じゃなく、とっておきの場所なのです。

⏰:07/08/23 03:23 📱:SO903i 🆔:KKHO/xOI


#154 [向日葵]
それはセツナとの秘密の場所だったあの山の中にあるのです。

だったと言った訳は、前にラフィーユとオウマ君をいれてしまったから、秘密では無くなってしまった。

それをセツナに言ったらそれはそれは拗ねて……。
Sっ気全開で迫られて大変だったんですよそれは……。

しばらく飛んでいくと、久しぶりの山が見えてきた。

蜜「わ、わぁ!何これぇ!」

⏰:07/08/23 03:31 📱:SO903i 🆔:KKHO/xOI


#155 [向日葵]
春が到来した山は緑の割合がほぼ無いくらいピンク色で埋め尽されていた。

正にピンク山。

蜜「そんなにこの山桜の木が多かったんですか?」

セツナ「緑が張り切ったみたいだな。なんてったってアイツらにとったら春は祭だから。」

ちなみに何祭だろう……。

蜜「…ん?ならラフィーユ達はお花摘みに行かなくても良かったんではぁ〜?」

後ろに飛んでいるラフィーユ達に少し声のボリュームを上げて聞いてみる。

⏰:07/08/23 03:36 📱:SO903i 🆔:KKHO/xOI


#156 [向日葵]
するとオウマ君が一回転しながら私(と言うかセツナ)の隣に来て、ニカッと笑った。

オウマ「俺達が探してたのはぁ!酒の花ぁ!」

蜜「お酒の……花?そんなのあるんだ。」

“酒の花”とオウマ君が言った時に、セツナがピクリとしたのを私は気付かなかった。

蜜「それ、私も飲みた」

セツナ「却下。」

言葉を遮られた上に何故か即答で却下されたので私は数回瞬きしながらセツナを見た。

⏰:07/08/23 03:43 📱:SO903i 🆔:KKHO/xOI


#157 [向日葵]
***************

セツナは思い出していた。

あちらの世界にいる時に間違って飲んでしまった酒の花。

酔った蜜は甘え上戸、そして脱ぎ癖があった。

なのでセツナはなんとしてでも蜜が酒の花を飲むのを阻止しなければならなかった。

*****************

蜜「セツナ?何でです。」

私はセツナのそんな思いを知らず、私は聞いた。

⏰:07/08/23 03:56 📱:SO903i 🆔:KKHO/xOI


#158 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/08/23 03:57 📱:SO903i 🆔:KKHO/xOI


#159 [向日葵]
セツナ「……あまり気にするな。」

蜜「……。はぁ……。」

そして山の中へ降り立つ。色んな桜が満開だった。

蜜「じゃあお花見、開始しましょっかぁ!」

私はレジャーシートを桜の木の下に敷いてお弁当を出した。

それと共にオウマ君達は通称酒の花を出す。

それを何とか味見したくてセツナをじっと見てお許しを貰おうとする。

セツナ「駄目だったら駄目だ。」

⏰:07/08/26 00:35 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#160 [向日葵]
蜜「べぇー。セツナのケーチ。私だってもう大人なんだから!」

セツナ「未成年が威張って言うな。」

うっ……。
それを言われてはキツイ……。
でもお花見なんだから少しくらいいいじゃん……。

(※お酒は二十歳になってから。)

とりあえず乾杯をして、私はジュースを……。
あとの三人は酒の花を飲む。

そして私は自作のお弁当を食べながら桜を楽しむ。

⏰:07/08/26 00:38 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#161 [向日葵]
セツナ「蜜。桜の木の下には死体が埋まってるって本当か?」

