〜運命のヒト(2)〜
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#273 [りく☆]
その廊下の脇には、洗面所へと続く扉があった。
ゆっくりと廊下を歩き進んで行くと、ベットのある部屋が見えてくる。タブルベットとまではいかないが、普通の病室のベットよりかは少し大きめなベットが部屋の奥に置いてあった。
:08/08/22 15:59 :SH903i :XTS191aU
#274 [りく☆]
そしてその脇には、面会者用のソファーが並べてある。後は見やすい位置に置かれたテレビや、衣類をまとめるクローゼット、冷蔵庫などが置いてあった。
『病室にしちゃぁ豪華だな…』
部屋を見渡した滝沢は思わず言葉をもらした。
:08/08/22 15:59 :SH903i :XTS191aU
#275 [りく☆]
『卓也のことだからな……1番いい部屋じゃねぇのか?』
呆気にとられながら滝沢の言葉にオレが答える。
2人して呆気にてられていた。それは病室が豪華だからではない…。
:08/08/22 16:00 :SH903i :XTS191aU
#276 [りく☆]
お互い何を言っていいか分からず、とりあえずくだらない会話をしたのだ。
立ち尽くしたオレ達を見て、ドアの前にいた祥子が慌てて駆け寄ってきた。
『卓也は?』
慌ただしく言う祥子の顔を見ながら、オレ達はベットを指差し言った。
:08/08/22 16:00 :SH903i :XTS191aU
#277 [りく☆]
『もぉ……卓也いないぜ。』
ベットの上の布団は綺麗に畳まれ、誰もそこにはいなかった。
『何で…いないの?』
オレ達3人は、誰もいないベットをただ呆然と見ていた。
:08/08/22 16:02 :SH903i :XTS191aU
#278 [りく☆]
『病室で待ってなきゃダメって言ったでしょ』
廊下から女の人らしき声が聞こえた。どうやら患者さんに何か言っているらしい。
『尚美さん来るの遅いからさ、迎えに行ったんだよ♪』
:08/08/22 16:45 :SH903i :XTS191aU
#279 [りく☆]
この声が聞こえたと同時にオレ達は振り返った。廊下では看護婦と患者のやりとりが見えた。
『病人は動いちゃダメ。』
『だってぇ…尚美さんが来ないと寂しいんだもん』
甘える口調で患者が答えていた。
:08/08/22 16:45 :SH903i :XTS191aU
#280 [りく☆]
もはやかける言葉さえ見つからない。
…あのバカが
『人が心配している間に何やってるんだよ!!』
滝沢が話しかけたのと同時に2人が振り向いた。笑顔でこっちを見つめる看護婦と、驚いた顔をした患者…卓也の顔がはっきりと見える。
:08/08/22 16:46 :SH903i :XTS191aU
#281 [りく☆]
『滝沢!!それに…祥子とりくも!!
お前ら来てたのか♪』
驚きを隠せない卓也がオレ達に話しかけてきた。看護婦は面会客が来たことを察し、部屋から少し離れた。
『お前がナース追っかけてる間に来たんだよ。まぁお邪魔の様なら帰るけど』
:08/08/22 16:46 :SH903i :XTS191aU
#282 [りく☆]
素っ気ない口調で滝沢が言う。祥子はあれだけ心配していたため、拍子抜けしていた。
『そんなこと言うなよ…。今から診察があるだけだって。すぐ終わるからソファーに座って待ってろよ♪』
:08/08/22 16:47 :SH903i :XTS191aU
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