〜運命のヒト(2)〜
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#67 [りく☆]
悲しいのか…
嬉しいのか…
わからないが、ただ涙が止まらず流れてくる。
オレは状況を理解できないまましばらくその場にうずくまった。
誰もいない草原に…
結衣がいるなんて、考えられない……しかし、明らかにあの声、温もりは結衣だった
:07/10/10 00:22
:SH903i
:erFTPL5c
#68 [りく☆]
「りく…」
また…かすれるような声が聞こえた。
オレはたまらず、立ち上がり辺りを見渡す。
『結衣なのか!?』
どんなに目をこらしても、辺りは霧に包まれており、草原が少し見えるくらいだった。あとは目の前にある樹木…
:07/10/10 00:29
:SH903i
:erFTPL5c
#69 [りく☆]
もし…ありえないかもしれないが…この場に結衣がいる気がした。
だが、彼女はあの日あの事故でこの世からいなくなったのだ…
『結…衣』
片手で顔の涙を拭いながら、もう片方の手で樹木によらかかった。
…いるなら、少しでいい
…会いたい
そう願いながら…
:07/10/10 00:36
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:erFTPL5c
#70 [りく☆]
突然だった。
辺りの霧がさらに深くなり、もはや周りがほとんど見えなくなった。今触れている樹木くらいしか見えない。
そんな樹木を……桜を見上げたときだった。
桜の花びらが、優しく桜色に輝いたのだ。そんな光りにオレは優しく包まれていた。
:07/10/10 00:39
:SH903i
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#71 [りく☆]
やがて光りの優しさは…懐かしい温もりへと変わり始めた。
そう……結衣の温もりに
オレは目を閉じて、ただその優しさに包まれているだけだった。
まるで後ろから抱き着かれているかのような感じだった…
見えてるわけでもなく、はっきり抱き着かれているわけでもない。
ただ感覚でそう思えた。
:07/10/10 00:43
:SH903i
:erFTPL5c
#72 [りく☆]
樹木から手を離したら…目を開いたら…この感覚から放たれそうな気がして、オレはそのまま静止している。
『結衣……ゴメン。
オレのせいで結衣は……』
死んでしまった。
謝れるなら謝りたかった。謝ってすむわけではないが、せめて本人に言いたかった一言だった
:07/10/10 00:49
:SH903i
:erFTPL5c
#73 [りく☆]
『いろいろ悩ませちゃってゴメンな…』
『振り回してゴメンな…』
『結衣の気持ちに…すぐ応えてやれなくてゴメンな』
『優希のこと…黙っててゴメンな』
『幸せにしてやれなくて……本当にゴメン』
…ゴメン結衣
…今のオレは、泣くことしかできないんだ
瞳から流れた涙が樹木に落ちていった
:07/10/10 00:53
:SH903i
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#74 [りく☆]
『結衣……』
泣きながら名前を呼んだ……しかし何も返事はこない。
『何か言ってくれよ!!
恨んでるなら……憎んでるんなら……こんな男を愛したことを後悔しているならそう言ってくれ!!』
思わず感情をむきだしに叫んでしまった。そして、樹木から手を離し目を開く……辺りを見渡すが何も変わらない
:07/10/10 00:58
:SH903i
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#75 [りく☆]
感情的になっているオレの肩に、何かがのった。
『花びら!?』
綺麗な樹木の桜の花びらだった。見上げると物凄い勢いで桜が散っている。
『何も言わずに…いなくなるのか?』
桜が全て散ってしまったら…何もかも消えてしまう気がした
:07/10/10 01:02
:SH903i
:erFTPL5c
#76 [りく☆]
桜の花びらは勢いよく散っていき…
ついに最後の一枚が散った…
オレはその最後の一枚の花びらをしっかりと手でつかみ取った。
『おまじない…
結衣の言ってたおまじない…
桜の花びらの最後の一枚が散るときに、願いごとをしたら叶うっていったよな…
覚えてるか?』
花びらをにぎりしめながら誰もいない草原で訴えた。
『結衣…会いたい』
オレが桜の花びらにこめた願いだった
:07/10/10 01:08
:SH903i
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