蜜「あぁ。なんか言い伝え?みたいなのでありますよね。」

桜があんなにピンクなのは、死体の血を桜が吸い取ってるからだとは聞いた事あるけど……。

でもなんでそれをわざわざ今聞くかなぁ……。

蜜「せっかく美味しいご飯食べてるのに……。」

セツナ「蜜。俺の食事は?」

玉子焼きをパクッと食べて箸をくわえたままセツナを睨む。

⏰:07/08/26 00:43 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#162 [向日葵]
蜜「貴方、出てくる間際に沢山吸ったじゃありませんか。」

第一例え慣れたって言っても、オウマ君やラフィーユの前で濃厚なくちづけをするのは気が引ける。

でもこれん言ってしまえば、私が食事中だろうがなんだろうがどこかへ連れて行かれるに違いない。

なんてったってこの人は俺様節炸裂のミスター俺様なんだから……。

セツナ「ここまで飛んでくるのにエネルギーを消費した。だからいいだろ。しかもここまでお前を運んでやったんだぞ。」

⏰:07/08/26 00:48 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#163 [向日葵]
あー…出た出た。
これぞ生俺様節……。

呆れ果てながらセツナの言葉をチクワ耳で受け流していく。

蜜「私の意見は駄目で、自分の意見を通そうったってそうはいきませんからね!」

とだけ言って私はお弁当をまた食べ始めた。

オウマ「まぁまぁ!ケンカすんなって!」

その言葉にラフィーユが頷く。

別にケンカしてる訳じゃ……。

⏰:07/08/26 00:52 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#164 [向日葵]
すると隣のセツナからハァッと腹立たし気にため息が聞こえた。

珍しく諦めたらしい。

蜜「その花は、向こうから取ってきたの?」

ラフィーユ「意外、人間界、ある。」

あるんだ……。
ってか私は見たことない花ばっかりなんだけど……。

桜はそんな酒成分は入って無いのだろうか?

手を伸ばして桜の花を一千切りしてみる。

セツナが止めない所から、桜には成分無しと判断。

⏰:07/08/26 00:57 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#165 [向日葵]
吸ってみるとセツナ達の世界の花より蜜は不味かった。

蜜「ラフィーユ達は……こんなもの吸ってるの?」

オウマ「人間界のはちょって大人の味だからな。」

大人の味の度合いが分かんないけど……。
何気に私子供扱いされてるよね。

桜は却下して、また自分のお弁当を食べ始めた。

セツナ達は酒の花をすごいピッチで飲んでいく。
素朴な疑問で例えばこれで車を運転したとしたらやっぱり飲酒運転になるのかしら。

⏰:07/08/26 01:05 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#166 [向日葵]
――――
――――――……

オウマ「あれ?花無くなっちゃった。」

吸われた花の残骸がこんもりとなっている。
こんなに沢山酒を飲んだって言うのに、三人共ピンピンしている。

ラフィーユ「私、探し、行く。」

オウマ「それなら俺も行くわ!蜜達はここで待ってな。」

蜜「了解です。」

二人は立ち上がると、背中から光を放ち出して、瞬時に漆黒の羽を出した。

ピョンとジャンプしただけ遥か上空まで行ってしまって、しばらくすると見えなくなった。

⏰:07/08/26 01:11 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#167 [向日葵]
さてと、私は片付けでもしてそこら辺の桜でも堪能しようかな。

上を見れば桜のピンクと空の青が綺麗で満足。

蜜「はぁー…。綺麗だなぁー…。」

と上を見上げてたと思ったら、急にセツナのドアップ。

何が起きたか分からなくて数秒フリーズした後に瞬きを何回かする。

蜜「どうかしました?」

セツナ「いい加減限界……。」

限界?

「何が?」と聞く前に唇が重ねられた。

⏰:07/08/26 01:16 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#168 [向日葵]
私は直ぐ様セツナを引き剥がした。

蜜「ちょ!いきなり何やってんですか!!」

セツナ「くちづけ欠乏症だ。我慢してたんだから蜜も我慢しろ。」

はぁ?!

我慢って貴方!

