〜運命のヒト(2)〜
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#271 [りく☆]
『開けるぞ…』
ドアノブにそっと手を置いたオレが、2人の目を見て言った。滝沢だけが頷き、祥子はただ黙ってドアを見ていた。もしかしたら部屋の中から卓也の声が聞こえるかもしれない……そんな希望を抱きながら。
:08/08/22 15:57
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#272 [りく☆]
ゆっくりとドアを開けた。少しずつ広がるドアと壁の隙間からは、廊下よりもやや暖かい風が通ってきた。どぉやら病室の窓が開いているらしい。
隙間が段々と大きくなり、病室の姿がわかってきた。病室はホテルのシングルルームみたいになっており、ドアの前には部屋まで続く短い廊下があった。
:08/08/22 15:58
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#273 [りく☆]
その廊下の脇には、洗面所へと続く扉があった。
ゆっくりと廊下を歩き進んで行くと、ベットのある部屋が見えてくる。タブルベットとまではいかないが、普通の病室のベットよりかは少し大きめなベットが部屋の奥に置いてあった。
:08/08/22 15:59
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#274 [りく☆]
そしてその脇には、面会者用のソファーが並べてある。後は見やすい位置に置かれたテレビや、衣類をまとめるクローゼット、冷蔵庫などが置いてあった。
『病室にしちゃぁ豪華だな…』
部屋を見渡した滝沢は思わず言葉をもらした。
:08/08/22 15:59
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#275 [りく☆]
『卓也のことだからな……1番いい部屋じゃねぇのか?』
呆気にとられながら滝沢の言葉にオレが答える。
2人して呆気にてられていた。それは病室が豪華だからではない…。
:08/08/22 16:00
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#276 [りく☆]
お互い何を言っていいか分からず、とりあえずくだらない会話をしたのだ。
立ち尽くしたオレ達を見て、ドアの前にいた祥子が慌てて駆け寄ってきた。
『卓也は?』
慌ただしく言う祥子の顔を見ながら、オレ達はベットを指差し言った。
:08/08/22 16:00
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#277 [りく☆]
『もぉ……卓也いないぜ。』
ベットの上の布団は綺麗に畳まれ、誰もそこにはいなかった。
『何で…いないの?』
オレ達3人は、誰もいないベットをただ呆然と見ていた。
:08/08/22 16:02
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#278 [りく☆]
『病室で待ってなきゃダメって言ったでしょ』
廊下から女の人らしき声が聞こえた。どうやら患者さんに何か言っているらしい。
『尚美さん来るの遅いからさ、迎えに行ったんだよ♪』
:08/08/22 16:45
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#279 [りく☆]
この声が聞こえたと同時にオレ達は振り返った。廊下では看護婦と患者のやりとりが見えた。
『病人は動いちゃダメ。』
『だってぇ…尚美さんが来ないと寂しいんだもん』
甘える口調で患者が答えていた。
:08/08/22 16:45
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#280 [りく☆]
もはやかける言葉さえ見つからない。
…あのバカが
『人が心配している間に何やってるんだよ!!』
滝沢が話しかけたのと同時に2人が振り向いた。笑顔でこっちを見つめる看護婦と、驚いた顔をした患者…卓也の顔がはっきりと見える。
:08/08/22 16:46
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