―温―
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#401 [向日葵]
―――――――

今日はここまでにします

⏰:07/09/17 02:39 📱:SO903i 🆔:3VM2u4cU


#402 [向日葵]
「何の用だよ。」

{……そんなの関係あるわけ?お前に。}

受話器を握る手に力が入る。
香月はそんな俺に構わず続ける。

{お前は紅葉を妹ぐらいにしか思ってないんだろ?ならいいんじゃないのか。紅葉が誰とつるもうと。}

「……っ。」

ガチャン!

図星を付かれて、いらだち任せに受話器を置いた。

頭をグシャグシャとかきまわす。
そういえば風呂、まだだった。

⏰:07/09/18 01:28 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#403 [向日葵]
双葉が来るなら、清潔の方がいいだろう。

リビングを出る前、ベランダで空を見上げる紅葉に一回視線を向けて、俺は風呂場へ向かった。

*****************

はぁ……。ちょっと外に出て来ようかな。
……いや今外だけど。
花壇の水やりにでも行ってこようかな。

「こんにちわ。」

「ん?」

下から声がしたから、下を見ると、長い黒髪を風に遊ばせながら彼女さんがにこにこ笑っていた。

⏰:07/09/18 01:35 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#404 [向日葵]
「こん……にちわ。開いてると思いますよ。」

彼女はもう一度にこっと笑って家へと入って行った。
とうとう来たか……。
やっぱり花壇に行って来よう……。

私はベランダからリビングに出て、階段を降りた。
玄関のドアに手をかけた。
「あれ?紅葉。どこ行くの?」

フゥー……と息を吐いて後ろを向くと、静流が上半身裸のびしょ濡れでいた。

最早約束を忘れてる。
何だっつーの……。

⏰:07/09/18 01:42 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#405 [向日葵]
私は静流を無視して外へ出た。

日差しがもうすっかり暑い。
静流の家に引き取られてどれくらい経つんだろう。

夏は嫌い。早く冬が来ればいい。そしたら逃げ場所のベランダに出るのはちょっと辛くなるかも。

「……その時はその時よね……。」

いつものじょうろを持って水を貯める。
ぼーっと水が貯まるのを見ていると、急に涼しくなった。

あぁ雲で太陽が隠れたんだと思ってたら、今度は目の前が真っ暗になった。

⏰:07/09/18 01:51 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#406 [向日葵]
「だぁ〜れだ!」

「はぁっ?!誰よ!」

そう言うと視界が明るくなって、目を覆ってたのが手だと分かった。

そして逆に香月さんが現れた。

「?!」

「よっ!数時間ぶり!」

水を一旦止めて、立ち上がって香月さんとの距離を取った。
まだあの言葉に戸惑いを隠せない。

「フゥ…。警戒しないでよ。力づくでとか思ってないし。」

と香月さんは微笑んだ。

⏰:07/09/18 01:57 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#407 [向日葵]
力づく……。

そう言われてさっきの静流とのキスを思い出してしまった。
忘れる為に、また口をゴシゴシ拭く。

「え?何?どうかしたか?」

急な私の行動にびっくりした香月さんは私の手を止めた。

「……あれ?手当て、しなくていいの?」

香月さんの指が私の頬にある傷近くを撫でる。

思わずビクッとしてしまって、顔が赤くなる。

⏰:07/09/18 02:03 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#408 [向日葵]
「クスクス……。やっぱ可愛いわ紅葉。」

「……っ。」

「おいで。水やりは後。俺がしてあげるよ。」

と私の手を引いて、まるで自分の家みたいに家に入り「おじゃましまーす!」と元気よく挨拶すると階段を駆け上がった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「じゃ消毒からしよっか。」

消毒液をティッシュに二、三回吹きかけてから私の顔や手、足の傷をトントンと拭いていく。

⏰:07/09/18 02:07 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#409 [向日葵]
さっき乱暴にガーゼやらを剥がしたから少し傷が開いたのか、消毒液が傷に当たる度に痛みが走る。

そんな私を気づかってか、拭く強さを優しくしてくれた。

それからは丁寧に包帯を巻いてくれたりバンソーコーを貼ってくれたりした。

「……ありがとう。」

「どーいたしまして!さて、水やりしに行く?」

「もーいい。」

出たり入ったりすんのもうめんどくさい。

「気分は?」

「え?」

⏰:07/09/18 02:15 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


#410 [向日葵]
そりゃ頗る悪いけど。

内面的にも。
体的にも……。

「あんまり食事出来ないのにケーキあんだけ食べちゃっただろ?」

「あぁ……。別にどうもない。そんな事吹き飛ばす事があったし。」

最後は小声だ。
なので香月さんの耳には届いてない……筈。

「そっか。」と言って救急箱を元に戻す香月さん。
そしてまた私の隣に来て座った。

そういえば……。

「何しに来たの?」

⏰:07/09/18 02:19 📱:SO903i 🆔:EPqLf0/I


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