あ……!もしかして。

蜜「セツナ……酔ってます?」

セツナ「んな訳ないだろ。」

そう言って、近くに座っていた桜の幹に体を押し付けられた。

⏰:07/08/26 01:19 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#169 [我輩は匿名である]
――――――――

一旦キリます

⏰:07/08/26 01:20 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#170 [我輩は匿名である]
唇がまた触れる瞬間……

蜜「――!!臭いっ!!」

またセツナを押し返してしまった。

セツナが口を開いた瞬間、お酒の匂いが漂ってきた。

蜜「お酒臭いですー。寄らないでください。」

眉間にシワを寄せて、セツナは何事かと言う目で私を見てくる。

すると……

ブニッ

蜜「んむっ!ちょ……っ、ん……っ!」

⏰:07/08/26 02:19 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#171 [我輩は匿名である]
――――――――

すいません、ちょっとですが眠いので今日はここまでにします

⏰:07/08/26 02:52 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#172 [向日葵]
↑途中から何故か名前が消えてますが、私です

⏰:07/08/26 13:40 📱:SO903i 🆔:85n.YW62


#173 [向日葵]
鼻をつままれて息を口で吸おうとした瞬間、セツナの口で塞がれた。
それと同時にセツナはつまんでいた鼻を離した。

息を十分に吸えなかった私はすぐ呼吸困難になった。

そして口の中にはセツナの吐息紛れにお酒の匂いが充満している。

限界だ!と胸辺りをドンドン叩いたつもりが力が入らなくて触れたくらいにしかならなかった。

それでも気付いたセツナは一旦口を離してくれる。

蜜「い……いいかげ……にして下さいよ……。」

⏰:07/09/02 20:01 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#174 [向日葵]
睨むけれどセツナはケロリとした顔で私を見下ろすだけ。

まるで何かしたか?
と問うような表情だ。


セツナ「焦らすお前が悪い。違うか?」

蜜「私は……悪く……な……。」

喋りたいのと息を吸いたいのとで言葉がおかしくなってしまう。

よく見れば自分はまだ幹に押しつけられたまま……。
まだ足りないと言う気だ。

⏰:07/09/02 20:04 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#175 [向日葵]
蜜「ど……退いて……下さい。」

セツナ「やだと言ったら?」

ニヤッと笑うセツナを横目に私は深呼吸した。
大分頭がはっきりしてきた。
よし。

押しつけられている手をゆっくりと剥がして立ち上がろうと試みたけど、足に力が全く入らなかった。

私が立ち上がる様をセツナは面白そうにただ見ている。

そこで私の意地でも立ってやると言う炎が燃え上がる。

⏰:07/09/02 20:08 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#176 [向日葵]
幹に手をついて気合いで立ち上がる。
足はまだフラフラしたままだけど……。

もう……ちょい……。
しかしなんでまだフラフラしてるのか分かんないなぁ。

なんとか立てた!
いよっしゃ!

得意気にセツナを見下ろそうとしたらセツナはもう既に立っててびっくりした。
そして逆に見下ろされる形になってしまった。

セツナ「立ってどうするつもりなんだ?」

蜜「桜を見て回るだけです。セツナはここにいてもいいんですよ?」

⏰:07/09/02 20:12 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#177 [向日葵]
セツナはまた意地悪そうにニヤッと笑うと私の手を繋ぎ自分の口元へ持ってきて手の甲に唇をつけた。

唇の感触に私は真っ赤になって余計に頭がクラクラしてしまう。

セツナ「行く所はどこでもお供するさ。花嫁殿よ。」
なんて返せばいいか分からず視線を泳がせていると、ククッと笑われた。

セツナ「ホントお前は可愛いな……。」

蜜「は、はぁ……。そりゃどうも……。」

口ごもって言った後、私達は手を繋いで仲良く桜が溢れる下を歩いて行った。

⏰:07/09/02 20:18 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#178 [向日葵]
―――――
―――――――……

暫くすると、オウマ君達が戻ってきた。

二人の両手には沢山の(多分)酒の花があった。

当然私は飲む事を許されていないので持ってきた水筒のお茶で我慢するしかない。

すると……

オウマ「なぁセツナ!あれ何だ?!」

あらぬ方を指さしたオウマ君につられて私とセツナはその方を見るも何も無い。
と、突然。

グイッ!

