〜運命のヒト(2)〜
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#313 [りく☆]
『一つ訂正があります。』
『訂正?』
オレ達は同時に首を傾げ聞き返した。
『りくさん達は、今日私があなた方を呼んだと言っておりましたが……違うのです。
:08/08/25 23:33
:SH903i
:KFcVEDsQ
#314 [りく☆]
この件は坊ちゃんからのお願いでした。
みんなに会いたい……というお願いだったのです。
昔から弱みを人に…特に私には見せたがらない坊ちゃんが、初めて見せた姿でした。』
ジィは一気に吐き出すかの様に早口でオレ達に訴えた。そして俯いた顔を上げ、オレ達に目線を向ける。
:08/08/25 23:34
:SH903i
:KFcVEDsQ
#315 [りく☆]
『あんな姿を見せられたら……授業の途中と分かっていても、車を学校へと走らせてしまいました。申し訳ありません…。
ですがお願いです。
いろいろと忙しい時期ではありますが』
『いいよ言わなくて♪』
滝沢が笑いながらジィに言う。
:08/08/25 23:35
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:KFcVEDsQ
#316 [りく☆]
『別にジィが頭下げなくてもオレ達は勝手に卓也に会いに行くよ。』
『私たちが行かないと、あいつ看護婦さんにセクハラで訴えたられちゃうからね』
オレと祥子も滝沢に続くようにジィに言った。
:08/08/25 23:35
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:KFcVEDsQ
#317 [りく☆]
ジィはオレ達の言葉を聞き、一瞬固まった。そして重い口を開いた。
『坊ちゃんは……本当に良い友達をお持ちになった。』
初めてオレ達はジィの涙を見た。そのジィの姿は、オレ達の目に焼き付きしばらく離れなかった。
:08/08/25 23:37
:SH903i
:KFcVEDsQ
#318 [りく☆]
『だから……大丈夫だって。もぉいないから』
今はいないチロの存在にびびっている祥子に、オレは半ば呆れていた。
ジィとあれから別れたオレ達は、無言のまま家に入ったが、祥子の叫び声でその沈黙は破れた。
:08/08/26 16:05
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#319 [りく☆]
まだチロがいると思っていた祥子は、オレの家に入った途端にチロの存在を思い出したのか、急にビビりだしたのだ。
『りく……お前犬飼っていたのか?』
『あぁ…昔少しだけな。
祥子、もぉ家にはいないからそぉ険しい顔するなよ。』
:08/08/26 16:06
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#320 [りく☆]
未だにソファーに座れずにいる祥子を見ながら、オレと滝沢は言葉を交わした。
『本当にいない?』
まだ疑う祥子は滝沢に任せ、オレはキッチンに行くことにした。今日はいろいろと大変だったためか、体が異様に疲れている。そんな疲れを癒す為に、オレはひたすら冷えたお茶を飲んでいた。
:08/08/26 16:07
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:8upHLEKc
#321 [りく☆]
滝沢と屋上で話した事…卓也の病気の事などが、喉を潤すと共に頭に浮かんできた。
『りく!!何やってんだ、早く来いよ。』
滝沢の声に我に返ったオレは、2人のお茶も用意して彼らがまつテーブルへと向かった。
:08/08/26 16:07
:SH903i
:8upHLEKc
#322 [りく☆]
お茶を渡し、椅子に座ると早速祥子が口を開いた。
『車の中で勇貴が言ってたことって何?』
オレは滝沢に目線をやった。彼は黙ったままオレを見ている。
お前なら話せる……そぉ滝沢に背中を押された気がした。
:08/08/26 16:08
:SH903i
:8upHLEKc
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