蜜「んんっ?」

⏰:07/09/02 20:22 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#179 [向日葵]
何かがトロリと口の中に入ってくる。
そしてお酒の香り。

オウマ君は私の口に酒の花を放りこんだのだ。

セツナ「オウマ、何も……。!!馬鹿!蜜!!」

そんなセツナの声を聞く前に、私は蜜をごくりと飲んでしまった。

あ……結構おいしー……。
・・・・・・・・・・・・・・

蜜を飲んで動かなくなった蜜を心配した一同はじっと蜜を見つめる。

セツナ「オウマ…。お前なんてことしてくれたんだ……。」

⏰:07/09/02 20:26 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#180 [向日葵]
オウマ「かったいこと言うなよ!宴会なんだぜ?!」

セツナ「お前は蜜が酒を飲んだらどうなるか知らないだろ!」

セツナが言い終わると同時に、ゆっくりと蜜が顔を上げる。

ラフィーユ「蜜?」

頬は紅潮し、口元には不適な笑み。
そして

蜜「セーヒュナァー!」

この甘え方。
蜜は酒に弱いのだ。
完全に酔っ払ってる。

蜜はセツナの首元に腕を巻き付けて子供の様にセツナに抱きつく。

⏰:07/09/02 20:30 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#181 [向日葵]
セツナは「分かったか?」とオウマにげんなりした視線を送ってからため息をついた。

ラフィーユは一度見た事があるのでオウマほど驚きはしないものの目が点になっていた。

そんな一同にお構いなく、寧ろ眼中になく出来上がった蜜は頭をセツナに甘えるように擦りつける。

オウマ「たった……あれだこで……?」

ハハッと半笑いで誰に聞いてるのでもなくオウマが呟いた。

⏰:07/09/02 20:40 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#182 [向日葵]
――――――――

キリます

⏰:07/09/02 20:40 📱:SO903i 🆔:T7pfKsTk


#183 [向日葵]
オウマが引いてるのもなんのその。
蜜は自分の服に手をかけ始めた。

それに気づいたセツナは急いで蜜の手を止める。

「なぁ〜にぃ〜セツュナァ〜。」

「馬鹿か。外だぞ。こんな所で脱ぐな!」

「暑いもぉん。いいでしょ〜?」

上目づかいで聞いてくる蜜に思わず負けそうになったセツナだが、ぐっと我慢して蜜を睨む。

「駄目ったら駄目だ!」

⏰:07/09/07 00:37 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#184 [向日葵]
少しキツめに叱ると、蜜の目に涙が溜った。

それを見たセツナは「あー……。」頭を抱える。

「ひどいよセツュナ……。あたち、暑いって言っただけなのにぃー!」

子供の様に「うわぁーん」と泣き出す蜜。
その変わりように思わず固まり、凝視するオウマとラフィーユ。
どうしたものかと悩むセツナ。

「セツナ……俺悪い事……したな……。」

バカっぽい声を出しながらオウマが呟いた。

「だから嫌だったんだ……。」

⏰:07/09/07 00:43 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#185 [向日葵]
ラフィーユに関してはもう無の境地なのか遠い目をしていた。

ひぐひぐとしゃっくりをしながら自分の涙を拭く蜜にセツナは聞いた。

「すまなかった。強く言い過ぎた。何でもしてやるから泣き止め。」

するとピタッと泣き止んで蜜は目を輝かせた。

「何でも?」

「あぁ。」

普通じゃあり得ないニヘェとした笑顔を見せた蜜は、更にあり得ない事を言った。

⏰:07/09/07 00:47 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#186 [向日葵]
「チュー!がいい!」

これには流石のセツナも頭の機能停止。

酔っ払っらっていると言う時限じゃない。
これは最早泥酔だ。

セツナはハァー……とため息を吐いて立ち上がる。

「少し、コイツの酔いを冷ましてくる……。」

二人はコクンと頷いて、桜並木の続く奥へと消えていく蜜とセツナを見送った。
・・・・・・・・・・・・・・・

蜜は未だアハアハと笑いながらセツナに引っ張られるまま歩いている。

⏰:07/09/07 00:52 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#187 [向日葵]
そしてまた言う。

「セツュナ?チューは?」

セツナは足を止める。

困ったものだ……。
酔っ払った蜜を相手にするのは苦手だ。
何せ理性が切れそうな言葉ばかり吐く。

止まって困っているセツナを蜜はトロンとした目で見上げる。
そしてまたニヘラァと笑う。

腕をキュッと掴んだと思うと、掴みながら「ねぇー!キスはぁぁ?」とせがんで来た。

⏰:07/09/07 00:55 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#188 [向日葵]
このキス魔が……っ!

何か諦めがついたセツナは少々乱暴に木に蜜を押し付けた。

蜜は自分から目を瞑ってセツナを待つ。
セツナはまたため息を吐くと軽く唇を触れた。

「満足か?」

「んー!やっ!!」

グイッと首に腕を回し、セツナの顔を近づけた蜜は足りないと言う様に深く唇を押し付けた。

くそっ……。人が優しくしてやれば……!

セツナは半分ヤケになりながら蜜に唇を押し付ける。

⏰:07/09/07 01:00 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#189 [向日葵]
行為はエスカレートして、蜜の口内をセツナの舌が荒らしていた。

何度も角度を変える度、蜜の切なそうな息遣いが聞こえた。

するといきなり蜜の体がカクンと崩れた。

やり過ぎたと思ったセツナは急いで唇を離して蜜を支える。
しかし心配は無用だった。

「スー…スー…。」

なんと…………寝た。

あぁこのパターンかとセツナはぐったりと疲労。

⏰:07/09/07 01:04 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#190 [向日葵]
「馬鹿もんが……。」

セツナは前の様に少し蜜の服のボタンを開けると、首に二ヶ所、鎖骨に三ヶ所赤い印を残した。

「俺を振り回した罰だ。軽いものだろ。」

蜜の寝顔に意地悪な笑顔を向けながらセツナは呟いた。

そんな事とは知らずに蜜は穏やかな顔をして気持ち良さそうに寝息をたてている。

また起きたら怒鳴られるんだろうなとククッと笑いながらセツナは蜜を抱き上げ、オウマ達の元へと向かった。

⏰:07/09/07 01:09 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#191 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・

「おーセツナァ……ってえぇ?寝ちゃった訳?」

セツナの腕で寝ている蜜を見ながらオウマは言った。セツナはそのまま座り、蜜を寝かせたままにする。

「まだこの方が都合がいい。脱がれたら厄介だ。」

「まぁな……見た所でセツナにボコボコにされそうだし……。」

そう言いながらオウマは酒の花を一口飲んだ。
そこでラフィーユはセツナに質問をした。

「セツナ。将来蜜、どうする?」

「あぁ……そうだな……。」

⏰:07/09/07 01:16 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#192 [向日葵]
あっちの世界で暮らすには蜜には不便だろうとセツナは考えていた。

ならば自分がこちらに来て、たまにあちらへ帰ったらどうだろうと考えてる。

出来れば蜜を一人にはしたくない。
随分と長い間あの家で、自分達がいるものの一人ぼっちを味わっている。

両親には未だに会った事は無い。
祖父母は一年にニ、三度帰ってくるらしい。

「まぁ、どうにかなるだろう。」

「じゃあ挙式は?」

⏰:07/09/07 01:20 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#193 [向日葵]
「まぁその内。」

「こっち?あっち?」

「多分こちらだろうな。」
するとオウマはすくっと立った。

「大体プロポーズとかした訳?」

何故か威張りながら見下ろすオウマにセツナは眉を寄せた。

「必要か?これだけ一緒にいるのに。」

ここにはラフィーユが突っ込んだ。

「蜜、気持ち伝えてくれるの、好き。ならば言う、当たり前。」

⏰:07/09/07 01:24 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#194 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/09/07 01:24 📱:SO903i 🆔:gYOPUeU2


#195 [向日葵]
二人からの口攻撃に眉を更に寄せるセツナ。
二人はじーっとセツナを見てくる。

「ってか何でお前らに応援されてんだ俺は。」

「セツナって器用そうで不器用だし。」

オウマの言葉にラフィーユも頷く。

まだくっついてもないコイツらに言われるのはなんだか違う気がするとセツナは納得いかない気がした。

⏰:07/09/15 17:37 📱:SO903i 🆔:5.lsk.LE


#196 [向日葵]
「くしゅっ。」

その時、セツナの腕の中で眠っている蜜がくしゃみをした。

「春、言えど夕方、寒い。そろそろ、帰る。」

気づけば空が茜色になり始めていた。
蜜は暖を求めているのかセツナにすり寄る。

そんな蜜を見てそっとセツナは微笑んだ。

適当にオウマとラフィーユで周りを片づけて、桜が咲き誇る山を四人は後にした。

―――――……

「ん……んー?」

あれ?いつの間に寝てたの私。

⏰:07/09/15 17:42 📱:SO903i 🆔:5.lsk.LE


#197 [向日葵]
ってか山じゃない。
完璧コレは家の中だよね。

「何が……どうなって?」

「起きたか。」

近くで声がするので首を動かすと、椅子にセツナが座ってこちらを見ていた。

体を起こして時計を見る。

「七時……?」

お花見は……。
あの桜だらけの山々は……。

「なぁーんでぇぇ?!」

⏰:07/09/15 17:50 📱:SO903i 🆔:5.lsk.LE


#198 [向日葵]
頭を抱えて記憶を辿るもオウマ君に酒の花を飲まされた所までしか分からない。

どうやって帰って来たとか、何で眠ったとか全然分からない。

「ねぇセツナ。なん―――――っ。」

言葉を失う。

何故ならセツナの顔がすぐそこにあって、私を囲うみたいに手をベッドについてるからだ。

いつになく真剣なセツナの目に、思わずポーッと頭が働かなくなる。

「セツ……ナ……?」

⏰:07/09/15 17:56 📱:SO903i 🆔:5.lsk.LE


#199 [向日葵]
名前を呼ぶと、セツナの顔が更に近くになる。
もう鼻が当たりそう……。

「なぁ蜜よ……。」

「……何、ですか……?」

セツナの片手が、私の片手を掴んでセツナの頬に触れる。

「俺はお前が好きだ。ずっと……これからも……。」

ドキドキ胸が高鳴る。
いつも言われる事だけど、やっぱり言われると嬉しい。

私は黙ってセツナの言葉の続きを待つ。

⏰:07/09/15 18:03 📱:SO903i 🆔:5.lsk.LE


#200 [向日葵]
セツナは私の目を見て私を伺っている。
私が待っていると分かったのか、セツナが次の言葉を発した。

「結婚して欲しいんだ……。俺と……。」

周りの音が無くなった。

まるで私とセツナ二人だけみたい。

今なんて?結婚?

「ハ……ハハハッ。」

現実に戻ってこれたかと思ったら、なんだか笑えてしまった。

笑う私にセツナは怒った顔をする。

⏰:07/09/15 18:07 📱:SO903i 🆔:5.lsk.LE


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